石井道子の発言 (厚生委員会)

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○石井道子君 先般の委員派遣につきまして御報告申し上げます。
 去る九月十一日から十三日までの三日間、今井委員長、釘宮理事、栗原理事、石渡委員、塩崎委員、木暮委員、西山委員及び私、石井の計八名によりまして北海道の保健医療・福祉に関する実情を調査してまいりました。
 本調査団は、北海道より保健医療・福祉の実情についての概況説明を聴取した後、関係諸施設を視察いたしました。
 まず、北海道の概況説明から御報告いたします。
 第一は、保健医療行政についてであります。
 北海道では、医療技術の進歩や保健活動の充実などにより、道民の健康水準は向上しておりますが、人口の高齢化の進展に伴いまして、成人病、難病及び老人性の精神障害などの疾患は増加傾向にあります。
 このため、保健所による地域保健活動を推進しながら、成人病の予防対策や難病患者への対策の充実、さらに「寝たきりゼロ北海道作戦」の展開など、道民の健康づくりのための施策に力を入れております。しかしながら、医療施設の地域的な偏在の解消がなお大きな課題とのことでありました。
 第二に、福祉行政について申し上げます。
 北海道では、高齢化の進行が全国平均より速い上、出生率は全国平均を下回っております。
 そこで、高齢化・地域福祉対策の推進のため、平成五年度に作成した「北海道高齢者保健福祉計画」に基づき、市町村の高齢者福祉施策の推進を支援するとともに、北海道の単独事業として、冬期の出稼ぎ等により在宅介護が受けられない老人には三カ月間のショートステイ事業を試みるなど、独自の取り組みを行っているとのことであります。
 また、障害者福祉、児童・母子福祉等の充実についても道内の実情に即した施策を進めているとのことでありました。
 なお、概況説明に際しまして、当厚生委員会に対し厚生行政全般にわたる要望がありましたので、これを本日の会議録の末尾に掲載していただきますようお願い申し上げます。
 次に、視察先の概要について御報告申し上げます。
 一日目は、最初に道庁の説明の後、遺伝子治療で目下注目を集めております北海道大学医学部附属病院を視察いたしました。
 大正十年に設置された同病院は、現在、病床数八百八十三を数え、北海道における医療の中心的な役割を担っております。
 今回行われている遺伝子治療は、遺伝子の異常により重症の免疫不全に陥った男児の免疫機能を回復させるため、遺伝子を操作するものであります。
 同病院においては、担当助教授から遺伝子治療の実際につき、スライドによる説明を受けるとともに、治療室の設備等を見学いたしました。その後、担当者と率直な意見交換を行うことができました。
 遺伝子治療については、最先端の医療として研究の発展が望まれる一方、厳格な安全性の確保はもとより、医の倫理の問題も避けては通れません。また、治療技術の大部分を外国に依存していることも今後解決すべき課題であると痛感いたしました。
 続いて訪ねました西円山病院は昭和五十四年に開院された病床数九百四十二の特例許可老人病院であります。
 同病院は、介護力強化病院として基準を上回る看護体制のもと、看護アセスメント方式を導入した「高齢者ケアプラン」の実施により、慢性病を持つ高齢者の医療で実績を上げているとのことであります。
 札幌市内を一望できるすばらしい環境のもと、高齢の入院患者に対して細やかな配慮の行き届いた施設であると思われました。
 二日目は、まず、市民一人当たりの医療費が全国第一位の三笠市を訪ねました。
 同市は、北海道のほぼ中央に位置する人口一万六千人ほどの市であります。最盛期には六万人余りであった人口が炭鉱の閉山で激減いたしました。このため、現在の高齢化率は市全体で二七%、国保加入者だけで見ると五二%と他の地域に先んじて高齢社会が現実のものとなっております。これが医療費を高額にしている主な原因とのことであります。
 このような苦境を乗り越えようと同市では平成五年に「ふれあい生きがいの里」構想を策定し、福祉サービスの充実を目指すとともに、総合的な都市振興策を打ち出し、過疎化問題の解決に取り組んでおります。
 次に、町立としては全国で唯一の介護福祉士養成学校であります夕張郡栗山町の北海道介護福祉学校を視察いたしました。
 お話によりますと、同校の入学志願者の倍率は全国の平均を上回っておりますし、また卒業者に対する求人状況も全国各地の施設から引く手あまたで、既に五百人を超える卒業生が道内外の福祉施設等で活躍中であるとのことであります。
 町立百年の記念事業として、二十一世紀の超高齢社会を支えるマンパワーの養成をこの小さな町からスタートさせたという関係者の熱意に感銘を受けた次第でございます。
 続いて、空知郡栗沢町の北海道立福祉村を訪れました。
 同施設は北海道が昭和五十四年に重度の脳性麻痺の障害者が生きがいを持って生活できる村づくりを目指して開設したものであります。入所者は二百六十九名で、豊かな自然のもと、自由な雰囲気の中で、織物、木工、印刷などの作業に熱心に従事しておりました。
 また、この栗沢町は障害者が行動しやすいよう段差のない車道、歩道を整備するなど、町全体でノーマライゼーションの推進に取り組んでおり、私どもも実地にその様子を見学する機会を持つことができました。
 最終日は国立登別病院を視察いたしました。
 同病院は戦前の大湊海軍病院分院を母体に昭和二十年に国立登別病院として発足したものであります。しかし、近年、その経常収支は大幅な赤字であり、昭和六十一年に発表された政府の国立病院・療養所の再編成計画においては、地元への委譲の対象病院となっております。現在、委譲先等を含めた検討が行われているとのことでありました。
 豊富な温泉を利用した機能訓練棟でリハビリの様子を見学し、同病院が地域住民の健康を考えた新しい医療構想の中で適切な役割を果たし、一日も早く健全な運営に戻ることを強く願った次第であります。
 以上が調査の概要でありますが、今回の調査に当たりまして特段の御配慮をいただきました北海道及び訪問先の関係者の方々に心から御礼を申し上げ、私の派遣報告を終わらせていただきます。

発言情報

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発言者: 石井道子

speaker_id: 33808

日付: 1995-10-31

院: 参議院

会議名: 厚生委員会