大蔵委員会
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会
会議録情報#0
平成九年四月十五日(火曜日)
午前九時二分開議
出席委員
委員長 額賀福志郎君
理事 金子 一義君 理事 坂井 隆憲君
理事 保岡 興治君 理事 柳本 卓治君
理事 北側 一雄君 理事 谷口 隆義君
理事 池田 元久君 理事 佐々木陸海君
飯島 忠義君 今村 雅弘君
衛藤征士郎君 小林 多門君
菅 義偉君 砂田 圭佑君
田中 和徳君 田中 昭一君
中野 正志君 山中 貞則君
吉川 貴盛君 吉田六左エ門君
渡辺 喜美君 上田 清司君
木村 太郎君 北脇 保之君
鈴木 淑夫君 中川 正春君
並木 正芳君 藤井 裕久君
前田 正君 宮地 正介君
村井 仁君 川内 博史君
末松 義規君 田中 甲君
山本 譲司君 佐々木憲昭君
秋葉 忠利君 濱田 健一君
岩國 哲人君 新井 将敬君
出席国務大臣
大 蔵 大 臣 三塚 博君
出席政府委員
大蔵大臣官房金
融検査部長 中川 隆進君
大蔵大臣官房総
務審議官 武藤 敏郎君
大蔵省主税局長 薄井 信明君
大蔵省証券局長 長野 厖士君
大蔵省銀行局長 山口 公生君
大蔵省銀行局保
険部長 福田 誠君
大蔵省国際金融
局長 榊原 英資君
国税庁課税部長 舩橋 晴雄君
委員外の出席者
防衛庁長官官房
防衛審議官 柳澤 協二君
外務省総合外交
政策局国連政策
課長 杉山 晋輔君
郵政省貯金局経
営計画課経営調
査室長 田中 進君
参 考 人
(株式会社さく
ら銀行代表取締
役専務取締役) 工藤 長義君
参 考 人
(バンカース・
トラスト銀行駐
日代表) 安岡 雅之君
参 考 人
(伊藤忠商事株
式会社代表取締
役副社長) 森澤 寛二君
参 考 人
(大和讃券株式
会社専務取締役
国際業務本部
長) 米山 幸治君
大蔵委員会調査
室長 藤井 保憲君
—————————————
委員の異動
四月十五日
辞任 補欠選任
山本 譲司君 川内 博史君
秋葉 忠利君 濱田 健一君
吉田 公一君 岩國 哲人君
同日
辞任 補欠選任
川内 博史君 山本 譲司君
濱田 健一君 秋葉 忠利君
岩國 哲人君 吉田 公一君
—————————————
本日の会議に付した案件
外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する
法律案(内閣提出第五三号)
————◇—————
この発言だけを見る →午前九時二分開議
出席委員
委員長 額賀福志郎君
理事 金子 一義君 理事 坂井 隆憲君
理事 保岡 興治君 理事 柳本 卓治君
理事 北側 一雄君 理事 谷口 隆義君
理事 池田 元久君 理事 佐々木陸海君
飯島 忠義君 今村 雅弘君
衛藤征士郎君 小林 多門君
菅 義偉君 砂田 圭佑君
田中 和徳君 田中 昭一君
中野 正志君 山中 貞則君
吉川 貴盛君 吉田六左エ門君
渡辺 喜美君 上田 清司君
木村 太郎君 北脇 保之君
鈴木 淑夫君 中川 正春君
並木 正芳君 藤井 裕久君
前田 正君 宮地 正介君
村井 仁君 川内 博史君
末松 義規君 田中 甲君
山本 譲司君 佐々木憲昭君
秋葉 忠利君 濱田 健一君
岩國 哲人君 新井 将敬君
出席国務大臣
大 蔵 大 臣 三塚 博君
出席政府委員
大蔵大臣官房金
融検査部長 中川 隆進君
大蔵大臣官房総
務審議官 武藤 敏郎君
大蔵省主税局長 薄井 信明君
大蔵省証券局長 長野 厖士君
大蔵省銀行局長 山口 公生君
大蔵省銀行局保
険部長 福田 誠君
大蔵省国際金融
局長 榊原 英資君
国税庁課税部長 舩橋 晴雄君
委員外の出席者
防衛庁長官官房
防衛審議官 柳澤 協二君
外務省総合外交
政策局国連政策
課長 杉山 晋輔君
郵政省貯金局経
営計画課経営調
査室長 田中 進君
参 考 人
(株式会社さく
ら銀行代表取締
役専務取締役) 工藤 長義君
参 考 人
(バンカース・
トラスト銀行駐
日代表) 安岡 雅之君
参 考 人
(伊藤忠商事株
式会社代表取締
役副社長) 森澤 寛二君
参 考 人
(大和讃券株式
会社専務取締役
国際業務本部
長) 米山 幸治君
大蔵委員会調査
室長 藤井 保憲君
—————————————
委員の異動
四月十五日
辞任 補欠選任
山本 譲司君 川内 博史君
秋葉 忠利君 濱田 健一君
吉田 公一君 岩國 哲人君
同日
辞任 補欠選任
川内 博史君 山本 譲司君
濱田 健一君 秋葉 忠利君
岩國 哲人君 吉田 公一君
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本日の会議に付した案件
外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する
法律案(内閣提出第五三号)
————◇—————
額
額賀福志郎#1
○額賀委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、参考人としてさくら銀行代表取締役専務取締役工藤長義君、バンカース・トラスト銀行駐日代表安岡雅之君、伊藤忠商事代表取締役副社長森澤寛二君及び大和証券専務取締役国際業務本部長米山幸治君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと思います。
なお、議事の順序でありますが、まず、工藤参考人、安岡参考人、森澤参考人、米山参考人の順序で、お一人十五分程度御意見をお述べいただき、次に、委員からの御質疑に対してお答えをいただきたいと思います。
それでは、工藤参考人からお願いをいたします。
この発言だけを見る →内閣提出、外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本日は、参考人としてさくら銀行代表取締役専務取締役工藤長義君、バンカース・トラスト銀行駐日代表安岡雅之君、伊藤忠商事代表取締役副社長森澤寛二君及び大和証券専務取締役国際業務本部長米山幸治君、以上四名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと思います。
なお、議事の順序でありますが、まず、工藤参考人、安岡参考人、森澤参考人、米山参考人の順序で、お一人十五分程度御意見をお述べいただき、次に、委員からの御質疑に対してお答えをいただきたいと思います。
それでは、工藤参考人からお願いをいたします。
