中里実の発言 (税制問題等に関する特別委員会)

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○中里参考人 なかなかそんな魔法のような方法はないのですけれども、苦労して今まで考えてきたことを御参考までに申し上げさせていただきます。
 所得税、法人税につきましては、今のような情報化の進展で、経済取引が場所を超えて行われるようになったり、それから、日本に居住することなく日本で仕事をしたのと同じような効果が出るというようなことが可能になりますと、大変に難しい事態になってくるであろうと思われます。一定程度は源泉徴収で可能だったのですけれども、それも外為法の関係で支払い地等が外国にとかということになったときに、捕捉の問題も含めますと、適性に所得税、法人税が源泉徴収も含めて今後も今までのようにうまく機能するかどうかというのは非常に難しいところはあるのではないかと思います。もちろん根幹としては揺るがないと思うのですが、揺るぐところは多く出てくるであろうと思います。
 そうすると、消費税ということになってくるのですが、消費税は物についてはそんなに問題ないのだろうと思います。物は密輸をしない限り必ず税関を通りますので、そこで入ってきたときに課税をする。輸出のときには輸出免税ということで、物に対する消費税の課税というのは比較的うまくいく。ただ、サービスについて、これが国境を超えたサービスのやりとりがなされたときに消費税が課税できるかというと、サービスは税関を通りませんので、恐らく、捕捉の問題としてですが、難しくなっていくだろうというふうに思われます。
 ではどうしたらいいかといいますと、本当に極端な理屈だけ申しますと、一つは人頭税なんでしょうね。日本に住んでいるから取る。
 ただ、そうはいっても、それはちょっと極端過ぎてしまいますので、私も法律家ですからなかなかそこまでは言えないわけで、そうしますと、流通税が一定程度の補完的な役割を果たしてくれるのではないかというふうに思っております。
 つまり、物がどう流れようと、サービスがどう流れようと、契約がなされるというこの一点だけは揺るぎがないわけでございます。それについて、もちろん逃れ方もあるんでしょうけれども、例えば印紙税のようなもの、あるいは契約書が交わされないコンピューター画面での出来事であっても、イギリスの印紙補完税のようなものですね、こういう流通税でもってバックアップしていくということはある程度やらなきゃいけないし、やれるんだろうというふうに思います。
 それからもう一つは、情報化の中で人も動くし情報も動くし金も動くということで、要するにフローをどうつかまえるかということなんでしょう。そうしますと、物やサービスの流れがっかまえられなくても、金銭の流れというのは、これは金融機関に対する情報申告の制度の強化によってつかまえることは可能だろうと思われます。金の流れに着目した何らかの流通税、まあ有価証券取引税や取引所税というのもそれの一種なんだろうと思いますけれども、もっと別のやり方もあるかもしれません。キャッシュフローに着目した何らかの課税を考えることは可能だと思います。
 その際に、所得がないのに課税されるじゃないかという理屈はあるんですが、取引の前の段階では、もうかると思うからみんな取引をするわけですから、その段階で課税をすることに特に問題はない。結果として損するかもうかるかはその人の器量次第と運次第ですから、取引前の視点で、経済学的に言う事前の視点で考えれば、そういうキャッシュフロー的な流通税があっても特に問題はないだろう、もちろん補完税としてですけれども、そういうふうに考えております。
 あとは執行の強化ですね。これを国際標準並みにぜひ持っていっていただきたいというふうに思っておりますけれども。

発言情報

speech_id: 114004587X00519970521_014

発言者: 中里実

speaker_id: 10125

日付: 1997-05-21

院: 衆議院

会議名: 税制問題等に関する特別委員会