橋本龍太郎の発言 (本会議)

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○内閣総理大臣(橋本龍太郎君) 鳩山議員にお答えを申し上げます。
 まず、議員が冒頭に触れられました。私自身も含めた政治献金の問題につきましては、今日の一連の不祥事の発生によりまして、改めて政治資金規正法に基づく寄附の適正かつ厳正、透明性のある処理の重要性というものを思い知らされております。
 また、茶谷容疑者を自民党の公認候補といたしましたことは、落選したとは申しながら、その前職中に犯しておりました行動について、これを見抜けなかった我々の不明をおわびいたします。
 次に、沖縄に係る諸問題につきましては、議員も御承知のように、沖縄の方々が背負ってこられた重荷というものを国民全体で分から合う、そうした姿勢に立ちながら、引き続き内閣を挙げて解決に最大限努力をしてまいりたいと思います。
 沖縄米軍基地問題につきましては、まさに本日、日米安全保障協議委員会におきましてSACOの最終報告が了承をされ、この問題についての日米間の共同作業に一つの区切りをつけることになりました。今後、政府が引き続き一丸となって、この最終報告に盛り込まれました措置というものを着実に実施するためにあらゆる努力を行っていくとともに、最重要課題の一つとして沖縄米軍施設・区域に関連する問題にこれからも真剣に取り組んでいきたいと思います。
 また、沖縄の振興につきましては、現在、関係各大臣及び沖縄県知事で構成する沖縄政策協議会において沖縄振興策を具体的に検討していただいております。また、先般、沖縄米軍基地所在市町村に関する官房長官の私的懇談会から提言もちょうだいをいたしました。私どもは、その検討結果を踏まえながら、課題の解決に向け全力で取り組んでまいる決意であり、ぜひ国民すべての皆さんがともにその重荷を背負うといった視点でこの問題に目を向けていただくことを心から願わずにはおられません。
 次に、阪神・淡路大震災の被災者に対する支援という点についてお触れをいただきました。
 被災者に対するきめ細かな支援制度の確立につきましては、被災者の生活再建に向け、政府はこれまでも、公営住宅家賃の大幅引き下げを初めとする思い切った住宅対策、地元自治体が設けられた阪神・淡路大震災復興基金への地方財政措置、生活支援アドバイザーの設置など、さまざまな支援体制の充実をできる限り講じてまいりました。さらに、現在、地元の自治体との間で、被災者の健康、福祉や生きがい対策など、きめ細かな生活再建策の拡充に向けて検討を行っているところであり、これからも努力をしてまいる問題でございます。
 次に、公的介護保険制度の実現についてのお尋ねがございました。
 これは、国民の老後の最大の不安要因である介護を社会的に支える仕組みを構築しようとするものであり、現内閣の最重要課題の一つとなっております。今国会に提出いたしました法律案は、これまで関係審議会の審議や地方関係団体との協議などの積み重ねの上に取りまとめたものでありまして、不祥事を理由に先送りすべきものでも、またされるべきものでもありません。成立に向けて全力を尽くしたいと考えております。
 次に、規制緩和につきましては、高コスト構造の是正、新規産業の創出といった観点から、情報通信、物流、金融、土地・住宅、雇用、医療・福祉の六分野を中心に、また行政改革委員会の意見を最大限に尊重しながら、来年三月末までに規制緩和推進計画を再改定し、大規模な規制の緩和や撤廃を推進してまいります。
 次に、行政監視院法案について御意見をいただきました。
 私は、国会が行政の監視機能を強化される、そうした観点から、憲法の諸規定を踏まえ活動されることは大切なことだと考えておりますし、そうした考えを否定するつもりはございません。その上で、監視院そのものにつきましては国会みずからが判断をされるべき課題であると思います。同時に、国民の行政に対する信頼というものを確保しようとする場合、私は、政府の中の行政監察業務を全くなくしてしまうということは不適切なことだと思います。政府自身がみずからやはり不十分な点は補う努力をしながら行政の改善を進めていくべき責任はあると考えております。
 情報公開の早期実現についてのお尋ねがございました。
 現在、情報公開法の制定について御審議いただいております行政改革委員会からは、年内に御意見をいただくことになっております。政府としては、情報公開法の早期制定の御要望にこたえるべく、意見具申をいただきました後は直ちに立案作業に着手し、全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。
 また、国民が納めた税金を私物化し、選挙の道具に使おうというのかという御指摘でありましたが、補助金の配分、執行に当たって、その補助目的等に照らして厳正かつ公正な配分、執行が行われるべきことは当然であり、今後ともそのような観点に立って適正を期してまいります。
 次に、金融行政に関する大蔵省改革を先行させて、次の通常国会において大蔵省設置法などの改正を実現する考えか、そうした御指摘をいただきました。
 金融行政機構のあり方につきましては、中央省庁全体の再編に先駆けて、与党三党の大蔵省改革についての報告を踏まえて最大限努力をし、次期・通常国会に所要の法案を提出したいと考えております。また、財政と金融の分離など金融行政以外の大蔵省改革については、我が国の行政機構のあり方の根幹にもかかわるものであり、与党三党の報告でも述べられておりますように、中央省庁の改革を初めとする行政改革全体の中で検討を進めることが必要だと考えております。
