上田耕一郎の発言 (逓信委員会)
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○上田耕一郎君 日本共産党の上田でございます。参考人の皆さん、どうも御苦労さまです。
当委員会が参考人の皆さんをお呼びして質疑をするのはきょうで二回目ですけれども、オウムの考えられないような犯罪、特に坂本弁護士一家の殺害事件とTBSの誤りとが結びついているのではないかという重大な問題が起きたからだと思うんです。検察は事情聴取、今も指摘されましたテープの提出、それから冒頭陳述で坂本一家の殺害事件のかなり重要な動機をTBSが提供した、そう見ているように我々受け取られる経過があるわけです。
ですから、私は四月二日の参考人質疑で、TBSの放送ジャーナリズムの倫理を犯した問題としては、オウムの干渉を受けて番組の編成権を事実上放棄して放映も中止したという問題、それからニュースソースの秘匿と保護という鉄則を放棄した二つの問題をお聞きしましたし、それからそういう倫理の踏み外しが、踏み出した結果責任として坂本弁護士一家のあの事件、それからさらに通報もしなかったということで、そのことが結局松本サリン事件や地下鉄サリン事件等々、オウムの重大な犯罪に結びついたとすると、厳しい言葉ですけれども、結果的には犯罪の幇助者の役割を演じたんじゃないかということまで私は申し上げたんです。
今回、この二つの報告書を拝見して私が改めて驚いたのは、実はAプロデューサーはどうも自分が全く中身を知らないテープをオウムに見せたとしか読み取れないことだったんです。これは実に驚くべきことだと思います。
これを見ますと、坂本弁護士のインタビューは八九年の十月二十六日午前十一時前後から昼にかけて千代田分室で行われたと書いてある。Aプロデューサーは午前十一時に水中クンバカの取材に千代田分室を出発したと書いてある。だからタクシーの手配をしたというんですけれども、知らないんですよ、どういうインタビューだったかはね。それで、中身を知らないのに、もめごとが起きたときにオウムにインタビューを見せるという約束をしたんですね。この九ページには、レポーターCはプロデューサーが簡単にオーケーをしたので抗議したということまで書いてある。全く自分の知らないインタビューをいきなり見せるという約束をまずする、ここから私は倫理の崩壊が始まっていると思うんです。
それで、Aが分室に帰ってきたのは午後十時半過ぎだと。午後十一時にオウムが来るまで三十分ある。この前後の時間、Aは報道局と富士宮の素材交換を手配したと書いてあるから、帰っても見ていないんですよ。さあ、それでいろいろもめごとが始まって、二階の狭い編集室、E2で見せたということになっていますね。
この十九ページには、Fディレクターが言っているんだけれども、「小さい方の編集室(E2)で、自分が立って編集機を操作した時、後ろにいたのは早川だったように思う。ドアを開けて半分ドアの外にいるような形で椅子に座り、大学ノートにメモを取っていた。そこにスタッフの誰かが来たと思う。Aだったような気がする」というので、Aがあるいはちらっと来たかもしれないというのが一つある、十九ページに。
ところが、次の二十ページをあけますと、プロデューサーのAもEも「「二階の狭い部屋で、オウムと一緒に五人でVTRを見たとするなら、異様な状況なので覚えているはずだ。しかし、どう思い出そうとしてもそんな光景は思い出さない」と強調している」と。だから、彼らがそこに立ち会っていないとすれば整合性が生まれるということですね。どうやら立ち会っていないのが整合性だとすると、どうも全く知らないまま見せたと、立ち会いもしないでという疑問が生まれるわけです。
それで、田代取締役が私の部屋に説明に来たとき私はその話をして、調べてほしい、再調査、プロデューサーAに対して、あなたは中身を知らないでオウムに見せる指示をしたのか、あるいは立ち会ったのかどうか、田代さんは努力すると言われたので、これ第一点、お伺いしたい。
二番目に、もし自分が知らないまま見せたとすると、いっ見たのかという問題が起きてくる。恐らくもう放映中止しているので、しばらく忙しいし、見ていないですよ。TBSがこのテープを放映したのは公開捜査のときでしょう。公開捜査のときに放映したんだから、そうすると公開捜査が十一月十五日ですから、この日に音なしで十秒放映したというんですね。そうすると、一体いつ見たんだろうか。公開捜査で、弁護士一家が失際したかと、あるいはオウムと関係があるんじゃないかというんで慌てて見たのかもしれない。だから、一体プロデューサーAはいつ見たのかということを調べてほしいということを田代取締役に私はお伺いしたんですが、その結果を報告していただきたい。
第三問は、郵政省が作成した「TBSからの追加説明」という文書があります。この中で、「ビデオを見せることについての判断は、文書化されてはいないが、TBSの社員プロデューサーが行うことがルールになっていた」と。だから、TBSでは見せていいんだと。見せるか見せないかはプロデューサーが決めるというルールがあったというんですね。
お伺いしたいのは、私が聞いたように、もし全然自分も見ていないビデオを一体見せてもいいというふうなルールがあったのかどうかということです。
以上の三点、鴨下参考人にお伺いしたいと思います。