清水睦の発言 (行財政機構及び行政監察に関する調査会)

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○参考人(清水睦君) ただいまの御質問は、議院内閣制の問題にかかわっているように思います。
 それで、議院内閣制をどういうふうにとらえるかということにつきましてはいろんな考え方がありますけれども、日本国憲法のもとにおける議院内閣制の理解につきましては、内閣と国会との力の均衡を図るというところに本質があるというふうな考え方ではなくて、内閣は国会に対して責任を負うといういわゆる責任本質説というのが学会では多数派のように思われるわけでございます。
 そうしますと、先ほどもちょっと私申し上げましたけれども、憲法六十六条の三項に「内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。」という規定がございます。内閣の人事の面では、内閣総理大臣はもとより過半数の閣僚は国会議員でなければならないということになっているわけですけれども、その点で人事の面では国会とのつながりが当然憲法上は要求されておりますが、その反面において、国会に対して内閣は責任を負うというところが議院内閣制のいわば非常に重要な側面というふうにとらえられていきますと、当然この国政調査権において行政面への行使は国会側が主体として権限を持つということになります。かつ、国会は二つのハウスから成り立っておりまして、もちろん合同の委員会というふうな組織もあるわけですけれども、しかしそれはむしろ国会の活動スタイルとしては御存じのように例外的であって、参議院及び衆議院がそれぞれ単独で行動し、かつその意思の合致というものを踏まえて立法がなされたり、そのほかの場合もありますけれども、活動自体はハウス単位でなされているわけであります。
 したがって、国政調査権の主体をハウスとするというのは、以上述べましたような理由からしてごく自然であるということになります。
 そして、委員会が実際は国政調査権を行使するというふうになるのは、これはハウスのメンバーが全体として調査をするということは物理的に難しいということであり、審議を尽くし調査活動を効果あらしめるのは、やはり会議体の人数がある程度にとどまらなければできないということがありますので、すべてではありませんけれども、各ハウスの活動も委員会が中心になって行われているわけでございます。したがって、国政調査権も実際は委員会が担うということになるのがこれまた自然ということになるわけです。
 そうなりますと、ただいま御質問がございましたように、委員会の意思決定というのはやはり多数決でなされると多数党の意思が委員会の意思になっていく。そうしますと、多数党というのは通常与党でございますから、与党の意思で実際の運営がなされると政権党の意思が物を言うから、結局時の内閣のもとにある行政に対して効果的な国政調査権の行使が望めないのではないかという、そういう御疑問であったかと思います。しかし、原則的にはそれは私はやむを得ないことなのではないかというふうに思います。
 議院内閣制というものは、やはり与党を含めたハウス、国会、これが行政、政府を一応監視するという建前になっているわけですから、その建前は建前として、実際それでは効果が薄いというふうなことを考えれば、野党に行政に対する監視の重要な権限である国政調査権につきイニシアチブをとらせるという配慮を多数党自身がなすべきである。それをやはり一定の法規の形で保障を明確にするということが与党の雅量といいますか、与党が議院内閣制を憲法上のあるべき姿で運営していくという場合にはそういう態度が望ましいわけであって、これは憲法がその条文でそういうことを定めてはおりませんけれども、法律、規則等でそういうことを定めることは可能であり、そのことは別に憲法上の議院内閣制に反するわけではございませんので、そういうふうなことが重要であると思っているわけでございます。
 以上、簡単ですけれども。

発言情報

speech_id: 113914277X00119961212_025

発言者: 清水睦

speaker_id: 31093

日付: 1996-12-12

院: 参議院

会議名: 行財政機構及び行政監察に関する調査会