 また、会計検査院の検査官人事についてお触れをいただきました。
 私どもとしては、行政及び財政にすぐれた識見を有する方が適当、そうした観点から人選を行ってまいりました。検査官は内閣が任命する官職であり、今後とも内閣としてこの職にふさわしい幅広い人材からの登用に努めてまいりたいと思います。
 次に、財政再建については、まず、九年度予算編成に当たり、財政構造改革元年とすべく各般の、制度改革の実現に努力をしますとともに、従来にも増して徹底した歳出の洗い直しを聖域を設けることなしに行い、限られた財政資金の重点的、効率的な配分に取り組んでまいりたいと考えております。また、中期的な財政健全化目標の設定などにつきましても積極的に取り組み、財政再建の法律につきましても検討を進めてまいりたいとお答えを申し上げたところであります。
 次に、二十一世紀に向けての日米関係の進むべき方向というお尋ねをいただきました。
 現在、日米の協力関係は、政治・安全保障、経済、そして地球規模の問題への取り組みなど、本当に幅広い分野にわたっております。この関係の維持発展というものは、我が国のみならずアジア太平洋、ひいては世界の平和と繁栄に欠くことのできないものだと私は信じております。私は、これまで築いてきた両国間の強固な信頼関係を基盤としながら、今後とも青少年の交流等まで含めた日米関係の一層の強化に全力を尽くしてまいりたい、そのように考えております。
 次に、歴史認識につきましては、政府は、一九九五年八月十五日の村山内閣総理大臣談話を基本とし、世界の平和と繁栄に向かって力を尽くしていく、この立場を今までも申し上げてまいりました。改めて申し上げる次第であります。
 次に、日中関係について御意見がございました。
 日中関係は、この両国だけではなくアジア太平洋地域、さらには世界全体の平和と繁栄のために大変重要な二国間関係であります。そして、今日までも我々は、例えばWTOへの中国の早期加盟を各国に働きかける、それは世界経済のためにも必要なこと、そのような思いで努力をしてまいりました。今後とも相互信頼に基つぐ日中関係の一層の発展に努めたいと考えておりますし、先般のマニラでの日中首脳会談におきまして、江沢民国家主席と私の間で相互の訪日、訪中を招請し合いました。日中両国民が明年の国交正常化二十五周年を心から祝福できるように、これからも努力を尽くしていきたいと考えております。
 また、アジア太平洋地域の非軍事的な脅威に対する取り組み、これは、昨年の議長国として日本が主宰いたしましたAPEC大阪会合並びに非公式首脳会合において日本自身の発案として、問題提起として、二十一世紀におけるアジア太平洋地域の制約要因として人口、エネルギー、食糧、環境といったテーマをお互いが関心を持ちながら検討していくべき問題として提起をいたしたとおりでありまして、これまでもAPECの活動を通じ、環境やエネルギー、食糧などの問題に精いっぱい取り組んでおります。本年もAPECの非公式首脳会合におきまして、太平洋の海洋環境の保全などにつきましての具体的な提案を行ってまいりました。明年は、議長国でありますカナダとともに一層の努力を傾注してまいりたいと考えております。
 次に、人権擁護の外交ということから御指摘がございました。
 世界人権会議で、人権が普遍的な価値であり、国際社会の正当な関心事項とされたことを受け、我が国も世界における人権擁護の促進に外交面で積極的な役割を果たす必要があると思います。
 ミャンマーに対する対応につきましては、我が国はミャンマーに対し民主化と人権状況の改善を求めながら、対話を通じ粘り強く今日までも働きかけてまいりました。これからもそうした努力を続けたいと思います。
 次に、核兵器禁止条約の締結を呼びかけるべきだという御意見をいただきました。
 しかし、私は、核兵器のない世界を実現するためには、核兵器禁止条約の締結の呼びかけ以前に、先般採択されました包括的核実験禁止条約の早期発効のために寸すべての国の署名、批准を呼びかけるとともに、との条約に続くカットオフ条約交渉の早期開始に向けて努力するなど、現実的かつ具体的な核軍縮措置を着実に積み重ねていくことが重要だと思います。この包括的核実験禁止条約にも今日なおその態度を留保し、あるいは反対の姿勢を持っている国がある状況の中で、我々は早期発効のための努力、まずこれを優先させていきたいと考えております。
 最後に、対人地雷の全面禁止につきましてお尋ねがありました。
 我が国としては、既に本年六月、全面禁止に向けた国際的な努力を支持するという立場を発表すると同時に、先般、国連第一委員会で採択されました対人地雷全面禁止に関する決議について共同提案国となるなど取り組みを行っております。また、地雷の除去につきましても、来年三月に我が国の主宰で国際会議の開催を予定するなど、今後とも関係国とともに最大限の努力をしてまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁を申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣三塚博君登壇〕

発言情報

speech_id: 113905254X00219961202_013

発言者: 橋本龍太郎

speaker_id: 24487

日付: 1996-12-02

院: 衆議院

会議名: 本会議