枝野幸男の発言 (規制緩和に関する特別委員会)
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○枝野委員 要するに、今後も職業紹介は全部労働省が抱えるんだというような哲学のように聞こえましたけれども、僕は、結局それがもう無理な時代だと思うのです。
それは、ホワイトカラーの問題に限らず、例えば、私は三十一ですが、我々の世代は職業を求めるときに、もう日本の国という単位を全然相手にしていない人たちがたくさんいるのです。国際社会の中で、シンガポールもいい、香港もいい、台湾もいい、アメリカもいい、そういうベースの中で職場を探すという感覚の人間が非常にふえているわけです。こんなところに労働省がどんなことをやったって、その影響力を行使することはできないわけです。ですから、そういったところに見られるように、すべてのところに労働省が目を光らすんだという感覚をお捨ていただきたい。
ただし、大変大事なところはあるわけです。確かに、例えば日雇いで仕事をされている皆さんのようなところについては、現実問題として行政がしっかりと目を光らせないとさまざまな問題が生じてくるとか、それから、職にあぶれて本当に困っている人で、どんな職でもいいからというような方に職業紹介をしていくということについては、まさに職がなくて困っているわけですから、ただで職を紹介してくれるという場所が絶対必要なわけで、職安が要らないとか意味がないとかということではないわけです。ただ、全部を管理できるんだという考え方はお捨てをいただかないと、多分間違えるのじゃないかなと私は思っております。
最後に、法務省さんにも来ていただいているのですが、時間がないので、ちょっとお尋ねする時間はないかもしれません。むしろ総務庁の方に、法務省の絡みでお尋ねをさせていただきたいのです。
法曹人口の問題が規制緩和小委員会からの報告の中でも入っておりました。
誤解をされると嫌なので念のため申し上げますと、私も弁護士でありますので、自分の業界の話でありますが、私は弁護士の数の大幅増には大賛成であります。今、一年間に千人ぐらいの司法試験の合格者ですが、二千人や三千人にした方がいいと私は個人的に思っています。
そういったことを前提とした上でですが、ただ、これを規制緩和小委員会で、そして行革委員会で取り上げているということが本当にいいのかどうかということについて私は若干疑問を持っております。
それは、形式論として、司法が行政改革の一部なのかという問題が一つあります。そういう形式論議のほかにもう一つ、この法曹人口をふやすという問題は、もちろん弁護士の数がふえると同時に裁判所、まあ検察庁にどれぐらい影響するかというのは難しい問題がありますが、少なくとも裁判所の予算や人員をふやせという話と同義語であります。
今、全体として、行政改革という枠の中で規制緩和を見ている。基本的にはみんな、役所の持っている権限を少なくしよう、そして役所の予算のむだ遣いを減らそう、役所の数も、私は減らせるとは余り思っていませんが、少なくともふやすのをとめよう、小さくしようという方向で全体が動いているのが行政改革、規制緩和の議論だと思っています。
そうした中で、規制緩和だからということでこの法曹人口の話を入れ込むと、裁判所だけは予算も人もふえますよという話が全体に縮めようという動きの中に一つだけ入ってくる。もしそうなつたときに、必ずこの行政改革や規制緩和の話で出てくるのは、おれのところだけは例外だ、おれのところだけは例外だという話が出てきて、みんなが例外になって、各論反対で何も進まないというのが、行政改革、規制緩和について一般的に心配をされていることであります。ですから、例外はつくるべきではない。例外が出てこない形で枠をつくって、その中は全部進めるのですよという枠で進めないと、どこか一つの例外を認めちゃうと、みんなが、おれも例外だ、例外だということで、進まなくなる。
そうした意味で、この法曹人口の問題は、裁判所だけは、これはふやさざるを得ないよねという例外を何か枠組みの中に取り込んじゃうような形になってしまうと、今言った心配が現実になってくるのではないか。そこのところをうまく仕分けをしないと難しいところが出てくるのじゃないか。
現実に遅いとは言われていますが、司法ベースのところでこの法曹人口増加という問題は、法務省も最高裁もどんどんやるべきだという感覚で進んでいるのであって、日弁連は若干抵抗しているようですが、進んでいる話でもありますので、ちょっとそこの仕切りを御検討いただいた方が全体の進みはいいんじゃないかなと思っているのですが、いかがでしょうか。