栗本慎一郎の発言 (税制問題等に関する特別委員会)
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○栗本委員 そのお答えでとても満足はできないのですが、後ろの方からやじとも愚痴ともつかぬ声で、そんなこと聞いたってわかるわけがないじゃないかという声がちょっと耳に入りまして、私もひるむところもあるわけですけれども、確かにそれもわからないじゃない。しかしそれにしても、ですから要望を申し上げておきますけれども、外部の方のある程度頭脳を入れて白書をお書きになっているのだから、しかも何百年に一回という段階の変化だとかなり一致して言っているのだから、少しは反映させなさいよ。勉強しましたよというぐらいのところは見せてもらいたいということです。
今のお話でも、本当に数字の話だけですよね。そんなことで動いてきていないでしょう。車を買ったってわかるでしょう。八〇年代までは、例えば車を買うときに、ミニカー、大衆車、中級オーナーカー、それから高級車といって各メーカー三種類か四種類あって、大体四年ごとにモデルチェンジをしていくということである。それが家計に組み込まれたというけれども、今言ったような変化に基づきまして、ボーダーレスの中にボーダー現象が起きてしまったために、それから、もともと技術的には、失礼ながら大衆車と言われる車でもベトナムに行くと高級車になっているというふうな状況で、見えとかステータスとかいうことを除くと、余りそれは違わない。そもそも壊れないという話になってきて、逆に言えば、これは我慢すれば使えるというものになってきた。
我慢すれば使えるのを買いかえさせるのにどうするのか。民間は大変苦労して、そのときこの広告をやっている業者の方も大変売り上げがある。コピーライターという分野が、これまで非常にサブな分野だと思われていたものが、ワンコピー、要するに文句を書くだけで二千万円だとかいうふうになる。コピーライターだけじゃなくて、なぜそういうコピーがいいんでしょうかというふうなことを言っている学者まで、それは私なのですけれども、講演を頼まれて、お小遣いがもうかる。余り引き受けませんでしたが、そういう状況になって、明らかに変わってきているのです。
だから、日本の車は、諸外国との関係がありますけれども売れて、また国内需要が伸びて今はいいのですけれども、バブル期というか九〇年前後は非常にまずい状態でした。つまり、たくさんの車を、モデルをつくっていかなければいけないし、そうするとそのモデルチェンジのときのいわば純新規需要みたいなものも見込めないし、部品はとっておかなければいけないしということで、国内では非常にまずい状態だ。ランニングが非常に難しくなってきていたわけですね。これが日本の自動車産業の若干の勢力の順番変化に影響があったのは多分御存じだろうと思いますけれども、消費というのはそういうふうに動いてきている。
消費というのは気分的なものだからはかれないということも、それはないのだ。だから消費の型を理解していく。マインドだけじゃなく、また物的要求だけじゃなく理解していく、そういう学問が経済学の中に出てきたということでありまして、また講義になってしまいましたけれども、少しは入れて考えてくださいよ。
だから、あなた方の書いている転換期というのは、先ほど言ったように雇用形態が変化する、不良資産の処理はしなければいけない。それはそうですね。しなければいけない。キャッチアップ経済は終わった。随分前に終わっていると思うのです。金融仲介システム、日本型雇用システムが変わる、日本的な企業間関係システムが変わってきつつある。どう変わるのだ。どうしたらいいのだ。日本的企業間システムというのはよかったのか悪かったのか。
私は、すべてのものに根拠があって、それなりによかったからこれまでやってきたんだというふうに思います。それがもし変わらなければいけないというのなら、単に国際的な対応だけではない。はっきり言えば、国際的な対応を主に考える必要はない。もしそういうことが主であれば、もう第二次大戦前から日本の農民人口を減らすための努力を一生懸命しなければいけなかった。離農のために国はたくさんの金を用意するとかいうふうなことをしなければならなかった。それはある程度しましたけれども、それはならずにここまでやってきて、それはそれでいいわけですね。ですから、今特に、家計にどれだけお金を供給すれば消費にどうなるんだというふうなことが非常に問題になっているときには、改めてそれを入れていただきたいというふうに思うのです。
そこまで要望しておきまして、もう一つお聞きしますけれども、あなた方は、あなた方はというのはおかしいですけれども、恒常所得という考え方があって、これが資産プラス期待所得なんだ。それが消費の動向を六割方決定するというふうにおっしゃっている。資産はいいです。わかります。期待所得というのは一体何なんですか。それは何で決定されるのですか。それから、そのマインドというようなもの、あるいは政治的プロパガンダも含めていろいろなことが言われるわけで
す。それはどういう影響を受けるのですか。そして、今あなた方はどう考えているか。どうしても特別減税しなければならないということも含めて言っていただきたいと思います。