諸井虔の発言 (地方分権に関する特別委員会)
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○諸井参考人 ただいま御紹介いただきました地方分権推進委員会委員長の諸井でございます。お隣は委員の西尾東大教授でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、当委員会が先月二十九日に取りまとめました中間報告について説明する機会を与えていただきまして、御礼を申し上げます。
それでは、まず当委員会の発足から中間報告までの主な審議経過について御説明いたします。
資料1をごらんいただきたいと存じます。
当委員会は、私を初め七名の委員により構成され、地方分権推進法が施行された昨年七月三日に発足いたしました。昨年十月には地域づくり部会、くらしづくり部会を設置し、先月末の中間報告までの約九カ月の間に委員会、部会で延べ七十七回の会合を重ねてまいりました。
委員会では、主として機関委任事務、国の関与、必置規制、国庫補助負担金、地方税財源等のいわゆる制度的課題について審議を行い、部会では、地域づくり部会が土地利用など主として地域社会の基盤にかかわる行政分野を担当し、くらしづくり部会が福祉、保健、医療など主として住民の暮らしにかかわる行政分野を担当して、個別行政分野別の課題について検討を進めてまいりました。
先月十五日には部会としての中間報告を委員会に提出し、委員会では、制度的課題の検討結果に両部会の中間報告を加えた委員会としての中間報告を先月二十九日に決定し、同日、内閣総理大臣に提出したところであります。
なお、地方分権の推進に関し国民各層から幅広く意見を聞くとともに、地方分権の必要性をアピールするため、一日地方分権委員会を広島市及び前橋市で開催いたしました。
以上が、当委員会の発足から中間報告までの主な審議経過でございます。
次に、本題の中間報告の説明に移らせていただきます。
この中間報告は、昨年度中に中間報告をまとめるようにとの各界の要請にこたえ、地方分権の推進のための改革の基本的な方向について、当委員会の現時点における考え方をまとめたものであります。
お手元の資料2の「地方分権推進委員会中間報告(要旨)」というのがございますが、それに沿って内容を御紹介させていただきます。
一枚おめくりいただきますと目次がございますが、その目次にありますように、この中間報告の構成は、第一章から順に、「総論」、「国と地方の新しい関係」、「地方公共団体における行政体制等の整備」、「地域づくり部会関係」、「くらしづくり部会関係」、こういう章立てになっております。
それでは、要旨一ページ目に入りまして、第一章の「総論」でございますが、ここでは地方分権推進の背景・理由、その目的・理念と改革の方向などについて述べております。
地方分権推進の背景・理由としては、まず、今日では中央集権型行政システムが新たな時代の状況と課題に適合しないものとなって、その弊害面を目立たせることになったのではないか、一種の制度疲労に陥っているのではないかということであります。さらに、変動する国際社会にあって国にしか担い得ない国際調整課題への対応能力を高めること、東京一極集中を是正すること、個性豊かな地域社会を形成すること、来るべき本格的な高齢社会と少子化社会に的確に対応することを地方分権推進の背景・理由に挙げております。
次に、地方分権推進の目的・理念と改革の方向として、まず、それは地域住民の自己決定権を拡
充することであり、規制緩和と地方分権は中央集権型行政システムの改革を推進する車の両輪であると述べております。さらに、この双方が並行して徹底して推進されたときに初めて、明治維新、戦後改革に次ぐ第三の改革が成就するとの認識を示しております。
新たな地方分権型行政システムの骨格としては、第一に、国と地方の関係を上下・主従の関係から対等・協力の関係へ改める、二番目に、国と地方の間の新しい調整ルールと手続を構築する、三番目に、法律による行政の原理を徹底し、行政統制から、国会による事前の立法統制と裁判所による事後の司法統制を中心とすることを挙げております。
また、地方分権を進めることは地方公共団体の自治責任の範囲が拡大し重くなることであるということ、地方分権型行政システムに期待される効果としては、第一に、知事、市町村長が国の機関から解放され、地域住民の代表、自治体の首長という本来の立場に徹することができるようになる、第二に、地方公共団体の行政サービスが住民のニーズに即応し、地域住民による選択に基づいた個性的なものになる、第三に、国、都道府県、市町村間の事務が簡素化され、時間、人手、コストの節約になり、行政改革等に寄与することを挙げております。
第二章では、本中間報告のいわば中核である機関委任事務制度の廃止に向けた抜本的改革及びそれに伴う新たなシステムの構築が中心に据えられております。
