野中広務の発言 (地方行政委員会)

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○国務大臣(野中広務君) このたびの阪神・淡路大震災につきまして、ただいま続委員から、かって東京都副知事時代の噴火のあの生々しい状況の中から救援活動をおやりになりました経験を踏まえながら、あるいは現地に足を運ばれましたその教訓の中からそれぞれ御指摘を賜ったわけでございますけれども、少なくとも私ども今までの地震を考えますときに、今回の地震と異なりますことは、何といっても予期しない震度七という地震であったこと、あるいはその機能の中心地であります兵庫県県庁所在地あるいは神戸市の市役所所在地を含めて直下型地震の中心の被害を受けておったということ、あるいはそれによりまして通信機能あるいは道路交通等のすべてが遮断をされたという想像を絶した状況の中におきます幾つかの支援対策でありましただけに、御指摘のようないろんな批判を受けることは私どもも甘んじて受けなくてはならないと考えておるわけでございます。
 けれども、私は、あの瓦れきの中から市役所や県庁に出勤をし、あるいは県警本部や消防本部に出動、出勤をし、みずから家族に犠牲を出しながら初動の態勢に取り組んだ、それぞれの部署で活躍した諸君のあの痛ましい現状を思うときに、今日振り返ってみて多くの問題が指摘をされるといたしましても、困難な中からも何とかして被災者の救援に当たりたいとした切実なあの活動は頭の下がる思いでございますとともに、直ちに全国の多くの消防あるいは警察官を初めとする、またボランティア関係の皆さん方の厚い御支援をいただくことができましたことは、我が国の大きな震災に対する温かい皆さん方の善意であったと感謝をいたしておるわけでございます。
 したがいまして、少なくとも私ども自治省におきます例えば消防の取り扱いにつきましても、地震が起きました後、六時五分の気象庁からの通報以来、それぞれ政令指定都市に対します救援の準備段階での支援をお願いをするとか、あるいは関係都道府県の被害の状況の把握に努めるとか、あるいは警察庁におきましても直ちに全国機動隊の出動態勢を整えますとともに、被害の状況把握に努める等の初動態勢におきましてそれぞれ可能な限りの努力をしたと思いますし、今日もなお金国消防の皆さん、消防団員の皆さん、あるいは全国から五千五百名の警察官の応援体制をいたし、特に最近は避難地におきます人たちの心情を思い、全国から婦人警察官を百名余り動員をいたしまして、避難場所にそれぞれきめ細かな女性としての対応をいたしたりして気配りをしながら進めておるところでございます。いろいろ御批判はあろうと思いますけれども、すなわち今申し上げたようなそれぞれの体制における努力が行われたわけでございまして、政府関係機関におきましても連絡を十分とりつつ、順次復旧体制に向かって歩みを進めつっあると考えておるわけでございます。
 初動の態勢につきまして御指摘をいただきましたけれども、そういう困難な中から考えますときに、兵庫県知事からの応援要請、あるいはそれに伴います被害状況の把握、こういった問題を考えますときに、私はあの時点におきましては可能な限りの努力をされたと思うわけでございます。
 また、近隣あるいは政令指定都市からの支援につきまして私みずからも関係知事並びに市長にお願いをいたしまして、職員の派遣あるいはそれぞれ関係物資の応援等につきましても対応をいたしますとともに、消防本部におきます取り扱いといたしましては現地にそれぞれ消防庁の現地連絡本部を置きますとともに、自治省の機能をも代表させまして現地に消防庁次長を派遣し、常駐で今消防庁職員が当たっておるところでございます。各府県の連絡事務所の調整本部も置きまして、各府県、ブロックごとの救援対策にもそれぞれ府県からの本部を置いていただき、そしてその調整に当たっておるところでございます。これから長期にわたろうと思いますけれども、関係府県、市の職員の皆さんのまた派遣応援もいただきまして万全を期してまいりたいと存じておるわけでございます。
 応急住宅等につきましても言及がございましたけれども、現在、神戸市及び各関係兵庫県下の被災市、町の要求を入れまして四万戸規模の応急住宅を発注し、順次これが入居をいただいておるところでございます。また、昨日も神戸市長等から独居老人等の入居についてもう少し小さな応急住宅等の要請もあったようでございまして、小里災害担当大臣においてこれも対応することといたしておるのでございます。
 なかなか兵庫県という、あるいは神戸市という非常に好地の少ないところで、しかもあの地を離れたくないとおっしゃる皆さん方の心情、消防庁の職員が芦屋、西宮等の被災地の避難場所で避難をしておられる皆さん方に一週間前に調査をいたしましたら、八八%の皆さんがあの地を離れたくない、ここで避難生活をやっても離れたくないという熱いお気持ちであるだけに、私ども、各府県で公営住宅やら宿泊所等を用意していただきましたけれどもここに十分入っていただくことができないというむしろいら立ちを持っておるわけでございまして、何とかしばらくでもという願いを皆さん方にお届けしておりますけれども、それがなかなか機能しておらないことをもどかしく思っておるわけでございます。
 けれども、瓦れきの処分等を初め、個人にわたる被災につきましても公的援助を行って、そしてこれを措置する等、その震災以後の対応につきましては与野党の皆さん方の御協力をもいただきながら敏速かつ的確に措置をしてまいって、十分ではございませんし、傷ついたお心を慰めることはできませんし、被害を取り戻すことはできませんけれども、私どもがかって経験したことのないこの大震災に対して私ども全力を挙げて淡路、そして阪神間の関係の被災者の皆さん方のお心に報いてまいりたいと考えておる次第でございます。

発言情報

speech_id: 113214720X00319950217_016

発言者: 野中広務

speaker_id: 16313

日付: 1995-02-17

院: 参議院

会議名: 地方行政委員会