栗本慎一郎の発言 (税制問題等に関する特別委員会)

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○栗本委員 私も、基本的にはそういう認識を持っています。三市場総合の証券ベース、ずっと数字を見ますと、八年の十月に総選挙があったわけであります。もしも自民党に対する何といいますか期待が極めてマイナスであれば、直ちに株が下がったりしなければならないのでありましょうけれども、この場合は、十月、十一月、日本人の証券投資家は、証券会社を含めてですけれども、買い越している。十二月になって突然六千億円の売り越しに、これは日本人でありますけれども、なっております。この段階で、まだ外国人投資家は六百億弱買い越している。ただし、よく見ると、八年十月、十一月、十二月と弱気が見えるということは言えるだろう、客観的に言って。八年十月と八年十一月は、外国人投資家は売り越してきております。これをどう考えるのか。
 自民党が選挙で勝ったから売り越したのか、あるいは過半数がとれないから売り越したのか、この辺の議論は多分してもしようがないだろうというふうに思いますが、少なくとも、橋本内閣ができて、そしてまた予算を組んだら下がったという話は、これは通らない話だろう。
 例えば整備新幹線が予算に組み込まれたから下がったという暴論がありますけれども、私も整備新幹線は直ちにはやるなという意見であります。将来に関しましては、国土全体をクリーンに結ぶ輸送形態としては整備新幹線はいいのではないかというふうに思っていますが、例えばことしとかいった場合にはと思っている。けれども、これもまた、野党の皆さんはどうお考えかわかりませんが、自治大臣が入りまして、実際使うのか使わないのかというのが玉虫色の格好になっている。現地とJRの合意がなければ着工しない、だから幾らでも反対をしようと思うとできるというふうに
なっている。これがまた推進派の方々には不満なところでありますが、この話は前からいわばあったのであって、確かに予算には組み込まれた、けれども急に何か出てきて絶対にこれがあったら死ぬというような、急に今悪化したという状態で出てきたんじゃないというふうに思う。
 日本経済新聞でありますけれども、実は、アメリカのウォールストリート・ジャーナルが、一月二十一日でしたか、アジアの証券についての展望をコラムで書きまして、中身は、日本人は自分の国の株が下がったのをおれたちアメリカ人のせいにしているけれども、随分タフになったものだ、自分たちが売っておいておれたちのせいにするという状況じゃないかということを言っております。これは一月二十一日のウォールストリート・ジャーナル。その後も、この論調は変わっていないのですね。
 多分、そのきっかけになりましたのが、日本経済新聞全体もそうであったのですが、コラムがありまして、一月十九日「株安で日本は沈むか」、あえてどなたが書いたか別に申し上げませんけれども、これが、市場が予想する日本防衛軍の対抗手段は、だから既に防衛しろと言っているのですが、特別税減税の継続と追加的な所得税減税を打ち込むカンフル攻撃と言っていますね。すごいですね。それから整備新幹線凍結、不良債権処理への公的資金導入、これはまた反対された方もいたわけですけれども、こういうことを言っている。
 ところが、これはわずか六段になっている記事なんでありますけれども、確かに日本の株は下がったが、これは事実ですね、その最初の一撃は不明であると言っている。最後に、最後というかやや後半に、実は、この考えられる原因が二つある。株価が下がった最初の一撃、予算だとか橋本内閣だとか言ってないんです。与野党内の反橋本勢力が仕掛けたという政治謀略説、それから米金融資本の国際陰謀説の二つ。この米金融資本の国際陰謀説にウォールストリート・ジャーナルが、何言ってるんだといわばかみついた。それから与野党内の、与野党というと与党の中にもいるということになりますので、コメントしっかりできませんが、政治謀略説。そうすると、これは与野党。プラス日本人がかなり急激に十二月に売り買いの動向を展開しておりますから、先売り先買いというふうなことをやれば、これは国会ですからめったなことは申せませんけれども、下がった方がもうかるという株式投資家も出ることがあるわけです。そうしたことが大きな影響を及ぼすことがある。
 そういったものが今後の経済において政治的なものと結びついたりしたら、そんなことはないと思いますが、非常に大きな問題を持ち得る。しかもマインドだからというこの時期においては、二十世紀末から二十一世紀の初頭ぐらいまでは、そういう国会の議論が全体の経済の動向に大きく最初の一撃、次の一撃になる危険性がある、こういうふうに思われる。
 この日経の記事にもう一度戻りますと、これは私が大学教授で私の学生が書いたなら不合格にします。中の筋が全部ぐるぐる変わっているのです。最初に、日本経済に対して日本政府はきちっとやっていないからだと言っていて、途中で、しかしだれが始めたのだかわからない、だれかがやったのだろうと言って、その二つ理由が考えられるのが米金融資本か与野党内の反橋本勢力である、最後に、だから市場の警鐘とはやし立てていいのかと言っている。中が支離滅裂でありまして、だから、これはこんな国際的な議論を呼び起こしたであろうコラムでありながら、最後まで読むと、大したことはないのではないか、こういうふうに言って、だれかが仕掛けたのではないだろうかというふうなことを言っている。
 先ほどの、いろいろな特別減税とかあるいは整備新幹線の問題はずっと前からあった。特別に悪化したわけではないということであります。これはもちろん処理しなければならない問題でありますし、私も現状のままでそれがいいというふうに考えるわけではありませんけれども、これが今の一月二十一日のウォールストリート・ジャーナルのものに結びついたのです。その辺は多分榊原さんは十分御承知だろうと思います。
 したがって、その後の世界の日本経済に対する見方は、強気というのはおかしいですけれども、そういったものがある。もちろん問題点は指摘されている。そういう状況の中で、私は、総合的な政策として全体のバランスをきちっととって、特別減税だけではなく、ここはこうでこういうふうにと、もちろん野党の方もそれはお考えなのでしょうが、たまたま通らなかった場合に特別減税だけを取り出して、これがあればマイナスにならない、あるいはせめてマイナスが少なくなるという議論をされるのは、見方をされるのはいかがなものかというふうに思うわけであります。
 それで、ここで経済企画庁に今後の展望と、それからそうしたものがどの程度経済に影響するというふうにお考えなのか、ちょっとお伺いしたいと思います。まず経済企画庁、今後の展望と特に所得の関係についてお話を願いたいと思います。

発言情報

speech_id: 114004587X00419970324_012

発言者: 栗本慎一郎

speaker_id: 33208

日付: 1997-03-24

院: 衆議院

会議名: 税制問題等に関する特別委員会