まず、国と地方の役割分担については、地方分権推進法第四条にもうたわれており、中間報告もおおむねこれに即した表現となっております。ただし、③の全国的な規模・視点で行われねばならない施策、事業については、当委員会としては、ナショナルミニマムの維持達成、全国的規模・視点からの根幹的社会資本整備等に係る基本的な事項に限ることとしております。
次に、機関委任事務制度については、第一に、国と地方公共団体とを上下・主従の関係に置いている、第二に、知事、市町村長に地方の代表者と国の機関との二重の役割を負わせている、第三に、国と地方の行政責任が不明確となる、第四に、地方の裁量的判断の余地が狭くなり、時間とコストの浪費となる、第五に、縦割りの上下・主従関係が全国画一的に構築されるといった弊害が生じていることから、機関委任事務制度そのものを廃止する決断をすべきであるとしております。
機関委任事務制度を廃止することとした場合、これまで機関委任事務とされてきた事務を地方公共団体のどのような事務として再編成するかが問題となるところであります。
この際、地方自治法が前提としている、公共事務、団体委任事務、行政事務という事務区分も一たん白紙に戻して再構築することが適当であると考え、地方公共団体が担う事務を、仮称でございますが、自治事務とし、専ら国の利害に関係のある事務であるが、国民の利便性や事務処理の効率性の観点から法律の規定により地方公共団体が受託する事務を法定受託事務として、地方公共団体の事務を区分することとしております。
さらに、自治事務は、個別法律に定めのない自治事務と定めのある自治事務とに区分しております。法律に定めのない自治事務の実施は地方公共団体の随意であり、法律に定めのある自治事務は、地方公共団体が法律に従ってみずからの事務として処理することとなります。
こうした事務区分の再編成に合わせて、地方公共団体に対する国の関与のあり方も見直す必要が出てまいります。
地方公共団体が担う事務についての国の関与は、必ず法律の規定にその根拠及び態様等を定めることとし、国の関与の態様は、自治事務と法定受託事務に応じて、「要旨」の二ページ中ほどにあるような範囲内のものとすることとしております。
すなわち、第一に、法律に定めのない自治事務に関しては、国は、地方公共団体からの報告徴収・届け出や技術的な助言・勧告のみを行うことができるとしております。
第二に、法律に定めのある自治事務に関しては、国は、法律に基づいて、報告徴収・届け出、技術的な助言・勧告に加えて、特に必要のある場合の事前協議、法令違反の場合に事後措置としての違法是正措置要求ができることとしております。
このうち、事前協議については、原則として意思の合致を必須の要件としないが、これによることのできない特定の場合については引き続き検討することといたしております。また、違法是正措置要求については、留意点として、著しく不適正で明らかに公益を害していると認められるときに、是正措置要求を認めるか否かについて引き続き検討してはどうかとしております。
法定受託事務については、国は、法律に基づき、報告徴収・届け出、技術的な助言・勧告、事前協議のほか、事務の適正な執行を確保するため、合法性、合目的性のチェックを含む指示を行うことができる、第二に、特に必要のある場合には、事前事後の関与として、認可、承認、代執行ができることとしております。
次に、このような地方公共団体が担う事務の整理についての基本的考え方を踏まえて、従前の機関委任事務の取り扱いについては、次のとおりといたしております。
まず、個別見直しの結果、役割や使命を終えたと判断されるものなどは事務自体を廃止するということです。今後とも存続が必要な事務については、原則として地方公共団体の自治事務とすることといたします。その上で、専ら国の利害に関係のある事務については、国民の利便、事務処理の効率性の観点から、法定受託事務として地方公共団体が処理するものがあります。その例として、国勢調査などの指定統計、旅券の交付等を挙げております。さらに、地方公共団体が処理することが不適当と判断される極めて例外的なものは、国が直接執行するものもあり得るとしております。
次に、国、地方公共団体間の関係調整ルールの創設について御説明いたします。
ここでは、地方分権の推進により、国と地方公共団体間の調整は、対等・協力の関係の観点に立ち、立法統制、司法統制にできるだけゆだねることになることから、新たに国、地方公共団体間の関係調整ルールを一般法で定めることを提唱しております。
(5)にあるとおり、これは、官と民の関係を律する行政手続法的な考え方に準じて、国と地方の関係についても、その調整のルールと手続を定めようとするものであります。
その内容についての基本的考え方は、(2)から(4)のとおり、各個別法における国、地方の関係調整の方式は原則として一般法のメニューの中から撰ぶ、国の関与等の基本的事項は法律で定める、法令の施行通達は報告要請や技術的助言に限るなどとしております。