工
工藤長義#2
○工藤参考人 おはようございます。さくら銀行の工藤でございます。
さくら銀行は、昨年四月来、全国銀行協会連合会会長行として、今回の外為法改正にかかわってまいりました。私自身も、外国為替等審議会の法制特別部会に専門委員として参加させていただきました。このたびは、外為法改正について銀行業界を代表して大蔵委員会の皆様方に参考意見を述べよとのことでございますが、ほかにより適切な方が多数いらっしゃる中、まことに僭越とは存じますが、民間銀行の立場から所見を申し述べさせていただきます。
外為法は非常に守備範囲が広い法律でございますが、大きく申し上げて、私ども銀行では、居住者間で行われる外貨にかかわる取引並びに居住者と非居住者との間で行われる円貨及び外貨にかかわる取引を管理している法律、このように把握してまいりました。
現行法では、これらの取引は、外国為替公認銀行、以下為銀と省略させていただきますが、これに集中されております。これは、外為取引の実態を常時把握し、有事の際の規制を実効あらしめるためであると考えております。これがいわゆる為銀集中主義であります。
現行制度は、貿易を生命線とする我が国経済の発展のため、これまで一定の効果を上げてまいりましたが、我が国経済の国際化の進展に伴い、ユーザーの皆様にとって使い勝手が悪い部分が目立つようになってまいりました。また、今後の金融技術の発達、取引のエレクトロニクス化などの進展を展望いたしますならば、早急に制度を改めない場合には、金融取引が海外へ逃避するおそれすら出てまいりました。このような認識に立って、現行制度を抜本的に見直し、空洞化の危機に瀕している東京市場をニューヨーク、ロンドンに比肩すべきアジアの金融センターとして確立することが今回の外為法改正の眼目であると理解いたしております。
本日は、民間実務家の立場から、この改正を、一、支払いに関する自由化、二、居住者間の外貨資本取引の自由化、三、居住者・非居住者間の資本取引の自由化、四、為銀制度の廃止、この四つの項目に分け、銀行業務、銀行経営にどのような影響を与えるかを中心にお話をさせていただきます。
まず初めに、支払いに関する自由化でございますが、これは、先ほど申し上げた外為法の二つの守備範囲により、居住者が他の居住者との間で行う外貨での支払いに関する自由化と、居住者と非居住者との間で行う支払いに関する自由化にさらに分けられます。
前者は、一般に居住者間外貨決済と呼ばれるものが中心となります。例えて申し上げますと、あるメーカーが商社を通じて製品を海外に輸出していて、その商社が輸出代金をドルで受け取った場合、現行法下では、メーカーがその原料輸入の決済などのため商社からドル建てで支払いを受けようといたしますと、個別に大蔵大臣の許可が必要となります。この許可は経済合理性のあるものについては認められておるというふうに承っておりますが、外為法改正後は、許可手続自体が不要となりますので、より多くの居住者が居住者間外貨決済を行うことが見込まれます。この結果、従来余り一般的でなかった国内での外貨送金取引や外貨預金取引の増加も予想され、私どもは、これらの商品・サービスの内容をお客様が利用しやすいように現在レビューしておるところでございます。
居住者間外貨決済の増加が銀行の収益にどのような影響を与えるかにつきましては、従来必ず発生しておりました外貨と円との通貨の交換、転換取引がどの程度減少するか国内の外貨送金手数料がどの程度になるか等さまざまな要因の組み合わせが考えられまして、予想は非常に難しゅうございます。ただし、全体といたしましては、外貨と円との交換取引、転換取引が減少いたしますので、手数料は減少する方向にあるもの、このように考えております。
次に、支払いに関する自由化のうち、クロスボーダー、すなわち国境をまたがるものでございますが、この中で最も影響の大きいのは、非居住者との受け取り・支払いの相殺でございます。改正後は、第三者を含む複数の海外拠点との相殺、いわゆるマルチネッティングが事後報告のみで可能となります。海外に多数の拠点を持つ企業は極めて効率的な資金管理が可能になるものと思われます。
銀行にとりましては、従来取り扱っていた外国為替取引が企業内で相殺される分だけ減少いたしますので、収入の減少となることが予想されますが、逆に企業にとりましては、その分コスト削減になるわけでございます。しかし、銀行にとりましても、新たなビジネスチャンスがないわけではありません。相殺を行う企業は、正確、効率的な相殺を実施するために何らかのコンピューターシステムを必要とするでありましょうし、また、相殺を効率的に行うためには、日本の本社が各海外拠点の資金ポジションを常時リアルタイムで把握する必要も出てまいります。銀行は、このような資金管理システムをトータルで提供することで、新しいビジネスの展開を図っていく考えでございます。
二つ目の項目である居住者間の外貨資本取引の自由化のうち、銀行の営業に対する潜在的影響力が最も高いのは、外国為替業務がだれにでも営めるようになるということでございます。
新しい外為業務の担い手としてどのような方が参入してこられるのかにつきましては、現状、来年四月以降の参入を明言されておる企業も特にございませんで、予想は困難でございますが、当面は、外国為替取引を単独で提供するというよりも、既存の取扱商品と外為商品を組み合わせた商品を提供されるのではないかと推測いたしております。もちろん、銀行と同等ないしそれ以上のサービスを銀行より安価に提供する新規参入の方があらわれれば、銀行は顧客を奪われ、銀行収益は打撃を受けることになります。
第三の項目である居住者・非居住者間の資本取引の自由化の中で、銀行経営にとって極めて重要な意味を持ちますのは、居住者と海外の金融機関との資本取引の自由化であります。と申しますのも、今回の改正により、単に外為業務のみならず、預金、貸し金を含むすべての銀行業務において、邦銀は海外の金融機関と競争することになるからです。すなわち、居住者は、海外の金融機関に預金をし、その預金から送金を行うことによって証券を購入したり海外直接投資を行うことが事後報告のみで自由に行えることになります。
したがいまして、ニューヨーク、ロンドン並みの国際金融市場となるため、外為法が改正されるとともに、他の金融監督・規制、税制、会計制度がグローバルスタンダードに達することが、邦銀が海外の金融機関と対等に競争するために必要となってまいります。外為法が文字どおりビッグバンのフロントランナーとなって、他の改革が進展することを期待いたします。
