決算委員会

1996-06-13 衆議院 全147発言

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会議録情報#0
平成八年六月十三日(木曜日)
   午後六時開議
出席委員
 委員長 中島  衛君
  理事 稲垣 実男君  理事 佐藤 静雄君
  理事 福田 康夫君  理事 竹内  譲君
  理事 前田 武志君  理事 若松 謙維君
  理事 田中 昭一君  理事 石井 紘基君
     伊藤宗一郎君     久野統一郎君
    田野瀬良太郎君     東家 嘉幸君
     三塚  博君     水野  清君
     横内 正明君     上田 清司君
     熊谷  弘君     鳥居 一雄君
     西  博義君     渡部 恒三君
     赤松 広隆君     三原 朝彦君
     嶋崎  譲君     小泉 晨一君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  橋本龍太郎君
        法 務 大 臣 長尾 立子君
        外 務 大 臣 池田 行彦君
        大 蔵 大 臣 久保  亘君
        文 部 大 臣 奥田 幹生君
        厚 生 大 臣 菅  直人君
        農林水産大臣  大原 一三君
        通商産業大臣  塚原 俊平君
        郵 政 大 臣 日野 市朗君
        労 働 大 臣 永井 孝信君
        建 設 大 臣 中尾 栄一君
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長     倉田 寛之君
        国 務 大 臣
        (内閣官房長官)梶山 静六君
        国 務 大 臣
        (総務庁長官) 中西 績介君
        国 務 大 臣
        (北海道開発庁
        長官)
        (沖縄開発庁長
        官)      岡部 三郎君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 臼井日出男君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      田中 秀征君
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      中川 秀直君
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 岩垂寿喜男君
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 鈴木 和美君
 出席政府委員
        内閣官房内閣内
        政審議室長
        兼内閣総理大臣
        官房内政審議室
        長       藤井  威君
        内閣法制局長官 大森 政輔君
        内閣総理大臣官
        房管理室長   安藤 昌弘君
        警察庁生活安全
        局長      泉  幸伸君
        総務庁行政監察
        局長      大橋 豊彦君
        防衛庁経理局長 佐藤  謙君
        経済企画庁調査
        局長      中名生 隆君
        環境庁長官官房
        長       田中 健次君
        環境庁企画調整
        局長      大西 孝夫君
        国土庁長官官房
        長       竹内 克伸君
        法務大臣官房審
        議官      山崎  潮君
        外務省経済協力
        局長      畠中  篤君
        外務省条約局長 林   陽君
        大蔵大臣官房総
        務審議官    武藤 敏郎君
        大蔵大臣官房審
        議官      尾原 榮夫君
        大蔵省主計局次
        長       林  正和君
        大蔵省理財局長 田波 耕治君
        大蔵省銀行局長 西村 吉正君
        国税庁課税部長 内野 正昭君
        文部大臣官房長 佐藤 禎一君
        文部省生涯学習
        局長      草原 克豪君
        厚生大臣官房総
        務審議官    亀田 克彦君
        厚生省老人保健
        福祉局長    羽毛田信吾君
        農林水産大臣官
        房長      高木 勇樹君
        農林水産省畜産
        局長      熊澤 英昭君
        通商産業大臣官
        房商務流通審議 
        官       大宮  正君
        運輸政務次官  北沢 清功君
        運輸大臣官房長 戸矢 博道君
        運輸省航空局長 黒野 匡彦君
        郵政省電気通信
        局長     五十嵐三津雄君
        労働大臣官房長 渡邊  信君
        建設大臣官房長 伴   襄君
        建設省道路局長 橋本綱太郎君
        建設省住宅局長 梅野捷一郎君
        自治大臣官房長 二橋 正弘君
        自治省財政局長 遠藤 安彦君
 委員外の出席者
        大蔵省主計局司
        計課長     田頭 基典君
        会計検査院長  矢崎 新二君
        会計検査院事務
        総局次長    中島 孝夫君
        会計検査院事務
        総長官房総務審 
        議官      牛嶋 博久君
        会計検査院事務
        総長官房総務課
        長       円谷 智彦君
        会計検査院事務
        総局第一局長  深田 烝治君
        会計検査院事務
        総局第二局長  森下 伸昭君
        会計検査院事務
        総局第三局長  山田 昭郎君
        会計検査院事務
        総局第四局長  五十嵐清人君
        会計検査院事務
        総局第五局長  平岡 哲也君
        参  考  人
        (日本銀行理事)安斎  隆君
        参  考  人
        (日本道路公団
        理事)     黒川  弘君
        参  考  人
        (地域振興整備
        公団副総裁)  粟屋  忠君
        参  考  人
        (畜産振興事業
