村井仁の発言 (税制問題等に関する特別委員会)

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○村井議員 私は、ただいま議題になりました平成九年分所得税の特別減税のための臨時措置法案、地方税法の一部を改正する法律案につきまして、新進党、太陽党を代表して、提案の趣旨を説明します。
 日本経済は長期の低迷にあえいでいます。その最大の原因は、経済構造改革を後退させ、実効ある対策を講じなかった自社さ政権が続いてきたことにあります。
 とりわけ、橋本内閣の無為無策ぶりは我が国経済の低迷に一層拍車をかけています。深刻な経済危機にもかかわらず、政府は、消費税率引き上げ、特別減税の中止、社会保障負担引き上げにより、九兆円もの負担増を国民に押しつけようとしております。連合の試算によれば、年収七百万円の標準世帯では、消費税増税が五万九千円、特別減税廃止が五万四千円、社会保障料負担増が一万円で、合計すると実に十二万三千円の負担増となります。家計にとってはトリプルパンチで、リス
トラや賃下げに苦しむ勤労者世帯には痛手であります。
 国民を火だるまにしておいて、そのかたわら、行政改革、規制緩和、財政改革などの一連の改革をすべて骨抜きにし、ばらまきと利権誘導を優先させ、歳出削減にも手をつけず、旧態依然とした平成九年度予算の成立を強行しようとしている橋本政権の姿勢は言語道断であります。さらに、住専への税金投入に見られるごとく、政府の金融無策は不良債権問題を悪化させ、モラルハザードを助長し、いたずらに金融不安をあおっております。
 失業率は過去最高水準に達し、勤労者は雇用不安に苦しんでいます。コストが高く、規制でがんじがらめの日本社会では新産業は十分育たず、企業は海外に逃げ、産業の空洞化が進み、中小企業は経営圧迫、倒産の危機に見舞われています。
 経済改革を断行する意思と気概を見せず、日本を再びゼロ成長路線に転落させようとしている橋本政権に対して、市場はついに不信任を表明しました。株式市場は暴落し、円安が進み、異常な低金利が続いています。日本発の金融混乱におびえて、世界は日本売りへと動いています。
 政府は平成九年度の実質経済成長率の見通しを一・九%と定めていますが、民間五十六調査機関の予測は政府見通しを大きく下回る一・四%であります。ゼロ%台の成長を見込んでいる機関は六つもあります。消費税率引き上げ、特別減税中止等を強行して、経済改革も骨抜きにして、落ち込んだ経済に冷水を浴びせて、こんな甘い経済見通しを立てている橋本内閣の姿勢は笑止千万であります。
 新進党は、今日の経済危機を招いた橋本内閣の責任を徹底追及するとともに、経済構造改革、緊急経済対策を断行して、国民の暮らしを立て直す
 ことを訴えてまいりました。
 我々は、将来的には、所得税、法人税の大幅軽減、経済的規制の撤廃・緩和、公共料金引き下げ、中央省庁再編、地方分権推進、国の事業補助金廃止、特殊法人見直しなどの大胆な改革を断行する決意でありますが、まずは緊急対策として、消費需要の喚起、民間投資の回復、証券市場の活性化、土地の流動化等を促進するための施策を講じることが先決であり、これこそが経済構造改革の礎であり、実質三%の経済成長軌道に乗せる道であると確信しています。
 この考え方にのっとり、我々は、特別減税の継続実施、有価証券取引税及び取引所税の撤廃、地価税の凍結、法人の長期所有土地等の譲渡益に対する特別課税の不適用、法人の新規取得土地等に係る負債の利子の課税の特例の不適用、個人の不動産所得に係る損益通算の特例の不適用を盛り込んだ、経済の活性化及び経済構造の改革に資するために緊急に講ずべき税制上の措置に関する法律案を一たんは提出いたしました。
 その後、労働組合や他の野党関係者の意見も踏まえ、最重点項目として平成九年の特別減税の継続実施に絞り、改めてこの趣旨を盛り込んだ法案を提出した次第であります。
 次に、法案の概要について説明いたします。
 政府・与党が打ち切った所得税及び個人住民税の特別減税につきまして、平成九年についても継続することとします。特別減税の額は、所得税額、所得割額の百分の十五に相当する金額とし、それぞれ五万円、二万円を限度として税額控除する従来方式を踏襲します。
 なお、本案施行に要する経費でありますが、平成九年分所得税の特別減税のための臨時措置法案におきまして、約一兆四千五十億円の減収を見込んでおります。
 以上が、提出法案の概要であります。
 なお、我々は、将来的には、抜本的税制改革を進める中で、税率累進構造の緩和、人的控除の見直し等を進め、特別減税を恒久的な制度減税に吸収するべきだと考えております。
 また、減税財源につきましては、歳出について聖域を設けず大胆な見直しを図るとともに、公共事業における事業単価の見直しや優先順位の明確化、経常経費における不要不急経費の思い切った節減に取り組むとともに、足らざる部分は公債の発行等も含めて、万全の措置を講ずるべきだと考えます。
 この法案の成立を図ることで、二つの効果が期待できると確信しております。
 第一は、消費需要の落ち込み防止による経済の一層の沈滞の回避であります。特別減税の継続実施により、GDPの約六割を占める民間最終消費支出を下支えし、民間主導の景気回復、勤労者世帯の生活立て直しの支援等を図ることができると考えます。
 第二は、消費税率引き上げによる逆進性の解消であります。特別減税方式は原則として納税額の一定割合を減ずる措置でありますが、高額所得者は五万円、二万円で打ち切りとなりますので、下に厚い減税であります。消費税増税の影響を大きく受ける中低所得者の負担軽減にも資するものであります。
 我が国経済の現状を憂い、経済の活性化、経済構造の改革に真剣にお取り組みいただいている議員の皆様には、当然御賛同いただけるものと確信をいたしております。
 提出法案を真剣に御議論いただきまして、速やかな成立をお図りいただきたいと存じます。
 以上をもちまして、私の趣旨説明を終わります。

発言情報

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発言者: 村井仁

speaker_id: 19597

日付: 1997-03-06

院: 衆議院

会議名: 税制問題等に関する特別委員会