橋本龍太郎の発言 (本会議)

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○国務大臣(橋本龍太郎君) 田村議員にお答えを申し上げます。
 まず、冒頭、海上自衛隊リムパック派遣部隊の事故について御報告を申し上げます。
 発生日時は、平成八年六月四日、現地時間十六時十二分、発生場所、ハワイ西方約二千四百八十キロの海上であります。当日の天候は晴れ、視界は約二十キロでありました。リムパックにおいて日米共同訓練中、護衛艦「ゆうぎり」が、近接する米海軍攻撃機A6型機をCIWSにより撃墜をいたしたというものであります。
 その訓練内容は、A6型機が標的を曳航し、護衛艦「ひえい」、アメリカ海軍ファイフ、「ゆうぎり」の三隻で標的に対しCIWSを用いて対空射撃訓練を実施しておりましたところ、「ゆうぎり」が実射を伴わない射撃手順の訓練に引き続く最初の実射時にA6型機を撃墜いたしました。
 損害の程度でありますが、機体は海没いたしました。そして、米海軍攻撃機A6型の搭乗員二名は海上自衛隊「ゆうぎり」の内火艇により「ゆうぎり」に救出され、ヘリによりアメリカ空母インディペンデンスに移乗、搭乗員は一名が顔面あるいはその他に軽傷を負っておりますが、残る一名は打撲のみであります。
 今回の事故は、リムパック参加中の護衛艦「ゆうぎり」が訓練中発生させた事故でありまして、極めて遺憾であります。撃墜されました米海軍機のパイロット二名の方は海上自衛隊に救助され、幸い軽傷ということでありますが、大変申しわけなく思っております。
 今後、この事故原因を徹底究明し、このような事故の再発防止に万全を期する所存であります。
 次に、自衛隊は軍隊かという御質問でありますが、自衛隊は外国による侵略に対し我が国を防衛する責務を有するものでありますが、憲法上、必要最小限度を超える実力を保持し得ないなど制約を課せられており、通常の観念で考えられる軍隊とは異なるものであります。しかし、国際法上はジュネーブ四条約に言う軍隊に該当するものと理解をいたしております。
 次に、私自身の答弁を引用して、自衛官の使命というものについての話をされました。
 議員が読み上げられました部分のみではなく、私は自身の体験とし、
 湾岸危機が湾岸戦争となり終結をいたしました段階で、我が国の国際的な評価は決して高くありませんでした。そのとき、ペルシャ湾に赴いていただいた海上自衛隊五百十一名の掃海艇部隊の諸君の努力というものがどれほど我が国の評価を救ってくれたかわかりません。当時を思い起こして、改めて感謝をいたします。ということを申し添えております。
 私は、まさにこうした職務に日夜邁進してくれております隊員諸君に対し、心から敬意と感謝の気持ちを申し上げたいと思います。
 防衛庁が総理府の外局となっている事由についてのお尋ねがございましたが、これは防衛庁設置当時の国情などにかんがみて、国家行政組織法上、総理府の外局として位置づけたものであります。
 国防省あるいは国防軍という御意見がございました。
 私は、防衛庁・自衛隊の組織につきましては、防衛庁設置法、自衛隊法などにおきまして所要の規定が置かれておりますし、防衛庁並びに自衛隊の諸君が我が国の平和と独立を守り国の安全を保つという任務を果たすため必要な体制は整備されており、国民もそれを認識しておられると思います。したがって、現在のところ、防衛力の整備あるいは自衛隊の維持運用などを適切に実施していく上で、この点に特段の支障があるとは思いません。
 防衛庁を省にする問題につきましては、私は、防衛庁が総理府の外局として総理大臣の直轄下にあるこの現行制度はすぐれたものだと思います。また、自衛隊の名前も、今日、国民の中に十分定着しており、御指摘のようにあえて国防軍とする必要はないように思います。
 次に、統幕議長や幕僚長がなぜ認証官ではないのかという御意見でありました。
 認証官となっていない例えば政務次官あるいは事務次官、警察庁長官、海上保安庁長官など、私はこの問題は考慮すべき問題点もあると思っております。現在、この取り扱いを変えるということは考えておりません。
 次に、砂川事件の最高裁判決の補足意見に関するお尋ねがございました。
 しかし、判決における補足意見は、多数意見に加わられた裁判官がこれにつけ加えて御自分の意見を述べられたものであり、これについて政府の立場から特に所見を申し述べることは差し控えるべきものだと私は思います。
 極東有事に際し集団的自衛権を行使しないことによる国損というお尋ねであります。
 我が国は、集団的自衛権の行使を禁じる憲法のもとで、適切な防衛力を整備し、日米安保体制を堅持する、そのことによって我が国の安全を確保することといたしております。また、我が国周辺地域において我が国の平和と安全に重要な影響を与えるような事態が発生した場合に、日米安保体制の円滑かつ効果的な運用を図ることなどにより、適切に対応することとしており、このような我が国の政策につきましてはアメリカを初め内外の理解を得ているものと考えておりまして、集団的自衛権を行使しないことにより国家的な損失をこうむっているとは考えておりません。
 残余の質問は、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣池田行彦君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 113615254X02319960605_010

発言者: 橋本龍太郎

speaker_id: 24487

日付: 1996-06-05

院: 参議院

会議名: 本会議