守住有信の発言 (決算委員会)

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○守住有信君 自由民主党の守住でございますけれども、最初、前半の方は主として外務省、外務大臣にお尋ねいたしまして、申しわけありませんが、あと残りの時間は科学技術庁の方にお尋ねしたいと思います。
 まずその前に、外務大臣、お疲れさまでございました。一番重要な中近東四カ国、しかもイスラエル、政権がかわった後のいわゆるアラブの自治政府といいますか、今度御招待なさるようですけれども、そこをお回りになって、特に私が申し上げたいのは、あのゴラン高原に初めて日本の閣僚として現地視察、慰問に行かれた。ちょうど今、交代で熊本の方の西部方面総監部が四十名、それまでは東北、北海道でございましたけれども、ちょうど参っておるという真っ最中でございましたので、そういう郷土の思いも込めまして感謝申し上げたいと思います。
 また、お帰りには香港にお立ち寄りで、例の香港軍票の問題がぼっと起き上がったようでございますが、実はそのころ、先月の下旬ですけれども、参議院の日華友好議員連盟、井上会長、村上幹事長以下十四名が三日間にわたって、いわゆる台湾、中華民国が民主的手続で立法院の選挙も、総統選挙ももちろんですけれども、地方自治体の方の選挙もずっと民主的な手続で全部終わった。こういう背景を控えまして、日華の友好ということで参ったわけでございます。
 特に、私は電気通信でございましたので、以前はODA関連、無償援助、中国の大陸の方、北京の方と、一番最初は天草と上海の海底ケーブル、これもやりましたし、いろんな無償援助もやりました。円借款もやりましたが、途中からちょっと待てよ、台湾を忘れておる、中華民国を忘れておると、こういう思いでおりました。五十年以前の、もう五十一年になりますけれども、台湾の方々は同じ日本人でございました。日本の兵隊でございまして、そこで残された問題、確定債務、大衆社会の郵便貯金、軍事郵便貯金、簡易保険、郵便年金もございますし、一方では軍人の未払い給与という問題もございます。
 ちょうどあれは細川内閣の最中でございますけれども、超党派で、社会党の田口さんとか、キャップは、もう民社党はなくなってしまいましたが井上計さんとか、その他さきがけの代表の井出正一さん、自民党は板垣先生と私と参りまして、長い間立法院とも大激論をいたしました。
 思い出しますと、台湾に着きまして台北市に行った。ちょうど大デモが起こっておりまして、我々はバスに乗って台湾の警察の守りのもとにホテルに入ったわけですが、大デモ、日本国旗を焼いておりましたのが見えました。それはなぜだと。細川首相のときに北京に行かれて謝罪発言、そしてその中で台湾の問題には一言も触れてない。同じ日本兵として戦った台湾、日本人でした。その思いが彼らの中からばっと起き上がっておりまして、立法院の議員三十数名と議論をいたしました。
 最初は例の台湾の慰安婦問題、それから香港軍票、マルク債なんという問題も出ましたけれども、しかしそれはこっちへ置いて、我々はあくまでも台湾に住んでおられる方々の個人の確定債務、これに対して面倒を見なきゃいかぬと。郵便局も、台湾にも日本の国内の郵便局と同じようにそのまま戦前からあったわけであります。そして、台湾の人たちは郵便貯金や簡易保険や郵便年金、軍事郵便貯金もございました。それを預金しておられて、そのままほったらかしになっている。
 それで、私は九州の熊本ですが、実は熊本の地方貯金局に五十一年以前の原簿がきちっと保管されていた。保険の方は福岡の簡保センターの地下の倉庫の中にきちっと保存されておりました。そこに四、五年前から気がつきまして、これを何とかしてあげなきゃいかぬ、こういう思いで行ったわけでございます。
 その後も十四人でつい先月行ってまいりまして、個別にも代行しております事務所に行きました。そうしたら窓ガラスが壊れている。それは何でかというと、貯金とか保険の方じゃなくて、元軍人の未払い給与の問題で元軍人の皆さんが非常に激高して、金づちか何か持ってガラスをぶち破ったとかそういう事件があったわけでございますが、それは台湾の元軍人のあるいは御遺族の思いが端的にあらわれておると私は思いました。
 それは現地の事務所は苦労しておりました。防弾ガラスでびゅっと整備をし直すとか、四十名ぐらい台湾の女性の職員の人、一件一件点検し直すわけですから、これを雇ってやっておられましたけれども。
 そういう中で、この点はなお残っておる問題があるなということを痛感いたしまして、いずれ井上会長や村上幹事長の方から外務省の方その他へもお話が行くと思いますけれども、ちょっと前置きとしてその点だけを触れさせていただきたいと思います。
