中西真彦の発言 (税制問題等に関する特別委員会)

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○中西参考人 三つほどポイントがございましたが、一つは、私が申し上げたもろもろの減税財源。
 まず行財政改革、もう一つ言えばリストラですね。国、地方も含めて思い切ったリストラをやってそこに財源を求めるべしということを申し上げたら、雇用をどうするのだ、こういう御意見でございますが、これは当然、雇用問題は出てくると思いますね。だけれども、私は、産業が活性化すれば、これは広いグローバルな物の見方としては、やはりそういった官庁にお勤めの方々が今度産業界にシフトするということは、非常にグローバルにとらえて、それは十分可能な考えられることである、こう考えております。
 対策としては、この間も行政改革委員会で、私は規制緩和のメンバーなんで、この間から二年間かけて労働省と大いにがんがんやりましてやったことがある。今後こういった経済構造改革には大きな人の移動が伴う、だからこの労働需給、移動を原則自由化しなさいということで、今まで労働省が一手に握っておったこの需給調整権を、有料職業紹介にしても、全部民に任せなさいということをやったわけですね。これをネガティブリストで原則自由化しましたから、さっきのインターネットの話じゃないですが、それこそ今会議所でもシミュレーションもやっていますが、九州で求人をしたのが北海道で求職の人とマッチングするということが、今後はもう十分にできるのではないか、もうあと数年もすれば。
 そういった対策を講じながら、最近ちょっと円高に振れましたが、円安が意外な経済効果を持っているのですね。話がちょっと長くなって恐縮ですが、かつて宮澤さんが、この構造改革というのは経済がシュリンクしていってすべてデフレに働く、だから経済が非常に不景気なときにそういった構造改革は不可能に近いのじゃないかということを英国のエコノミストも言っているし、私もそう考えるということをテレビでおっしゃった。私もそのときに一緒に出ていたのですが、これはまさに一つの急所をついておるのですが、幸いに今この円安で、予想外に、新聞が書く以上に私どもの周辺では輸出企業がうけに入って、プラントメーカーにしても何にしても、最近百十一円ですから若干ぐあい悪いのですが、百二十円になったとき大変な受注が殺到しているのですね。
 したがって、私は、もう一遍百二十円台ぐらいに円は戻してもらいたい、円安にしてもらいたいのですけれども、それは神風だ、この神風が吹いているときに思い切って経済構造改革を、シュリンクに働く経済構造改革をやるべきである。そうすれば、労働問題も大きなひずみを出さないで何とかそこの需給調整ができるのではないか、これが私が考えている一点でございます。
 それから、もう一つ、税が重いから日本企業が海外に脱出するとか、あるいは海外から来る企業が少ないとかということではないんじゃないか、税の要因は低いんじゃないかということをおっしゃったのですが、これは中小企業庁の国際化実態調査の表で、日野さんもまさにこれを見られたと思うのですが、その中では、「海外展開のきっかけ」の理由として一番大きいのが、やはり「低廉・豊富な労働力の調達」、第二が「現地市場に対する魅力」とかずっと並んでいまして、一、二、三、四、五、六、七、八、これは九番目ぐらいに「国内の税金の負担が大きいため」、こうなっておるのですね。
 だから、表を見ますとそういうことですが、私は、実際に、私自身の会社のことを申し上げてミクロ的な話で恐縮ですが、タイのバンコクでも会社をやっておりますし、今度ベトナムのサイゴンでもやります。これはまさにレーバーコストが安いということもありますけれども、やはり税金もばかにならない重みを持っておるわけでございまして、海外展開をしている企業の経営者の実感としては、我が国の法人課税は非常に重くて、海外の生産拠点に生産をシフトしていくことが十分その原因においてあり得る、こう私は考えます。
 それから、資料で申し上げれば、「外資系企業の動向」として通産省がまとめた資料によりますと、「外資系企業の日本における事業活動上の問題点」として、「不動産コストや賃金の高さ」が六九%、これはトップですね。二番目に、「法人税等の税率の高さ」が四五・〇%、こう来ていまして、あと三、四、五、六とずっと並んでいます。
 それから、これも通産省の「海外進出企業動向調査」というのがございまして、九五年十二月の調査ですが、これによりますと、日本の立地点としての魅力のない点として一体何と何があるのかということで、「生産人件費の高さ」が一番に来ています。それから二番が「市場の将来性のなさ」が来ています。それから三番目に「税負担の高さ」が来ていますね。それで、あと四、五、六、七、八、九とずっと並んでいます。「ビジネス慣行」の悪さとか、「研究者の人件費の高さ」とかいろいろありますが、税はこの中で三番目に位置しています。
 それから、同じく、東京都の「外資系企業における東京進出の魅力と課題」という資料、これは九四年の東京都の資料ですが、これも、「日本のビジネス環境における問題点」としまして、「複雑な流通機構」とか「系列等の排他的慣行」とか「交通混雑」とか「オフィスと空港の距離」が遠過ぎるとか、いろいろあります。いろいろありますが、一番が「行政の煩雑な許認可制」、二番に「高い所得税・法人税」、こう来ています。
 ですから、税の負担が必ずしも日本の海外企業の進出とか外国企業の日本進出に対して余り影響はないのじゃないかという御質問には、やはりそれはあるのではなかろうか、こうお答えしたいと思います。
 それから、課税ベースを広げることをやらないのかということで、これは私も全く課税ベースを、去年税調で我々産業人が反対して、レベニュー・ニュートラルの主税局案はよろしくないということでお断りしたというか、そういうふうな意思表示をしたのですが、それは課税ベースを広げることに意味がないという意味ではなくて、課税中立性で、レベニュー・ニュートラルで課税ベースを広げた分だけを引き下げる、実質的な所得減税を、五〇もあるものをかなりの程度思い切って引き下げるということをやってもらわないと、この三、四年が産業界の勝負どころである。そうすると、課税ベースを広げて法人税を一%引き下げたから、もうこれで法人税改革やったよ、仮にそういうことになったのではこれは大変なことになる。だから、やる以上はやはり実質的に競争に大きく貢献するような程度の意味合いを持った幅で下げていただかないとどうもよろしくないので、だから、課税ベースを広げることによって、その財源で法人税を引き下げるということも結構です。当然やるべきだ。既に数十年の間、やはり租特なんかはもういろいろやっていますから、タックスエロージョンを起こしていますから、そういうものもあっていいし、課税ベースを広げるということに対して全く私は頭から反対するものではございません。だけれども、やはり実質的な引き下げをやる方法を別途にここでぜひ検討してもらいたいというのが我々の意向でございます。
 以上です。

発言情報

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発言者: 中西真彦

speaker_id: 3151

日付: 1997-05-21

院: 衆議院

会議名: 税制問題等に関する特別委員会