橋本龍太郎の発言 (本会議)
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○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 西岡議員にお答えを申し上げます。
まず、選挙結果と地域の予算のかかわりについてのお尋ねがございました。
私は、予算は自由民主党議員が多いところに重点的に配分すべきだということを容認するような発言は、記者会見でも記者団に対してもいたしたことはありません。まず、この点を申し上げておきたいと思います。
国の予算の配分あるいは執行、それはその政策目的などに照らして厳正かつ公正に行われるべきことは当然であります。たまたま議員が例示に挙げられました地域を例にとりましても、例えば愛知万博などにつきまして、私自身が、国際博覧会事務局の調査団が先日訪日をいたしました際に、この愛知万博の持つ意義というもの、その実現の必要性というものに対して、国際博覧会事務局に対して説明をいたすぐらい真剣に会談をいたしました。こうしたことをお考えいただきましても、私どもがそのように考えておらないということは御理解をいただきたいと思います。
次に、岡光前厚生事務次官の辞職についてのお尋ねがございました。
去る十一月十八日の朝刊で報道されました疑惑について、岡光前事務次官がその事実を否定する中において、懲戒処分を行うには事実関係の確認に相当な時間を要するということから、厚生省において山積する課題に取り組む体制を整えるために、翌十九日の未明、小泉厚生大臣が辞職の承認を政治的に決断されたと承知しています。私としても、限られた時間の中で新しい体制をつくり、厚生行政の立て直しを図るために、緊急的にとられた措置としてやむを得ないものであったと受けとめております。
また、私の政治資金についても触れられましたので、事実関係を申し上げます。
報道されている九〇年から九二年までをまず調べさせました。日本病院寝具政治連盟から四百万円、日本メディカル給食政治連盟から百万円の寄附を受けております。なお、念のために九三年以降これまでの間を調べさせましたところ、日本病院寝具政治連盟からは九三年に百万円、日本メディカル給食政治連盟から同年やはり百万円の寄附を受けており、それぞれ政治資金規正法上の措置を適切にとってまいりました。
なお、福祉の分野で政治連盟が結成をされて政治資金を集めることは異常だという御指摘につきましては、政治資金制度全体にもかかわり、また、かつ多くの議員にかかわることでもありますので、各党各会派でよく御議論をいただきたいと思います。そして私は、政治連盟というものの機能を一概に否定する、そのようには思いません。
次に、公務員の倫理規定について御意見がございました。
公務員の服務につきましては、既に公務員法制で規定されており、これらの規定に公務員がきちんと従っておる限りにおいて、このような事態は発生をいたしませんでした。既に決められておりますこれらの規定あるいは従来の決定事項を一人一人に遵守させることが何よりも大切なことだと思います。このため、現在、本当、に実行される綱紀粛正の方策について政府部内で鋭意検討を行っており、早急に結論を得て綱紀粛正の徹底を図りたい、そのように考えております。御指摘のような新たな倫理規定が必要か否かは、まず現在ある倫理規定を公務員が遵守するというところから始まるべきもので、それを踏まえて考えてまいりたいと思います。
次に、日本の経済の現状というお尋ねがございました。
最近の動向を見ますと、設備投資は回復基調にあります。また、住宅建設は大変高い水準で推移しておりますし、個人消費も緩やかながら回復傾向にあります。また、純輸出の減少テンポは鈍化しております。こうした需要動向を背景として生産は緩やかに増加しています。こうした。緩やかではありますが、景気は回復のテンポをたどっているわけであり、民間需要は堅調さを増しています。ただし雇用情勢は、改善しつつはあるものの、なお厳しい状況が続いております。先般発表されました日銀短観の設備投資あるいは企業の業況判断を見ましても、景気が緩やかな回復傾向にあることを裏づけていると私は思います。
