若林正丈の発言 (外務委員会アジア・太平洋に関する小委員会)
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○参考人(若林正丈君) 米国がどう判断するかということについては、ちょっと私の知識、能力の範囲でございませんので御容赦願いたいと思います。
江沢民氏と李登輝氏との関係ですが、私が伺うところでは、昨年のあのころまでは両者の一種のホットラインがあったというふうに伺っております。ですから、台湾サイド、李登輝政権サイドでは、中国内部のポスト鄧小平に向けての権力闘争をにらみながら、一体だれと話したらいいんだろうかということをじっと見詰めていて、一応江沢民だというふうに選びかけたところだと思うんです。それがあの対話であったろうと思います。
私個人は、あの時期には江沢民氏が中国における指導権を固めて、その上で鄧小平氏が七〇年代末にやったような現実主義がもう一度政治の面でも打ち出されれば、これまでは経済を中心にポスト冷戦の分裂国家の中でも非常に平和的な発展を見せ、建設的な発展を見せていた両岸関係というのがうまくいくんではないかという期待を非常に持っていた時期でございまして、ああいう文章になっているわけでございます。
その後の李登輝氏の訪米があの時期に実現するというのは恐らくだれの脚本にもなかったことなのではないかというふうに私は思っております。そうしますと、江沢民氏にとっても失点になっているので、台湾の方の政権としても、自分の方の基盤は固まったけれども、相手は一体だれと話したらいいのかという判断はまだついていないというふうに思います。
指導者が会うということは非常に重要で、会うだけでも大変いいことだと思うんですが、会うための条件というのは、台湾はだれが会うかははっきりしたわけです。中国の方はどうなのかというのが、私は中国政治の専門ではございませんけれども、どうも台湾側としても判断しかねる様相をこれから見せるんではないかというふうに思います。ですから、早目に二人がどこかで会うというようなドラマチックなことはそんなに起こらないのではないかというふうに見ております。