衛藤征士郎の発言 (内閣委員会)
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○国務大臣(衛藤征士郎君) 委員にお答えを申し上げます。
第一点のいわゆる安保、またそれに裏打ちされるところの地位協定の問題でございますが、これにつきましては、言うまでもなく我が国の安全を確かに守り抜くために、確保するために我が国の専守防衛努力と、そしてもう一つの柱として日米安保体制、安保条約、そういうものがあるわけでございまして、国の安全を確保するという職員にある責任者としましては、しっかりとした確かな安全保障を構築せねばならぬ、こういう基本に立っていることは論をまたないところでございます。
地位協定の問題でありますが、これにつきましては、ただいま十七条五項(c)について、司法手続の運用改善について、日米合同委員会に設置されました日米専門家委員会におきまして鋭意作業が進行中であり、この作業の結果が近々に出てくるものと思います。その作業の結果を踏まえて、この手続問題、運用改善問題、こういったことにつきましてどういう形でこれを処理するか、そういうことについて米側の協力もいただき結論を得たい、このように思っておるところであります。
それから、御指摘の我が国の地位協定が世界の国々とのいわゆる地位協定と比較して決して劣後にあるものではないという委員の指摘がありましたが、それは私もそのように思っております。
今回の沖縄県における少女暴行事件に見られるような極めて凶悪な犯罪につきまして、その協定があるにしろ、事前に身柄が引き渡せないかということを要求してきたことも事実であります。その要求につきまして、ただいまそれが運用面において可能かどうかということが日米専門家委員会の中で検討、協議されておる、こういうことでございますので、御理解をいただきたいと思うわけでございます。
それから、沖縄の問題でございますが、この問題につきましては、いつも言われますが、沖縄にありましては米軍の施政下にあって布令布告により強権的に基地が構築された、こういう歴史的事実があります。また、沖縄県は本土復帰におくれること二十年という特別なハンディキャップがあるわけでございまして、さらには終戦時における沖縄県の本土決戦を前にした特別な事情がありまして、大変大きな犠牲を強いられていることも事実であります。現に本土復帰がおくれたという経緯これあり、ために沖縄県の県民所得というものが全国平均から見まして著しく劣後にある、それから県や県下の市町村の財政力指数も弱い、こんなことを政府としていかにサポートするか、そういうことでいろいろと補助率のかさ上げ等が、あるいは沖縄開発庁における第三次にわたる振興開発施策、そういうものがとられてきた、これは御案内のとおりでございます。
さて、基地の問題ですが、我が国の本土面積の〇・六%である沖縄にありまして、我が国にある在日米軍基地の七五%が沖縄に集約されておるということも現実であります。この点からいたしましても、私どもいかにしてこの沖縄の在日米軍基地を整理統合、そして結果として縮小を進めるかということで鋭意努力してまいりました。御案内のとおり、現在米軍側と合意できたもの、返還手続に合意されたもの二十三事案プラス三事案がございまして、この中で残り十事案ということにつきましてもこれから鋭意返還に向けての作業にあらゆる努力をしていかねばならぬ、このように考えておるところでございます。
特に新しい三事案、ことしの一月、クリントン大統領と村山総理におきまして話された、またことしの五月、前玉沢防衛庁長官とペリーさんの間で話されましたこの三事案の中の県道一〇四号線越えの実弾射撃の訓練場の移転問題、これにつきましては、今月の十二日から日米合同委員会の中に特別な作業班を設置いたしましてその作業班の作業が始まった、こういうことでありまして、私どもはこれを受けまして、本土の中におきましてこの射撃演習が可能な演習場がどこにあるかといったことにつきましても調査を進める、こういうことで作業が始まったということであります。
当然、沖縄の基地のこの問題につきましては、沖縄県を除く四十六の都道府県皆さんでこの問題を全国民の共通共有の問題として取り上げ、そして沖縄県民の苦痛、苦渋、そういうものも十分に分かち合う、そしてその問題を解決する、そういう努力がなきゃならないということを予算委員会で総理が答弁されましたが、私も全く同じ考えをしておりまして、防衛庁長官としてそういった方向に向けてあらゆる努力をしてまいりたい、このように考えておるところであります。
なお、もう一言申し上げますならば、戦後、沖縄の基地の返還等々、政府も米軍も進めてまいりましたが、その努力が十分であったかというと、必ずしも十分ではなかったのではないか、努力不足の面が否めないのではないか、こういうことを私は感じておるということも申し上げたいと思います。
以上であります。