第二に、また、条例が法令違反であると認められる場合には、国の側から条例の無効確認を提記することができるような争訟手段等を一般法で定めることを検討する。
第三に、国の関与のあり方等に関して国と地方公共団体との間の係争が生じた場合、裁判所とは別に、客観的、中立的な判断ができる第三者機関の仕組みを一般法で定めることについて検討すろとしております。
第四に、さらに、国に対して地方公共団体が責見の申し出ができるものとする場合と、それに対する国の応答義務を挙げております。
次に、必置規制の見直しの方向について御説明いたします。
必置規制、特に職員の必置は、社会福祉、保健医療、教育といった行政分野に多く見られますが、必置規制の結果、地方公共団体のそれぞれの事務の執行は担保される反面、現場での柔軟な対応が困難となっており、住民サービス、行政改革の面から、そのあり方の改善が課題となっております。
このため、地方公共団体が地域の実情に即した自主的かつ責任ある行政を展開し、住民サービスの向上を図るためには、必置規制の思い切った見直しを行う必要があります。ただし、その場合、福祉サービス等の行政水準の低下をもたらすことのないようにすることなどに留意する必要があります。
必置規制には種々の形態がありますが、それぞれの性格に着目して見直しの方向を提示しました。
すなわち、第一に、行政機関及び施設の設置義務づけについては、それがなければサービスや事務が成り立たないようなものを除き、各地方公共団体にその事務の義務づけのみを行うという方向で検討する。
第二に、職員の資格、職名、職員配置等の義務づけについては、事務遂行上必要な職員体制は、原則として地方公共団体の自主的判断とする方向で見直しを行うものとする。
第三に、審議会等の附属機関の設置義務づけについては、設置義務づけが依然必要なもの、それから第二に審議機能を果たすことを義務づけることで足りるもの、第三に自治体の判断にすべてゆだねるものなどに区分してその必要性を検討するといったものを見直しの主な方向として挙げております。
次の国庫補助負担金と税財源については、権限や関与の問題と並んで重要な課題でありますが、十分な審議時間が確保できなかったため、政府が一昨年末閣議決定した地方分権大綱方針をベースとして取りまとめております。これらの課題については、今後本格的に検討していくこととしております。
最初に、国庫補助負担金は、第一に、国と地方の責任の所在の不明確化を招きやすい、第二に、地方公共団体の自主的な行財政運営を阻害しがち、第三に、行政の簡素効率化や財政資金の効率的使用を妨げる要因となるなどの弊害が少なからず見られることから、真に必要な分野に限定すべきものとしております。
2では、整理合理化を推進するに当たり国庫補助負担金の性格に応じて留意すべき点について、第一に、奨励的補助金は基本的に縮減、第二に、経常的国庫負担金は真に国が義務的に負担すべきものと考えられる分野に限定、第三に、総合的計画に基づく建設事業に係る国庫負担金は投資を重点化、第四に、国庫補助負担金の一般財源化に当たっては必要な地方一般財源を確保といった点を挙げております。
一方、存続する国庫補助負担金については、統合メニュー化、交付金化など、それから補助条件等の緩和、補助対象資産の有効活用、転用について引き続き検討すべきであるとしております。
また、これにあわせて、国庫補助負担金を通じて各省庁の過度の関与等がなされ、地方公共団体の自主的・自立的な行政運営が損なわれることがないよう、補助金適正化法の運用及びそのあり方について検討する必要があるとしております。
地方税財源の充実確保については、第一に、地方税については、基本的に、地方における歳出規模と地方税収入の乖離をできるだけ縮小するという観点に立って、課税自主権を尊重しつつ、その充実確保を図っていくべきであるとしております。
地方交付税については、総額の安定確保を図る必要があるとしております。また、その運用のあり方については、地域の実情に即した地方公共団体の自主的・主体的な財政運営に資する方向で見直しを検討する必要があるとしております。
今のが二番目でございますが、三番目に、地方債許可制度及びその運用のあり方については、円滑な発行を確保し、自主的・主体的な財政運営に資する観点から、見直しを検討する必要があるとしております。
なお、その際、地方債の良好な発行条件等を確保していくため、優良な地方債資金の充実、地方債市場の整備育成、外債等資金調達先の多様化等を図っていくべきとしております。
第二章の最後に、「その他の事項」として、国の地方出先機関と地方事務官が挙げられておりますが、いずれも、今後、審議が深められるべき課題であります。
