尾身幸次の発言 (科学技術委員会)
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○尾身議員 臼井先生お言葉のとおり、今までの我が国の科学技術はいわゆるキャッチアップの時代であったというふうに言えると思うわけでございます。つまり、目標となるべき先進国が常に存在をし、技術の動向とか、あるいは技術のニーズの変化に関する予測の可能性が高く、かなりの分野で技術導入が可能でありました。我が国は、このような技術の導入をしつつ改良、改善を重ねて、すぐれた技術をつくり出してきたという状況であったと思うわけでございます。
しかし、現在に至りますと、このキャッチアップの時代の終えんを迎えまして、これからはフロントランナーの一員として、みずから未開の科学技術に挑戦をし、創造性を発揮して未来を切り開いていかなければならないという時期に差しかかったと思うわけでございます。
そういう中で、人口の高齢化とかあるいは非常に厳しい国際競争に直面しております我が国が、産業の空洞化あるいは社会の活力の喪失、生活水準の低下というような事態を回避いたしまして、真に豊かな生活を実現し、科学技術におきまして、社会経済の一層の飛躍を期するためにこの科学技術の果たす役割はますます増大すると考えているわけでございます。
しかし、現在、独創的、先端的科学技術の源泉ともいうべき基礎研究の水準は、欧米に比べてかなりおくれている。そして、その主な担い手というべき大学とか国立試験研究機関の研究環境も極めて劣悪な状況に置かれているわけでございます。
そこで、新たな視点に立ちまして、科学技術創造立国を目指して、そういう国の基本的姿勢を明らかにいたしまして、科学技術の振興を我が国の最重要課題の一つとして位置づけて、その総合的、計画的かつ積極的な推進を図っていくべきである、そういう考えてこの科学技術基本法の制定が必要であるということで提案をさしていただいた次第でございます