植田和男の発言 (税制問題等に関する特別委員会)
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○植田参考人 不良債権問題との関連に絞ってお答えします。
御質問にありましたように、金融ビッグバンで競争が非常に厳しくなるという中で、既に経営が芳しくないという金融機関がスタート時点で存在するということは、予想されるような明らかな問題を持っていると思います。これに対する一番よい解決方法は、例えば来年四月から本格的にビッグバンが始まるということに合わせまして、現在、ある基準で切りまして、それより下の状態にある金融機関をすべて整理してしまうということであります。そういう極端な手段はとれないと思いますが、それに近い方法が望ましいとは思います。
しかし、それをやろうとしますと、特に銀行あるいは保険という分野でありますと、要するに純資産がマイナスあるいはマイナスに近いという状態、ある銀行がそういうカテゴリーに属する、あるいは保険会社がそうであるといたしますと、お金が足りないわけであります。したがいまして、よく言われることでありますが、だれかが負担しなくてはいけないということになります。だれかというのは可能性は恐らく三つしかありませんで、預金者ないし保険の契約者が責任をとるということか、話が出てきましたように公的資金を投入する。三番目に、業界の内部で、いわゆる奉加帳方式のようなことも一つの方式でありますが、関連の金融機関が資金を拠出する。この三つかなというふうに思います。
三番目は、強い者が自由に自分の創意工夫で強くなってよいという金融ビッグバンの哲学と相入れないような気がいたしますので、三番目をゼロにするということは不可能だといたしましても、それを積極的に使うということは難しい、あるいはビッグバンと矛盾するというふうに私は思います。したがいまして、一か二ということになります。どちらがよいかということは、私、申し上げるのは避けさせていただきたいと思いますが、そういう厳しい問題があるということであります。これをどうしても避けるということになりますと、恐らく当局が考えておりますように、現在から将来にかけての業務純益を使って少しずつ不良債権を償却していくという動きになるのかなというふうに思います。
しかし、現在の経営悪化行は、かなり長期の期間をかけませんと、業務純益で不良債権を償却するというところに至りません。したがって、そういう中で金融ビッグバンを始めるということは、そういう経営悪化行の問題をさらに厳しくするか、あるいは金融ビッグバンにブレーキをかけるという手段をとらざるを得ないというような、やはり非常に難しい問題に突き当たるというふうに思っております。