伊吹文明の発言 (予算委員会)
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○伊吹委員 自由民主党の伊吹文明でございます。
お時間をいただいて、質問をさせていただきます。
私は、現在の政治を見るときに、投票に行かない方が非常に多くなっているということに民主政治の危機を感じております。古い自由民主党に私は大きな責任があったと思いますが、率直に申して、党内の一つの私的な集団の権力闘争の結果、分派活動が行われ、そして新しい政党が今宗教関係の団体を基盤とする政党を含めて成立をし、そして小選挙区比例代表並立制という新しい制度を目前にして、政治家はすべて選挙のことに目が向き過ぎているんではないか、そして政党の理念を主張しないがゆえに政党の支持者が政党離れをしているんではないかということを私は非常に危惧いたしております。
マックス・ウェーバーのこの「職業としての政治」とマキャベリの「君主論」というのは、私は政治に携わる者はぜひ読むべき本だと思っておりますが、その中でマックス・ウェーバーは、政治の本質は権力であるということを言っておりますが、同時に、政治家にとって最も大切なのは「将来」と「将来に対する責任」であるということを申しております。
権力というのは、例えば、選挙に勝つこと、与党になること、ポストにつくことだと私は思いますが、それはあくまで、理念というか政治的主張によって政策を決定して、将来に対する責任を果たすためのプロセスであると思っております。自己の利益だとか権力に対する欲望だとか、そういうことで権力を求めないという自己抑制というものは、政治家の質であるとか教養からおのずから醸し出される人間的な裏打ちがなければならないと私は思っています。
そこで、理念と権力と人間性というこの三つのポイントをキーワードといたしまして、総理に、私は現在の政治の状況について感想を伺いたいと思うのですが、前回の選挙の後、非自民という非理念的な細川内閣ができまして、それ以降の政治というのは、与党になること、選挙に勝つことにウエートがかかり過ぎているのではないか。特に、小選挙区制を目前にして、選挙目当ての権力闘争が進み過ぎているのではないか。
例えば、台湾海峡の問題あるいは朝鮮半島の緊張、また国内においては沖縄の方々の立場と日米安保条約をどう考えるのか、あるいは最も国民が期待している景気対策、こういうものに対して、与野党の間で将来に対する責任ということを議論するよりも、票目当てのパフォーマンスということが最近非常に多くなっていると思います。
最近のこのような政治的風潮について、比較第一党の総裁である総理の率直な御感想を私は伺いたいと思います。