 なお、郵政、郵便局の方は非常に順調に進んでおりまして、これは十月二日月曜日からでございますけれども、この未払い問題、確定債務の支払い請求が軍事郵便貯金と外地郵便貯金、いわゆる郵便貯金ですね、七月までで一万三千百件ぐらい、簡易保険、郵便年金は一万四千七百件等、こういう状況でございまして、こっちの方は非常にスムーズに進んでおりますが、なお知らない方々が多数おられるということを痛感したわけでございます。
 したがいまして、やはり台湾の新聞とかテレビとか、台湾はCATVが物すごく発展しておりますけれども、そういう場の中で、台湾に住んでおられる、中華民国といいますか台湾といいますか、その人たちに十分これが浸透しないと、例えば「ニイタカヤマノボレ」の山岳地帯のところがずっとありますから、都会地だけじゃございません。そういう人たちもこういう未払いの証書をお持ちでございます。大事にしておられます。保険証書も郵便年金も貯金の通帳も、戦災に遭っていませんので、みんな大事に保管されておる。この資料がございますから、あとはPR、浸透、啓蒙、これにうんと力を入れていかなきゃいかぬ。一回目はやったようでございますけれども、さらに一年ぐらいたったらもう一回、あれは五カ年有効でございますから、その中でやっていかなきゃいかぬ。なお問題は、元軍人の未払い給与の問題だけは残っておるということを感じたわけでございますので、冒頭、その点をお話し申し上げておきたいと思います。
 それからなお、時間もあれでございますが、私は外務省のODA、ODAというのも三種類ある、無償援助、技術援助、円借款。特に私は資金運用部、郵便貯金の方でございますから、その資金運用部の原資の源泉である郵便貯金、これが円借款になって二十年、三十年、あるいは低利で、長期で、それは返還はしてもらうわけですけれども。いろんな発展途上国の社会資本の整備あるいは環境とか、今度四つの大項目をお立てになったようですけれども、そういう理念のもとに今進行中でございます。
 ただこの点も、PRというか啓蒙というか、国内では我々のところにODA白書上下、こんな厚いやつが二冊参ります。ところが、まず第一は、じゃ途上国の大衆社会にどれだけ知られておるだろうか。相手方の政府は知っておりますわな。関係者は知っておりますけれども、その途上国の大衆社会、これがどれだけ知っておるか。
 実は私、もう三年ぐらい前になりますか、今、外政審議室長の平林さんが経済協力局長時代に部屋まで行きまして、そして、それぞれの大使館でパンフレットをつくれ、写真入れて現地語で。まあ後ろの方は英語になりますけれども、現地語を尊重して現地の生きた実態を、円借款や無償援助のパンフレットをつくる。それぞれの途上国で大使館を中心につくって、印刷も現地主義。こういうやり方でやって、それからそれを全部大使館から集めて、今度は国内の外務省でコンペをやる。そこに日本のマスコミ以下を呼んで、そしてその実態を知らせる。
 いろいろありますが、今一つ具体的に申し上げますと、はっきり言いますが、共同通信社が日曜の埋め草記事の配信の中で、我が熊本の熊日新聞にこういう見出し。「ODA、環境破壊、郵便貯金」。その写真も、砂漠化しておるところに貯金通帳まで差し込んだ、つくった写真です。これを共同が配信しまして、そのとき熊日と岐阜新聞と信濃毎日、埋め草記事、また他紙も来週やると、日曜日に。
 それで、共同通信に乗り込みまして、編集局長はちょうど月曜日だったから役員会議をしておったから、次長のニュースセンター長、がんがんやって、それから外務省の経済協力局、それから理財局も理財局長のところまで行きまして、それから郵政の記者クラブまで行ってその新聞記事のコピーをみんな各社にまいたところが、やっぱり違います、これはおかしいと。朝日も読売も産経も日経もこれはおかしいと。各社ごとに批判させる、こういうやり方もとった覚えがあります。
 ODAというのは非常にある部分だけをとらえましてデフォルメされやすい、こういう面は多々あると思いますので、よっぽど客観的な、末端も念頭に置いた、その地域地域の途上国を念頭に置いた目に見える形でのPRといいますか、国内はもちろんでございますけれども、それが非常に重要ではないか。
