遠藤乙彦の発言 (商工委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○遠藤(乙)委員 持ち株会社の問題につきましては、先ほど鈴木委員から大変明快な形でメリットを整理されましたし、また小川委員からも、日本の村社会という状況かち、ぜひともグローバリゼーションに対応した競争条件の整備ということを言ったわけで、基本的には私も同感でございまして、やはりグローバリゼーションという流れから、持ち株会社の解禁というのは必然の流れであろうというふうに感じております。
 そこで、私としてさらに問題提起をつけ加えたい点は、今までの議論は事業支配力の集中をいかに規制するかという視点から議論が多く行われてきたわけでございますけれども、それは確かにそうなんですが、もう一つ、日本の今までの戦後の発展から見て非常によかった点は、日本の企業が非常に長期的な視点から行動してきた、長期的な視野、利益を追求することによって日本の経済発展が可能になったという点があるかと思います。特に技術革新とか設備投資というのは大変時間のかかる話であって、それが最終的にいいかどうかを見きわめるのに非常に時間がかかるわけで、必ずしも短期の視点から議論しても十分わからないという点があります。
 また、日本の企業は、特に労使関係においても、労働争議を減らす、長期的な労使の安定した関係を持つことが長期的には非常に大きな利益である、そういう視点のもとに行動してきたわけであって、非常に企業が長期的な視点で動いてきたということが大きな意味があったと思います。
 ただ、このような形で純粋持ち株会社が解禁をされて、それは今後日本の企業構造に大きな影響を与えるでしょうし、特に今までの日本の企業は事業部門と戦略部門が未分化の形で、特に戦略部門が弱かったということが指摘されておりますが、持ち株会社が解禁されれば、先進諸国の主要企業と同じような形で、戦略部門の強化という形でこれが拡充されるかと思います。
 ただ、そこで一つ危惧する点は、そういう形になった場合に、いろいろメリットがある反面、企業の行動がより短期の利益の追求にだんだん重点が移っていくのじゃないのか。金融上の利益あるいは当面の利益をいかに最大化するかという点から行動するようになって、むしろ中長期の問題には十分な視点が失われる可能性がある。そういった意味では、技術革新とかあるいは設備投資の問題、労使関係の上でやはりこれが大きなマイナス要因となる可能性もあるので、この点をどうカバーしていくかという視点からの議論をこれから大いにしていく必要があるかと思っております。
 それからもう一点、やはり消費者の利益をどうするかという点がありますので、この点につきましても十分な議論を今後重ねていく必要があると思うわけでございまして、事業支配力の集中をいかに規制するかという点のみならず、今申し上げたような点を含めて、どう新しい日本型の純粋持ち株会社の条件を整備していくかということをぜひ検討すべきだと考えております。
 一応、問題提起でございますけれども、一言述べさせていただきました。

発言情報

speech_id: 114004461X01319970509_016

発言者: 遠藤乙彦

speaker_id: 22256

日付: 1997-05-09

院: 衆議院

会議名: 商工委員会