        団理事)    岩村  信君
        決算委員会調査
        室長      天野  進君
    —————————————
委員の異動
六月十三日
 辞任         補欠選任
  宇野 宗佑君    田野瀬良太郎君
  綿貫 民輔君     久野統一郎君
  渡部 恒三君     上田 清司君
同日
 辞任         補欠選任
  久野統一郎君     綿貫 民輔君
 田野瀬良太郎君     宇野 宗佑君
  上田 清司君     渡部 恒三君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 平成四年度一般会計歳入歳出決算
 平成四年度特別会計歳入歳出決算
 平成四年度国税収納金整理資金受払計算書
 平成四年度政府関係機関決算書
 平成四年度国有財産増減及び現在額総計算書
 平成四年度国有財産無償貸付状況総計算書
 平成五年度一般会計歳入歳出決算
 平成五年度特別会計歳入歳出決算
 平成五年度国税収納金整理資金受払計算書
 平成五年度政府関係機関決算書
 平成五年度国有財産増減及び現在額総計算書
 平成五年度国有財産無償貸付状況総計算書
     ————◇—————
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中島衛#1
○中島委員長 これより会議を開きます。
 議事に入るに先立ち、本日、福岡空港における航空機墜落事故でお亡くなりになりました方々に対し、決算委員会を代表して哀悼の意を表し、心より御冥福をお祈り申し上げますとともに、負傷された方々にお見舞い申し上げます。
     ————◇—————
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中島衛#2
○中島委員長 平成四年度決算外二件及び平成五年度決算外二件を一括して議題といたします。
 本日は、各件について締めくくり総括質疑を行います。
 質疑に入るに先立ちまして、質疑者各位に申し上げます。
 質疑時間は申し合わせの時間を厳守されるようお願いいたします。
 また、政府におかれましても、各質疑者の質疑時間は限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いいたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。稲垣実男君。
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稲垣実男#3
○稲垣委員 私は、自由民主党の稲垣実男でございます。
 本日は、橋本内閣総理大臣には当決算委員会に初めて総理として御出席をいただきました。率直に申し上げますと、総理は常に血も涙もわかる政治家として、そして本当に長生きしてよかったと思う社会を実現したいと言っておられまして、まことに人間味があり、人情味のあふるる人であると思っております。
 かつて社会労働委員会にともに籍がございましたとき以来、大変御指導いただいております。理論家として筋道を立てて論じられる方だけに、また自分にも大変厳しく、人にも厳しく求められる人ではございます。そして、常に庶民、大衆の立場に立って物を考え、政策をつくる。庶民、大衆の心をつかんで判断をされる。最後まで情熱を持って事に当たられます。大変尊敬をいたしております。
 橋本総理はそういう人であられるだけに、決算というのは審査するのに極めて厳正、公平なものでございますだけに、私は橋本総理に、冒頭まず決算の審査に対する総理としてのお考え、御所見を承りたいと思います。
 そして、御承知のことでございますが、本委員会は、憲法第九十条に基づきまして国会に提出されました決算を、国会の議決により成立した予算が適正かつ効率的、有効的に執行されたか、そして、行政効果や経済効果等について国会の財政監督権の立場から審査を行い、その結果を将来の財政計画、予算編成及び行政執行に反映をさせることにその目的があると考えております。
 しかしながら、きょう審査をしております平成四年、五年度の決算審査ともなりますと、大変当時から時間がたち過ぎております。問題の指摘の視点も変わってきております。
 かつて私は、決算委員長のときに、そういう時間的経過からして、短期間でしかも十分な審査時間をかけて行うという方法がないものかなということを考えまして、国会に決算が提出されたら速やかに審査を行う、そして予算に反映させる、そういった本来の姿に早く戻すことが必要だということで、当時四つの分科会による審査を提案いたしましていろいろ議論を進めてまいりました。各党全員の賛同を得まして、平成二年、三年の決算審査からこの方式を実施してまいりました。
 予算委員会を初め各常任委員会の合間を縫って審議をするのでありますから、いわゆる時間的制約もございます。そして、平成二年、三年、四年、五年の決算をこの二年で一挙に審査をしてまいりますと、予算、決算の単年度ずつの審議と違って、一つの時間的な、何といいますか流れといいますか財政の経緯というものを強く感じております。
 そこで、近年の公債残高の急増等により国の財政は極めて深刻な状況下にあるということがよくわかってまいりました。現在、二百四十兆円もあります。財政再建は、超高齢化、超少子化時代を迎えての観点からも緊急の課題となっております。国民の皆さんにも、この実態と将来への政策展開というものを率直に今ここで訴えて、そしてよく認識をしてもらい、理解をしていただくことが必要だな、私はこのように考えております。
 国の収入としての税のあり方、支出の適切な縮減、行財政改革等を本当に強力に今こそ推進してもらいたいと存じます。待ったなしの財政の健全化に向けて思い切った対策を講じてほしいと思いますので、ぜひひとつ総理のこれらのお考えをまず承りたいと思います。
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橋本龍太郎#4
○橋本内閣総理大臣 冒頭、御報告とともにおわびを一点申し上げたいと存じます。
 本日十二時八分ごろ、福岡空港におきまして、ガルーダ・インドネシア航空DC10型機が、離陸時、一たん離陸をいたしましたものの、滑走路の南延長上約五百メートルの飛行場内の緑地に墜落、炎上いたしました。
 既に三名の方が亡くなられ、現時点で、四時四十五分現在の報告によりますと、病院へ搬送されました重軽傷者百八名が確認をされておる状況であります。
 しかも、機体の後部はまだ鎮火せず消火作業が続行をいたしております。
 亡くなられました方々の御冥福をお祈りをいたしますとともに、負傷されました方々のおけがが多少ともに軽く済むことを心から願っております。
 そうした中で、本日決算委員会の御審議のあることは承知をいたしておりましたが、とっさの判断で、運輸大臣に現地に向かうように指示をいたしました。委員会の御了承をとらずとっさの判断で行いましたことをお許しをいただきますことを、まず冒頭お願いを申し上げます。
