木暮山人の発言 (本会議)

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○木暮山人君 私は、平成会を代表いたしまして、国民健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、村山総理大臣、井出厚生大臣に質問をいたします。
 国民健康保険は、言うまでもなく、我が国の国民皆保険体制の基盤をなす制度であります。そして、医療保険制度の長期的安定のためには、国民健康保険制度及び老人保健制度の抜本的改革が不可欠の課題であることは論をまちません。
 今回の制度改正により、高齢者や低所得者の加入割合が高い、あるいは小規模保険者が多いなど、多くの構造上の問題点を抱える国民健康保険の問題の抜本改革が図られるものと期待しておりました。しかるに、その内容を見ると、極めて限られた改正にとどまっていると言わざるを得ません。
 振り返ってみまするに、国民健康保険制度は、これまで暫定に次ぐ暫定の繰り返しで、抜本的改革を今日まで先送りしてまいりました。しかし、今後の高齢社会を見込むと、国保の財政基盤強化、保険料格差の是正、あるいは老人医療費拠出金のあり方など、どの問題をとっても、もはやこうした暫定措置の継ぎはぎで乗り切れる問題ではありません。
 村山総理、総理はこの点についてどのような基本的認識をお持ちでありましょうか。そして、制度の抜本改革が叫ばれて久しいにもかかわらず、言再びこれが実現できなかった理由はどこにあるか、お聞かせいただきたいと存じます
 さて、二十一世紀の本格的高齢社会に向けまして良質かつ適切なる医療を安定的かつ効率的に確保していくためには、医療保険制度全般の改革、なかんずく医療保険制度における給付と負担の公平化並びに新たな介護システムの構築が急務であります。
 特に、政府が検討を開始されている介護保険の創設は、老人保健制度点もちろん、医療保険、年金、さらには現行の措置を中心とする社会福祉制度に大きな影響を与えるものであると考えます。既に老人保健福祉審議会において審議が始まっていると伺っておりますが、老人保健福祉審議会に限らず、社会保障制度全般にわたる幅広い角度からの検討が必要であり、また、国民に対する情報公開とその理解を求める努力が肝要と考えますが、総理並びに厚生大臣の見解を求めます。
 以下、今回の改正内容について具体的にお伺いいたします。
 もとより、改正の基本的な方向に対しまして意見を異にするものではありません。しかし、苦しい財政状況の市町村に負担を強いる暫定措置の延長等、幾つかの問題を抱えている点も否定できません。これから指摘していきたいと思います。
 まず、健康保険制度についてであります。
 第一に、保険基盤安定制度の特例措置の延長についてであります。
 保険基盤安定制度の特例は、平成五年度及び六年度の二年限りの措置のはずでありました。しかるに、今回この定額措置を継続しようとなさるのは、いかなる理由からでありますか。また、そのため国庫負担縮減額は、平成七年、四百五十三億円にも上ります。この継続措置により市町村財政が受ける影響は極めて大きいものであります。地方分権を掲げる村山内閣は、この負担増に対していかなる措置を講ずるおつもりでありましょうか。総理及び厚生大臣に、その御所見を承りたいと思います。
 第二に、保険料軽減制度の拡充についてであります。
 今回の改正では、重くなっている中所得者層の負担を軽減すべく、保険税の応益・応能割の比率を五〇対五〇に近づけるための誘導策を講ずることとしております。しかし、政府案の軽減制度拡充によっても負担増となる低所得者は確実に存在いたします。特に平成七年度は現行の四割軽減、六割軽減の対象者は、応益負担の引き上げにより、これまでより負担増となる可能性が極めて高いわけであります。
 「人にやさしい政治」を政治信条とされる総理及び厚生大臣は、この点についてどのようにお考えになり、どのような御配慮をなさるおつもりか、お伺いしたいと思います。
 第三は、小規模保険者問題であります。
 保険者規模が小さければ財政運営の不確実性が増大するのは自明のことであります。そこで私は、国保制度においても、新しく創設された広域連合の考え方を参考にする余地があるのではないかと考えております。
 確かに、保険者の適正規模等難しい点が残っておるのは承知しておりますが、広域連合の積極的活用あるいは経営主体の広域化について、総理及び厚生大臣に率直な御所見を承りたいと存じます
 また、小規模市町村では、国保事務を担当する職員が少なく、保健事業等の事務が大変であると聞いております。そのためにいかなる措置を講ずるおつもりか、あわせてお伺いいたします。
 第四に、医療費適正化対策についてであります。
 国保は、市町村間で最大六倍程度の保険料の格差を生じております。同じ住民として同じ医療を受けながら場所によってこのように負担が著しく異なっていては、平等の原則に反すると思います。
 このような格差を是正するための医療費適正化対策について、地域の実情をしんしゃくしつつ推し進めることが肝要かと存じます。厚生大臣の御所見をお承りしたいと存じます。
 次に、老人保健制度についてお伺いします。
 第一に、老人加入率上限の改定についてであります。
 老人加入率上限二〇%を上回る保険者が平成七年度で五割近くに達すると推測されております。今回の改正で、老人加入率の上限は平成七年度二二%、八年度以降二四%から二六%までで政令で定めるものとされております。しかし、それでも全保険者の四割前後が上限を超えると予想されております。原則である全保険者の三%以内という水準とは余りにもかけ離れております。
 政府はこの実態をどう認識しておられるか、また、全保険者の三%以内という制度発足以来の上限の目安が今日も妥当とお考えか、厚生大臣の御所見を賜りたいと思います。
 第二に、老人保健制度と介護保険制度との関連についてであります。
 冒頭申し上げましたように、老人保健制度は介護保険制度の創設によって大きな影響を受けることは確実であります。政府は、公的介護保険制度創設後の老人保健制度の姿についてどのようなイメージを抱いておられるのか、厚生大臣の御所見を承りたいと思います。
 さらに、現在の老人医療の公費負担の状況を考えれば、介護保険に対しても当然五割以上の公費が投入さるべきと考えますが、いかがでありましょうか。
 最後に、国保及び市町村における保健事業の推進についてお伺いいたします。
 高齢化の進展に伴い、疾病の予防、リハビリテーション等の保健事業の推進はますます重要な課題となってきております。国民健康保険法においても、昨年の健康保険法等の改正において保険者の保健福祉事業の実施が明文化され、本年四月から施行される運びとなりました。
 政府は、これを契機として、国保における保健事業をどのように進め、どのような財政支援を行っていくおつもりでしょうか。また、国保の保健事業は、地方公共団体による保健福祉事業と密接なかかわりを持つと思いますが、国保と地方公共団体の連携及び役割分担のあり方について厚生大臣のお考えをお聞かせいただきたいと存じます。
 なお、積極的な展開が期待される市町村保健事業の中でも、これまで歯科の保健事業はともすれば後手に回ってまいりました。しかし、高齢期に至るまで健康な歯を保つことは、おいしい物をよく味わって食べ、思い切り話し、笑うことができるなど、クオリティー・オブ・ライフの向上の根源をなす課題であります。
 こうした観点から、歯科保健事業のあり方、位置づけを根本的に見直し、抜本的拡充を図る時期を迎えているように思われますが、総理及び厚生大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
 あわせて、昨年十二月に策定されました新ゴールドプランにおきましても、歯科保健を要援護高齢者の自立支援策の総合的実施の中に位置づけていく必要があると考えますが、御答弁をお願いする次第であります。
 以上、総理及び厚生大臣の率直なる答弁を求めまして、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣村山富市君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 113215254X01419950324_004

発言者: 木暮山人

speaker_id: 6305

日付: 1995-03-24

院: 参議院

会議名: 本会議