林久美子の発言 (逓信委員会)

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○林久美子君 平成会の林久美子でございます。きょうはお忙しい中を本当にありがとうございます。
 二点質問させていただきます。
 国会も公権力の一つと例えれば、これから申し上げることは微妙な問題があることを承知しながら、あえて申し上げさせていただきます。
 昨年十月八日、東京地検がTBSに対して坂本弁護士テープ、そのほかのテープの任意提出を要求したところ、明くる日の十月九日に社内会議が持たれ、いとも簡単に応じている事実があります。
 過去、TBSでは、九〇年の暴力団の債権取り立て現場撮影など、当局からのフィルム押収に対して最高裁まで抗告しております。また、ワイドショーで放送した内容を関係者に見せないということで訴えられて高裁で闘っていられるということも報道されております。しかし、今回は坂本弁護士一家の殺害という事実、その原因がどうもオウム側に見せたテープにあるようですし、しかもテープを見せたということを公表していないということで後ろめたさがあります。また、世間の非難を最小限にするためということで、そういうことも頭をかすめているのかもしれません。
 一方で、放送による表現の自由を守るために裁判でも闘っているTBSが、今回は坂本弁護士のテープなどを検察庁に任意提出されております。今回の対応はどうも不可解に思えてなりません。TBSが直面しているこの課題を知る上に一つの手がかりとなると思いますので、東京地検にテープを提出された経緯の御説明をお願いいたします。
 それからもう一点、郵政省への民放の派遣についてです。
 民放では、特にTBSでは平成三年の六月から二年交代で一人ずつ郵政省に社員を派遣し、社員研修と人材育成が目的のようですけれども、この制度に対して、衛星放送のチャンネル争奪という事情があるにしろ、監督官庁で研修させていることに強い疑問を投げかけている学者がおられます。
 本来、ジャーナリズムの機関は公権力への監視機関としての使命があるはずです。しかし、公権力へのすり寄りは批判能力の欠落を生み、内部の自浄作用を低下させ、逆に公権力の権威の助長を促すことになると危惧を感じているようです。もし、お上にもろく、逆に市民に尊大なジャーナリズムの機関に成り下がってしまったとしたならば、もう民主主義社会はなくなると私は思います。極端な言い方かもしれませんけれども、お上の味方で市民の敵という図式になってしまいます。
 ニューヨーク・タイムズの記者が、民主主義を保障するのは憲法の条文ではなく、ジャーナリズムの批判が健全であるかどうかにかかっていると言っております。こうした批判に対して社長の御意見をお伺いしたいと思います。
 以上です。

発言情報

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発言者: 林久美子

speaker_id: 9546

日付: 1996-05-30

院: 参議院

会議名: 逓信委員会