水野誠一の発言 (決算委員会)

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○水野誠一君 続きまして、公共事業の見直しについてお尋ねしたいと思います。
 最近、公共事業のあり方というものが問われているわけであります。公共事業というものをただ減らせばいいというふうには考えておりませんで、むしろその公共事業こそが政府の予算に対する思想を最も反映するというふうに考えれば、公共事業のあり方、その進め方というものを質の面からもう一度しっかりと見直すべきタイミングに来ているというふうに思います。
 しかし、実際の公共事業は、省庁別シェアがここ三十年間ほとんど変わっていない。この硬直性が打破できるかどうかに財政構造改革の真価が問われるというふうに考えるわけであります。一度始めた事業がさまざまな利害関係に縛られて途中でやめられないがために時間を経過していくと、社会経済情勢が変化しているにもかかわらず、当初の事業を何が何でも継続していかなければいけない、こういうことも大変多いわけであります。
 例えば、長良川河口堰建設事業は、当初は九年間に約二百三十五億円をかける事業計画でありましたが、結局は二十七年という歳月と一千五百億円の巨費が投じられることになった。また、最近話題になっております中海干拓事業は、現在事業が中断しておりますが、同じく十一年間で百四十億円かける計画でありましたが、現在までに三十四年が経過して既に六百五十億円が使われた。試算によりますと、さらに二百七十億円が事業終了までに必要である、こういうふうに言われるわけであります。
 こういうふうに、一度始めた公共事業がなかなか見直せない原因には地方財政負担の問題があるというふうに思います。先ほどの中海の事例で申しましても、事業費の約三割が地方負担になる。地方にとっては非常に重い負担となるわけです。事業が完了すれば施設の利用等によって負担の償還も可能であるというふうに考えられるわけでありますが、中止をするということになるとそれもできないと。したがって、どんなに時代の変化により当初目的がずれてきている、あるいはむだな事業になっているということがわかっても、やめられないということになってしまうわけであります。
 こうした問題の根源には、やはり構造上の、制度上の何か欠陥というのがあるのではないかなというふうに考えるわけであります。公共事業のあり方を総合的、長期的視点から見直して、事業を中止する場合の償還すべき地方財政負担の処理をも含めたスキームを構築することが、情勢の変化に伴い意味を失いつつある公共事業へのむだな出費を早急に抑える効果を持つのではないかと思います。この公共投資処理スキームがあれば、今行われています公共事業の見直しに資するのみでなく、将来発生するでありましょう財政赤字の予防の効果も期待できるものでもあろうと思います。
 総理の掲げられます財政構造改革とは、今現在財政赤字を減らすという対症療法的なものにとどまらないと私は認識をしておりますが、総理は今私が申し上げましたような公共事業の見直しスキームというようなものについてどうお考えか、お考えをお聞かせいただければと思います。

発言情報

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発言者: 水野誠一

speaker_id: 844

日付: 1997-01-16

院: 参議院

会議名: 決算委員会