国の地方出先機関については、地方分権の視点に立って、国からの権限移譲などが行われることに伴い、今後、所要の見直しを行うものとする、また、地方事務官については、暫定的な制度であり、機関委任事務制度の廃止に向けた抜本的改革に伴う国、地方の新たな関係にふさわしい仕組みとなるよう、引き続き検討するものとするとしております。
次に、第三章ですが、地方公共団体における行政体制等の整備について提言をしております。
最初に、国と地方との関係の見直しにあわせて、都道府県と市町村との関係について見直しをしていかなければならないと考えております。機関委任事務制度が廃止されるということになりますと、都道府県、市町村そのものの役割分担等も考えていかなければなりません。このため、都道府県と市町村との新たな関係のあり方につきましても、対等・協力の関係を基本としつつ、引き続き検討する必要があるとしております。
次に、新たな地方公共団体の役割を担うにふさわしい地方公共団体の行政体制の整備と国の支援につきまして、次の五点を挙げております。
一つは、広域行政の推進であります。地域における行政も広域的な視点のもとに行うことが求められていることを踏まえ、一部事務組合、広域市町村圏、広域連合などの多様な広域行政の仕組みに積極的に取り組んでいくべきであるとしております。
また、市町村における行財政能力を充実強化していくためには、市町村の自主的な合併を一層促進していく必要があるとしております。
さらに、小規模市町村に権限移譲を行う場合には、市町村相互の広域行政による対応、中心都市による周辺市町村との連携支援、都道府県による補完、支援の仕組みを具体的に検討すべきであるとしております。また、市町村の規模や行財政能力等に応じた段階的な権限移譲を行うことの配慮の必要性についても触れております。
次に、地方公共団体においては、今後とも、事務事業の見直しなど自主的・主体的な行政改革を一層強力に推進すべきであるとするとともに、人材の育成確保や人材の交流の促進を図る必要性についても提言をしております。
また、地方分権の推進により地方公共団体の役割がますます重要になってまいりますと、そこでの行政をできるだけ住民にわかりやすくしていく必要があります。このため、外部監査機能の導入も含め監査機能を充実強化する必要があるということで、地方制度調査会の審議結果の結論が早期に具体化されることを期待することを表明しております。
それとあわせまして、情報公開の重要性についても提言をしており、地方公共団体の情報のデータベース化を進めるなど情報提供に努めるとともに、情報公開体制の整備を一層推進することとしております。
また、条例等に基づく独自の行政処分等に係る行政手続について、行政手続法に準じた措置を早急に講ずる必要があることを提言しております。
また、分権化の推進にあわせて、住民の行政への参加の機会を拡大するなど住民の意見を積極的に地域の行政に反映させていかなければならないということで、現在既に定められている直接請求制度の見直しや住民投票制度について検討することについても提言しております。
さらに、昨今、非常に注目を集めておりますボランティア活動との連携協力を図っていくことが重要であるとしております。
それから最後に、地方公共団体が新たな地方自治の担い手にふさわしい体制の整備をしていく際に、例えば適正な定員管理ができるように国の関与、必置規制というものを抜本的に見直すことや、外部監査制度など新たな制度の導入の検討などについて国が支援をしていく必要があるとして
おります。
次に、第四章の「地域づくり部会関係」について御説明いたします。
「地域づくり部会関係」につきましては、三月十五日の委員会において部会報告の内容が了承され、委員会の中間報告にそのまま盛り込むこととされたところであります。
地域づくり部会におきましては、主として地域社会の基盤にかかわる行政分野を担当し、部会の中間報告までに十八回の会議を開催いたしました。その結果、特に緊要度の高い土地利用関連行政と町づくりに関連する行政を優先的に取り上げて審議を行ってまいりましたが、審議時間等の関係で、主として土地利用の取りまとめが進んでおります。
最初の土地利用関連行政におきましては、地方公共団体において、現在、都市計画、農業関係あるいは自然環境関係などについての総合行政が十分に実施できないという問題点があるため、次のように見直す方向で引き続き検討することとしております。
最初に、現行の土地利用制度の中で、都市計画区域の指定とか、市街化区域、市街化調整区域の区分とか、農業振興地域の指定とか、あるいは自然公園地域の指定など、都道府県内の広域的なゾーニングを行う事務を、都道府県の自治事務とすることとしております。
さらに、保安林の指定・解除、あるいは農地転用の許可事務を、基本的に都道府県の自治事務とすることとしております。
すなわち、現在、これらの事務につきましては基本的に国の機関委任事務として都道府県で行っているものが多いわけですが、これらについて自治事務とすることとしております。
