涌井紀夫の発言 (法務委員会)

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○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 裁判所関係の被災状況につきましてもいろいろ御心配をいただきまして、どうもありがたく思っております。
 裁判所の場合も、幸い職員に死亡者が出るというふうな被害はございませんでした。施設の関係では、やはり神戸地裁・家裁の本庁が相当の被害を受けております。玄関の門柱が倒れましたり、あるいは大きな煙突が倒れたり、あるいは玄関の部分が陥没したりといったような被害が生じております。ただ、幸い庁舎自体が損壊するとか、そういった状況にはなりませんで、今後の執務はこの庁舎を使って継続していくことができるという状況でございます。現在、不自由な中で職員一同で執務体制の確立に全力を挙げて取り組んでいるところでございます。
 事件に対する影響でございますが、実は裁判所の関係では、震災の当日から緊急の事件の処理の体制はずっと継続してとっておりまして、裁判所としての機能が停止するという状態は一日も生じないで済んでおります。震災後一週間経ました二月六日の週からは、何とか平常どおりの事件処理ができる体制をしいております。
 ただ、当事者でありますとか、あるいは代理人の方々がむしろ被災されまして、裁判所に出頭してこられることができないというような事例が多数出ておりますので、そういう方たちの事件につきましては、この被災のために権利救済の機会が奪われることのないように、できるだけ柔軟な対応を心がけているところでございます。
 今後の問題としましては、やはり借地借家関係の紛争が多数裁判所に持ち込まれるのでなかろうか。特に、訴訟とけいますよりも、両者の合意で解決のできます調停の申し立てがかなりふえてくるんじゃないかというふうなことを考えております。現在、そのための事件の処理体制を整備しておるところでございまして、ほかの、神戸以外の他の管内の調停委員の方にも神戸の調停委員になっていただくというふうな手続を現在進めているところでございます。
 それから、施設の復旧でございますが、これは緊急に復旧することが必要なものから順次、その復旧を図るための準備を進めているところでございます。
 今回の経験でございますが、我々の方では、被災の当日から事務総長を本部長といたします対策本部を設置しまして、できるだけ早く現地にも調査団を派遣する等の措置もとりました。さらに、緊急の援助物資の送付でありますとか、事件処理体制の回復のためにいろいろ苦労をいたしました。そういう経験を踏まえまして、今後全国の裁判所で同じような事故が起こったときにも、裁判所を御利用になる国民の方にできるだけ御不便をおかけしないような形の体制をとっていきたい、そういうふうなことを現在考えているところでございます。

発言情報

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発言者: 涌井紀夫

speaker_id: 30165

日付: 1995-02-17

院: 参議院

会議名: 法務委員会