 また次に、今委員から御指摘のありました諸点についてでありますが、私どもは、国会における決算の審査というものは極めて重要であり、厳粛なものだと受けとめております。委員会審査につきまして、特に委員が決算委員長であられました平成二年度及び平成三年度の決算審査から分科会方式を導入していただくなど、審査の効率化につきましても大変な御努力をお払いをいただきました。心から敬意を表したいと思います。
 政府といたしましては、本院の決算審査の効率化の御努力を踏まえまして、今後ともに、決算審査に際し一層の努力をしていきたいと考えております。
 そして、議員が御指摘をされましたように、今我が国の財政は、平成八年度予算におきまして二十一兆円に上る公債発行に依存せざるを得ない状況に立ち至っておりまして、国債費が政策的経費を圧迫するなど、構造的に極めて厳しい、もはや危機的状況と言っても過言ではない状況に立ち至っております。
 このような財政事情のもとで、できるだけ速やかに健全な財政体質をつくり上げていくということが緊急の課題でありまして、国会における御論議あるいは財政制度審議会、各種の審議会の有機的な連携のもとでの御議論などを踏まえながら、国民の御理解、御協力を得ながら、財政構造改革に強力に取り組んでまいりたいと考えており
ます。
 殊に、従来それぞれの審議会が別個の立場で議論をされますために、問題の認識をお持ちいただきながら必ずしも有機的な連携がとれませんでした。今回、お願いを申し上げまして、経済審、財政審、政府税制調査会、そして国民負担率という視点を持って御論議をいただくことを願いながら社会保障制度審議会の四審議会、その会長、会長代理にお集まりをいただき、認識をそろえていただき、あわせて事務局相互の連携をもとりながら、共同してこれに当たっていこうと考えております。
 国会におかれましても、ぜひ御協力を賜りますよう、心からお願いを申し上げます。
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稲垣実男#5
○稲垣委員 大変力強い橋本総理の決意を承りまして、感謝いたしております。
 次に、本委員会でも最終的に終わりますと決算の議決をいたすわけでありますが、その決算の議決に対する内閣のこういった措置がたった一回の報告だけで済まされないように、そして議決した指摘事項の趣旨を将来にわたって、そして次なる予算の編成あるいは行政執行に的確に反映していく必要があると思いますが、総理の御所見をお伺いしたいと思います。
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橋本龍太郎#6
○橋本内閣総理大臣 国会における決算の審査の中で、従来からさまざまな角度での問題の御指摘をちょうだいしてまいりました。そして、その折その折にちょうだいをいたしましたその示唆というものは、私どもなりに国政の中に生かしてまいったつもりでありますし、国会における決算の審査というものは、それだけの重みを持ったものだと心得ております。
 従来から、予算の適正かつ効率的な執行に留意をする、これは政府として当然のことでありますけれども、予算編成などに当たりましても、国における議決や予算執行の実態などをでき得る限り反映させていくよう努めてまいりました。今後ともに、決算審査の重要性というものを十分認識しながら、なお一層の努力をしてまいりたい、そのように考えております。
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稲垣実男#7
○稲垣委員 実はきょう、昼に自民党で、行革推進本部からいろいろなことを承りました。
 橋本行革の基本方向といったような一つのビジョン、そういったものを非常に期待されておりますが、まだ未定稿ということでございますので残念ながらここで申し上げるわけにいきませんが、とにかく国際的には待ったなしの大競争時代に入っておるわけでありますので、これらの問題については、今や地球規模で生じた大変厳しい競争に勝つために、企業やそれぞれ努力している人は、非常に有利な環境を求めて国境を越えて移動しているような現状でありますし、人や企業が国を選ぶ時代が到来しておるということでもあります。
 また、我が国の国内条件は、先ほど申し上げましたとおり、人口構造の高齢化や少子化あるいはまた巨額の財政赤字、バブル経済の後遺症など、こういうものがございますし、特に総理は、非常に超高齢化社会、少子問題について御造詣が深いわけでございます。これからの健康な高齢者の人たちが、将来寝たきりにならぬように、また自分たちで自助努力をして、そして楽しく生きがいを持って暮らせる、そういった長寿村コミッティーというものを、かつて私は、特別委員長をやらせていただいたときに、党に懇談会をつくって、そして二十一世紀の新しい高齢者像というものを提言したことがございます。
 こういったコミッティーやそういったものをつくって、実は生きがいがあり、そして長生きしてよかったな、総理がおっしゃるようなことをぜひひとつ、後追い政策といいますか、寝たきりの人やあるいは痴呆症の人たちができたからこれに対して対応するということじゃなくて、高齢者の人が積極的に、そういう落ちこぼれになっていかないような体制をみずからがつくっていく、こういうことについて、ぜひひとつ総理も先頭に立って後押しをお願いいたしたいと思います。
 御答弁は、もう時間がございませんので後の質問者に交代いたしますが、ぜひひとつ頑張っていただきますよう、心からお願いを申し上げて、私の質問は終わりたいと思います。
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中島衛#8
○中島委員長 次に、福田康夫君。
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福田康夫#9
○福田委員 私は、今大変重要な問題でございます財政問題、これについて質問をさせていただこう、こういうふうに思っておったのでありますけれども、若干稲垣委員からも御指摘、御質問がございましたし、時間のことがございますので、まず最初にODAのことについて質問をさせていただきたい、このように考えております。
 ODAにつきましては、私なりにその意義というものを考えて、そしてそれを御披露申し上げたいと思うのでありますけれども、日本のこれからの社会を見通しました場合に、これからは、高齢化がピークを迎えるという二〇二五年、これに向かって邁進をしておるところでありますけれども、高齢化に伴います貯蓄率の低下、そしてまた、それに伴いまして経常収支の黒字の減少が続く、このように私は単純に考えて想像をいたしておるところであります。
 いろいろな予測がありますけれども、二〇一〇年ごろになりますと、経常収支はとんとんになる、そしてまた黒字はゼロになる、こんなふうな可能性が極めて高いのではないかなというふうにも思います。
 もしそういうふうになりますと、為替レートは現在百八円でございますか、このレートが、購買力平価、今でいいますと百八十円でございますけれども、この百八十円にだんだんとさや寄せされていくのではないかな、こんなふうに思っております。
