大原一三の発言 (本会議)

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○国務大臣(大原一三君) 愛知議員の御質問にお答えいたします。
 まず、系統金融機関のノンバンクヘの貸し付けについてのお尋ねでありますが、本年三月末の貸し付けについて報告を聴取しましたところ、概数で昨年に比べ約一・一兆円減少し六六兆円となり、不良債権額は約三千億円程度となっておりさす。農協系統は、ノンバンクに対する融資においても、相手方の信用状況等の審査を行い、必要だ担保保全措置をとっていると承知しておりますが、その不良債権の処理については、それぞれの経営内部において処理されることが基本と考えております。
 次に、農協系統金融機関のリストラを含めた改革についてのお尋ねでございますが、農協系統については、金融の自由化や農業を取り巻く情勢の変化に対応していくためにも、事業・組織の見直しが避けて通ることのできない重要な課題であります。このため、現在、農政審議会において、融資規制の見直しを含め農協系統の事業・組織の今後のあり方について検討しているところであり、その結果を踏まえて、遅くとも来年の通常国会にリストラの関連法案を提出できるよう早急に準備を進めていく考えでございます。
 次に、五千三百億円の贈与の積算根拠についてのお尋ねでございますが、農協系統の資金協力については、信連、中金ごとに推定利益の充当、引当金の取り崩し等を行うことを前提に、当該経営に及ぼす影響を見きわめ、特に個別信連の内部留保の実態、利益の動向等を勘案し、存立の基盤を守り得る最大限の協力として算定したものであります。この点に関し、系統に対しては決定の事前、事後に説明を行ったところであり、角道理事長も系統にとって非常に厳しい内容である旨の証言も行っているところであります。
 次に、新たな追加負担についてのお尋ねでありますが、まず追加負担については、今後、結果としてできる限り国民の負担軽減につながる自主的な取り組みが求められておりますが、系統にとっては極めて経営が厳しい状況にあり、この負担の問題についても、実際問題として極めて厳しい負担になろうかと思っております。二次負担については、関係金融機関の一員として、農林中金を主体とした対応が求められ、今後、当事者間で話し合いが行われるところであります。ノンバンク貸し付けの不良債権については、全銀協統一開示基準の改正に伴い増加したところでありますが、今後それぞれの経営内部において処理されることが基本と考えております。
 農協系統の資金贈与については、昨年十二月段階において、信連、農林中金ごとに推定利益の充当、引当金の取り崩し等を行うことを前提に、農協系統の存立の基盤を守り得る最大限のものとして算定したところでございます。
 さらに、系統金融機関への住専の利払い停止についてのお尋ねでございますが、住専各社から、平成八年一—三月分以降の利息の支払いを停止したいとの要請があり、これに対して農協系統は、基本的に住専が経営を続けている以上は契約に従い金利は支払われるべきものとして、両当事者間で協議が続けられていると承知しております。この問題は、基本的には当事者間の問題であるので、両当事者間で諸般の情勢を勘案しながら解決を図ってもらいたいと考えております。そういう意味で、我々としても当事者間の協議を見守っているところでございます。
 次に、農業協同組合を更生手続の対象としない理由は何かということでございますが、農業協同組合は、組合員ニーズに即して、信用事業のみならず共済事業や経済事業等を系統三段階の有機的連携のもとに行っており、他業態の金融機関とは明らかに基本的な性格が異なること等から、今回、更生手続の特例を適用しないこととしたものでございます。
 さらに、貯金保険の保険料率についてのお尋ねでございますが、貯金保険の保険料率については、一般保険料と特別保険料を合わせて現行水準の二・五倍とする方向で検討を進めているところでありますが、この水準は、農協、漁協の貯金者の保護を図ることを基本とし、現下の厳しい情勢にも配慮したものであります。この保険料率の引き上げが直ちに農協経営に悪影響を及ぼすことけないと考えております。
 次に、貯金保険の特別勘定に大幅な負債が生じた場合どうするのかというお尋ねでございます。
 特別保険料については、現下の厳しい情勢に配慮して、特別勘定の収支が均衡できるよう設定することとされております。仮に今回の引き上げにより特別勘定に大幅な負債が生ずると見込まれる場合には、適時適切に特別保険料の改定を行うことにより、機構の財政の安定に悪影響を及ぼすことのないよう適切に対処してまいる所存であります。
 貯金者の債権の全額買い取りが組合の再建努力を減じさせるのではないかというお尋ねでございますが、破綻した組合の経営者等は厳しく責任を追及されるとともに、出資者も応分の責任を負うことになることから、安易に貯金保険を発動することは想定されず、貯金の全額の保護が組合の再建努力を阻害することにはならないものと考えております。
 次に、農水産業協同組合の範囲の拡大についのお尋ねでございますが、漁協系統においては、漁協から信漁連に信用事業の譲渡が進展している実態を踏まえ、信漁連を貯金保険の適用対象として追加することとしておりますが、信農連についてはこのような実態にないことから、貯金保険の適用対象とすることは考えておりません。
 系統金融機関の事業運営の合理化、効率化やリスク管理体制の課題に今後どのように対処するかという御質問でございます。
 現在、内閣総理大臣の諮問機関であります農政審議会において、経営の健全性と効率性の確保を含め、農協系統の事業・組織の今後のあり方について検討しておるところであり、その結果を踏まえ適時適切に対処してまいる所存でございます。
 最後に、農協経営のあり方についてのお尋ねでございますが、他業態との競争の激化等が進む中で、農協がその機能を十分に発揮するためには、これまでのような信用、共済の収益に依存した経営体質から脱却し、部門ごとに採算を確保することが必要であります。御指摘の農協経営の健全なあり方を含め、現在、先ほど申しました審議会での検討結果を踏まえながら、農協系統の事業・組織の今後のあり方を、十分リストラを進めてまいる所存でございます。
 以上、御質問にお答え申し上げます。(拍手)

発言情報

speech_id: 113605254X03419960607_008

発言者: 大原一三

speaker_id: 2914

日付: 1996-06-07

院: 衆議院

会議名: 本会議