しかし、だからといって楽観ができる情勢か、それならそうではございません。まず、我々は高齢社会というものの到来を踏まえて今後の運営を考えなければなりません。さらに、企業が国を選ぶ時代、議員も御指摘になりましたように、生産の海外拠点への移転というものが大きな問題になり、結果として技術集積の高い地域における中小あるいは零細企業を含めましての技術集積を将来に向けていかに保っていくかという課題がございます。こうした状況を考えますとき、我々は一歩も経済運営についての手を緩められる状況ではない、その認識は議員と変わりません。
次に、新進党の五つの契約についてお尋ねがございました。新進党のお考えは一つの御見識と思います。
しかし、私は、所信表明演説でも申し上げましたように、我が国が世界一の急速な高齢化と、そして大きな変貌の中においてさまざまな課題に直面している、そうした中で(政治、行政、経済、社会、こうしたそれぞれの分野における「変革と創造」を何としてもやり遂げなければならないと考えております。そして、その中で、先般も申し上げましたように、行政改革、経済構造改革、金融システム改革、社会保障構造改革、そして財政構造改革というものを、この内閣の沖縄問題七並ぶ最重要課題と位置づけてきました。
確かに、議員から御指摘もございましたように、官業のリストラ、これは、民間企業が懸命に経営努力を行っている中において、公共料金についても競争的な環境を整備することによって事業の効率化を促すことが非常に重要なことであることは御指摘のとおりであり、既に電力等はそうした方向に動いておりますが、なお努力をしてまいります。
また、介護保険につきましては、社会保障構造改革の第一歩として介護保険制度の確立を殴ってまいりたい。そして、社会保障全般については、二十一世紀における医療、年金、福祉等を通じて、給付と負担のバランスがとれ、かつ経済活動と両立し得るサービスの選択、民間の活力を発揮していただくといった考え方に立ち、効率的で安定した社会保障制度の確立を図ってまいりたいと考えております。
その際、政治家が責任を持つ政治を目指すべきではないかという御指摘については、先ほど申し上げましたように、我が国の大きな転換期に当たってこの五つの改革を政治の責任においてなし遂げていこうと覚悟を決めております。
次に、税制改革、補正予算、そして景気回復の関係についてのお尋ねがございました。
私ども政府としては、民需中心の自律的な経済回復への移行を図る、これが基本的な立場であり、今、緩やかではありますけれども、その方向に沿って動いていると思っております。こうした中で、政府としては、財政の危機的な状況にかんがみ、来年度を財政構造改革の元年とし、同時に、中長期的な経済発展の基盤を構築するために経済構造改革に積極的に取り組んでまいります。これらにより、安易に財政に頼らず、民間活方を生かしながら、民需中心の景気回復を図り、これを中長期的な安定成長につなげていきたいと考えており、新進党がお考えのような大規模な大減税に頼るという考え方はとっておりません。
また、八年度補正予算の内容につきましては、追加や変更の必要な要因など諸般の情勢を把握した上で検討してまいりたいと考えております。
また、特別減税の取り扱いについては、景気の動向や財政事情を勘案し、税制調査会などの議論を経た上で、年末に向けて最終的に決定すべき事柄であると考えております。
そして、選挙中私自身が訴えてまいりましたように、消費税率五%への引き上げは法律に定められたとおり実施してまいりたいと考えております。そのうちの一部が地方の財源に回ることも議員御承知のとおりであり、我々としてはこれを変更する意思はございません。
将来的な消費税率についてのお尋ねもございました。しかし、この問題は、今後の財政需要の動向、税制全体としての負担のあり方などを踏まえて、国民的な議論によって検討していくべき課題だと思います。したがって、予断をもって将来の税率を申し上げることが適切な対応だとは考えておりません。
そして、税制につきましては国民の理解と信頼が必要なものであります。選挙中の閣僚の発言についてもお触れがありましたが、国会での論議あるいは行政改革の実行などを通じて、そうした税に対する国民の理解、信頼を高めていくことが重要だという趣旨と私は理解しており、いずれにいたしましても、橋本内閣は税制改革を法律どおり確実に実施してまいります。(拍手)
そして、既に議員よく御承知のように、所得税減税が先行しておりますことも申し添えておきたいと思います。