 そうなりますと、国民一人当たりのGNP、これはもう今では日本は世界のトップレベルと申しますか、トップかもしくは二位、三位というふうなところに位置づけられておりますけれども、現在約三万ドルでございますが、これが百八円と百八十円の差ができまして、六〇%は減価する可能性がある。そのときにはGNPは一人当たり一万八千ドルというふうなことで、これは今の価値に換算しての話でございますけれども、かなり低い水準になってしまう可能性がある。そうなりますと、もうその時代にはもはや経済大国というふうなことが言えるような時代ではないんじゃないか、こんなふうに思っております。高齢化社会というのは経済的にいえば大体そんなふうなことであるのかな、そんな感じもするのであります。
 我が国は、御承知のとおり、重要商品については海外依存が強く、そしてまた輸出入のための海上輸送、これも世界の二割は占める、こういうふうな海外依存、海上依存国家である、こういうふうに私は言っておるのでありますけれども、そういうふうな特殊な国の一つではなかろうかというふうに思っております。
 そういうふうな国にとって何よりも大事なことは世界の平和と安定であるということは、これはもう論をまたないわけでありまして、そのことをかねがね自覚いたしておりました我が国は、いろいろな方策をとってきたわけであります。
 その中で、例えば世界一の規模を誇るODAというものもございますし、また、国連に対する拠出金も、米国に次いで多額のものをしておるということでございます。それは、そういうふうなことの自覚の証左であると言ってもいいのではないかというふうに私は思っております。
 私は、二十一世紀というのは、国家イメージをめぐる闘いの時代、こんなふうにも考えております。
 これは、巷間そういうふうなことも言われておりますけれども、こういう時代を乗り切るためには、国際社会の支持と協力を取りつけられるような国家目標を掲げなければいけない、こういうことで、これを推進するということがどうしても必要になってまいります。ましてや、二十一世紀初頭には、もはや経済大国ではない、高齢化社会日本国、こういうふうな位置づけになるわけでございまして、こういう日本にとって、国家目標を世界に対してさらに強くアピールすることが必要に
なってくるのではないかというふうに私は考えております。
 こういう意味から、我が国の戦略の柱として大きな役割を担っているのがこのODAであるというふうに位置づけてよろしいかと思いますし、また、対外的には日本という平和国家の象徴的存在であるというふうにも考えております。
 実際問題、日本が国際社会の中で誇り得るものというのは、日本の顔として通用するものでございますけれども、これは何であろうかなというふうなことを今考えてみますと、例えば科学技術、これは今までの優位というものは今少し揺らいできておるというふうなことも言われております。社会の安全、これもひとときの神話にすぎなかったというふうにも言われております。また、行政の信頼も失われつつあるということもございます。また、あの世界最強の金融システムと言われていた部分も今は批判の対象になっておる、こういうふうなことでございます。また、さらに申し上げれば、暴力団を温存する社会、こういう国際的な見方もできるのではなかろうかというふうにも考えております。
 こういうふうなことになりますと、私は、世界の中で立派に通用し、かつ評価され、感謝されるものはODAではないのかなというふうに思っておるところでございます。
 したがいまして、私は、これからODAというものは日本にとって極めて大事なものであるというふうに考えておりまして、これをいかに育てていくかということが、我が国としても大事な政策選択の一つではないかというふうにも考えております。そのためには、このODAの規模を拡大することも大事でございますけれども、その内容の充実を心がけるということも当然大事なことになってまいります。
 そういう意味では、特に最近日本は、地球環境保全への貢献に環境ODAということでもって真剣に取り組んでいるわけでありまして、これは非常に高い評価も得ているというふうに私は思いますし、私自身も、高い評価をすべきであると思っております。ですから、こういう方面にはさらに力を入れていくべきであろうというふうに考えております。
 また、近年は草の根無償資金協力というのが急速に拡大されてきております。これはまだ、額はことしで四十五億円ということでございます。ですから、金額的にはそれほど大きいものではないかもしれません。しかしながら、こういうものが拡充されてきておるということも大変結構なことだというふうに私は思います。
 ただ、一つ注文を申し上げれば、お金を出して出しつ放しというふうなことではなくて、ちゃんと評価をするということをしていただきたい。評価をするということになれば、当然スタッフも必要だろうし、また、そういう体制も必要だということになりますので、そういうふうな準備をぜひ心がけていただきたいと思っております。
 以上、私は、ODAのこれからの社会の中における位置づけというものをしてみたわけでございますけれども、まず外務大臣に、外務大臣としてのODAに対する認識、いかに重要に考えていらっしゃるか、これをひとつお尋ねしたいと思います。
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池田行彦#10
○池田国務大臣 ただいま福田委員からお話がございましたように、我が国が存立していくためにも、海外との関係、そしてまた国際社会全体の安定、それから発展というものは非常に大切でございます。それからまた、平和国家であるという日本の特質からいたしましても、国際社会に貢献していく大きな柱としてODAというものが大切であるというのも御指摘のとおりだ、このように考えております。
 そういったことで、これまでもODAにつきましてはできる限りの努力をしてまいった次第でございます。しかしながら、財政も大変厳しゅうございますから、我々も、ODAは大切だから幾らでも予算をくれというわけにはまいらない、効率的な運用に鋭意努力してまいらなければいけない、こう考えております。
 しかしながら、一方におきまして、ODAというものが、単に国際社会に貢献するというだけではなくて、今日のように経済社会がグローバル化しているという状態の中では、ドナー国である日本のような国自身のためにもやはり必要だと思うのでございます。グローバル化する経済の中で、開発途上国が発展していく、そうして自由主義経済のシステムがずっと広がりさらに飛躍していくということは、いわゆる我々のような先進国という国にとってもやはりプラスの効果を与える、単に与えるのではなくて、我々自身のためでもある、こういう点もあると思います。そういうことで、極力この辺につきましては、国民の皆様方の御理解も得ながら今後ともその努力をしてまいりたいと思います。
 そしてまた、内容につきまして、具体的に環境面の問題あるいは草の根無償についての御指摘がございました。