それから、現在、国の権限として留保されている流域保全保安林の指定・解除権限、あるいは二ヘクタールを超える農地転用の許可事務も、基本的には都道府県の事務とすることとしております。
また、これらの自治事務につきましては、特に必要な場合には、国への事前協議など国の意見を反映できる仕組みとすることとしておりますが、地方公共団体の主体性を一層発揮させるため、これらについて留意点の中で、国に事前協議する場合を限定すべきではないかという視点で取り上げております。
次に、詳細な土地利用計画に関する事務につきましては、都市計画の中でも地域地区の指定とか都市施設の決定、農業振興地域の中の農用地区域の指定とか港湾の臨港地区の指定とかについて市町村が定めるという方向で改革をしていくこととしております。その際にも、広域的な観点からの意見の反映等のできる仕組みを検討すべきこととしております。
また、町づくりに関連する行政につきましては、第一に景観・建築、第二に都市公園、第三に排水処理、第四に地域交通の四点について指摘しておりますが、今後、本格的に検討することとしていることから、これらの事項について見直すべきであるとの意見もあることを踏まえ、引き続き検討を進めることとしております。
次に、第五章の「くらしづくり部会関係」について御説明いたします。
「くらしづくり部会関係」につきましても、三月十五日の委員会において部会報告の内容が了承され、委員会の中間報告にそのまま盛り込むこととされたところであります。
くらしづくり部会におきましては、主として住民の暮らしにかかわる行政分野を担当し、部会の中間報告までに十七回の会議を開催いたしました。その結果、特に緊要度の高い六分野十五項目を選び、検討を重ね、改革の方向を示したところであります。
最初の福祉・保健の分野につきましては、第一に、生活保護の決定、実施については自治事務とする方向で引き続き検討することとしております。
第二に、社会福祉施設などに関係する定員、構造設備、職員配置等の細かい国の基準のあり方については、地方公共団体の自主性を高め得るよう抜本的に見直すという方向で引き続き検討することとしております。
第三に、福祉事務所の所長及び職員の専任規定とか保健所長に係る必置規制としての医師資格規制については、廃止する方向で引き続き検討することとしております。
また、教育の分野につきましては、第一に、義務教育制度の教育課程の編成については、地方の裁量の余地がほとんどないと言われておりますので、より一層の弾力化を図る方向で引き続き検討することとしております。
第二に、子供さんがどこの学校に行くかという就学校の指定につきましては、現在、機関委任事務でありますが、自治事務とする方向で引き続き検討することとしております。
第三に、義務教育費の国庫負担金については、大変細かい報告等を徴収することとなっておりますが、その手続を大幅に簡素化する方向で引き続き検討することとしております。
第四に、教育長の任命承認制につきましては、この際廃止の方向で引き続き検討することとしております。
次に、文化等の分野につきましては、第一に、文化・生涯学習関係の所管については、教育委員会の所管にするか、首長部局の所管にするかは地方の判断にゆだねる方向で検討することとしております。
第二に、出土埋蔵文化財につきましては、現在、第一義的には国の所有となっているものの、実際の仕事は地方でやっていただいていることなどがあり、地方に所有権を移すなど、地方が主体的な管理を行えるようにするという方向での検討を提言しております。
このほか、第一に、福祉・保健の分野では、補助金要綱等による細部にわたる関与につき、第二に、衛生の分野では、産業廃棄物、一般廃棄物の処理について、第三に、幼児教育・保育分野では、幼稚園、保育所について、第四に、雇用等の分野では、勤労青少年ホームや都道府県における職業能力開発実施計画についてそれぞれ取り上げ、地方分権を推進する観点からの具体的な改革方向を提示し、引き続き検討することとしております。
中間報告の内容についての説明は以上で終わりますが、最後に、委員会の今後の予定を申し上げます。
この中間報告については、今後、各方面の関係者の意見を聴取するとともに、四月以降、全国各地で一日地方分権委員会を開催して国民の皆さんの生の声を直接聞くこととしております。また、中間報告で十分な改革方向が示されなかった制度的課題や中間報告で取り上げられなかった行政分野、課題も残されておりますので、これらも含めてさらに審議を深めていくこととしております。
これにより、地方分権推進計画作成のための具体的指針の勧告の時期については、審議の状況にもよりますが、少なくとも緊要度の高い事項につきましては、できれば本年秋ごろまでに、遅くとも本年じゅうには行えるよう審議を進めてまいりたいと考えております。
以上で、中間報告に関する私からの説明を終わります。どうもありがとうございました。(拍手)