橋本龍太郎の発言 (本会議)

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○国務大臣(橋本龍太郎君) 戸田議員にお答えを申し上げます。
 まず、国連海洋法条約の締結手続が時間を要した理由及びその得失についてお尋ねがありました。
 我が国を含む先進国は、この条約に規定する深海底開発制度が現実に合致していない、このことを理由として当初はこの条約の締結を控えておりました。その後、一昨年の七月、この深海底開発に関しまして同条約第十一部の実施に関する協定が採択されまして、この結果として先進国を含む国際社会の大勢が同条約を締結する道が開かれましたことから、政府としても、条約及び実施協定を早期に締結すべく、現在、御審議をお願いしているところであります。
 非常に大部な条約であり、その内容も、議員御指摘のように、海洋の利用に関して包括的に規定したものでありますために、国内法の整備を含め、相当の準備作業のための期間が必要であったことは御理解をいただきたいと存じます。
 次に、領有権問題について御意見がございました。
 政府としては、北方領土問題を解決しながら平和条約を締結し、日ロ関係の完全な正常化を達成する方針であります。
 竹島の領有権に関し、我が国の立場は一貫したものであり、韓国側にあらゆる適当な機会をとらえて我が方の立場を申し入れるなど外交努力を続けてまいりました。これからも同様であります。
 また、尖閣諸島につきましては、これは我が国固有の領土であることは歴史的にも国際法的にも疑いのないことでありますし、現に我が国が有効にこれを支配いたしております。したがって、中国との間に尖閣諸島の領有権をめぐって解決すべき問題はそもそも存在しておりません。このような政府の立場につきましては、今後とも我が国及び国際社会での御理解と支持を得るよう努力を継続していく所存であります。
 次に、竹島の領有権問題の解決についての御意見をいただきました。
 竹島の領有権問題についての我が国の立場は一貫したものであります。しかし、同時に、この問題に対する日韓両国の立場の相違というものが両国民の感情的な対立に発展し、両国の友好協力関係を損なうことは私は適切ではないと考えております。あくまでも韓国と友情を持って話し合える状況を保つように努力することが必要であり、今後ともに両国間で冷静に話し合いを積み重ねて努力してまいります。
 次に、我が国の周辺海域における海底資源の開発につきましては、我が国としては、国連海洋法条約の大陸棚の天然資源の開発等に関連する規定などを踏まえながら、沿岸国に認められる権利を適切に行使してまいります。
 また、日中間の大陸棚の境界画定の問題につきましては、日中両国関係などを総合的に判断をしながら適切に対応してまいります。具体的には、日中間の大陸棚の境界画定は、中間線原則を基本としながら、両国間の話し合いによって行うべきものだと考えております。
 次に、国際海底機構に対する我が国の取り組みという御意見がありました。
 我が国は、議員よく御承知のとおり、この機構の理事国であります。この理事国として、深海底資源が人類の共同の財産であることを踏まえ、その探査及び開発が人類全体の利益のために行われるよう、この機構の運営に積極的に参加してまいる所存であります。
 最後に、海上保安庁の巡視船艇、航空機等の体制整備についての御意見をいただきました。
 ふだん国民の目に触れにくい勤務でありますだけに、この御指摘に心からお礼を申し上げます。
 今回の国連海洋法条約の批准に伴いまして、外国漁船の取り締まり、海上環境汚染事犯への対応など、海上保安庁の業務は質的にも量的にも非常に大きく拡大をいたします。海上保安大学校、海上保安学校における人材の養成はもとよりでありますが、近代的な装備を有する高性能な巡視船艇、航空機などの整備を計画的に進めていき、海上保安庁の業務執行体制の一層の充実を図っていくことは急務であると考えており、御支援を心から願う次第であります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣池田行彦君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 113615254X02219960531_017

発言者: 橋本龍太郎

speaker_id: 24487

日付: 1996-05-31

院: 参議院

会議名: 本会議