すなわち、各国の金融市場をレースに例えさせていただきますと、外為法改正は、我が国金融システム改革という集団の中で、鼻の差先行しているフロントランナーとの位置づけではないかと思います。ただし、我が国金融システム改革という集団は世界の金融市場の中では第二集団でございまして、第一集団は、ニューヨークとロンドンが激しいデッドヒートを繰り広げながらその速度を速めている。外為法改正に続く諸改革が速いピッチで進まなければ、第一集団を追撃するどころか、第三集団、第四集団にも追い抜かれてしまう、このような状況にあるのではないかと考えております。
具体的に申し上げますならば、規制・監督面では、金融持ち株会社の導入、それに伴う業態間の相互参入が早急に認められる必要があります。御存じのとおり、欧州の銀行は、ユニバーサルバンク方式により証券業務を行うことが認められております。米国の銀行におきましても、グラス・スティーガル法によります銀行と証券の分離の実質的な緩和が進行いたしております。これら欧米の金融機関と商品提供力、商品開発力において対等に競争していくためには、我が国におきましても、銀行の証券子会社の業務範囲にかかわる制限の撤廃など、制度面の整備を早急に行う必要がございます。その他、金融先物オプション取引に対する取引所税の撤廃など、税制面の問題につきましても早急に対応する必要があると考えております。
ビッグバンは、従来の漸進主義からの決別を内外に示すネーミングと理解しております。外為法改正の後に続く諸改革が迅速に進むことを強く希望する次第でございます。
四番目の項目である為銀制度の廃止は、エンドユーザーにとっての規制緩和及び外為業務への新規参入の自由化と平仄を合わせたものでございますが、銀行にとっての規制緩和という側面も有しております。すなわち、為銀は、これまで銀行法のもとでの規制・監督に加えて外為法上の規制・監督をも受けておりました。具体的には、持ち高規制ですとか、外為業務を営む店舗にかかわる認可などの規制を受けておりました。今回の改正によりまして、これらの規制は廃止され、外為業務の外部委託なども含めまして、従来以上に効率的な業務運営が可能になるものと考えております。
以上、外為法改正が銀行業務に与える影響について、四つの項目に分けてお話をさせていただきました。
銀行収益への影響という点から、再度まとめさせていただきます。
外為業務への影響という点から申しますと、企業間での相殺など銀行を通じない支払いの増加や新規業者の参入による競争の激化など、基本的には銀行にとっての外為業務からの収入は減少するものと考えられますが、新外為法がお客様の利便性の向上に資すること大であること、東京市場の活性化が国民経済の発展にとって望ましいことであり、それがひいては銀行の経営にとっても望ましいことである、このように考えまして、私どもは今回の改正に賛同いたしておるわけでございます。
銀行は、当面の収益の減少を業務の合理化や管理システムの販売によって補うつもりでございます。
ここで、銀行界からぜひともお願いしたいことは、業務の合理化を進めていくためにも、支払いに関する確認義務、海外送金に関する本人確認義務、外為取引にかかわる報告義務など外為法上の諸義務や資料情報整備にかかわる報告義務を極力簡素化していただきたいということであります。いずれも政省令や個別の法律により今後詳細が定められるわけでございますが、規制緩和の流れに沿った形での簡便な内容、方法、特にコンピューターシステムを使った銀行の事務処理になじむようなものとなるよう御配慮をお願いしたいと思います。
繰り返しになりますが、今回の外為法改正が銀行の業務に与える影響は、狭い意味での外為取引に限定されるわけではございません。国内の預金、貸し金を含めましたすべての銀行業務が海外の金融機関との競争にさらされます。しかし、私どもは、この点をネガティブにばかりとらえているわけではございません。例えば、銀行は、ニューヨークやロンドンにスワップなど金融デリバティブの取引を行う専門会社を子会社として持っておりまして、現地の優秀な専門家を雇用して業務を行っていますが、これまで、これらの子会社は日本の居住者と直接取引を行うことができませんでした。外為法改正後は、海外の子会社を通じた先端金融商品の国内のお客様への提供が従来よりも格段に容易になるものと期待しております。
このように、非居住者との取引が自由化されたことの影響は必ずしも銀行にとってマイナスとは限らないのですが、国際標準に満たない規制、税制、会計制度が改革されず、金融資産、金融取引の海外逃避が起こった場合、銀行収益に多大な影響があることは先ほど申し上げたとおりでございます。この点をぜひとも御理解賜りたいと考えております。
最後に、東京市場がアジアの金融センターとして再生する可能性について申し上げたいと思います。
発展を続けるアジア市場の中で、膨大な金融資産を有する投資家を背後に持つ東京市場が欧米型の市場原理に基づく国際金融市場となることは、アジア経済の一層の発展に寄与するところ極めて大でございまして、世界経済の発展にとりましても極めて望ましいことでございます。したがいまして、私は、東京がアジアの金融センターとなるニーズは高いと考えております。このニーズにこたえるため、金融制度改革によりインフラを整えるとともに、私ども邦銀も、ビッグバンを通じてみずからを変革し、世界の一流の金融機関に生まれ変わる努力をしてまいる所存であることを申し上げて、私の意見陳述を終わらせていただきます。
ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →さくら銀行は、昨年四月来、全国銀行協会連合会会長行として、今回の外為法改正にかかわってまいりました。私自身も、外国為替等審議会の法制特別部会に専門委員として参加させていただきました。このたびは、外為法改正について銀行業界を代表して大蔵委員会の皆様方に参考意見を述べよとのことでございますが、ほかにより適切な方が多数いらっしゃる中、まことに僭越とは存じますが、民間銀行の立場から所見を申し述べさせていただきます。
外為法は非常に守備範囲が広い法律でございますが、大きく申し上げて、私ども銀行では、居住者間で行われる外貨にかかわる取引並びに居住者と非居住者との間で行われる円貨及び外貨にかかわる取引を管理している法律、このように把握してまいりました。
