大野功統の発言 (安全保障委員会)
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○大野(功)委員 おはようございます。自由民主党の大野功統でございます。
きょうは、沖縄における米軍基地の問題につきまして、防衛庁長官並びに外務大臣にお尋ねを申し上げたいと思います。
まず、緊急を要している問題であります。つまり、楚辺通信所の問題です。
この楚辺通信所というのは、四月一日から一体合法的な状態になっているのか、それとも違法的な状態になっているのか、こういう問題があるわけでありますけれども、政府の方からは四つの理由を挙げまして、つまり、一つは過去二十年間にわたって賃貸借契約に基づいて適法に使用している、二つ目は日米安保条約並びに地位協定の問題がある、三番目には土地使用の権原を得るための所定手続をとる途中である、四番目は借料相当の全員の提供をしている、このような四つの理由を挙げまして、この土地が土地所有者に返還されていない状態について、直ちに違法であるというには当たらないのではないか、極めて遠慮がちな解釈を述べておられるわけであります。
私は第一に想起したいのは憲法九十八条二項でございまして、言うまでもありません、条約というのは誠実に遵守する必要があるんだということが書いてあります。それから、九十八条の一項には、憲法というのは最高法規であって、この憲法に反する法律あるいは国の行為は無効である、こういうことを書いてあるわけであります。
果たしてこの賃貸借契約が憲法九十八条一項に基づく国の行為であるのかないのか。判例によりますと、これは国と私人との間の契約であるから私法上の問題である、つまり、国の行為には当たらないという判例もあるようであります。皆さん御存じのとおり、これはいわゆる板付飛行場事件であります。
最高裁で昭和四十年三月九日に判決が出ておりますけれども、これはアメリカの占領が終わるまで賃貸借契約をする、こういうような状態で始まって、占領が終わったからどうなるかという問題でありますけれども、その最高裁の判決で次のように書いてあるわけであります。判決が出ているわけであります。
「国は、土地所有者との間で、期間を駐留軍が使用を継続する間とする賃貸借を締結したが、本件土地については、上告人らに拒否されたため、契約による使用権を取得できず、」つまり、占領が終わったからもうこの賃貸借契約は終わったんだといって上告されているわけですね。それで「被上告人」、つまり国は、「国の駐留軍に対する土地の提供は、日米安全保障条約三条に基づく条約上の提供義務の履行としてなされているのであって、右条約の誠実な履行は、国の義務であり、関係土地所有者らも、直接間接、この国の義務履行に協力すべき立場に置かれているものというべきである。」このように言っているわけです。
そう言った上で、契約に基づき「国と関係土地所有者との間にすでに適法に形成された前記のごとき土地の使用関係は、単に契約が満了した」、つまり占領の終了ですね、「契約が満了したという一事により、たやすく消滅させるべきではなく、その使用」、つまり米軍による使用ですね、「の必要性が大であるかぎり、むしろこれを存続させることを相当とすることは、借地権が存続期間の満了等の事由により消滅した場合においても、建物があるときは、土地所有者において、正当の事由がないかぎり、借地権者からの更新の請求を拒絶しえないものとする借地法四条一項の精神に照らすも、肯認するに難くないところである。」と言っております。
さらに、「国の落度」、この場合延長手続とか何らかの手続をしなかったことを言っているんだと思いますけれども、「国の落度のあることは明らかであるが、右の手続をとらなかったことによる本件土地所有権の侵害については、不法行為または不当利得に関する法規により救済を求めるのであれば格別、原状回復を求める本訴のような請求は、私権の本質である社会性、公共性を無視し、過当な請求をなすものとして、認容しがたい。」
つまり、言っている意味は、まず、占領が終わるまでという契約であっても、条約に基づき土地を提供することは国の義務である、さらに、その土地の所有者は国の義務に協力をしなければいけない、しかも、借地法四条一項に照らせば妥当である、こういう場合には何よりも公共性を重んじなければいけない、こういうふうに言っているわけであります。
だから、堂々と胸を張ってこれは合法である、おっしゃっているように直ちには違法であるというには当たらないのではないかというような言い方ではなくて、むしろ合法である、このような見解ではなかろうかと私は思うのですが、まずその法的側面についてお答えをいただければと思います。