 おっしゃるとおり、地球環境問題は、これから二十一世紀に向かって全人類が取り組まなければいけない重要課題でございますし、草の根無償というような、額は小さくてもきめの細かい、かゆいところへ手の届く経済協力というものが本当に大切だと思いますので、そういったものも進めてまいりたいと存じます。
 それから、出しっ放してはなくて、きちんとフォローアップしなければいけない、評価をしなければいけない、そのとおりだと思います。評価をしながら、さらに、将来における経済協力が効率的に、また開発途上国の発展にも資するように工夫をしていくという観点が大切だと思います。
 これまでも、そういった意味でODA全般につきまして、政府部内におきましても、大蔵省あるいは人員規模の面では総務庁等の御理解も得まして、いろいろ重点的に配慮されてきたところでございます。先ほど申しましたように、厳しい財政事情でございますから、我々としては、この面においても、決して聖域ではない、極力効率化に努めてまいりますが、なお、先ほど申しましたような、また委員の御指摘されましたようなODAの重要性というものについては、政府部内また国民の皆様方の御理解を得ながら、質量両面でなお推進してまいりたいと考えている次第でございます。
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福田康夫#11
○福田委員 ただいま大臣より財政事情というふうなお話がございました。余り無理はできないのだというふうなことも言われたわけでございます。ODAというのは、その必要度の高さにもかかわらず、そのような財政的な事情によってその伸びを抑制しようというふうな意見も出てきているというのは、私はまことに残念なことであると考えております。
 そういうふうな意見が出てきている理由は何かということを考えますと、まず、財政事情の悪化にもかかわらず五年間連続して世界一の規模を続けている、こういうことであります。いいかげんにしてもいいのではないか、こういうふうなことではないかと思います。
 それからもう一つは、アメリカとかドイツのような国がODA予算を削減する方向にある、こういうふうなことも、その理由の一つに挙がっているようでございます。しかし、私は、米国がODA予算を縮小しているからこそ、日本がその穴を埋めるという役割を果たすことを考えるべきではないかというふうに思っております。
 例えば、南太平洋島興国、この一部の国で米国は大使を本国に召還しまして、なおODA予算を削るというふうな処置をしたのでありますけれども、その分を日本が肩がわりをするというふうなことをしてその国の民生に大変貢献をしているということであり、なおかつ大変な感謝もされておるという事実もあるわけでございます。
 また、財政事情が悪化するということも、これもよくわかるのでありますけれども、先ほど申し上げましたように、海外依存国家日本として、ODAを日本の生命線というくらいの考え方をしてもいいのではないかというふうに私は思っていま
す。財政の苦しいときにODAの規模を維持するということが海外に対する強烈なメッセージになるということでございますし、また、そのことによって国家イメージを高めるということにもつながるのではないかというふうに思っております。
 それから、九三年から第五次中期目標で五カ年計画、七百から七百五十億ドルのODA目標を作成したわけでございます。これに対しまして、今年度、来年度二年間で最低三百億ドルを達成しないと、国際社会に対する約束に反することになる、要するに約束の金額を達成しない、こういうことになるわけであります。逆に、もし達成することができるならば、日本は国際的に公表した約束を誠実に果たす国家である、こういう姿勢を明確に海外に示すことができる絶好のチャンスであるというふうにも考えられるわけであります。
 その場合に留意すべきは為替レート、これは、今まで円高方向に振れておりましたけれども、これからはどうも円安を念頭に置かなければいけない。そうしますと、高目の円レートで設定して、そしてこの金額が達成できるというふうに考えたらば、円安になって未達になってしまうというふうなことがあるわけでありますから、この点も十分な配慮をしていただかなければいけないというふうに思っております。
 日本は、他国の実施するPKOにも、これも一〇〇%参加するような状態にないということであります。また、難民も大量に受け入れるというふうなこともできない。国際的な負い目を背負っておる、こういう事情にあるということも考慮しなければいけないと思います。それとあわせて、文化交流、こういう面におきましても、アメリカやドイツ、それからイギリスなどにもいまだにおくれをとっている、こういう事実がございます。そういうふうな面の拡充もぜひお願いしなければいけないし、このこともやはり負い目の一つかなというふうに私は思っております。
 ですから、ODAの金額を決めるというときには、そういうこともあわせて配慮していかなければいけないのではないかというふうに思います。
 もう一つ、最近中国が行った核実験に対しまして、円借款の供与を差しとめるべきだ、こういうふうな強い意見がございます。その意見は、多額の借款供与をしながら核実験をとめることができないという無力感から、ODAそのものも全体的に見直すべきだというふうな意見であろうかというふうに思っております。
 これらの意見や心情は、私もよくわかるわけでございます。また、相手の国との交渉においては、借款の条件とするかどうか、こういうふうな議論も当然必要でございます。しかし、諸般の事情を考慮しますと、中国の核実験をとめさせるためには、米国を初めとする国際世論の圧力を高めること、これが私は一番必要なのではないかと思っております。日本だけで交渉してうまくいくものではないのではないかというふうに思っているのであります。そのために日本が各国に働きかけること、そしてまた平和への仕組みを構築するということ、そういうことによって中国を取り巻く環境整備をすることが必要であろうというふうに考えております。いずれにせよ、この問題は慎重に配慮して決定をすべき問題だというふうに思っております。
 以上、私は、時間がないので相当飛ばしてお話をさせていただきましたけれども、最後に橋本総理に、ODAに対して今後総理としてどのようなお気持ちで対応していきたいか、そういうふうな総理のお考えを聞かせていただきたいと思います。私は大変大事なテーマであるというふうに考えておりますので、ぜひこのことについて重要視をお願いしたい、かように思っておる次第でございます。
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橋本龍太郎#12
○橋本内閣総理大臣 私は、国際社会で日本が貢献する手法がODAだけだとは思いません。しかし、平和国家であります日本にとりまして、やはりODAは国際貢献の非常に大きなよって立つ柱の中核であろう、そうは思います。そして、その必要性は十分認識しているつもりですし、これから先も、我が国の国際貢献を進める、そうした観点から、平成四年の六月に策定されました政府開発援助大綱の理念、さらに原則などを踏まえながら、政府開発援助の効率的、効果的な実施、そしてその充実に努めてまいりたい。そして、我が国の他の国際貢献策とあわせて、平和国家としての日本の存在を示していくその柱としたい、そのように受けとめております。
