竹内佐和子の発言 (税制問題等に関する特別委員会)

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○竹内参考人 まず、今前半でおっしゃった納税者番号の話と、それから後半におっしゃった逃げ足の速い課税の問題というのとは性格がやや違うと思いまして、その意味では二つのアプローチが最終的に必要になるのではないかと思っております。
 納税者番号ないしは年金番号によって何かプライバシーに非常に大きな侵害が出るのではないかということと、もう一つは、納税者側にとって、例えば年金番号を使って、何らかの番号を使って納税することによるメリットというのは何なのかという二つの判断が必要になってくるんだと思うのですね。
 つまり、銀行にある口座が、例えば私が何を消費したかということが一般に出るということは今のところはないわけで、それと同じように、だれがいわゆる保護義務を負っているかということがまず第一前提にはなるとは思うのですね、情報の保護義務というかそういうことについて。今、特に、納税額がどこかに漏れるということを想定していらっしゃるわけですよね、幾ら納めたかということを。アメリカでも同じような議論があって、納税額がわかるとすべての所得がわかってしまうので、それが何らかの形で悪用されるというような問題もあると思うのですが、少なくともその保護義務をきちっとするという前提があれば一つ進めるのじゃないかなというふうに思っているのです。
 それから、もう一つは、納税者番号によるメリットというのは非常に大きいというように私は思っております、個人的な見解ですけれども。今のように、去年払った税金、それからことし払った税金、毎年毎年重なっていくわけですよね。そうすると、自分が通算で税金を幾ら払って、社会保険料を幾ら払ったのか、それをきちっと遡及できる方法というのは、納税者側にとってやはり非常に大きなメリットがあると思うのです。つまり、自分の資産を管理する上で、幾ら払ったものがどういう形で自分に返ってくるかということが非常に重要なポイントになってくるわけで、今は、ほとんどの人が、生命保険も社会保険料も幾ら払ったかほとんど覚えていないというようなケースもあるわけですね。
 つまり、自分の払った税金というものが本当に幾らだったのかということが、ある面ではっきりとしていないところがあるわけです。自分が納税者としてそういうものを幾ら納めたということをきちっと自覚するというのは、やはり非常に重要なことだと思うのです。そういうことを通じてしか、中西先生もおっしゃったような行政サービスの質とかむだとか、そういう問題をきちっと解決していく方法がないのではないか。
 つまり、納税者がみずからチェックするような形で納税者意識というものをきちっとつくっていかないと、例えば国会だけが行政サービスをチェックするというのはほとんど不可能に近い。やはり最終的には、住民あるいは市民参加の形で、あるいは納税者参加の形でやっていくにはこれがいいんじゃないかと思うのです。
 最近は、よく、住んでいる場所もどんどん変わりますし、外国に行ったり日本に行ったり、いろいろなところに行っているわけなので、この納税者番号がないと、私なんか、名前が変わったり住所が変わったりいろいろなことをしますと、役所の方もだれが納めたかわからない。わからないわけじゃないのですけれども、最終的にはわかるのですけれども、わからないことがあるのですね。がらがら変わると同じ人物だということがよくわからなくなってしまう。
 そういうふうなケースもあって、やはり私は、自分の納税者番号を持っているとすごく便利だなと、IDのような形で本人確認としてこれを使えるということによって、自分のいろいろな資産もチェックし、それからトータルに自分が幾ら税金を納めたかということを知るということについて、私の年代のビジネスマンの中でもかなりフェーバーな意見が多いわけなので、やはりそういうメリットの面というのももう一回検討すべきではないかなと思います。
 それから、もう一つ、先ほどの足の速い所得に関しては、こういうふうな一般的な問題とは別に、投資家としての何か別のプライバシーの保護の制度みたいなものが必要なのではないかな。いわゆる投資家番号でもいいのですけれども、投資家が幾らどういうふうな形で納めたか、あるいはお金を動かしたかということを含めて、何らかの、もっと箱を小さくした形でのプライバシーのルールないしは登録制度みたいなものを考えるという二段階の構えが必要なのではないかと思います。

発言情報

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発言者: 竹内佐和子

speaker_id: 28425

日付: 1997-05-21

院: 衆議院

会議名: 税制問題等に関する特別委員会