涌井紀夫の発言 (金融問題等に関する特別委員会)

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○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 裁判所の競売手続がなかなか早く進まない一番大きな原因は、やはり最近の不動産市況の低迷を受けまして、裁判所の手続で売りに出しました物件につきましてなかなか買い手がつかないという問題がございます。この点につきましては、裁判所としてもなかなか有効な手が打ちにくいわけでございまして、やはり裁判所の方で工夫をしていかないといけませんのは、競売の申し立てがございましてから売りに出すまでの手続、それをできるだけ迅速にやっていくということがポイントになってくるだろうと思っております。
 具体的に申しますと、申し立てがございますと、執行官が物件の現況を調査いたしまして評価人が物件の評価をする、また裁判所の書記官、事務官が中心になりまして物件に関する明細書をつくりまして売却に出すわけでございますので、そういった手続をできるだけ迅速に処理していくということが必要であろうと思っております。私ども、そういう観点から、ここ数年随分競売事件の処理のための手を打ってきているつもりでございます。やはり一つ大きな対策は、こういう事務を担当いたします執行官あるいは職員を増員させていくということだろうと思います。
 五年前の平成三年とことしの四月時点の対比で申しますと、例えば一番大きな執行部を持っております東京地裁の例で申し上げますと、執行官の数は二十五人であったのを三十五人にふやしております。しかも、このうち物件の現況調査を担当いたします執行官というのは、従前六名程度であったのを十七名ということですから三倍程度にまでふやしてきておるわけでございます。それから評価人につきましても、五年前十六人でありましたのをことしは三十二名ということですから倍増させてきております。さらに、書記官、事務官の陣容でございますが、これも五年前は三十九名だったのがことしの四月には九十四名ということですので倍増に近い陣容をとってきておるわけでございます。
 それ以外にも、事務処理につきましては、例えばコンピューターを活用いたしまして、できるだけ迅速な処理を図るというふうな工夫もしております。それからもう一つ、委員御指摘ございました、できるだけ広い範囲の方にこの買い受け人になっていただくというふうな工夫も必要だろうと思います。従前から競売物件に関する情報を新聞とか雑誌等でできるだけ広く一般の方に伝達するという工夫をしておりますが、最近新しく始めました工夫としましては、ファクシミリを利用いたしまして直接一般の市民の方が競売情報を取り出せる、そういうふうなシステムを大都市部を中心に順次整備してきております。この競売に関する情報というのは、裁判所の窓口担当者が、実際に競売に参加したいという方から電話等で御相談がございました場合に、具体的な中身について御相談に応じるというふうな体制も講じておるところでございます。
 これからも事件数の動きを十分見ながら、さらにこういった方策を進めていく必要があるだろうと考えております。

発言情報

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発言者: 涌井紀夫

speaker_id: 30165

日付: 1996-06-13

院: 参議院

会議名: 金融問題等に関する特別委員会