江渡聡徳の発言 (厚生委員会)
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○江渡委員 自由民主党の江渡でございます。
小泉大臣並びに厚生省の方々が、日々、よりよい厚生行政を目指して努力されていることに、まずもって衷心より敬意を表したいと思います。
私自身、児童福祉施設等を運営しております立場から、今回の児童福祉法等の一部を改正する法律案につきまして、特に保育制度の改革について質問させていただきたいと思います。
今回の改正により、これまでの措置制度にかえて、保護者に保育所の十分な情報提供を行い、保護者が希望する保育所を選択できる制度とされておりますけれども、親や子供の立場に立った改革であるといたしまして、私自身は評価できるものと思っております。
現在、保育所の果たす活動と責務は、多様な保育ニーズや子育て対応に困難なケース、地域の子育て支援に積極的な対応をし、さらに、地域福祉への貢献をする等、多様なものになっております。中でも、子育て支援センターや一時的保育等は大変好評でありまして、本来の保育事業と同様の要望がある現状にかんがみまして、特別保育事業のますますの進展が必要となっております。
それゆえ、保育関係者は、今後、一層利用しやすい保育所にするための努力をするとともに、地域への保育所の責任を明確にするため、情報の提供、開示に主体的かつ積極的に取り組むべきものと私は考えております。
さらに、子供の最善の利益を尊重し、これらの社会的要請にこたえるために、保育の工夫、すなわち、長年の保育活動が積み重ねられて集約された必須の人材としての役割発揮を担う主任保母を置き、また、状況によって事務職員を置いているわけでありますけれども、それぞれの職位における資格を明確にすることによって、社会の厳しい要請に十分にこたえられる保育所にならなければならないと思うわけであります。
また、保育所で過ごす乳幼児の時間がおおむね十一時間前後になっている現状に沿い、乳幼児の生活、遊び、食事、睡眠が十分になされ、また、子育ての相談者にとっても余裕のあるスペースが必要と思われます。
そこで、今般、中央児童福祉審議会の中間報告に提言されているように、保育所が利用者の保育ニーズにこたえた保育を実施し、質の確保と向上を図ることができるようにするために、職員配置基準の弾力化、運営の弾力化、関係職員の資質の向上等につきまして、私の持ち時間が二十分ということもありますので、時間の関係上、一括して十一点質問させていただきたいと思います。
第一点。今回の制度改正によりまして、保育所においては、利用者から選ばれるようにするためには創意工夫のある経営努力が必要であるわけですが、人事や業務遂行方法について、事業主体の選択が可能となり自主性を発揮しやすいように、最低基準など基準の弾力化が必要だと思っております。
特に職員の配置について見ますと、三歳未満児と三歳以上児の職員定数のギャップが大きいわけでありまして、三歳以上児については、年度当初に生活指導等でしっかりした対応が必要となっているのが現状であります。また、週休二日制が定着していても、保育ニーズがある限り、土曜日も開所しなければならず、その中で、正規職員の勤務時間を四十時間へ移行していかなければなりません。また、多忙な時間帯において適切な対応を図ることが重要となってきております。これらのことをするためには、正規職員にパートや非常勤職員を組み合わせることによって、サービスの質を確保し、労働の負担軽減を図る必要があります。
保育所が創意工夫を発揮するためには、保母の定数全員が正職員でないといけないということでは対応は困難であります。非常勤、パートの保母でもよいというようにすべきではないでしょうか。これが第一点でございます。
第二点目。保育所の定員に関する運用についても弾力化が必要であると私は考えております。
例えば、現状の設備の基準では、乳児室、保育室などそれぞれの面積について、乳幼児一人について何平方メートルと定められているわけですが、その結果、事実上は、各部屋の区割りごとに利用年齢などの用途や年齢別の乳幼児数の上限が決められ、それを基礎として定員が決まることが多いわけであります。特に乳児指定保育所の場合には、特定の乳児室としているその面積から保育可能な乳児数が決まるというような運用が見られます。
このように、保育所においては、各部屋を年齢ごとに区切り、利用定員を定める実態が見られますけれども、例えば、乳児保育の希望の多い状況の中では、零歳児の入所希望を柔軟に受け入れられないので、最低基準で定める入所児童の必要面積の合計をその保育所の面積が満たしておけばよいというようにすべきではないかと私は考えておりますけれども、いかがでしょうか。
