与謝野馨の発言 (宗教法人に関する特別委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○与謝野委員 ことしの三月二十日に地下鉄サリン事件が起きまして、内閣総理大臣を中心に政府一体となってこの問題に対応しなければならない、そういうことでやってきたわけでございます。警察、検察は刑法に照らしてサリン事件に対応する。そういう中で、私ども文部省もやはり宗教法人法上の問題はないのかということを実は内部で検討したわけでございます。これはもうサリン事件が起きてから直ちに検討を始めましたが、実はそういう検討する過程で、やはりこの法律に不備があるのではないかということを幾つか発見したわけでございます。
 一つは、山梨県の上九一色村の住民の方々は、町の議会の方も町の行政当局の方もそこの住民の方も、もう数年前から、こんな施設を我が村、我が町につくられては困る、そういうことでとにかく山梨県庁に行って、県庁、これ何とかしてください、我々の穏やかな平和な生活が脅かされます、こういうことで山梨県庁に繰り返しお願いに行ったのですが、山梨県庁の御返事は、これは我々の所轄している宗教法人ではないので、その所轄をしている東京都に行って苦情があれば苦情を言ってください。
 しょうがないので山梨県民の皆様方は東京都まで出向いて、東京都庁の窓口に、これはとんでもないことだ、何とかしてくださいと申し上げますと、東京都の方は、東京都内のことであれば私どもも多少のことはできますけれども、県境を越えて山梨県に行って調査をすることもできなければ、山梨県の中のことについて東京都は権限を持っていません。こういうことで、山梨県民はいろいろな所轄庁、都道府県の役所に行ってもどこに行っても事実上たらい回しになってきた、そういう実情があります。それから、これは熊本県民も県庁に行ってもなかなからちが明かない、そういう問題が実はあって、一体これは東京都が山梨県の話に責任を持てるのかという深刻な問題になりました。
 これは、宗教法人の事務というのはもともと国の事務であって地方の事務でない、たまたま機関委任事務として都道府県に渡している、こういう法体系になっています。ですから、そういう住民、そういうものの利益をどう守るかということがまず第一点なんです。それをどうしたらいいのかということを深刻に考えたわけです。
 第二点は、これはもう宗教法人法上の八十一条の解散の問題が必ず出てくる。三月の末の時点ではまだ刑事事件の姿がわかっていませんでしたけれども、大体これは宗教法人法上の解散、これはやらなきゃいけない。そういうときに、一体それじゃどういう手続をするのか。
 これは、文部省限りあるいは東京都限りでやるのであればそれは行政処分としては簡単なんですが、裁判所に解散の請求をしなければならない。裁判所に提出する以上、やはり証拠能力があってきちんとした資料、またきちんとした請求理由を付して裁判所に請求をしなければならない。果たしてそういうことができるのか。そうしたら、そういう調査権限もなければ、あるいは質問もできなければ、何にもできないということがわかった。これはやはり法律上ちょっと欠けているところだ。実際の請求事務ができないということ自体が大変ゆゆしきことだ。
 それから第三点は、どうもオウム真理教は国境を越えてロシアまで行っている。たまたま問い合わせがなかったからいいんですが、ロシア政府から日本の政府に、オウム真理教は一体どういう宗教法人ですか、どういう宗教活動をしていますかと聞かれたら、実は日本国政府はロシア政府に何のお答えもできなかったというのが実情なんです。
 そこで、どうもこれは、宗教法人法が昭和二十六年にできてからいろいろやってきたけれども、具体的事件に遭遇すると法律の不備、不十分、また欠落した点があるんではないか、こういうことを感じて、四月に宗教法人審議会に御検討をお願いしたわけですが、これはオウム事件対策でやるのか、あるいはオウム事件を通じて学んだ法律上の欠点を、欠落した部分を補うということに重点を置いて法律改正を島村文部大臣は提案されたのか、どっちなんですか。

発言情報

speech_id: 113404445X00319951102_025

発言者: 与謝野馨

speaker_id: 23890

日付: 1995-11-02

院: 衆議院

会議名: 宗教法人に関する特別委員会