小島慶三の発言 (行財政機構及び行政監察に関する調査会)
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○小島慶三君 今までの皆さんの御意見は一々ごもっともで、私も何か一工夫要るというふうに思っているんですけれども、ちょっとその前に私の経験からお話しさせていただきたいと思うんです。
私は、実は役所に二十一年おりました。二十一年目に首になりまして、御家人崩れで民間に参りました。民間に二十一年おりました。したがって、まあ両方の立場にいたわけでありますが、私がいたころばそういう制度がなかったのかもしれませんけれども、二十一年の間に内部監査というものは一遍もありませんでした。それから外からの、例えば総務庁からの指摘とか、こういうこともありませんでした。
もちろん今はそういう制度が十分にできているんだと思うんですけれども、例えば私のおりました通産の仕事なんかで考えてみますと、個別具体的な問題というのは行政相談で、これはかなりできているんだと思うんです。それから、例えば生活面の問題では国民生活センターとかそういうところにもそういったクレームを受け付けるところがありますから、そういうのである程度やれているんだろうと思うんですね。ただ、総務庁の手を煩わすような大きな政策問題とか、こういう問題に対してはどうかというと、これは非常にたくさん審議会とかそういったものがありまして、その専門委員会とかそういうところでファクトファインディングをやっているということで、これもかなり議論としてはあぶり出されるということはあると思うんです。
ただ、通産の立場で考えてみますと、非常に民間とのつき合いが難しいんですね。事情をよく知らなければ勤まりませんし、余り密着し過ぎると大変な問題になりますし、だから非常に難しい。
私はかつて民間の意見に反対をして首になりました。左遷されたことがあります。そういった場合に、私の政策論というのは間違っていなかったと思うので、じゃ一体どこと相談するかといったら、全くそういうことを相談する場はありませんでした。今で言えば、例えばいろいろ雑誌に書くとかそういった反抗もできたでありましょうけれども、当時は全くそういうことができなかったということで、例えばここにオンブズマンというものがあって、そういう個別具体的な問題あるいは政策的な問題、このどちらに置くかといえばむしろ政策的な問題に置くということなんでしょうけれども、そういうところがあれば何かもっと助かったような気がするわけです。そういうことがありました。
それから、財団にもいたことがありまして、これは十年近くいたんですけれども、結局この場合には余りそういった外部監査みたいなものはありませんでした。あるとすれば経理とか会計とか、そういった点だけの非常に細かな問題がたくさんあったというふうに記憶しております。しかし、じゃこの財団をどうマネージするのかというふうな大きな話については、これは全く何も外部からの示唆もなしということで、そういったのはほかの事業団、公団でも通例であったのではなかろうか。恐らくそういうところには余り目が届いていないという感じがします。
例えば、今、いろんな財団、事業団は九十幾つあるんですけれども、その子会社が三千ある、これについては全くノータッチであるというふうなことがあります。だから、そういった面で、いろいろ非常にきめ細かく見られているところとそうでないところというものはかなりあるので、そのそれぞれに対してオンブズマンという制度がどの程度役に立つのか立たないのか、そういう判断がやっぱりかなり突っ込んで行われないといけないんじゃないかというふうに思っております。
そういう点で、今どこにポイントを置いてやるかという話になれば、これはもう再三申し上げていることですが、私は今の一番の最大の問題というのは財政危機だと思います。財政危機というものは本当に何とかしなきゃいかぬだろうというふうに思っているわけでありますが、この財政危機の中身をなしているのは結構手近なところ、つまり財政支出の感覚というものが麻痺していると、行政官の間にそういうものが麻痺しているんじゃないか。これが先ほど山口さんのおっしゃったような話になってくると思うので、やっぱりそういう点には国民も一番関心を持っておりますし、これはやはり今までの仕組みに加えて何らかの仕組みが必要ではないかというふうに思うんです。そういう場所で、例えば財政の監視あるいは税制のチェック、あるいは個々の一般の支出のチェック、こういったことがもうちょっと行われる仕組みがないのかなというふうに私は実は思っております。これはなかなか内部の自浄力で片づかないというふうに思います。したがって、こういうところにはオンブズマンというふうな制度があるいは役に立つのかなという気がいたします。
その場合でも、一体だれを選ぶかというのは大変な問題でありまして、選びようによっては妙な癒着が新しくできないものでもないというふうに思います。だから、どういう場所に、どういうものに焦点を当てて、どういう組織をつくるか、どういう人を充てるかというふうに、オンブズマン制度のあり方というものを一般論でなくて、もうちょっと突き詰めていく必要があるのではないかということを申し上げたいと思います。