 まして財政再建、もう税金なんて使わぬぞと。郵便貯金の方は税金じゃありませんので、長期低利で、低利ではあるかもしれぬけれども、二十年たったら、三十年たったら返していただく、こういう仕組みですから。そこの三つの仕組みの違いを、無償援助、これは税金ですね、それから技術協力あるいは青年海外協力隊、それから円借款、これの内容、それに応じて日本国民への啓蒙が非常に大事ではないか、こういうことを前から痛感しておりますけれども、何か来年度予算のシーリングは防衛予算よりももっと下に抑えるとか、これは大蔵大臣にも物申さにゃいかぬと思っておりますけれども、こういう環境を念頭に置いた社会資本の整備をやはりやっていかにゃいかぬ。二十年、三十年かかる。
 途上国、東南アジアばかりじゃございません。例えばアフリカでも、私は熊本で水俣病問題をずっとやってまいりましたけれども、アフリカのタンザニア、あのビクトリア湖、あの周辺に金鉱山とか化学肥料工場があるんですよ。増産ですからね、農業生産。それで、やっぱり有機水銀が漏れ出しておって魚が、水俣病もそうでしたけれども。それで、熊本から熊本大学の医学部の水俣病の専門家、直接タッチした人たちが、これは環境事業団の基金の補助と、私らは一方ではボランーティア貯金やっておりますのでボランティア貯金と合わせまして、そこへ行ってもらって早目に早目に、ブラジルの方も現象が起こっておりますから、そういう環境、公害、これも念頭に置いた社会資本の整備が非常に大事じゃないかと。水俣は公害の原点でございます、四十何年前から。でございますので、これそういう部分ですけれども、そして、そういうことが私は、日本の技術や体験や思想、哲学、手法、これが非常に実は大事じゃないか、こう思っております。
 ここは決算委員会でございますけれども、外務省については、平成六年度の決算検査報告を見ますと不当事項や指摘事項は何もございません。
 実は、私はそれと同時に、会計検査院の方だけでなくて行政監察、これをいろいろ勉強させていただいております。
 こういうふうに、これは「行政上の諸問題と改善方策 平成七年度における行政監察結果等の概要」、監修総務庁行政監察局、こういうのもございますし、また、特別に別記したやつを行政監察局からとりましたが、「経済協力(政府開発援助)に関する行政監察結果に基づく勧告 無償資金協力及び技術協力を中心として」。次の年度に円借款の方は入るようでございますけれども、その中で非常に貴重な指摘、提言がなされておるわけでございます。
 いろいろ分厚い本でございますから、一々ここではあれいたしませんけれども、この最後のところで、百四ページですけれども、
 外務省及び事業団は、我が国の政府開発援助について被援助国国民の正しい理解・評価を得るため、援助情報に関する現地報道機関への情報提供、現地の公用語によるパンフレットの作成・配布等の広報活動を実施しているが、その効果を確保する面から、現地語によるパンフレットの作成等よりきめ細かな配慮が求められている。
  したがって、云々と。情報公開、広報、あといろいろ具体的な仕分けがございますし、我が国内においても、
  地方の報道機関の関係者による援助案件の現地視察を積極的に実施するよう事業団を指導すること。
  また、帰国した専門家による講演会の積極的な実施等、地方における広報活動の充実を図るよう事業団を指導すること。
  援助に関する現地語による。パンフレットの作成・配布を促進すること等により、被援助国国民に対する広報を一層充実するとともに、事業団においても同様の措置を講ずるよう事業団を指導すること。その他、パンフレットばかりじゃございません、テレビもございます。今度は科学技術庁も大いにテレビを使って科学技術の振興の実態を青少年に向かって、子供たちに向かってPRなさるあれが予算のポイントに入っておるようでございましたけれども、そういうのをパンフレット、新聞報道と同時にやっぱり映像で見る。わかりやすいんです、補足説明が映像で。こういう手法を、いろいろお取り組みだろうとは思いますけれども、さらに徹底する。
 ODAというのはいろんなあれが、NGOのへんちくりんな団体が中にはあります。環境破壊とか言うたり、そういう本まで出ておるんですよ。それで、わからぬのが、共同通信がそれを全国に配信したりやっておるわけですから。こういう点について、外務省はよくおわかりだけれども、もっと強力なきめ細かい広報活動、海外と国内と両面にわたって、こういう七年四月の総務庁からの指摘を踏まえてどういうふうにお取り組みいただいておるのか、ちょっと御説明いただきたいと思います。

発言情報

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発言者: 守住有信

speaker_id: 7127

日付: 1996-09-03

院: 参議院

会議名: 決算委員会