米山幸治の発言 (大蔵委員会)
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○米山参考人 おはようございます。大和証券の国際業務本部長を務めております米山でございます。
大蔵委員会の諸先生方には、私ども証券界といたしまして日ごろ大変お世話になっておりまして、この場をかりて厚くお礼申し上げる次第でございます。また、本日は、外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案の審議に当たりまして意見を申し述べる機会を与えていただきましたことを、大変ありがたく存じております。
私の方からは、証券市場の担い手といたしまして、国際的な金融・証券市場の動向並びに外為市場における証券会社の役割等について御説明申し上げました後で、それらを踏まえ、今回の改正法案につきまして意見を申し述べたいと存じます。
まず、国際的な金融・証券市場の動向について申し上げたいと思います。
今日、世界の金融・証券市場におきましては、金融取引手法の複雑化、高度化あるいは情報通信技術の高度化などを背景といたしまして、金融・証券取引が国境を超えて行われていることが日常化しております。つまり、取引のグローバル化あるいはクロスボーダー化と言われるものでございますが、金融・証券取引におきまして国境という概念が次第に希薄化していることは、御高承のとおりでございます。
こうした取引の国際化に対応いたしまして各国がどのような措置をとっているかと申しますと、多くの国におきましては、規制を強化することによって取引を自国の市場にとどめ置く、そういう対応はしておりませんで、むしろ自国の市場の規制緩和を進めるとともに、市場の効率性及び顧客の利便性の向上を図って、市場のインフラ制度の整備を通じまして自国の金融・証券市場の魅力を高める、そういった対応措置を講じております。ニューヨーク市場あるいはロンドン市場、アジアの香港市場、シンガポール市場、それぞれが自国の市場により多くの取引を呼び込むべく日々切磋琢磨し合っているわけでございます。もちろん我が国の金融・証券市場も、国際金融・証券市場における有力な一員として、そうしたグローバルな市場間競争の中に置かれているということでございます。
こうした国際的な競争の結果、現在、世界の金融・証券市場におきましては、市場諸制度の国際的な標準化、つまりグローバルスタンダードというものが確立されつつございます。競争力のある市場の制度がグローバルスタンダードとして認知されておりまして、立ちおくれた市場がグローバルスタンダードに合わせるべく市場制度を改善しキャッチアップに努める、そういった動きになっておるわけでございます。
次に、そうしました国際金融・証券市場の中で重要な機能を果たしております外国為替市場におきまして、証券会社がどのような役割を担っているかについて、簡単に御説明申し上げたいと思います。
証券会社は、一事業法人として、エンドユーザーとしてあるいは一顧客として外為市場に参加しておりますほかに、証券取引に絡んで発生する外為取引につきまして、一部仲介業者として外為市場に参加しているわけであります。証券取引に絡んで発生する外為取引とは、主として現在の外為法の用語で申し上げますと、資本取引のうち証券の取得あるいは証券の発行、募集に係るものでございますが、そうした証券取引に付随して発生する外為取引につき、証券会社は、指定証券会社、そういったステータスのもとで、外為市場の一部担い手として参加している状況でございます。
ただ、現行法のもとで証券会社が可能な業務は、取引の範囲等につきまして限定されている面がございまして、顧客のニーズにこたえられない、そういった面がございますのも事実でございます。
一例を申し上げますと、日本の証券会社は、海外の金融機関と直接為替の売買を行うことができません。証券取引のクロスボーダー化あるいはクロスカレンシー化が進んでまいる中で、いわゆる二十四時間トレーディングが世界の金融・証券市場において当然のこととなっている現在、こうしたことが顧客の利便性を高めるといった上で大きな支障になっているわけでございます。
次に、以上申し述べました国際的な金融・証券市場の動向、あるいは外為市場における証券会社の役割等を踏まえまして、今回の改正法案につきまして意見を申し述べさせていただきます。
先ほど、私は、国際的な金融・証券市場においては、グローバルなレベルでの市場間競争が行われて、各国とも自国の市場の魅力を高め、競争力の向上を図っていると申し上げましたが、今般の改正案は、まさに我が国金融市場の国際競争力を高める、そういった国際的な動向に合致したものでございまして、グローバルスタンダードから見ましても遜色のないものであると考えております。
また、証券市場に与える影響という面から申し上げますと、証券会社の顧客は、クロスボーダーあるいはクロスカレンシーに関しましてさまざまな外為取引のニーズがあるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、現行法のもとでは、証券会社が顧客に提供できる外為サービスは制限的でございまして、十分なサービスが提供できない面がございます。しかし、今般の改正案におきましては、外国為替業務に係る規制が廃止されておりまして、私ども証券会社も、顧客が望む外為サービスを、証券取引にかかわらないものも含めまして、原則フルラインで提供することが可能となるわけでございます。この結果、顧客の利便性は飛躍的に向上するとともに、我が国金融・証券市場の国際化の進展に大いに寄与するものと存じます。
今回の外為法の改正は、橋本首相が提唱されました金融・証券市場の改革でございます日本版ビッグバンのフロントランナーとしての位置づけであるというふうに理解いたしております。八〇年代には、ニューヨーク、ロンドン市場と属を並べたと言われました我が国東京市場も、ここ数年はバブル経済の後始末に追われていたこともありまして、残念ながら、ほかの主要金融市場と比較いたしまして、相対的にその地位が低下したということは否めないだろうと考えております。
今般、この改正案のごとく、外国為替制度という金融・証券市場の中核をなす制度がグローバルスタンダードにのっとった形で改正されることは、まことに時宜を得たものであり、我が国金融・証券市場の競争力の向上、ひいては金融・証券市場を通じました効率的な資金配分による国民経済の発展に大いに資するものであり、大変意義深い改正であると考えております。もちろん、我が国の金融・証券市場の改革は、ただ外国為替制度にとどまるものではなく、その後に続きます市場制度全般の改革が着実に進展していくことが、名実ともにビッグバンを実現するために必要不可欠であるということを切に考える次第でございます。
最後に、私ども仲介業者といたしましても、我が国の金融・証券市場発展のために全力を尽くす所存でございますので、委員会の諸先生方におかれましても、引き続き格段の御高配を賜りたいと申し上げまして、一陳述を終わらせていただぎます。
ありがとうございました、(拍手)