現行法では、これらの取引は、外国為替公認銀行、以下為銀と省略させていただきますが、これに集中されております。これは、外為取引の実態を常時把握し、有事の際の規制を実効あらしめるためであると考えております。これがいわゆる為銀集中主義であります。
現行制度は、貿易を生命線とする我が国経済の発展のため、これまで一定の効果を上げてまいりましたが、我が国経済の国際化の進展に伴い、ユーザーの皆様にとって使い勝手が悪い部分が目立つようになってまいりました。また、今後の金融技術の発達、取引のエレクトロニクス化などの進展を展望いたしますならば、早急に制度を改めない場合には、金融取引が海外へ逃避するおそれすら出てまいりました。このような認識に立って、現行制度を抜本的に見直し、空洞化の危機に瀕している東京市場をニューヨーク、ロンドンに比肩すべきアジアの金融センターとして確立することが今回の外為法改正の眼目であると理解いたしております。
本日は、民間実務家の立場から、この改正を、一、支払いに関する自由化、二、居住者間の外貨資本取引の自由化、三、居住者・非居住者間の資本取引の自由化、四、為銀制度の廃止、この四つの項目に分け、銀行業務、銀行経営にどのような影響を与えるかを中心にお話をさせていただきます。
まず初めに、支払いに関する自由化でございますが、これは、先ほど申し上げた外為法の二つの守備範囲により、居住者が他の居住者との間で行う外貨での支払いに関する自由化と、居住者と非居住者との間で行う支払いに関する自由化にさらに分けられます。
前者は、一般に居住者間外貨決済と呼ばれるものが中心となります。例えて申し上げますと、あるメーカーが商社を通じて製品を海外に輸出していて、その商社が輸出代金をドルで受け取った場合、現行法下では、メーカーがその原料輸入の決済などのため商社からドル建てで支払いを受けようといたしますと、個別に大蔵大臣の許可が必要となります。この許可は経済合理性のあるものについては認められておるというふうに承っておりますが、外為法改正後は、許可手続自体が不要となりますので、より多くの居住者が居住者間外貨決済を行うことが見込まれます。この結果、従来余り一般的でなかった国内での外貨送金取引や外貨預金取引の増加も予想され、私どもは、これらの商品・サービスの内容をお客様が利用しやすいように現在レビューしておるところでございます。
居住者間外貨決済の増加が銀行の収益にどのような影響を与えるかにつきましては、従来必ず発生しておりました外貨と円との通貨の交換、転換取引がどの程度減少するか国内の外貨送金手数料がどの程度になるか等さまざまな要因の組み合わせが考えられまして、予想は非常に難しゅうございます。ただし、全体といたしましては、外貨と円との交換取引、転換取引が減少いたしますので、手数料は減少する方向にあるもの、このように考えております。
次に、支払いに関する自由化のうち、クロスボーダー、すなわち国境をまたがるものでございますが、この中で最も影響の大きいのは、非居住者との受け取り・支払いの相殺でございます。改正後は、第三者を含む複数の海外拠点との相殺、いわゆるマルチネッティングが事後報告のみで可能となります。海外に多数の拠点を持つ企業は極めて効率的な資金管理が可能になるものと思われます。
銀行にとりましては、従来取り扱っていた外国為替取引が企業内で相殺される分だけ減少いたしますので、収入の減少となることが予想されますが、逆に企業にとりましては、その分コスト削減になるわけでございます。しかし、銀行にとりましても、新たなビジネスチャンスがないわけではありません。相殺を行う企業は、正確、効率的な相殺を実施するために何らかのコンピューターシステムを必要とするでありましょうし、また、相殺を効率的に行うためには、日本の本社が各海外拠点の資金ポジションを常時リアルタイムで把握する必要も出てまいります。銀行は、このような資金管理システムをトータルで提供することで、新しいビジネスの展開を図っていく考えでございます。
二つ目の項目である居住者間の外貨資本取引の自由化のうち、銀行の営業に対する潜在的影響力が最も高いのは、外国為替業務がだれにでも営めるようになるということでございます。
新しい外為業務の担い手としてどのような方が参入してこられるのかにつきましては、現状、来年四月以降の参入を明言されておる企業も特にございませんで、予想は困難でございますが、当面は、外国為替取引を単独で提供するというよりも、既存の取扱商品と外為商品を組み合わせた商品を提供されるのではないかと推測いたしております。もちろん、銀行と同等ないしそれ以上のサービスを銀行より安価に提供する新規参入の方があらわれれば、銀行は顧客を奪われ、銀行収益は打撃を受けることになります。
第三の項目である居住者・非居住者間の資本取引の自由化の中で、銀行経営にとって極めて重要な意味を持ちますのは、居住者と海外の金融機関との資本取引の自由化であります。と申しますのも、今回の改正により、単に外為業務のみならず、預金、貸し金を含むすべての銀行業務において、邦銀は海外の金融機関と競争することになるからです。すなわち、居住者は、海外の金融機関に預金をし、その預金から送金を行うことによって証券を購入したり海外直接投資を行うことが事後報告のみで自由に行えることになります。
したがいまして、ニューヨーク、ロンドン並みの国際金融市場となるため、外為法が改正されるとともに、他の金融監督・規制、税制、会計制度がグローバルスタンダードに達することが、邦銀が海外の金融機関と対等に競争するために必要となってまいります。外為法が文字どおりビッグバンのフロントランナーとなって、他の改革が進展することを期待いたします。
すなわち、各国の金融市場をレースに例えさせていただきますと、外為法改正は、我が国金融システム改革という集団の中で、鼻の差先行しているフロントランナーとの位置づけではないかと思います。ただし、我が国金融システム改革という集団は世界の金融市場の中では第二集団でございまして、第一集団は、ニューヨークとロンドンが激しいデッドヒートを繰り広げながらその速度を速めている。外為法改正に続く諸改革が速いピッチで進まなければ、第一集団を追撃するどころか、第三集団、第四集団にも追い抜かれてしまう、このような状況にあるのではないかと考えております。
