小山孝雄の発言 (行財政機構及び行政監察に関する調査会)
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○小山孝雄君 私は一昨年の今ごろに参議院の比例区の候補者に指名されて、昨年の七月ぐらいまで一年間、全国各地をめぐって歩いた中でよく言われましたのは、ちょうどいわゆる政治における五五年体制ががらがらと変わっているときだっただけに余計だったと思いますけれども、政治がこのように不安定、混迷でも行政が、官僚がしっかりしておるから日本国は大丈夫だよと、こういうことを、例えばどこかに行く電車に乗って隣り合わせになった一般の人と懇談をしている中でもそういうふうに言われました。しかし、去年あたりからそのしっかりしているはずの官僚、行政も大変な不信を買ってしまった。
今、山口委員から御指摘ありましたように、何とか接待、何とか出張ということももう随分前から内部ではわかっていたはずだということの御指摘もありました。昔お釈迦さんがお弟子さんに向かって、知って犯す罪と知らないで犯す罪とどっちが大きいと思うかねと聞いたと。普通私どもが考えると、知らないで犯す罪の方が大きい、こう思うんですが、逆に、知って犯す罪の方が大きいんだよ、お釈迦さんはこういうふうに答えたというふうに記録されているそうであります。行政の各地で行われてきたであろうあの空空何とか空空何とかというのは、その知って犯す罪、すなわち、これは悪いことだとわかっていても全員が黙っていればそれで済むんだろうということで各地で行われてきたんじゃないのかな。そこに自浄作用というのが働かなかったということがまさしく一番大きな問題だろうと思います。
そういう観点からいきますと、行政内部の監察制度というのはこれはもう限界があるんだろうと。そうすると、私はそこから議会型オンブズマン制度の必要性というのを考えなければならないのかなと思います。
今までの先生方のお話も大変重要な点、また、ただやみくもにつくってみたところでという御意見もあります。それは本当にそうだと思いますし、ある専門家に、参議院に議会型オンブズマンをこしらえて有効に機能し迅速に対応できる体制に大体どれくらいの職員が必要だろうかと言ったら、ざっと、本当にざっとですが、二百人は要るだろうなと。そうすると一つの役所ぐらい。中央官庁の一番小さなところはどこなんでしょうか、四、五百人だろうと思うんですが、その半分ぐらいの職員が必要になってくる。そうすると、行政改革とどういうふうにこれは考えたらいいのかなという問題があります。あるいはだれをという問題もあるでしょうし、だれがだれに任命し、どういう権限を付与するという、いろんな観点から本当に厳しく、つくってみたけれどもつまらぬ制度だったということにはならないようにしなくちゃいけない。
しかし、私は本院の独自性の立場から、従来からある、そしてまたこれからも存続し続けるであろう総務庁の行政監察、これはこれとして存続させていいと思いますし、それとは別に、行政に対する国民の不平不満を的確に吸い上げて解消していく、あるいは不正をチェックして、政治、そして行政に対する信頼を高めていくという観点から、議会型オンブズマンというものをぜひ進める方向で論議をしたらどうなのかなと、こう思います。
そしてその中で、オンブズマンというものを、言葉の定義から、あるいは独立性をどう持たせるのか、それから調査権をどう持たせるのか、あるいは勧告権をどう持たせるのか、こういう観点から一つ一つある程度具体的なテーマに絞って、言うなれば小委員会制度みたいなところで一つ一つ論議を煮詰めていく方向に入っていただいてもいいのかなという感じがいたしましたので、以上申し上げました。