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福田康夫#13
○福田委員 どうもありがとうございました。ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
 以上で終わります。
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中島衛#14
○中島委員長 次に、前田武志君。
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前田武志#15
○前田委員 やっとで平成四年度、五年度の決算の総括審議にこぎつけました。既に平成八年度の予算が執行されているわけでございますから、理屈の上では、ことしの予算は、平成三年度までの決算の成果をフィードバックさせてこの予算が組まれているということになるわけでございます。その間に五年近いあきがあるわけでございまして、その間の経済構造の変化あるいは財政事情の変化、これはもう多大なものがあるのは御承知のとおりでございます。そういった意味で、我々決算委員会におきましても、決算委員会に課せられた責務ということを考えるときに、その責任を考えながら、もっともっと早く国の予算の決算というものをやるべきであるとも思いながら、ここに至ったことに一種の感慨を覚えるわけでございます。
 当然ながら、各委員が指摘されておりますように、当決算委員会は、予算の執行、その実績、そういったものの審議を通じてその問題点を明らかにして、行政目的の的確な、そして効果的な成果を上げていくように努めていくのが役目だろう、こういうように思います。
 そういった意味において、今回の決算委員会の審議を通じて、後ほど議決案が出るわけでございますが、その議決案においても、近年の公債残高等の急増等、そういう財政悪化というものを深刻に受けとめて財政の健全化等に対しての議決をすべきであるというふうに提案をしております。
 そして、当然のことながら、憲法九十条によって設置されている会計検査院の役割、その会計検査院がまさしく国の財政の、予算の執行等の会計の監督、管理、そういったものを通じて効率的、公正な執行を裏づけていくわけでございますから、その会計検査院等の検査、そういったものを通じて、また財政改革に我々はそれをつなげていくといった意味におきまして、会計検査院の機能、役割、非常に大きいものがございます。そういったことも後ほど議決書の中に指摘するつもりでございますが、そういった観点から、きょうは財政構造改革に向けての序論的な質疑をさせていただきたい、こういうふうに思っております。
 その前に、きょうのガルーダ航空の事故について簡単に現状を御報告いだだきたいと思います。
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北沢清功#16
○北沢政府委員 お答えいたします。
 本日の福岡空港における航空事故につきましては、冒頭、決算委員長の御発言がございましたし、また総理から御答弁に触れてお話がございました。改めて運輸省の立場から、前田委員にお答えを申し上げたいと思います。
 本六月十三日十二時八分ごろ、福岡発デンパサール、ジャカルタ行きのガルーダ・インドネシア航空所属のダグラス式DC10型機が、福岡空港において一たん離陸をいたしましたが、滑走路の南側の飛行場内の緑地に墜落し、大破炎上をいたしました。
 同航空機には、乗客二百六十名及び乗員十五名の計二百七十五名が搭乗しておりましたが、現在のところ、うち三名が死亡、百八名が負傷をいたしております。
 亡くなられた方々に心より哀悼の意を表しますとともに、御遺族の方々にお悔やみを申し上げます。また、負傷された方々には心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 今回の事故の消火、救助活動に御協力をいただいた警察、消防、自衛隊その他現地の方々に感謝を申し上げる次第でございます。
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前田武志#17
○前田委員 早速運輸大臣も現地に行かれたということで、まさしく危機管理、的確な対応をしていただきたいと思いますし、冒頭に委員長が申し上げたように、我々委員会一同、犠牲になられた方々に哀悼の意を表し、また御遺族の方々にお見舞いを申し上げる次第です。
 さて、そういった飛行機による空港需要というものはどんどん拡大しているわけでございまして、後ほどまた議決書においても空港整備について、特にハブ機能を中心として整備を推進するようにということを言っておりますが、特に空港の安全性とかいったようなことも、こういった事故にかんがみて、空港整備そして安全の向上というものにぜひ心がけていただきたいと思います。
 さて、本題に戻りまして、今の財政状況がどういうものであるかということを幾つかの象徴的な数字をもって示していただきたい、こういうふうに思うのです。
 まず大蔵省にお尋ねいたしますが、本年度の予算における公債依存度あるいはその財政赤字の額及びそのGDP比、それからまた財政赤字の累積額、巷間よく国債で二百四十一兆と。地方債あるいは政府のその他の債務等をひっくるめまして、丸めて大体どの程度の総額になっているのか。それのGDP比を、概数で結構でございますから、そういった数字を教えていただきたいと思います。
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林正和#18
○林(正)政府委員 お答え申し上げます。
 まず公債依存度について申し上げますと、七年度の三次補正後で二八・二%でございます。それから、国、地方の長期債務残高でございますが、これは七年度末の見込みで申し上げますと、約四百六兆円、GDP比で八四%になっているところでございます。
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前田武志#19
○前田委員 ここにOECDのエコノミック・アウトルックという表があるのですが、今御指摘のことも含めまして、各国の比較等が載っております。
 そうすると、国及び地方の財政赤字というものの比率が九六年度末で八・二%、これが欧米等は大体三%以下です。例のEUの通貨統合の三%という基準があるわけですね。それから米国なんかも、これは議会と政府が今財政再建にそれぞれ取り組み、また大統領選挙の一つの争点にもなっているというふうに聞きますが、おのずからそういう歯どめがあり、国を挙げてそういう問題に取り組んでいるところです。