具体的に申し上げますならば、規制・監督面では、金融持ち株会社の導入、それに伴う業態間の相互参入が早急に認められる必要があります。御存じのとおり、欧州の銀行は、ユニバーサルバンク方式により証券業務を行うことが認められております。米国の銀行におきましても、グラス・スティーガル法によります銀行と証券の分離の実質的な緩和が進行いたしております。これら欧米の金融機関と商品提供力、商品開発力において対等に競争していくためには、我が国におきましても、銀行の証券子会社の業務範囲にかかわる制限の撤廃など、制度面の整備を早急に行う必要がございます。その他、金融先物オプション取引に対する取引所税の撤廃など、税制面の問題につきましても早急に対応する必要があると考えております。
ビッグバンは、従来の漸進主義からの決別を内外に示すネーミングと理解しております。外為法改正の後に続く諸改革が迅速に進むことを強く希望する次第でございます。
四番目の項目である為銀制度の廃止は、エンドユーザーにとっての規制緩和及び外為業務への新規参入の自由化と平仄を合わせたものでございますが、銀行にとっての規制緩和という側面も有しております。すなわち、為銀は、これまで銀行法のもとでの規制・監督に加えて外為法上の規制・監督をも受けておりました。具体的には、持ち高規制ですとか、外為業務を営む店舗にかかわる認可などの規制を受けておりました。今回の改正によりまして、これらの規制は廃止され、外為業務の外部委託なども含めまして、従来以上に効率的な業務運営が可能になるものと考えております。
以上、外為法改正が銀行業務に与える影響について、四つの項目に分けてお話をさせていただきました。
銀行収益への影響という点から、再度まとめさせていただきます。
外為業務への影響という点から申しますと、企業間での相殺など銀行を通じない支払いの増加や新規業者の参入による競争の激化など、基本的には銀行にとっての外為業務からの収入は減少するものと考えられますが、新外為法がお客様の利便性の向上に資すること大であること、東京市場の活性化が国民経済の発展にとって望ましいことであり、それがひいては銀行の経営にとっても望ましいことである、このように考えまして、私どもは今回の改正に賛同いたしておるわけでございます。
銀行は、当面の収益の減少を業務の合理化や管理システムの販売によって補うつもりでございます。
ここで、銀行界からぜひともお願いしたいことは、業務の合理化を進めていくためにも、支払いに関する確認義務、海外送金に関する本人確認義務、外為取引にかかわる報告義務など外為法上の諸義務や資料情報整備にかかわる報告義務を極力簡素化していただきたいということであります。いずれも政省令や個別の法律により今後詳細が定められるわけでございますが、規制緩和の流れに沿った形での簡便な内容、方法、特にコンピューターシステムを使った銀行の事務処理になじむようなものとなるよう御配慮をお願いしたいと思います。
繰り返しになりますが、今回の外為法改正が銀行の業務に与える影響は、狭い意味での外為取引に限定されるわけではございません。国内の預金、貸し金を含めましたすべての銀行業務が海外の金融機関との競争にさらされます。しかし、私どもは、この点をネガティブにばかりとらえているわけではございません。例えば、銀行は、ニューヨークやロンドンにスワップなど金融デリバティブの取引を行う専門会社を子会社として持っておりまして、現地の優秀な専門家を雇用して業務を行っていますが、これまで、これらの子会社は日本の居住者と直接取引を行うことができませんでした。外為法改正後は、海外の子会社を通じた先端金融商品の国内のお客様への提供が従来よりも格段に容易になるものと期待しております。
このように、非居住者との取引が自由化されたことの影響は必ずしも銀行にとってマイナスとは限らないのですが、国際標準に満たない規制、税制、会計制度が改革されず、金融資産、金融取引の海外逃避が起こった場合、銀行収益に多大な影響があることは先ほど申し上げたとおりでございます。この点をぜひとも御理解賜りたいと考えております。
最後に、東京市場がアジアの金融センターとして再生する可能性について申し上げたいと思います。
発展を続けるアジア市場の中で、膨大な金融資産を有する投資家を背後に持つ東京市場が欧米型の市場原理に基づく国際金融市場となることは、アジア経済の一層の発展に寄与するところ極めて大でございまして、世界経済の発展にとりましても極めて望ましいことでございます。したがいまして、私は、東京がアジアの金融センターとなるニーズは高いと考えております。このニーズにこたえるため、金融制度改革によりインフラを整えるとともに、私ども邦銀も、ビッグバンを通じてみずからを変革し、世界の一流の金融機関に生まれ変わる努力をしてまいる所存であることを申し上げて、私の意見陳述を終わらせていただきます。
ありがとうございました。拍手
額
安
安岡雅之#4
○安岡参考人 ただいま御紹介にあずかりましたバンカーズ・トラストの安岡でございます。
参考人として、今回の為替管理法改正及びビックバンに関連して、三点ほど、僭越でございますけれども、意見陳述させていただきます。
まず第一に、今回の為替管理法改正について、私どもの意見を述べさせていただきます。その次に、二点目として、米国で金融改革が起こったときにどういうことが起こったか、そしてバンカーズがどのように乗り越えてきたかということを、例をもって、御説明させていただければと思います。三点目に、先週発表になりましたが、日債銀との業務提携について、私どもの意見を述べさせていただきます。
まず第一の点でございますけれども、東京に駐在する外銀としての所見でございますけれども、今回の為替管理法改正というのは、私どもの認識では、これでニューヨーク、ロンドン市場と同じ土俵に東京市場が上がってきたという印象を受けております。基本的には、御存じのようにニューヨーク、ロンドンとも資金の流入流出について特に制限がございませんので、私ども、東京市場もこの土俵の中に入ってきたという認識を持っております。これから日本の金融界も本格的に国際金融に入っていくのであれば、まず、国内外の資金の流れをスムーズにして国際化を図る必要があると考えます。その点でも早急な実行をお願いしたいと思います。
外資系から見ますると、現在のビジネスでも、既に為替管理法で強く拘束されているという認識はそれほどございません。国内でできないものは海外で取引することができるという環境がもう既に整っております。時には、海外でやった方がやりやすい、あるいはコストが安いというような取引がございます。具体的には、例えば株式の取引手数料については海外ではかかりませんので、割安に取引ができるというような状況も生まれております。