また、財政再建についてのお尋ねがございました。
我が国の財政が危機的状況にあり、財政構造改革に取り組むことが喫緊の課題となっていることは御承知のとおりであります。そのため、九年度予算の編成に当たりましては、各般の制度改革の実現に努力をするとともに、財政構造改革元年にふさわしい公債減額を実現して、中長期的な財政健全化に向けた目標の第一歩、そのように位置づけていきたいと考えております。
行政改革についてのお尋ねがございました。
この中核になります中央省庁の再編は、行政機構の単なる再配分ではございません。二十一世紀における国家機能のあり方を踏まえた成案を行政改革会議において一年以内に得、その結論に基づいて、平成十年の通常国会に所要の法案を提出する所存であり、同時に、国が担うべき機能に大きく関連する規制の緩和・撤廃等あるいは地方分権などを初めとして各般の改革課題について大きく前進させ、同時に、それを中央省庁の再編にも連動させていくために全力を傾けてまいります。
また、日米防衛協力のための指針についてお尋ねがございました。
政府としては、防衛大綱及び日米安全保障共同宣言を踏まえ、これまでに進めてきた日米間の防衛協力を基礎として、新しい時代におけるより効果的な防衛協力関係を構築するために、日米による指針見直しの作業を来年秋をもって終了するように積極的に進めております。当然ながら、この論議の過程を透明化していき、周辺諸国の不安を取り除く努力をしていかなければなりません。
その指針の対応につきましては、具体的内容を含めてまさに今後の検討を待つ必要があり、現時点で、議員がお述べになりましたような、条約として批准をすべきであるといったようなこどまで具体的に申し上げられる状況ではございません。
次に、安全保障基本法を制定すべきという御議論がありました。
従来から、本院におきましても、各種の御議論がこの点において交わされてきたことを承知いたしております。そして、国会の御審議を初めとする各方面の御議論というものを踏まえながら、その可否について検討してまいりたいと思います。
また、有事法制を整備すべきではないかという御意見をいただきましたが、自衛隊の行動に関する有事法制の法制化という問題については、高度の政治判断を必要とする問題でありますし、国会における御審議、また国民世論の動向等を踏まえて対応すべきものであると考えております。
また、沖縄の海兵隊の問題についてお触れになりました。
政府としては、依然として不安定要因を残している国際社会の中で、米軍が日米安全保障条約の中におきまして駐留することは、その目的達成のために必要なことであり、不可欠なものだと考えております。沖縄に駐留する海兵隊につきましても、その有する高い機動力、即応力というものを通じ、在日米軍の重要な一翼を担っていると考えておりまして、現時点において海兵隊の削減や撤去を求めることは考えておりません。他方、政府は、日米安保体制の信頼性を向上するためにも、四月に発出いたしましたいわゆる共同宣言において確認いたしましたように、国際情勢の変化に対応して、在日米軍の兵力構成を含む軍事体制につき、引き続き緊密に米国と協議していく考えであります。
最後に、普天間の海上ヘリポートの移設の問題についてお触れになりました。
私は、沖縄県の抱える問題、その中で象徴的なものがこの普天間基地であり、住民の安心を取り戻していきますためにも、普天間基地を、何とかこれを廃止の方向に持っていかなければならない、そのための方策にどのようなものがあるかを悩み抜いてまいりました。そしてその中から、海上への移設、しかも移動、撤去の可能な海上ヘリポートというものをここまで進めてまいりました。
普天間飛行場代替ヘリポートの移設先につきまして、現在日米間で協議中でありますけれども、当然のことながら、具体的な移設先を選定いたしますには、地元の理解と鶴力がなくうまくいくはずはありません。私どもは、きょうSACOで出されました結論というものを踏まえながら、引き続き、技術的な可能性とともに、どうすれば沖縄県民の声にこたえられるか、地元との緊密な連絡をも含め、理解と協力を得るための努力を、これからも全力を傾けてまいりたい、そのように考えており、ぜひ国会の御協力をもお願いを申し上げる次第であります。(拍手)
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