 どうもこの比率を見ていると、日本は、イタリア並みかあるいはイタリア以上に悪い。今八十何%と、この累積残高を言われましたが、これなども、欧米はたしか六〇%という基準がありましたですか、恐らく日本よりも悪いのは、これまたせいぜいイタリアぐらいでしょうが、それも年々かなり改良に向けて努力をしているというふうに聞くわけでございます。
 そういったものが今後どういうふうになっていくのか、大蔵省においての簡単な推計、仮定を置いての推計で結構でございますが、ここ数年先の展望を、このままでは推移がどういうふうになるのか、お示しできるものがあれば示していただきたいと思います。
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林正和#20
○林(正)政府委員 お答え申し上げます。
 先般国会にお示しいたしました「財政改革を進めるに当たっての基本的考え方」のうち、「中期的な財政事情に関する仮定計算例」、これは公債減額努力を怠り、現在の財政構造をいわば放置したケース、これによりますと、今後経済成長、名目成長率三・五%を前提といたしまして、これに伴いまして税収が増加をいたしましたとしても、例えば平成十年度と比較して十一年度は税収の増加は約二兆四千億にとどまると見込まれてございます。
 他方、同試算によりますと、この年の国債費、地方交付税の増加が二兆四千億でございます。これに社会保障などの政策的経費の自然増が約一兆九千億、これらの合計額で約四兆三千億増加をすると見込まれております。つまり、名目三・五%で経済が成長いたしましても、現在の財政構造のもとでは、政策的経費の自然増に応じまして、単年度で約一・九兆円もの歳入歳出ギャップが拡大するというものになってございます。
 したがいまして、このような財政構造のもとでは、現在既に二十兆を超える歳入歳出ギャップは年々拡大をしていくことになりまして、同試算によりますと、十年後の平成十八年度には国の一般会計の財政赤字は三十五兆九千億、公債依存度で二九・六%、財政赤字の対GDP比が五・一%に上るという計算に相なります。
 これに伴いまして、十八年度末における公債残高は約四百八十二兆円、八年度末見込みが約二百四十一兆円でございますので、そのほぼ倍になる。その対GDP比は、これは国の国債だけでございますが、六八・九%に達するというようなことに相なるわけでございます。
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前田武志#21
○前田委員 今平成四年度、五年度の決算の審議をやっているわけでございますが、平成四年以降、ずっとこの不景気の中で、何度か景気対策、緊急経済対策等をやってきているわけでございまして、これの合計額たるや四十兆を超えるというふうに我々承知をしております。大蔵省からいただいた資料を見ておりましても、四年から六年までで合計額四十五兆ぐらいになるわけですね。
 当初予算そのものも景気対策は随分やっているわけですが、それに加えてこれだけの景気対策をやりながらも、一向に景気は、目に見えてといいますか力強く立ち上がってきているというわけにはいかない。これは財政の波及効果といいますか、そういった乗数効果が随分落ちてきたというようなことにも理由があるのかな、こういうふうに思います。
 この前、金融特別委員会をちょっと拝聴しておりましたら、大蔵大臣が、とにかく市場原理というものを重視して市場の活力というものに期待してやっていくのだというふうにお答えでございました。実は私が申し上げたいのは、こういった景気対策をやっても、その乗数効果がどんどん落ちている。かつては二以上あったのが一・三、さらに最近では一・一ぐらいではないか、こういうふうに言われております。
 そういうふうになってきているのは何か。そこは、私はこの決算委員会を通じて、実は去年の四月、村山総理にも御質疑をした。そしてまた、その当時、橋本総理は通産大臣をされておられて、御質疑をしたことを覚えております。
 ことしの予算委員会においても、私は三度にわたってこの問題について、例えば不良債権の問題も実体経済の中では土地の有効利用の問題ではないかというような観点から御質疑をして、総理から、不良債権はまさしく土地の問題だというお答えもいただいたのです。
 その根底にあるのは、そういった実体経済が動くようにするためには、我々は、グローバルになった市場というものをよほど鋭敏に、そして全体像を認識して、それが本当に動くように、政治そして行政を通じてやっていかなければいかぬ。しかし、それが実際にはがんじがらめになって動きにくくなっているのが実態ではないかというのが私の認識なのです。
 例えば、土地の問題は、有効利用一つとっても税制の上でがんじがらめになっている。そしてまた、地方分権は相当進んだとはいえ、その地域地域の土地利用というものがなかなかできなくて、縦割りの国の中央省庁にいろいろの規制を受ける、まあ土地利用の規制等ですね。地方分権も含めまして、そういった意味からもっともっと、不動産開発、土地、我々の町づくり問題一つとっても、そういう市場のグローバルマーケットというものを視野に入れてやっていかなければいかぬ、こういうふうに思うのですね。
 そういう意味では、かつて十億の市場であったのが、社会主義経済圏がなくなり、そして中国、インドというあの巨大国家もグローバルマーケットに入ってきた、ここに大きな違いといいますか、もう次元が違うような変化を示しておるわけでございます。十億が四十兆、五十兆の市場になり、しかも情報化が進んできている。そういうことを
認識しながら、ぜひこの財政再建というものを、日本の持っている経済の活力を市場で発揮させるような、そういう方向に持っていっていただきたいと思うわけでございます。
 大蔵大臣に、財政制度審議会で、財政構造特別部会等で検討を進めておられることを承知しておりますので、もう中身は時間がありませんので構いませんが、大蔵大臣としてそういう審議を踏まえて今どういうふうに認識しておられるのか、一言お聞きしたいと思います。
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久保亘#22
○久保国務大臣 財政の問題につきましては、財政再建という狭い立場ではなくて、むしろ、今お話ございましたように、財政構造改革を進める中で今日の危機的な財政の状況をどのように克服していくか、再建していくかということを考えなければならないと思っております。
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前田武志#23
○前田委員 そこで、国会の審議等を通じ、特に我が決算委員会は、そういった観点からも大いに財政構造改革等についてさらに審議を深めていきたいと思うわけでございますが、そのときの一番の頼りにするところが会計検査院でございます。
 ほかにもいろいろ御指摘したい事例を用意していたのですが、時間がないのでとどめますが、要するに、会計検査院は、もちろん公式的には、あらゆる国の資金の行くところすべて検査の対象として把握されているということでございますが、実は一つとりますと、政府関係の資金が政府系の金融機関に流れる、それの運用、そのロス、いろいろな面がありまして、その全体について本当に検査院が的確に押さえておられるかというと、これは人員、組織、いろいろな面からいって問題も多々あるわけでございます。