為替の事務処理コストでございますけれども、海外の方が格段に安く、当行の場合には、既にシンガポールにその事務を集中しております。東京には端末機を置いて、そこから営業の人間がお客さんと話すという体制をとっております。こういたしますと、コストは約二分の一になります。このコスト削減によって、我々は同じ取引でもほかの銀行さんと比べて競争力をアップできる。さらに、コミュニケーションのテクノロジーが発達した結果、場所の差というものを驚くほど感じない事務形態にもう発展しております。
今後でございますけれども、傾向としては、外資系の場合、地域内一極集中して事務処理を行うという外銀がふえてくると思います。その場所をシンガポールに持つか、香港に持つか、東京に持つか、各行の戦略によって異なると思いますけれども、東京へ本拠を置く銀行がふえれば、東京市場の活性化につながるのではないかと思います。
結論を申しますと、早急に改革を実行し、国内外の壁を取り除き、日本の金融機関の国際化を図ることが将来の国益につながるものと考えます。これにより国際市場に日本の金融機関さんの進出が図られ、競争力を強化し、結果として、東京市場が魅力ある市場に生まれ変わるのではないかと期待しております。
二番目の点でございますけれども、金融改革、ビッグバン、アメリカで何が起こったか、バンカースに何が起こったかということを簡単に述べさせていただきます。
一九七〇年代、金融改革が急速に進行したわけでございますけれども、その当時、バンカース・トラストという銀行は、シティーバンク、チェイスに次ぐ第二グループ、特色のない当たり前の中小銀行という位置づけでございました。自由化の波をもろに浴びて倒産寸前の苦境に陥った次第でございます。すなわち、バランスシートの左側であります借り入れ人サイドの企業は、社債、株式、コマーシャルペーパーあるいはユーロボンド等に走り、結局直接金融でその資金調達を図るようになる。一方、右側の預金サイドでございますけれども、証券会社の出すMMF、投資信託等に逃げ、結局銀行としての収益力を落とし、被買収ターゲットにもなった時期がございます。
一九七八年、バンカース・トラストのマネージメントは、ニューヨーク州にある二百の全支店を売却いたしました。本店と四つの支店のみを残す形で再スタートいたしました。ホールセール中心の投資銀行業務に絞って戦略をまとめていくという一大決心をいたしました。すなわち、自分の強い部門にフォーカスしていく戦略、他社との差別化を徹底的に図ったのでございます。人材を積極的に外部より取り入れて体質改善も行いました。
その結果、八〇年代、ユーロ市場の拡大に伴う急速な証券化の発展、スワップ、オプション等のデリバティブ商品の拡大、リスク管理手法の発展等、金融技術の進歩による種々の新商品開発が一気に進む環境が生まれたために、バンカーズとしてはうまくその波に乗ることができて、企業買収、LBO、世界的な金融の自由化、日本市場も含みますけれども、その促進も相まって、全体的な機関投資家の金余り現象の中で、フォローの環境で自己改革を進めることができたのでございます。
その間、バンカーズが毎年多額の金を投資し続けたのは、テクノロジーでございます。テクノロジーに対する投資は年間約五百億やっております。これを絶えず行ってきました結果、バンカーズとしては、金融ビジネスというものをリスク管理を伴う情報産業であるというふうにとらえるようになりました。すなわち、資金の出し手ととり手をグローバルなネットワークでつないで、金融技術を加えてリスクの調整を図って顧客に提供する業務に取り組んだのでございます。その結果、収益力も上がり、リターン・オン・エクイティー、資本収益率についても一五%を上回ることが平均となりました。
現在では、銀行、証券いずれでもない新しい形の金融機関を目指すという経営体制になっております。すなわち、銀行の持つ資金力、バランスシートの力に加えて、証券会社の持つ市場の変化に対する機動力をあわせた金融機関というものをつくり上げたい、これが二十一世紀の金融機関になるのではないかと信じております。
ここ一、二年の動きを見ますと、昨年は、フェデラルリザーブでございますか、連邦準備委員会の総裁でございましたポール・ボルカー氏が会長をいたしますウォルフェンソン社、これは企業買収の仲介アドバイザリー専門会社でございますけれども、そこの買収を行っております。最近は、中堅証券会社で株式上場に強いアレックス・ブラウン社を買収しております。
このように、銀行からスタートしたのでございますけれども、証券会社をあわせ持った新しい金融機関にさらに前進しようと努力しております。
第三番目の点でございますけれども、今回の日債銀との業務提携について御説明させていただきます。
大きな流れとして、東京市場が変わりました。東京における外資系の動きというのを見ますと、八〇年代はグローバル化が促進され、東京市場というのは膨大な資金の供給ソースということでニューヨーク、ロンドンから見られておりました。これをいかに米国市場に還流させるかというのが我々のビジネスということで、外資系はこぞって大量進出してきました。さらに、東京、ニューヨーク、ロンドン間の情報の格差をアービトラージ、裁定取引をすることによって、まだまだ情報の格差を利用して利益を得ることができた時代でございます
ところが、九〇年代、バブルがはじけ、東京の資金供給源としての魅力が減少いたしました。さらに、東京、ニューヨーク、ロンドン市場間の情報緊密化が進み、市場の一体化が図られることによって、外資の間でも競争が激化し、先ほどの裁定取引の魅力も落ちてきました。その結果、一部外資の間にも撤退の動きもありましたし、空洞化の動きもありました。
これを打破する方法として、我々は、ローカル市場へのブレークスルー、本格的参入を図ることによってさらに付加価値をつける必要があるのではないか、そこにビジネスオポチュニティーがあるのではないかと考えました。
外資系には証券化、デリバティブ等金融商品の開発方はありますが、エンドユーザーに対するアクセスが弱いのが問題でございます。日本の市場というのは世界第二位の大きさであり、今後の資金運用はグローバルに展開せざるを得ない魅力的なマーケットでございます。一方、顧客が十分にサービスされているかというと、まだまだ不十分であり、開拓の余地があると考えられます。
