野田毅の発言 (予算委員会)

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○野田(毅)委員 またそこに強弁が入っていると思います。大体、今さなきだに農系の経営は極めて厳しいのですよ。住専問題があろうがなかろうが、住専以外のノンバンクの問題もあるし、それから農系自身の子会社である協住ローンという住専も抱えています。本質はこの住専だけがすべてではないのですよ。そんなことはみんなわかっているのですよ。それほど今農系が厳しいという経営環境の中で、何で贈与するのですか、それならば。なぜ贈与しなければいかぬのですか、責任が全然ないのなら。そうでしょう。論理矛盾じゃないですか。むしろ農系は贈与されたいぐらいじゃないですか、今。それが何で贈与できるのですか。
 ですから、余りそういう強弁を張らない方がいい、もっと素直に国民に理解を求める努力をした方がいいということを私は申し上げているのですよ。
 そこで、実はこれは赤いのが系統ですが、五兆五千億返ってくる。今この五兆五千億は住専にお金を貸しているわけですが、いずれ処理会社ができたときにこの五兆五千億が丸ごと返ってくるんだという説明になっているのですね。
 しかし、今この系統、左側の五兆五千、このところは現ナマがあるわけじゃない。どこかでこれ調達しなければいけないのですね。どこで調達するかというと、右側に書いてあります処理会社がつくられて、その処理会社も何にもないわけですから、考えてみれば、その処理会社の原資は何かというと、原資は書いてあります。これはまだ僕は数字がよくわからない。こういう基本的な数字がまだはっきりされていない。本当はこのままで六千八百という、つまりスキームは完全に固まっていないという意味なんですよ、これ。六千八百だけは一生懸命おっしゃるけれども。だから、あえてクエスチョンマークをつけてあります。これは後で、何か数字が固まっているなら教えてもらいたい。
 つまり、この数字、委員長わかるでしょう、右側にある系統、母体、一般、これが全部で大体六兆八千ぐらい出さなければいけないのですよ。その六兆八千の中からこの左側に全部金が行くわけですよ。この中で、一般は帳簿上のつけかえにしかすぎないのですから、結果として、系統の五兆五千が返ってくるというためには、その原資はどこから調達するかというと、このとおり、残るは系統からのお金と母体行からのお金とあとは自分の、系統が行った贈与と税金という、これで五兆五千を賄うしかないのですよ。
 ということになると、結果として、僕は系統の皆さんはごまかされていると思っています。これは系統、右側合わせてみると、特別低利融資と贈与と合わせれば二兆七千超えるのですよ。何のことはない、系統の方は、五兆五千丸ごと返るのじゃなくて、半分は焦げついておるということじゃないですか。だから、全然この数字は、丸ごと返るという説明はごまかしたということなんですよ。そのことを強く指摘をしておきたいと思うのです。どうも系統の皆さんは五兆五千丸ごと返ってくるというその枠組みにえらい拘泥をしておられるというところがあるものですから、あえてそこだけは指摘をしておきたいと思います。
 それから、今の責任問題なんですけれども、農系について、私は、責任があるからたくさん負担しろとかいうような議論をするのじゃなくて、さっきちょっと言いましたけれども、本当に今の農系の問題は金融としての問題としてとらえていくという、それを農協と農家の問題と、そこの遮断をしてどう処理するかという発想を持たないと、一緒くたにしてだんごにしてやろうと思うと大変なことになるだろう。私は今ここで出すべきなのは二つあると本当は思っているのですよ、これ、大蔵大臣。
 それは後で述べますが、預金保険法を中心とする金融三法、つまり日本国内にある不良債権の大きな山を、どういう原則に基づいてこれを崩していくのか、本来。ノンバンクはそのうちの一部分、住専というのはまたそのうちの一部分なんです。今度の六千八百というのはその住専処理の第一段階処理なんですよ。その全体像をどうするかという説明が何もない。真っ先に本当はその原則論をやらなければいけない。世界が今一番日本の金融に着目しているのはそこの部分なんですよ。どういう原則に基づいて日本は金融を正常化しようとしているのかというそれがない。それが第一。
 いま一つは、農系の問題です。農系の問題も、住専に確かに五兆五千貸し込んでいる。だけれども、住専以外のノンバンクにも七兆七千貸し込んでいる。どっちみち、これから不良債権を短期間で一気にみんな整理をしていかなければならぬということになれば、とてもじゃないが今度の六千八百つぎ込んだから、あと一切農系の金融としての世界において、何の支援もなくてそのままやっていけるとは到底考えられないじゃないですか。
 むしろ農系においては、それをどのように、農中、信連というものをこれから再編をし改革をしていくかというその総論部分があって、それから後具体的な各論に来なければならぬのじゃないですか。そうでしょう。そこの順序が全く逆じゃないですか。今、江藤先生が並行してやっているとおっしゃった。それはそのとおりでしょうけれども、まず先にそっちがあって、原則論がきちっとあって、それから各論に来るのが当たり前じゃないですか。
 私はそういう点で、この前この予算委員会で大蔵大臣が、ノンバンクの処理に関連して、税金をつぎ込むことはしないという趣旨のお話をされた。それはそれで結構です。ノンバンクのしりぬぐいを直結してやる必要はない。まさに住専も同じなんですよ、住専もノンバンクですから。
 問題は、そういう農系の金融機関の再編、これは私は公的支援なしにできるとは思えない。これを政府が逃げてはだめだ。一番大事なポイントをみんな口をぬぐおうとしている。
 きょうの報道を見ても、金融三法にしてもそうだ。住専に金をつぎ込む、税金をつぎ込むのはみんなけしからぬけれども、預金者保護のためには場合によってはやむを得ないという、これが当たり前の世界じゃないですか。それを、住専に税金をつぎ込むことに国民の批判が厳しいから、だけれども、それはごり押しをしましょう。だけれども、不良債権全体を処理していく中で、当然押せ押せで小さな中小金融機関の中には破綻を来すものも出てくるかもしれない、当たり前の世界でしょう。
 そのときに、五年間はペイオフはできないのですから、少なくともいざというときには、まさに預金者に安心をしてもらうためには、金融不安を起こさないためには、最後には必要に応じて公的支援を書こうというのが政府案じゃなかったのですか、預金保険法において。その一番大事な原則論を逆に、そんな五年も先の話は今何も議論しないでいいなどという、そんなのうてんきなことを言って、嫌なことはみんな先送りをしてやろうとする動きが今与党の中にある。その原則論をやるのが先じゃないのですか。
 私は、そういう意味で、この後半部分は後でもう少し詳しくやりますから、まず前半について、農政の世界においても二つを仕分けをすべきだ。単協以下の問題と農系金融機関としての農中、信連の問題とをやはりきちっと分けて、混乱させないで、そしてどういう基本方針で農中、信連をこれから再編、改革をしていくのかということ、まずそれが先にあるべきだ。これを農水大臣、お考えはどうですか。

発言情報

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発言者: 野田毅

speaker_id: 14178

日付: 1996-04-01

院: 衆議院

会議名: 予算委員会