福田康夫の発言 (決算委員会)

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○福田委員 私は、今大変重要な問題でございます財政問題、これについて質問をさせていただこう、こういうふうに思っておったのでありますけれども、若干稲垣委員からも御指摘、御質問がございましたし、時間のことがございますので、まず最初にODAのことについて質問をさせていただきたい、このように考えております。
 ODAにつきましては、私なりにその意義というものを考えて、そしてそれを御披露申し上げたいと思うのでありますけれども、日本のこれからの社会を見通しました場合に、これからは、高齢化がピークを迎えるという二〇二五年、これに向かって邁進をしておるところでありますけれども、高齢化に伴います貯蓄率の低下、そしてまた、それに伴いまして経常収支の黒字の減少が続く、このように私は単純に考えて想像をいたしておるところであります。
 いろいろな予測がありますけれども、二〇一〇年ごろになりますと、経常収支はとんとんになる、そしてまた黒字はゼロになる、こんなふうな可能性が極めて高いのではないかなというふうにも思います。
 もしそういうふうになりますと、為替レートは現在百八円でございますか、このレートが、購買力平価、今でいいますと百八十円でございますけれども、この百八十円にだんだんとさや寄せされていくのではないかな、こんなふうに思っております。
 そうなりますと、国民一人当たりのGNP、これはもう今では日本は世界のトップレベルと申しますか、トップかもしくは二位、三位というふうなところに位置づけられておりますけれども、現在約三万ドルでございますが、これが百八円と百八十円の差ができまして、六〇%は減価する可能性がある。そのときにはGNPは一人当たり一万八千ドルというふうなことで、これは今の価値に換算しての話でございますけれども、かなり低い水準になってしまう可能性がある。そうなりますと、もうその時代にはもはや経済大国というふうなことが言えるような時代ではないんじゃないか、こんなふうに思っております。高齢化社会というのは経済的にいえば大体そんなふうなことであるのかな、そんな感じもするのであります。
 我が国は、御承知のとおり、重要商品については海外依存が強く、そしてまた輸出入のための海上輸送、これも世界の二割は占める、こういうふうな海外依存、海上依存国家である、こういうふうに私は言っておるのでありますけれども、そういうふうな特殊な国の一つではなかろうかというふうに思っております。
 そういうふうな国にとって何よりも大事なことは世界の平和と安定であるということは、これはもう論をまたないわけでありまして、そのことをかねがね自覚いたしておりました我が国は、いろいろな方策をとってきたわけであります。
 その中で、例えば世界一の規模を誇るODAというものもございますし、また、国連に対する拠出金も、米国に次いで多額のものをしておるということでございます。それは、そういうふうなことの自覚の証左であると言ってもいいのではないかというふうに私は思っております。
 私は、二十一世紀というのは、国家イメージをめぐる闘いの時代、こんなふうにも考えております。
 これは、巷間そういうふうなことも言われておりますけれども、こういう時代を乗り切るためには、国際社会の支持と協力を取りつけられるような国家目標を掲げなければいけない、こういうことで、これを推進するということがどうしても必要になってまいります。ましてや、二十一世紀初頭には、もはや経済大国ではない、高齢化社会日本国、こういうふうな位置づけになるわけでございまして、こういう日本にとって、国家目標を世界に対してさらに強くアピールすることが必要に
なってくるのではないかというふうに私は考えております。
 こういう意味から、我が国の戦略の柱として大きな役割を担っているのがこのODAであるというふうに位置づけてよろしいかと思いますし、また、対外的には日本という平和国家の象徴的存在であるというふうにも考えております。
 実際問題、日本が国際社会の中で誇り得るものというのは、日本の顔として通用するものでございますけれども、これは何であろうかなというふうなことを今考えてみますと、例えば科学技術、これは今までの優位というものは今少し揺らいできておるというふうなことも言われております。社会の安全、これもひとときの神話にすぎなかったというふうにも言われております。また、行政の信頼も失われつつあるということもございます。また、あの世界最強の金融システムと言われていた部分も今は批判の対象になっておる、こういうふうなことでございます。また、さらに申し上げれば、暴力団を温存する社会、こういう国際的な見方もできるのではなかろうかというふうにも考えております。
 こういうふうなことになりますと、私は、世界の中で立派に通用し、かつ評価され、感謝されるものはODAではないのかなというふうに思っておるところでございます。
 したがいまして、私は、これからODAというものは日本にとって極めて大事なものであるというふうに考えておりまして、これをいかに育てていくかということが、我が国としても大事な政策選択の一つではないかというふうにも考えております。そのためには、このODAの規模を拡大することも大事でございますけれども、その内容の充実を心がけるということも当然大事なことになってまいります。
 そういう意味では、特に最近日本は、地球環境保全への貢献に環境ODAということでもって真剣に取り組んでいるわけでありまして、これは非常に高い評価も得ているというふうに私は思いますし、私自身も、高い評価をすべきであると思っております。ですから、こういう方面にはさらに力を入れていくべきであろうというふうに考えております。
 また、近年は草の根無償資金協力というのが急速に拡大されてきております。これはまだ、額はことしで四十五億円ということでございます。ですから、金額的にはそれほど大きいものではないかもしれません。しかしながら、こういうものが拡充されてきておるということも大変結構なことだというふうに私は思います。
 ただ、一つ注文を申し上げれば、お金を出して出しつ放しというふうなことではなくて、ちゃんと評価をするということをしていただきたい。評価をするということになれば、当然スタッフも必要だろうし、また、そういう体制も必要だということになりますので、そういうふうな準備をぜひ心がけていただきたいと思っております。
 以上、私は、ODAのこれからの社会の中における位置づけというものをしてみたわけでございますけれども、まず外務大臣に、外務大臣としてのODAに対する認識、いかに重要に考えていらっしゃるか、これをひとつお尋ねしたいと思います。

発言情報

speech_id: 113604103X00519960613_009

発言者: 福田康夫

speaker_id: 5556

日付: 1996-06-13

院: 衆議院

会議名: 決算委員会