外資系金融機関の間の競争も激しさを増しており、競合相手と差別化をする必要もあります。ビッグバン以降東京市場で生き残るためには、外資系としてもローカル市場にブレークスルーを図り、そのコミットメントを示す必要があると考えた次第でございます。今回橋本内閣の打ち出したビッグバン構想は、外資系としても大いに歓迎するところであり、ぜひとも成功してほしいと願うものであります。そのためには、外資系サイドとしても真剣なコミットメントを示す必要があると考えました。
一方、日債銀側には、不動産関連ビジネス、証券化ビジネス、デリバティブビジネス、地方の金融機関に対する、主に投資家でございますけれども、アクセスが非常に強いという強みがあります。日本のホールセールバンクとしてのポテンシャルは我々は高いと考えております。バンカースの経験、ノウハウ、それに日債銀の従来の実績をあわせることが、よい補完関係になり得ると信じております。
以上、陳述を終わります。ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →参考人として、今回の為替管理法改正及びビックバンに関連して、三点ほど、僭越でございますけれども、意見陳述させていただきます。
まず第一に、今回の為替管理法改正について、私どもの意見を述べさせていただきます。その次に、二点目として、米国で金融改革が起こったときにどういうことが起こったか、そしてバンカーズがどのように乗り越えてきたかということを、例をもって、御説明させていただければと思います。三点目に、先週発表になりましたが、日債銀との業務提携について、私どもの意見を述べさせていただきます。
まず第一の点でございますけれども、東京に駐在する外銀としての所見でございますけれども、今回の為替管理法改正というのは、私どもの認識では、これでニューヨーク、ロンドン市場と同じ土俵に東京市場が上がってきたという印象を受けております。基本的には、御存じのようにニューヨーク、ロンドンとも資金の流入流出について特に制限がございませんので、私ども、東京市場もこの土俵の中に入ってきたという認識を持っております。これから日本の金融界も本格的に国際金融に入っていくのであれば、まず、国内外の資金の流れをスムーズにして国際化を図る必要があると考えます。その点でも早急な実行をお願いしたいと思います。
外資系から見ますると、現在のビジネスでも、既に為替管理法で強く拘束されているという認識はそれほどございません。国内でできないものは海外で取引することができるという環境がもう既に整っております。時には、海外でやった方がやりやすい、あるいはコストが安いというような取引がございます。具体的には、例えば株式の取引手数料については海外ではかかりませんので、割安に取引ができるというような状況も生まれております。
為替の事務処理コストでございますけれども、海外の方が格段に安く、当行の場合には、既にシンガポールにその事務を集中しております。東京には端末機を置いて、そこから営業の人間がお客さんと話すという体制をとっております。こういたしますと、コストは約二分の一になります。このコスト削減によって、我々は同じ取引でもほかの銀行さんと比べて競争力をアップできる。さらに、コミュニケーションのテクノロジーが発達した結果、場所の差というものを驚くほど感じない事務形態にもう発展しております。
今後でございますけれども、傾向としては、外資系の場合、地域内一極集中して事務処理を行うという外銀がふえてくると思います。その場所をシンガポールに持つか、香港に持つか、東京に持つか、各行の戦略によって異なると思いますけれども、東京へ本拠を置く銀行がふえれば、東京市場の活性化につながるのではないかと思います。
結論を申しますと、早急に改革を実行し、国内外の壁を取り除き、日本の金融機関の国際化を図ることが将来の国益につながるものと考えます。これにより国際市場に日本の金融機関さんの進出が図られ、競争力を強化し、結果として、東京市場が魅力ある市場に生まれ変わるのではないかと期待しております。
二番目の点でございますけれども、金融改革、ビッグバン、アメリカで何が起こったか、バンカースに何が起こったかということを簡単に述べさせていただきます。
一九七〇年代、金融改革が急速に進行したわけでございますけれども、その当時、バンカース・トラストという銀行は、シティーバンク、チェイスに次ぐ第二グループ、特色のない当たり前の中小銀行という位置づけでございました。自由化の波をもろに浴びて倒産寸前の苦境に陥った次第でございます。すなわち、バランスシートの左側であります借り入れ人サイドの企業は、社債、株式、コマーシャルペーパーあるいはユーロボンド等に走り、結局直接金融でその資金調達を図るようになる。一方、右側の預金サイドでございますけれども、証券会社の出すMMF、投資信託等に逃げ、結局銀行としての収益力を落とし、被買収ターゲットにもなった時期がございます。
一九七八年、バンカース・トラストのマネージメントは、ニューヨーク州にある二百の全支店を売却いたしました。本店と四つの支店のみを残す形で再スタートいたしました。ホールセール中心の投資銀行業務に絞って戦略をまとめていくという一大決心をいたしました。すなわち、自分の強い部門にフォーカスしていく戦略、他社との差別化を徹底的に図ったのでございます。人材を積極的に外部より取り入れて体質改善も行いました。
その結果、八〇年代、ユーロ市場の拡大に伴う急速な証券化の発展、スワップ、オプション等のデリバティブ商品の拡大、リスク管理手法の発展等、金融技術の進歩による種々の新商品開発が一気に進む環境が生まれたために、バンカーズとしてはうまくその波に乗ることができて、企業買収、LBO、世界的な金融の自由化、日本市場も含みますけれども、その促進も相まって、全体的な機関投資家の金余り現象の中で、フォローの環境で自己改革を進めることができたのでございます。
その間、バンカーズが毎年多額の金を投資し続けたのは、テクノロジーでございます。テクノロジーに対する投資は年間約五百億やっております。これを絶えず行ってきました結果、バンカーズとしては、金融ビジネスというものをリスク管理を伴う情報産業であるというふうにとらえるようになりました。すなわち、資金の出し手ととり手をグローバルなネットワークでつないで、金融技術を加えてリスクの調整を図って顧客に提供する業務に取り組んだのでございます。その結果、収益力も上がり、リターン・オン・エクイティー、資本収益率についても一五%を上回ることが平均となりました。
