福田康夫の発言 (決算委員会)

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○福田委員 ただいま大臣より財政事情というふうなお話がございました。余り無理はできないのだというふうなことも言われたわけでございます。ODAというのは、その必要度の高さにもかかわらず、そのような財政的な事情によってその伸びを抑制しようというふうな意見も出てきているというのは、私はまことに残念なことであると考えております。
 そういうふうな意見が出てきている理由は何かということを考えますと、まず、財政事情の悪化にもかかわらず五年間連続して世界一の規模を続けている、こういうことであります。いいかげんにしてもいいのではないか、こういうふうなことではないかと思います。
 それからもう一つは、アメリカとかドイツのような国がODA予算を削減する方向にある、こういうふうなことも、その理由の一つに挙がっているようでございます。しかし、私は、米国がODA予算を縮小しているからこそ、日本がその穴を埋めるという役割を果たすことを考えるべきではないかというふうに思っております。
 例えば、南太平洋島興国、この一部の国で米国は大使を本国に召還しまして、なおODA予算を削るというふうな処置をしたのでありますけれども、その分を日本が肩がわりをするというふうなことをしてその国の民生に大変貢献をしているということであり、なおかつ大変な感謝もされておるという事実もあるわけでございます。
 また、財政事情が悪化するということも、これもよくわかるのでありますけれども、先ほど申し上げましたように、海外依存国家日本として、ODAを日本の生命線というくらいの考え方をしてもいいのではないかというふうに私は思っていま
す。財政の苦しいときにODAの規模を維持するということが海外に対する強烈なメッセージになるということでございますし、また、そのことによって国家イメージを高めるということにもつながるのではないかというふうに思っております。
 それから、九三年から第五次中期目標で五カ年計画、七百から七百五十億ドルのODA目標を作成したわけでございます。これに対しまして、今年度、来年度二年間で最低三百億ドルを達成しないと、国際社会に対する約束に反することになる、要するに約束の金額を達成しない、こういうことになるわけであります。逆に、もし達成することができるならば、日本は国際的に公表した約束を誠実に果たす国家である、こういう姿勢を明確に海外に示すことができる絶好のチャンスであるというふうにも考えられるわけであります。
 その場合に留意すべきは為替レート、これは、今まで円高方向に振れておりましたけれども、これからはどうも円安を念頭に置かなければいけない。そうしますと、高目の円レートで設定して、そしてこの金額が達成できるというふうに考えたらば、円安になって未達になってしまうというふうなことがあるわけでありますから、この点も十分な配慮をしていただかなければいけないというふうに思っております。
 日本は、他国の実施するPKOにも、これも一〇〇%参加するような状態にないということであります。また、難民も大量に受け入れるというふうなこともできない。国際的な負い目を背負っておる、こういう事情にあるということも考慮しなければいけないと思います。それとあわせて、文化交流、こういう面におきましても、アメリカやドイツ、それからイギリスなどにもいまだにおくれをとっている、こういう事実がございます。そういうふうな面の拡充もぜひお願いしなければいけないし、このこともやはり負い目の一つかなというふうに私は思っております。
 ですから、ODAの金額を決めるというときには、そういうこともあわせて配慮していかなければいけないのではないかというふうに思います。
 もう一つ、最近中国が行った核実験に対しまして、円借款の供与を差しとめるべきだ、こういうふうな強い意見がございます。その意見は、多額の借款供与をしながら核実験をとめることができないという無力感から、ODAそのものも全体的に見直すべきだというふうな意見であろうかというふうに思っております。
 これらの意見や心情は、私もよくわかるわけでございます。また、相手の国との交渉においては、借款の条件とするかどうか、こういうふうな議論も当然必要でございます。しかし、諸般の事情を考慮しますと、中国の核実験をとめさせるためには、米国を初めとする国際世論の圧力を高めること、これが私は一番必要なのではないかと思っております。日本だけで交渉してうまくいくものではないのではないかというふうに思っているのであります。そのために日本が各国に働きかけること、そしてまた平和への仕組みを構築するということ、そういうことによって中国を取り巻く環境整備をすることが必要であろうというふうに考えております。いずれにせよ、この問題は慎重に配慮して決定をすべき問題だというふうに思っております。
 以上、私は、時間がないので相当飛ばしてお話をさせていただきましたけれども、最後に橋本総理に、ODAに対して今後総理としてどのようなお気持ちで対応していきたいか、そういうふうな総理のお考えを聞かせていただきたいと思います。私は大変大事なテーマであるというふうに考えておりますので、ぜひこのことについて重要視をお願いしたい、かように思っておる次第でございます。

発言情報

speech_id: 113604103X00519960613_011

発言者: 福田康夫

speaker_id: 5556

日付: 1996-06-13

院: 衆議院

会議名: 決算委員会