野田毅の発言 (税制問題等に関する特別委員会)

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○野田(毅)議員 私は、ただいま議題となりました所得税法及び消費税法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案、地方税法等の一部を改正する法律及び地方財政法の一部を改正する法律案につきまして、新進党を代表して、提案の趣旨を説明します。
 今、日本経済は、表向きは一時的な回復が見られますが、経済危機は深刻になるばかりです。規制が多くコストの高い日本市場は魅力を欠き、雇用不安や産業空洞化が進んでいます。不良債権による金融システムの行き詰まりも経済をむしばんでいます。これまでおよそ六十六兆円規模の経済対策が講じられてきましたが、十分な効果があらわれていません。超低金利政策もここまで来るとマイナス効果ばかりです。民間では、来年の実質経済成長率は一%台、もしくはゼロ%台になると悲観的な見通しを示しています。こうしたときに、政府は、消費税率引き上げ、特別減税打ち切り、国民年金や健康保険料の引き上げで約九兆円のツケ回しをして、国民生活や経済を圧迫しようとしています。
 我々は、国民生活にとって喫緊の課題である消費税率の据え置きを法案化することとしました。今世紀の残された期間を経済再建、財政再建のための戦略的期間と位置づけて、消費税率を三%に据え置くことが不可欠です。
 第一の理由は、消費税率の据え置きなくして、経済再建は達成できないからであります。物品税等の廃止が伴った消費税導入のときとは異なり、来年四月からの税率引き上げのインパクトは想像以上に大きいと言えます。消費税率引き上げが消費を低迷させ、経済を一層停滞させることは明らかです。
 第二の理由は、消費税率の据え置きなくして、財政再建の達成は不可能だからであります。政府は、みずから汗をかく行財政改革を先送りして、消費税率引き上げを強行しようとしています。橋本総理は、火だるまになってでも行政改革を断行すると発言して行革に対して並々ならぬ決意を示していますが、中央省庁再編等のびほう策でお茶を濁そうとしています。具体的な歳出削減なくして、真の行政改革はあり得ません。消費税率をいたずらに引き上げれば、歳出の肥大化はとめどなく続きます。歳出削減を断行する保証としても、消費税率の据え置きは必要であります。
 第三の理由は、消費税率の据え置きなくして、政府の税金のむだ遣いをストップすることは不可能だからであります。住専処理への税金投入に加え、厚生省の事務次官等が関係業者と癒着して多額の現金を受け取り、飲食、旅行などの接待、車の提供を受け、しかも提供された金品が国民の税金である補助金で賄われていた事態が明らかになりました。
 政府は、社会保障ビジョンも明確に示していません。政府が拙速に提出した介護保険法案も初めに保険制度導入ありきで、消費税との関係も不明確です。
 それでは、法案の概要について説明いたします。
 まず、所得税法及び消費税法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案についてであります。
 消費税の税率は三%のまま平成十三年三月三十一日まで据え置きます。
 なお、簡易課税制度の適用上限の引き下げ、限界控除制度の廃止などのいわゆる益税の是正措置につきましては、既定方針どおり、来年四月から実施することといたします。
 我々は消費税廃止にくみするものではありません。平成十三年四月一日からの消費税率については、社会保障等に要する費用の財源を確保する観点、行政及び財政の改革の推進状況、租税特別措置等及び消費税に係る課税の適正化の状況、財政状況等を総合的に勘案して検討を加え、必要があると認めるときは、平成十二年九月三十日までに所要の措置を講ずるものとします。
 我々は、政府と異なり、この条項を単なる見直し条項ではなく、抜本的税制改革に向けた威し。い前提条件と位置づけています。
 所得税、個人住民税の半減、法人諸税の実効税率の引き下げ、有価証券取引税や土地の保有・譲渡益課税のあり方などを総合的に見直しつつ、あわせて経済構造改革を推進し、スーパーゴールドプランの策定、実施を初めとした高齢社会に対応した福祉政策の充実に取り組みます。さらに、国・地方を通じた行財政改革の断行、歳入歳出構造の見直しを進めます。
 これらの改革を断行しつつ、適正な消費税率を決定するという趣旨であります。その際には、飲食料品に対しては軽減税率を適用することも視野に入れるべきと考えます。
 次に、地方税法等の一部を改正する法律及び地方財政法の一部を改正する法律案の概要を説明いたします。
 消費税と同様に、地方消費税の創設及び消費譲与税の廃止の時期を平成十三年四月一日とします。
 平成十三年四月一日からの地方消費税率については、社会福祉等に要する費用の財源を確保する観点、地方の行財政改革の推進状況、非課税等特別措置等に係る課税の適正化の状況、地方財政の状況等を総合的に勘案して検討を加え、必要があると認めるときは、平成十二年九月三十日までに所要の措置を講ずるものとします。
 我々は、この条項についても、地方消費税率設定のための厳しい前提条件と位置づけています。
 国から地方への大胆な権限移譲、補助金制度の大幅見直し等の地方分権の推進、地方の行財政改革の断行、地域における福祉ビジョンの提示などに取り組んだ上で、適正な地方消費税率を定めることとします。
 また、消費税の収入額に対する地方交付税の率を五・五%引き上げ、二九・五%とする時期についても、平成十三年四月一日に改めます。地方交付税の率につきましては、地方の行財政改革の推進状況、地方財政の状況等を総合的に勘案して検討を加えて、必要があると認めるときは、平成十二年九月三十日までに所要の措置を講ずることといたします。
 さらに、個人住民税に係る税制改正に伴う平成九年度から平成十二年度までの間における地方公共団体の減収額を埋めるため、減収補てん債の発行対象期間を平成十二年度までとします。
 以上が、提出法案の概要であります。
 自民党の公認候補者の多くも、消費税率五%に反対の意思を演説や文書で明らかにして当選に至りました。橋本内閣の閣僚でも、二人は選挙公報で消費税率引き上げに反対しています。民主党や社民党の議員の中でも、選挙中に消費税率据え置きを公約された方がいらっしゃいます。これらの議員の皆様には当然御賛同いただけるものと確信しております。
 提出法案を真剣に御議論いただきまして、速やかな成立をお図りいただきたいと存じます。
 以上をもちまして、私の趣旨説明を終わります。ありがとうございました。
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発言情報

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発言者: 野田毅

speaker_id: 14178

日付: 1996-12-12

院: 衆議院

会議名: 税制問題等に関する特別委員会