橋本龍太郎の発言 (予算委員会)
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○国務大臣(橋本龍太郎君) まず第一に、現在進行いたしております規制緩和推進計画を一年前倒すという考え方は今私は持っておりません。なぜなら、相当程度規制緩和の進んでまいりました今日、残っております問題は、ただ単なる規制の是非という観点からだけではなく、相当さまざまな角度から議論していくべき問題を含んだ問題が中心だからであります。
そして、例えば委員が今お触れになりましたNTTの問題一つをとりましても、電電公社がNTTに変わりました当時の情勢と、今日の高度情報通信社会というものが一部実現をし始めている状況の中で、我が国の情報通信分野というものが世界の流れの中でどう先導的な役割をとっていくのかということを考えますときには、十年前とは全く違った視点からの議論が私は必要になると思います。
NTTをつくります時点でも、例えば研究開発機能を低下させないためにどうすればいいかというのは最後まで非常に大きな問題点でありました。そして、NTTという存在になりましてからもその研究開発機能を低下させないということは、国際的な情報通信分野における競争の中でやはり我が国として非常に大切な一つの視点であろうと存じます。
あるいは、大店法のさらなる緩和あるいは廃止という問題もよく議論に出てまいります。大店法自身が随分緩和をされてまいりました。そして、その結果、小さなお店屋さんの中に転廃業に追い込まれておるケースが大規模店の出店の結果生じておる実例も議員は御承知のことであります。そうしますと、消費者の利便という中で、今後、より大店法の緩和あるいは廃止を加速し零細な商店を閉めていくような状況に持っていくことが果たして国策として望ましいのか、あるいはそうしたお店屋さんが競争でき得る条件を残していくことに重点を置くべきなのか。これは雇用という面からも、実はただ単に規制緩和という言葉だけから定義をすることのできる問題ではないと私は思っております。
それだけに、今二つの例を挙げさせていただきましたが、規制緩和という言葉のみではない部分、我が国の雇用政策あるいは高度情報通信社会における我が国の国際競争力といった視点からの議論を必要とするものが今残りつつある。そうした考慮を必要としないものは私はあくまでもどんどん規制は緩和あるいは撤廃の方向に向けていくべきだと考えておりますけれども、そうした認識は必要であろうと考えております。