 この辺、今まで会計検査院は御努力を重ねられて的確な検査をやってこられたと思いますが、こういう経済のグローバル化、そして情報化、そういった中での急激な変化、そしてその中でのこういう財政構造の問題、そういったことについてぜひ検査院も新たな覚悟で取り組んでいただきたいと思いますけれども、ひとつ院長の御所見を伺いたいと思います。
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矢崎新二#24
○矢崎会計検査院長 お答え申し上げます。
 会計検査院といたしましては、近年の行政改革などによります効率的な行財政の執行が強く求められている状況の中で、決算とかあるいは会計、経理の正確性、合規性、あるいは経済性、効率性のみならず、事業の有効性という観点からも広く検査を実施いたしております。
 その結果、これまでにも各年度の検査報告におきまして、ダム事業や国営干拓事業などの長期大規模事業の実施についてのさまざまな提言を行いましたり、あるいは平成六年度の決算検査報告におきましては、東京共同銀行に対する日銀出資とか日本下水道事業団の入札談合などにつきましてその検査状況を記述しているところでございまして、これまでも検査報告の内容を拡大するための努力をいろいろと行ってきているところでございます。
 本院としては、与えられました権限等の範囲内で検査体制を一層充実強化いたしまして、検査手法や検査報告の記述に工夫を凝らすなどいたしまして、国民の期待に沿えるよう努力してまいりたいと思っております。
 そして、財政状況を把握することの重要性ということにつきましては、本院としても十分認識をしているところでございまして、ただいまの委員御指摘の趣旨を念頭に置きながら、どのような対応が可能か、今後検討いたしてまいりたいというふうに考えております。
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前田武志#25
○前田委員 財政構造改革というのはまさしく政府にとっては一番重要な課題になってきた、こういうふうに思うのですが、これは我々、国会においてもまさしく政治改革そのものにもつながってくる問題だと思います。財政を通じて、人事、組織、そういったところを通じてあらゆる構造にそれが行き渡っていく。したがって、この構造改革ということは、組織の問題であり、人事の問題であり、仕組みの問題でありというようなことで、分権も、規制緩和も、もうあらゆる面においての改革を求められている、まさしく政治改革だと思います。
 最後に総理の御所見をお伺いして、終わりたいと思います。
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橋本龍太郎#26
○橋本内閣総理大臣 今さら委員に申し上げるまでもないことでありますけれども、我が国の財政は、平成八年度予算におきまして二十一兆円に上る公債発行に依存せざるを得ない、まさに危機的な状況に立ち至っております。こうした中で、いかにして健全な財政体質を速やかにつくり上げていくか、容易なことではありませんが、我々はこの問題に真正面から取り組まざるを得ません。そして、そのためには、議員がお触れになりましたように、それぞれの分野の努力なくして対応のできるものではないと存じます。
 国会の御論議も、当然のことながら我々にとりましては大きな助けでありますけれども、従来、財政制度審議会あるいは経済審議会、歳入を考えていただきます税制調査会、さらに国民負担率という視点から社会保障制度審議会等、それぞれのベースで御論議をいただいておりました各種の審議会を一つに、会長、会長代理の方々にお集まりをいただいて、共通の認識を持ってそれぞれの守備範囲での御論議をいただこうとしておりますのも、そのような認識のもとにでございます。
 これから先も、こうした御論議を踏まえながら私どもとしては財政構造改革に強力に取り組んでまいりたいと考えており、院の御協力をも心からお願い申し上げる次第であります。
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前田武志#27
○前田委員 終わります。
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中島衛#28
○中島委員長 次に、若松謙維君。
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若松謙維#29
○若松委員 新進党の若松謙維でございます。
 本日は、決算委員会締めくくり総括ということで、他の同僚議員等の指摘も踏まえて総括的な質問をさせていただきます。
 まず、日本の決算制度、当然会計検査院制度も絡みますが、これは憲法でできて、一貫して大きな変化はございません。いわゆる時代の変化に対応しているかというと、結果として、制度自体変化していないわけですから、世界は変化しているということで、やはり日本の決算制度等は古くなっているのではないか、そういう認識がございます。
 私はアメリカに行ってまいりましたが、今、一九二一年予算会計法が改正になりまして、会計検査院が従来行政の中でやっていたチェック機能を議会に帰属させた。こういう大改革をして、それ以降、会計検査院の機能、いわゆる議会主導としての財政チェック、大変こういった改善がなされたわけです。
 さらには決算制度ですけれども、これもやはりアメリカは努力をしまして、九〇年に会計法なるものを改正して、そして九八年までに、日本ですと今収支報告しかしていないのを、収支報告書だけではなくていわゆる貸借対照表、一般会計並びに特別会計を含めて今のバランスはどうなっているのか、そういうものを国がつくる法律をつくりました。そういうことで、今アメリカは大変強力にそういった改革を引き続いて行っている。
 まず会計検査の組織のあり方なんですけれども、今、行政に、内閣に独立しているといういわゆる憲法での規定がありますけれども、現実にやはり会計検査院の方も人間です。定年制等もあるでしょうから、率直に言って、失礼な言い方ですけれども、天下りをしないとやはりなかなか人生を全うできない。こういうところで、いわゆる検査をする省庁に対して本当に第三者的にチェックしているのかというと、そこで非常になあなあ的なものが制度としてあるのではないか、私はこう思います。
 私は公認会計士です。常にみずからを客観的に、そういう立場に身を置くという日々の鍛錬です。やはり会計検査院もそういう立場で——これは実は総務庁内の行政監察局にも言えます。会計検査院並びに行政監察局、これを議会に帰属させた方がまさに三権分立のいわゆるチェック機能として向上するのではないか、私はそう理解するのですけれども、いかがでしょうか、総理大臣。
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