矢原秀男の発言 (本会議)
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○矢原秀男君 私は、平成会を代表して、ただいま議題となりました阪神・淡路大震災の復興に関する緊急特別立法に対し、若干の質問を行います。
具体的な質問に先立ち、去る一月十七日未明、五時四十六分、直下型大地震で亡くなられた五千三百七十八名を超える方々の御冥福を心よりお祈り申し上げます。また、御遺族の皆様に慎んでお悔やみを申し上げます。
そして、焼失家屋七千四百五十六戸、倒壊家屋十四万四千三十二戸の御家族の皆様、負傷者三万二千八百九十八名の方々、そして九百六十四カ所に避難をされていらっしゃる二十一万三千三百七十九名の皆様に衷心よりお見舞いを申し上げますとともに、これからの人生に、御健康に留意をされ、希望と勇気を持って再起されますことを心から願っております。
そして、寝食を忘れて救援、復旧のために御尽力くださっている自治体関係者、自衛隊、警察、消防等の皆様、さらにボランティアの皆様方に対し心より感謝申し上げ、敬意を表する次第であります。
総理、トップリーダーには決断力、実行力、先見性が必要であります。行政の最高の統括者としての責任感と強い意志が求められます。大震災発生から今日までの総理の言動、対応からは、そうした姿勢が酌み取れません。
今回の大震災の場合では、前例にこだわらない措置をとるべきではなかったのか、まず総理の御所見を伺いたい。
また、被災現場においては生き埋めとなった人を一人でも早く救出をする、一軒でも延焼を食いとめる、大災害対策は最初の二十四時間が大事です。総理官邸に平素からの危機管理体制があれは、多くの人命と財産を救うことができたのではないか。初動態勢のおくれなど、総理の政治生命を問う怨嗟の声が日増しに高まっております。特に総理の一月十七日、十八日の動きは、余りにも鈍いものでありました。今回の総理の対応では、いざというときには当てにならない政府といった烙印が押されかねません。危機管理体制をどのように構築していくのか、明確に伺いたい。
次に、応急仮設住宅についてお伺いします。
避難所生活が本日で既に一カ月になりました。Pタイルや板の上で厳寒の冬を越す。その上、水もトイレも不足した中で、食事も満足にのどを通らないと思う。プライバシーの保護など全くないのであります。このような生活を余儀なくされている方々がまだ九百六十四カ所の避難所に二十一万三千三百七十名の人々がおられる事実を、しっかり認識しなければなりません。
しかし、この一カ月間の仮設住宅の入居戸数は、十五日現在わずかに七百戸で、足りないのであります。これでは、政府は避難者のことを本気になって考えているのか全く疑問であります。中には、病気で苦しんでいる方、障害者の方、高齢者及び小さな子供など、社会的また災害的な弱者の方がたくさんいらっしゃるわけであります。総理は、こういう方にいつまで避難所生活をさせるのか、はっきりとした御所見を伺いたいのであります。
当初、応急仮設住宅の入居の希望者は十一万世帯であったと言われております。それに対して仮設住宅の建設目標は四万戸で、公的住宅については全国的な広がりの中で三万戸が用意をされました。しかるに、仮設住宅用地はまだ一万戸分不足しており、公的住宅については入居戸数は七千戸で、残りの二万三千戸は遠くて希望者がなかったのであります。
住宅の確保で大事なことは、住民の希望を十分酌み取っていくことでございます。細心の配慮が欠けてはいけないのであります。この点、近接した仮設住宅の用地及び公的住宅の準備にどう取り組み、どれだけ確保できたのか、厚生大臣及び建設大臣にお尋ねいたします。
また、一月二十六日に農水省では農地法施行規則の改正を行いました。これは、応急仮設住宅建設の場合、農地転用の許可を不要とする措置であります。農水省がこの許可不要の措置を行うことはいいにしても、地元の自治体は手が回らないのであります。国の方で農地所有者に働きかけをしよう、そして用地の提供をお願いしていこう、そういう一分の努力は、避難者の立場に立った場合に、思いやりというのか、国でやるべきは当然ではないんでしょうか。農林大臣の御所見を伺いたい。
また、住宅用地がないと言われておりますが、阪神地区及び播磨地区等における市街化農地は六千百八十五ヘクタールもあります。これらの一部の農地を生かせないのか、農水大臣の御意見をお聞きしたい。
さらに、同じ地域に市街化調整区域は十八万二十二ヘクタールもあります。このうちの一部でも住宅用地として活用できるよう改正すべきではないのですか、建設大臣にお尋ねをいたします。
次に、ライフラインのうち特に水道についてお伺いをいたします。
被災者の方々の生の声は、水が欲しい。皆様も御承知のとおりでございます。被災直後には飲用水から始まり、時間の経過とともに、炊事用、手洗い用の水の必要性、また入浴をしたい、どれも皆極めて切実なものばかりであります。御承知のとおりでございます。
