則定衛の発言 (法務委員会)

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○政府委員(則定衛君) その前提といたしまして、委員冒頭に御指摘になりましたように、今回の最高裁判所の判決におきまして、当時、相当の知恵を出した捜査手法といいましょうか、これで得ました証言の録取調書の証拠能力が否定されてしまったということになるわけでございます。
 私どもといたしましては、いささか戸惑いを覚えたわけではございますけれども、今後同種の事件が起こったときに、じゃどうするのかということの関連もあろうかと思いますし、あるいはその当時、今申されましたように、そういう刑事免責による証言確保の法的な手当てというものがあったならばという御感想もお持ちだと承りました。
 私ども、今回の判決を受けまして、種々考えるわけでございますが、我が国におきまして刑事免責制度というものを仮につくろうということを考えます場合に、いろいろと問題があろうと思います。
 そのメリットといたしましては、特に社会の変化や市民の意識の変化等に伴いまして、率直に申しまして、なかなか関係者からの供述証拠の確保を初めといたします捜査活動が全般に大変困難化してきているという指摘もございますし、そのために御指摘のような刑事免責による供述証拠の確保ということは有効な面があることは否定できないと思います。
 ただ反面、これまた御指摘のように、免責を付与されなかった者と免責された者、これが最終的にはそれぞれの犯罪に関するかかわりぐあいということになるわけでございますけれども、いずれにしましても比較的捜査の早い段階でどちらかに免責を与えるということでございますから、この見通しは非常に困難な状況下での決断を迫られると。それが的確に行われるということが期待されるわけですけれども、場合によりますと、いわば本ボシといいましょうか、本来きつい責任を追及されるべき者が、その時点では免責してそこから供述を得ようという判断になる可能性もあるわけでございまして、その辺の判断というのは大変難しいものがあるだろうというのが一つございます。
 両者のそういう判断と取り扱い上の差異、それからまたせっかく免責をした場合に、果たして信用性のある供述が出るであろうかどうか、また供述が出ないときにどういうふうな制裁が考えられるのであろうか、そういったことを我が国の法制度全体と調和させた運営が迫られるわけでございますけれども、その場合に、国民の法意識、受けとめ方ということもいろいろと慎重に検討してみる必要があろうかこんな感じでございます。

発言情報

speech_id: 113215206X00719950317_017

発言者: 則定衛

speaker_id: 4655

日付: 1995-03-17

院: 参議院

会議名: 法務委員会