関根則之の発言 (宗教法人等に関する特別委員会)
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○関根則之君 第一班につきまして御報告いたします。
派遣委員は、倉田委員長、白浜理事、渕上理事、有働理事、国井委員及び私、関根の六名であり、一昨日、仙台市において地方公聴会を開催し、四名の公述人から意見を聴取した後、各委員から質疑が行われました。
まず、公述の要旨を簡単に御報告申し上げます。
最初に、北海道大学法学部教授中村睦男君からは、宗教法人法は、宗教団体の自由と自主性、責任と公共性という二つの要請を基本としながらも、前者に力点を置いたリベラルなものと位置づけられるが、その後の宗教法人の多様化、活動の複雑化等により、宗教法人の責任と公共性を強める方向で今回改正案が提出されたと考える。しかし、改正案でも、なお自由と自主性に力点が置かれており、信教の自由と政教分離の原則の尊重という観点から、他の公益法人や非営利法人と比べて国による規制は抑制されている。所轄庁の変更、財産目録等の書類の閲覧、所轄庁に対する書類の提出、所轄庁の報告徴取及び質問等の今回の改正は、信教の自由及び政教分離の原則に反しないと考える。ただし、信教の自由は基本的人権のうちでも根幹的でかつ傷つきやすい権利であり、運用上十分慎重な配慮が必要であるなどの意見が述べられました。
次に、東北福祉大学学長萩野浩基君からは、所轄庁の変更について、信仰、信条は著しく個人性を持っており、その所轄は自治体が最もふさわしい。民主主義の原点は自治体であり、地方分権の観点からも、所轄庁の変更は逆行のように思われる。また、情報開示については、宗教法人みずからがみずからを律し、自浄作用が働くようにしなければならない。そのため、自主的に情報公開を行うように指導し、見守ることが必要であり、自発性、自主性、そして自浄作用を促すことが必要である。オウム事件の根本には戦後五十年の教育の貧困があり、今回の改正はその解決策とはならない。九月以降、改正の動きが急になったように思われるが、その背景には、オウム事件とともに参議院選挙の結果があるのではないか。改正をなぜこんなに急ぐのかわからないなどの意見が述べられました。
次に、オウム真理教被害対策弁護団事務局長小野毅君からは、信教の自由は十分尊重しなければならないが、信教の自由を悪用している宗教団体があることも事実であり、その社会的影響は決して少なくない。信教の自由の重要性をきちっと位置づけながらも、宗教法人法その他の関連諸法を見直すべき時期に来ており、今回の改正には賛成である。しかし、まだ解散命令に際しての財産保全措置が定められていないなどの不十分な点がある。また、今回の改正でオウムのような事件が防げる、あるいは事前に察知できるとは考えられず、再発防止のためには、建築、開発、労働、教育、福祉、保健などの行政諸分野、捜査の問題を含めて、問題点を総合的に検討する必要があるなどの意見が述べられました。
最後に、弁護士庄司捷彦君からは、憲法は信教の自由と政教分離という二原則を定めており、信教の自由の最大の制度的保障が政教分離の原則である。政教分離の原則の具体的内容は、国家の宗教への中立性と宗教団体の政治的中立性である。宗教団体が積極的な政治活動を行うことは違憲と評価すべきものと考える。宗教法人法は宗教団体へのサポートとコントロールを定めており、それをより実効性のあるものとし、宗教団体の違法行為の防止と、政教分離の原則の厳密な実行を可能にすることが必要である。今回の改正案は十分のものではないが、憲法の宗教原則、信教の自由と政教分離を実質的に一歩前進させるものであり、早期の実現を期待する。また、税法上の問題、帳簿の書式の問題など各方面から指摘されている事柄への取り組みを希望するなどの意見が述べられました。
公述人の意見に対し、各委員より、今回の改正を不十分とする理由、今回の改正を拙速とする理由、宗教法人法の基本的性格と今回の改正による影響、宗教法人の自治・自立、宗教法人に対する法律による規制のあり方、宗教の定義を法律に規定することの適否、認証基準を法律事項とすることの適否、宗教と政治の関係、政教分離の原則についての考え方、宗教団体の政治活動のあり方、宗教団体の情報公開のあり方、宗教に名をかりた行為に対する対策、オウム事件が起こった理由と宗教法人法との関係、オウム事件に対する諸官庁の対応など、多岐にわたる質疑が行われました。
会議の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はこれにより御承知願いたいと存じます。
以上で第一班の報告を終わります。