尾身幸次の発言 (科学技術委員会)

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○尾身議員 昭和四十三年に政府提案されました科学技術基本法におきましては、現在私どもが提案をしておりますものと大きな差が二つございます。一つは、大学における研究に係るものを対象から除くということになっていたわけでございますし、もう一つは、これは現在とも同じなのでありますけれども、人文科学のみに係るものを除く、こういうことになっていたわけであります。
 これは政府提案をされました段階で、大学の研究開発に例えば科学技術基本計画で干渉するのはおかしいというような議論が一部の間でございまして、大学は除く、こういうことになっておりまして、そしてもう一つは、現在と違いまして産官学の研究協力、研究交流というものに対します、全部ではございませんと思いますが、一部の学界からの非常に強いアレルギーがあった、そういうことがございまして通らなかった、廃案になったわけであります。
 私、今申しました、なぜ廃案になってしまったのかということでございますが、結果として考えてみますと、その基本的な原因は、我が国が科学技術創造立国を目指していくべきであるという点について現在ほど強い国民的コンセンサスが得られていなかったということではないかというふうに考えております。
 今度提案をいたしました科学技術基本法におきましては、大学における研究開発もこの科学技術基本法の対象にいたしました上で、第六条で、大学及び大学共同利用機関に係る科学技術に関しては、「大学等における研究活動の活性化を図るよう努めるとともに、研究者等の自主性の尊重その他の大学等における研究の特性に配慮しなければならない。」という研究者の自主性に配慮するという項目を入れて、関係者の御理解をいただいたところでございます。
 それから、人文科学との関係につきましては、第二条に、自然科学と人文科学の調和ある発展に留意されなければならないという基本的な姿勢を入れまして、関係者の御理解をいただいたところでございます。
 そういう内容の変更もございました上に、今回の法律におきましては、例えば研究者の確保あるいは処遇の確保、それから研究施設の整備、情報化の促進、研究交流の促進など、新しい状況に応じまして現実に研究開発を進めていく具体的な、基本的な方向づけもしているわけでございます。
 そういう変更をした上で今回超党派で提出させていただいたわけでございますけれども、現在の状況、例えば産官学の共同研究開発はどうしても、むしろ必要であるというような考え方に国民的なコンセンサスがございますし、また、先ほど申しましたように、科学技術の研究開発を推進をして科学技術創造立国を目指していく、そういうことについても国民的なコンセンサスができ上がっている、そういうわけで、官民挙げて科学技術基本法の制定が望まれているという状況になってまいりました。それが、全体として私どもが今回科学技術基本法を超党派で提案できた基本的な要因であるというふうに考えている次第でございます。

発言情報

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発言者: 尾身幸次

speaker_id: 1221

日付: 1995-10-31

院: 衆議院

会議名: 科学技術委員会