現時点での水道復旧の総額は、兵庫県だけで約五百六十一億円に達している。これに対して、国庫補助率二分の一となる従来からの補助制度では、残額だけでも約二百八十億円になります。超過負担です。
この水道の災害復旧事業を激甚災害法の対象事業にすべきであり、国庫補助率を大幅に引き上げる英断をすべきと思うが、総理及び厚生大臣はどのように考えていらっしゃるのか、伺います。
また、厚生省は平成三年六月に「二十一世紀に、向けた水道整備の長期目標」を策定、推進しております。計画の大きな柱として地震や渇水に負けない強い水道をつくることを掲げておりますが、進捗は余り芳しくありません。今回の大震災の教訓を生かしてこれを全国的に強力に推進すべきと思いますが、厚生大臣の所見を伺います。
次に、自衛隊の中に大災害の専門組織を編成することが急務であると思います。提言をしたいと思います。
この組織は、大災害に緊急出動できる姿勢がとられなければなりません。参考として、米国の連邦緊急事態管理庁FEMAやフランスの災害救助隊DICAがあります。米国のFEMAにあっては、二十四時間体制で、いざというときには四千人を超す臨時スタッフも応援に駆けつける仕組みとなっております。一方、フランスのDICAにおきましては、大規模な地震等、また人命救助と環境破壊の防止に、専門に海外にも出動できることになっております。派遣命令から三時間以内に世界じゅうどこでも出動できる体制が整えられ、迅速性もあります。
このような諸外国の例に倣い、日本型災害救助組織を自衛隊の中に設置すべきではないかと思いますけれども、総理の御所見を伺います。
次に、災害に強い都市づくりについてでありますけれども、阪神・淡路復興法案により国の復興対策本部が設置されることになりました。兵庫県では、災害に強い町づくりを進めるための復興計画、ひょうごフェニックス計画を準備しております。国は自治体の意向を尊重して全面的なる絶大な支援を貫いていただきたいと考えておりますけれども、復興対策本部長としての総理の御所見を伺いたいのであります。
また、被災市街地復興特別措置法案によれば、建築の諸施策の多くは今回の活断層上に想定をされております。防災技術上、また生命の安全性をいかに保障するか、地元の皆さんにいかに説得をするか、建設大臣に伺いたいのであります。
また、現在、四全総にかわる次期全国総合開発計画、五全総を国土庁が中心となって策定作業を進めております。今回の大震災を教訓に、防災思想を含めた災害に強い国土をつくり、国土構造の創成が求められているところであります。遷都及び分都等いわゆる首都機能維持の対策を含めた災害に強い、かつ均衡ある国土づくりについて、総理はどのような展望、考えを持って行政官庁をリードしていかれようとしているのか、明確に示してもらいたいのであります。
次に、復興財源について伺います。
今回の大震災は、被害額十兆円を優に超過するものであります。
まず、具体的に二点伺います。
本日、重ねて神戸市等からの緊急要望がございました。一つは、瓦れき等の災害廃棄物の処理については、量的に、トン数に直せば千三百万トンになんなんとしております。その事業費は約四千億円と算定されております。
この国庫補助率二分の一を激甚災害対象事業並みの十分の八以上にお願いをしたい。また、できれば所要額の全額を補助対象にしていただきたいとの切なる要望がありますけれども、これに対する総理の所見を伺いたいのであります。
二つ目には、港湾施設の復旧に力強い助成をいただいておりますけれども、中でも民間所有の港湾施設に対する国庫補助制度の創設並びに長期三十年無利子融資を要望しておりますけれども、これに対して総理大臣の御答弁をお願いしたいのであります。
政府は、十六日、阪神・淡路大震災の復旧対策費などを盛り込んだ九四年度第二次補正予算案を決めたようであります。規模は一兆二百二十億円となっておりますけれども、地元では、あと何年間で復興できるのであろうかという切ない希望があります。地元は、一日でも早く復興したい、お願いをしたい、自分で立ち上がりたい、こういう叫びであります。
今回も、ちなみにこの法律案は五年の時限立法であります。果たして、巨額の被害額、十兆円もの復興財源を何年間で手当てできるのか、重ねて総理並びに大蔵大臣の所見を伺いたいのであります。
最後に、二つの提言を申し上げたい。
一つは、避難を余儀なく続けておられる方々の勇気を喚起するため、力強い再起を期して、三兆円の災害復興基金の創設を提唱したいのであります。今まで提唱されている基金の規模では、十分なる対応はおぼつかないのであります。
二つ目には、私も、廃墟の神戸に立って見ておりますときに、どうしても神戸を中心とする関西でオリンピックの誘致を提唱したい。世界並びに日本各地の皆様からの限りない真心の御支援に対し、再起復興の礎に寄与できればと思うところであります。総理の御意見を承りたい。
以上、数点にわたり質問を申し上げましたけれども、何とぞ総理並びに関係大臣の誠意ある御答弁をお願いをいたしまして、質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