第三点目。保育所の入所者は大体年度開始前の三号の初めごろまでに決まっているわけですけれども、その後緊急に入所が必要となる児童への対応や、そもそもその保育所への希望が多い場合の対応などについては、定員に関する対応は硬直的になっているのが現状です。また、年度途中での定員の弾力化枠も、最低基準を満たす範囲であればさらに弾力化してもよいと私は思っているわけでございます。緊急入所がある場合には年度当初から定員を超過してもよいこととするなど、定員の弾力化を進めるべきではないでしょうか。第四点目。一方、保育所の施設基準について見ますと、保育所で子供が長時間過ごして成長していくということを考えていきますと、現在の国民の生活水準から見てそぐわない点もあると考えられます。また、地域の子育て機能の低下を考えますと、保育所において、地域社会に対し、子育て相談に積極的に役割を果たしていくことが必要となってきております。
現状の施設の基準では、生活、遊び、食事、睡眠が一つの部屋で行われておりますが、生活水準の改善に見合って改善を図るべきではないでしょうか。また、子育て相談に必要なスペースの確保というものも図るべきではないでしょうか。
第五点目。保育所に対するニーズは、保育所利用の一般化が進むにつれ、多様なものとなってきております。通常の保育時間の部分を超えた延長保育のニーズのほかにも、病気のときの保育やアレルギー食の除去などのニーズもありまして、また、障害児については、集団生活の中で社会性を身につけたいというニーズもあります。
こうした個別のさまざまな保護者のニーズについては、必ずしも一律の制度にはなじまず、個々の保育所において、創意工夫を凝らして、自主的に事業に取り組めるようにしていくとともに、これに対する規制なども緩和していくべきであると私は考えております。今後、保育制度の枠外の付加的ニーズへの対応として、利用者負担によって自主的に運営ができるようにすべきではないでしょうか。
第六点目。保育所についての規制緩和、基準の弾力化を行う一方で、保育サービスの質の確保のためには、保母の待遇面の改善も必要と考えられております。
しかしながら、予算上の保母の給与の格付は、他の社会福祉施設の職員と比較すると低くなっているという実態があるものと考えられます。保母の待遇を改善するためには、現在の保母の給与の格付を実態に見合ったものにする必要があります。それゆえに、厚生、大蔵、自治の三省による実態調査を行うべきではないでしょうか。
第七点目。一方では、ただ費用をかければそれだけサービスが向上するとは必ずしも言えないことには注意をすることが必要であります。
すなわち、公立と民間の保育のコストの差を見ますと、公立の方がコストがかかっているにもかかわらず、延長保育など、必ずしも利用者の多様なニーズにこたえていない実態があります。コストのかかっていない民間保育所の取り組みの方が進んでおります。こうした公私の保育所の取り組みを見ますと、良質で効率的なサービス提供を図るためには、民間の保育所の振興を図っていった方がよいのではないかと私は考えております。
第八点目。ところで、保育所におけるサービスの質の確保を図るためには、保育所で働く職員の資質の確保、向上が必要であります。特に、保育所の所長については、現在、特別に資格が定められているわけではありませんけれども、保育所の役割と機能の拡大につれ、多様な職種によって構成され、保育所という組織体のリーダーとしての所長には高い資質が求められるようになってきております。保育所の所長については、利用者の視点に立った保育所運営、保育所の社会的存在意義を明確にし得る保育所運営、経営できる資質を向上するための研修等の充実強化が必要なのではないでしょうか。
第九点目。また、保育所の中におきまして、スーパーバイズやOJTの指導者としての役割を果たし、地域福祉推進のコーディネートをする役割を担う職位が必要であります。このように、保育従事者の中の主任者の役割、地域の子育て支援への対応等を考えた場合、主任保母の制度化ということも必要になってくるのではないでしょうか。
第十点目。さらに、日々子供に直接接する保母の研修の充実強化というものも図っていく必要があると思います。
最後に、十一点目になりますけれども、以上の十点の質問を踏まえて、大臣にもお聞かせいただきたいと思います。
今回の改正を踏まえまして、今後の保育制度の取り組みに対する大臣の決意を最後にお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします。