浦田勝の発言 (災害対策特別委員会)
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○浦田勝君 報告に先立ち、今回の震災により犠牲となられました方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災者の皆様方に心からお見舞いを申し上げます。
去る二十六日及び二十七日の両日、陣内委員長、清水理事、中尾理事、横尾委員、江本委員、上田委員及び私浦田の七名は、平成七年兵庫県南部地震による被害状況等の実情調査を行いましたので、その概要を御報告いたします。
なお、本岡、矢原両議員が現地参加されました。
去る十七日午前五時四十六分ごろ、淡路島の北部を震源とするマグニチュード七・二の地震が発生し、神戸、洲本においては震度六、京都、彦根、豊岡においては震度五を記録したのであります。
この地震による被害は、一月二十五日現在、死者五千六十三人、負傷者二万六千五百九人を初め、家屋やビルの倒壊、鉄道、高速道路、港湾等の損壊、電気、ガス、水道、電話等いわゆるライフラインの寸断、また地震後に発生した火事による家屋等の焼失など想像を絶するものとなり、神戸市、芦屋市、西宮市、淡路島等を中心に壊滅的被害を出したのであります。二十五日現在、十一市七町に災害救助法が適用されているところであります。
私たち調査団は、まず自衛隊の協力を得て、上空から兵庫県の大阪湾沿い及び淡路島の北部を中心に視察いたしましたが、芦屋市、神戸市などでは、ブロックごとにかなり広範囲に焼失している様子が目の前に広がり、大きな衝撃を受けたのであります。神戸市の焼失面積は約百ヘクタールとお聞きいたしました。また、どこを飛んでも眼下には青色のシートが屋根を覆っているさまが見られ、損壊家屋の多さをうかがい知ることができました。
次に、視察箇所を順次御報告いたします。
まず、ポートアイランドの港湾施設を視察いたしました。
バースに立って見ましたが、岸壁が海側へせり出すとともに、後ろのエプロンゾーンが大きく陥没し、部分的にはニメートルにも及んでいました。また、大型クレーンもレール部分が海側へずれたためまた割き状態となり、使用不能となっておりました。これらのため荷さばきができず、コンテナバースとしては機能し得ない状況でありました。
そのためコンテナ置き場には輸出用の貨物が大量に滞留しておりましたが、神戸港ではコンテナ貨物を年間四千万トン、個数にして二百六十万個を扱っており、我が国の経済活動を支える上で大きな役割を果たしているところでありまして、復旧対策が急がれるのであります。
次に神戸市立西市民病院を視察いたしました。
今回大きな被害を受けた本館は、築二十五年の建物でありますが、もともと五階建てのものを七階建てに増築したものだそうであります。外見上は五階部分がつぶされ、あたかも六階建ての建物のようになっておりました。
地震発生の際、五階部分には入院患者四十五人と看護婦三人が取り残されましたが、その後自衛隊の救援により、ファイバースコープを駆使するなど懸命の救助活動が行われ、三十六時間後には救助活動は完了しましたが、残念ながら一名は亡くなられたとのことでありました。
現在は外来診療のみを行っておりますが、それでも水や医薬品の確保に苦労する始末で、満足な医療活動ができない状況とのことでありました。そのため医師、看護婦多数を西神戸医療センターに派遣し、医療活動に当たっているとのことでありました。
次に淡路島に参りました。金島で死者五十六人、負傷者千八十九人とその他甚大な被害を出しております。
まず、津名郡一宮町に参りました。
一宮町の被害は、死者十人、負傷者百五十一人、家屋については、全壊四百九十五戸、半壊七百八十二戸を含め、全家屋の九五%が何らかの被害を受け、その他道路、ため池、養殖ノリ加工場等に相当の被害を出し、まさに空爆を受けたようだと言われておりました。
現在、復旧作業は、自衛隊、民間団体、建設業者の応援を得て進めているものの、相当長期間を要するものと思われます。
また、私たちが訪れました町立尾崎小学校の体育館は、町内六カ所の避難場所のうちの一カ所であり、現在百名ほどの方が避難されているとのことでありましたが、日中のことでもあり、仕事や家屋の片づけ、あるいは自衛隊の作業の立ち会いなどで出かけられており、残っておられる方はわずかでありましたが、地震に対するお見舞いと、連日の避難生活に対してお慰めと激励を申し上げたところであります。
なお、今後の対策として、仮設住宅建設、住宅復旧資金低利融資、道路及びため池の早期復旧について要望がありました。
次に、北淡町に参りました。
北淡町は震源に極めて近かったこともあり、未曾有の大災害に見舞われました。
その被害は、死者三十八人、負傷者八百三十一人であり、家屋については、全壊八百三十四戸、半壊七百十一戸、その他道路、橋梁、河川等あらゆる施設に壊滅的被害を受けております。
反面、小火はあったものの大火に至らなかったのは、消防団の出動が早く初期消火に成功したものとのことでありました。町においても地震発生直後の午前六時三十分に災害対策本部を設置し、迅速に救援活動に当たったとのことでありました。
ライフラインについては、ガスは既に利用できる状態でありましたが、水については給水所を設けておりました。なお、幸いなことに停電はしなかったとのことでありました。
町からは、衣食の確保と医療体制の整備、公共施設の早期復旧が要望されましたが、特に仮設住宅の用地不足と瓦れきの処理に苦労しているとのことでありました。
町長のお話によれば、町民からは災害に強い町づくりをしようとの声が上がっているので、震災復興のための都市計画には、私権の制限も含めて検討したいとのことでありました。
また、今回の地震により、町内に野島断層のずれが顕著にあらわれているところがあり、学術研究のためにも永久保存することを検討していきたいとのことでありました。
このほか、車中からの視察ではありましたが、完全に崩壊した民家、中間階が押しつぶされたビル、地下交通システム上の道路の陥没、高速道路の損壊、液状化と大規模な地盤沈下、都市部における広範囲にわたる火災等の惨状を目の当たりにいたしまして、直下型・都市型地震の恐ろしさを改めて実感したわけで」あります。
地震国として、国を挙げて防災計画の見直しを迫られると言えましょう。
次に、各自治体等から緊急対策、復旧対策等について要望をお聞きいたしました。
兵庫県からは、緊急対策として、県民生活の基盤となる水道・ガス供給の早期復旧支援、電話通信網の早期復旧等いわゆるライフライン対策、さらに、県民生活支援措置として、仮設住宅の建設、物価の安定、瓦れきの除去等について要望がありました。また、建築物、鉄道、高速道路、港湾、公立文教施設等の都市基盤の復旧費は、現在の推定でも七兆円弱に上りますが、都市機能の復旧に当たっては、災害に強い都市づくりのための計画を策定することとしており、この計画推進のため新規立法と新たな財政措置をお願いしたいとのことでありました。
神戸市からは、被災市街地における建築制限とは別に使用制限を制度として創設することを検討願いたいとの要望がありました。
また、淡路地域整備推進委員会からは、激甚災害地域の指定、被災者用公営住宅の総量確保、中小企業及び農林水産業の被災者に対する融資の弾力的運用等について要望がありました。
以上が調査の概要でありますが、兵庫県災害対策総合本部から詳細な緊急要望を受けてまいりましたので、会議録の末尾に掲載していただくことを委員長にお願いいたします。
最後に、被災地の一日も早い復興を心からお祈り申し上げ、また、大変お忙しい中を調査に御協力いただきました方々に厚く御礼を申し上げまして、報告を終わります。
ありがとうございました。