与謝野馨の発言 (金融問題等に関する特別委員会)

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○与謝野委員 大蔵大臣、金融機関に対して預金者が信頼を持つというのがやはり信用秩序の第一歩だと私は思うのです。
 金融不安というのは起きないんだということをよく言う人がいますけれども、金融不安というのはちょっとしたことで実は起きるのです。
 例えば、愛知県のある市の大変信用のある信用金庫で起きた事件をお話ししますと、その信用金庫に実は就職したいと思った女子高校生がいた。ところが、成績が十分でなくてその信用金庫に就職できなかった。帰りの電車かバスの中で友達とつり革につかまって、あんな信用金庫、近くつぶれるわよ、こう言ったのです。そうしたら、前に座っていたおばさんが多少慌てん坊で、その信用金庫が本当につぶれると思ってしまった。家に帰って、その信用金庫から自分の預金を全部おろすと同時に、親戚じゆうに全部電話した。親戚も全部預金をおろして、親戚もおしゃべりが多くて町じゅうの人に全部話した。そうしたら、その信用金庫にはもう町じゅうの市民が殺到して実は取りつけが起きたのです。それで、日本銀行の名古屋支店は現金をトラックでどんどん輸送して、その不安を抑えるために預金の払い戻しに応じたという有名な事件が、実はもう二十年ぐらい前にあったわけです。
 そのぐらい、ちょっとしたマッチをすれば金融不安というのは起きるのです。金融不安が起きますと、直ちにそういう金融機関というのは経営危機に瀕するのです。だから、預金者が不安を持たないというのが金融行政の第一歩であり肝心かなめのところだろうと私は思うのです。
 ですから、今回の住専処理スキームは、私は東京出身の代議士ですから何の農協に同情する余地はないし農協の方におつき合いはないのですが、やはり系統金融に預金をしている九百万人の預金者に不安と動揺を与えないというところが一番肝心かなめのところだと思うのです。
 そのためには、少し農林系統の五千三百億は少ないのじゃないかという批判が、実は農林大臣、あるのですよ。もうちょっと出していただけませんかという声が実はあるのですが、五千三百億というのは本当に系統金融のぎりぎりの体力の限界なのか。これはこの前から農林大臣の答弁、いろいろ聞いていますが、本当にぎりぎりなのかという点についてはまだ私自身納得してない。その点についてもう一度御説明をいただけないでしょうか。

発言情報

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発言者: 与謝野馨

speaker_id: 23890

日付: 1996-05-28

院: 衆議院

会議名: 金融問題等に関する特別委員会