花岡信昭の発言 (公職選挙法改正に関する調査特別委員会)

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○花岡参考人 産経の花岡でございます。大変貴重な機会をお与えいただいて、ありがとうございます。
 小選挙区比例代表並立制というのは、先ほども委員長からお話ありましたように、非常にダイナミックな国会の攻防を経て成立したわけでありまして、この数年来政治改革への取り組みをしてきたことが現実のものとして実ったということで、非常に大きな評価をしていいだろう、その第一回目の選挙が行われたということに、まずもって大きな評価を与えるべきであるというのが基本的なスタンスであります。ここから先、政治改革はこれで終わりなんではないのでありまして、次なるステージは、恐らく単純小選挙区制への移行ということが早晩浮上してくるのではなかろうかという気がしております。
 私、政治改革推進協議会という、民間政治臨調という委員もしておりまして、その中で、東大の佐々木毅さんを主査にして今政治改革検証委員会というのを精力的に進めておられるのですが、実はけさもその会合、勉強会がありまして、そちらへ回ってからこちらへ伺ったのですが、私の発言は民間政治臨調の見解そのものを代表するものではありません。かなり個人的な意見であるということを事前に申し上げておきたいと思うのです。
 政治改革というのは一体何だったのかというのを改めて振り返っておく必要があるのではなかろうか。といいますのは、やれ熱にうなされていたとか選挙制度改革に矮小化されただとか、いろいろ言われる向きがありますが、それは決してそうではない。
 政治改革というのは、これは手段でありまして目標ではなかった。目標というのは一体何であったか。これは先ほど来お話に出ていますが、戦後五十年で日本はあらゆるいろいろなシステムがもう限界に来てしまっている、このままいったら日本は二十一世紀に沈没するのではないか、ジャパン・バッシングからパッシングになって、今やもうナッシングである、日本無視というような、大変危機意識というのが出ているわけで、それをやはり政治の側から克服していくための何か装置が必要ではなかろうか、それが選挙制度改革に求められたのであろうというふうに私ども理解しているわけです。
 そういう考え方からいきますと、中選挙区制というものこそが諸悪の根源であって、これに風穴をあける、ここから政治改革がスタートしたわけでありまして、小選挙区制こそ日本にはふさわしいシステムであるというのは、まさにそういうことであります。かなり理想論になりますが、政権交代可能な二大政党制、これが我々の夢であります。とにかく、平成の時代になって八年余りたちますけれども、この間に我々は八人の総理大臣を持ったのでありまして、先進国でこれほど政治が混迷している国というのは恐らくはかにはないであろう。安定した強力な政権がどうしても必要である。その政権が失敗したら次の総選挙で政権交代がたやすく行われるというシステム、これが小選挙区制ではなかろうかと思うのであります。
 選挙制度は、小選挙区制か比例代表制か、どっちにより傾斜すべきかという議論はありますが、後ほど質疑の中で恐らく出てくると思うのですが、比例代表のメリットとされてきている民意を鏡のように反映するとか、いろいろありますが、小選挙区制のデメリットと言われている死に票、そんなもの士かりが強調されますけれども、これはためにする議論にすぎないのではないかと思います。
 それで、今回の小選挙区三百を検証してみますと、自民と新進で合わせて九割近い議席を得ているのでありまして、小選挙区三百に限って言えば、二大政党時代は到来したと言って過言ではないのではなかろうかと思います、いろいろ御議論があるかと思いますが。それで、自民、新進の差が七十三、これは非常に大きな差がついたように見えますけれども、一万数千票ぐらいの開きで見ますと、五分五分ぐらいの戦いなんですね。一万票ぐらいの差ということは五千票動けば当落はひっくり返るわけですから、自民、新進、この両党は結果に見られるほどの大きな開きは実はなかったのではなかろうか。これはこれからのもっと具体的な検証にまたれるところですが、二大政党時代というものの芽が見えたのではないかという点に我々は着目していきたいと思うわけです。
 重複立候補については、並立制を採用する限りこの重複立候補そのものが悪いとは思えません。むしろ小選挙区で法定得票に達し得ないような候補を立てた政党にこそ問題がある。ちょっと言い過ぎかもしれませんが、あえて申し上げておきます。
 選挙運動のあり方その他については、時間もありませんので、あと質疑の方に回させていただきます。
 一言、その他というところでつけ加えさせていただければ、この選挙制度という今度のシステムは、今橋本行革を初めとして日本のシステムそのものを変えていかなければいかぬということが行われつつありますけれども、そういうシステムそのものを改革していくこと、そのこととの連動によって初めて選挙制度が機能するのではなかろうか。一つの例で言えば、小さな政府、地方分権ということが実現していけば、それぞれの地域への利益誘導ということが遮断できるわけで、埼玉で起きたような厚生省汚職事件、要するに特別養護老人ホームを埼玉のどこにつくるという箇所づけまで中央の政府、行政がやるというところに問題があるのでありまして、小さな政府、地方分権という一連の流れが根づいていくことによって、並立制のいわゆる弊害と言われる部分が消されていくのではなかろうかと思います。
 そのほか、やはり政党というものがもっと成熟しなければいけない。政党そのものの中にシンクタンクのようなものを持って、政党が民意を吸収して統合して政策を形成していくという力を持たなければいけないというのを、今度の並立制というシステムはあらわしているのではなかろうかというようなことをちょっとつけ加えさせていただきます。
 最後に、小選挙区三百を衆議院として、二百を参議院としたら理想的な形になるのではなかろうかという、これは極めて非現実的な夢のような提言をして、冒頭発言を終わらせていただきます。ありがとうございました。

発言情報

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発言者: 花岡信昭

speaker_id: 15898

日付: 1997-02-19

院: 衆議院

会議名: 公職選挙法改正に関する調査特別委員会