現在では、銀行、証券いずれでもない新しい形の金融機関を目指すという経営体制になっております。すなわち、銀行の持つ資金力、バランスシートの力に加えて、証券会社の持つ市場の変化に対する機動力をあわせた金融機関というものをつくり上げたい、これが二十一世紀の金融機関になるのではないかと信じております。
ここ一、二年の動きを見ますと、昨年は、フェデラルリザーブでございますか、連邦準備委員会の総裁でございましたポール・ボルカー氏が会長をいたしますウォルフェンソン社、これは企業買収の仲介アドバイザリー専門会社でございますけれども、そこの買収を行っております。最近は、中堅証券会社で株式上場に強いアレックス・ブラウン社を買収しております。
このように、銀行からスタートしたのでございますけれども、証券会社をあわせ持った新しい金融機関にさらに前進しようと努力しております。
第三番目の点でございますけれども、今回の日債銀との業務提携について御説明させていただきます。
大きな流れとして、東京市場が変わりました。東京における外資系の動きというのを見ますと、八〇年代はグローバル化が促進され、東京市場というのは膨大な資金の供給ソースということでニューヨーク、ロンドンから見られておりました。これをいかに米国市場に還流させるかというのが我々のビジネスということで、外資系はこぞって大量進出してきました。さらに、東京、ニューヨーク、ロンドン間の情報の格差をアービトラージ、裁定取引をすることによって、まだまだ情報の格差を利用して利益を得ることができた時代でございます
ところが、九〇年代、バブルがはじけ、東京の資金供給源としての魅力が減少いたしました。さらに、東京、ニューヨーク、ロンドン市場間の情報緊密化が進み、市場の一体化が図られることによって、外資の間でも競争が激化し、先ほどの裁定取引の魅力も落ちてきました。その結果、一部外資の間にも撤退の動きもありましたし、空洞化の動きもありました。
これを打破する方法として、我々は、ローカル市場へのブレークスルー、本格的参入を図ることによってさらに付加価値をつける必要があるのではないか、そこにビジネスオポチュニティーがあるのではないかと考えました。
外資系には証券化、デリバティブ等金融商品の開発方はありますが、エンドユーザーに対するアクセスが弱いのが問題でございます。日本の市場というのは世界第二位の大きさであり、今後の資金運用はグローバルに展開せざるを得ない魅力的なマーケットでございます。一方、顧客が十分にサービスされているかというと、まだまだ不十分であり、開拓の余地があると考えられます。
外資系金融機関の間の競争も激しさを増しており、競合相手と差別化をする必要もあります。ビッグバン以降東京市場で生き残るためには、外資系としてもローカル市場にブレークスルーを図り、そのコミットメントを示す必要があると考えた次第でございます。今回橋本内閣の打ち出したビッグバン構想は、外資系としても大いに歓迎するところであり、ぜひとも成功してほしいと願うものであります。そのためには、外資系サイドとしても真剣なコミットメントを示す必要があると考えました。
一方、日債銀側には、不動産関連ビジネス、証券化ビジネス、デリバティブビジネス、地方の金融機関に対する、主に投資家でございますけれども、アクセスが非常に強いという強みがあります。日本のホールセールバンクとしてのポテンシャルは我々は高いと考えております。バンカースの経験、ノウハウ、それに日債銀の従来の実績をあわせることが、よい補完関係になり得ると信じております。
以上、陳述を終わります。ありがとうございました。拍手
額
森
森澤寛二#6
○森澤参考人 おはようございます。伊藤忠商事の森澤でございます。
本日、参考人といたしまして、次の五項目に分けて私の意見陳述を行いたいと思っております。
第一に、全般的な所感、第二に、外為法改正の意義及び産業・貿易界への影響について、第三に、基本的金融インフラの必要性について、第四に、報告制度のあり方について、最後に、総括的な希望ということについて申し述べたいと思います。
初めに、全般的な所感を申し上げます。
約一年間にわたりまして、外為審議会の法制特別部会に委員として参加させていただいた者としまして、今般、外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案が提出されるに至りましたことを大変喜んでおります。
外為審議会におきましては、各委員の皆さんが日本の金融・資本市場が現在抱えている問題点をよく認識され、かつ、ある種の危機感を持って審議会に臨まれたという印象を強く持っております。各業界からの代表意見陳述の場が設けられまして、基本となる問題認識について、いろいろな角度から活発で、かつ具体的な議論がなされましたし、また同時に、大蔵省御当局側も相当な覚悟を持って本件に取り組んでいただき、まさに官民一体のプロジェクトであったというふうに思っております。
我が国の持つ閉鎖性、高コスト体質が内外で問題となっておりまして、グローバルスタンダードあるいは透明性に基づくシステムの構築ということが求められておりますが、規制緩和をめぐるこのような大きな潮の流れが背景にあったということも、外為審議会の各委員が同じ方向で議論をする上で大変後押しになったというふうに認識をいたしております。結果としまして非常にいいまとめになったというふうに考えておりますが、今回の審議過程は、今後のよいモデルケースになるのではないかというふうに期待もしているところでございます。
外為管理制度の見直しは、東京ビッグバンのフロントランナーの位置づけでございまして、法令整備に当たっては、外為審議会の答申の趣旨が十分に反映され、名実ともに自由化が達成されることを強く期待いたしております。
第二番目に、外為法改正の意義及び産業・貿易界への影響について申し述べます。
我が国経済の国際化、世界経済のボーダーレス化、また最近話題の国際金融業務のエレクトロニクス化が急速に進展するなど、企業活動はグローバル競争時代を迎えており、こうした環境下において、過剰な規制が残っている現在の外為管理制度は、円滑な事業活動の妨げとなると同時に、既に大幅な自由化を完了している先進諸外国との競争力をいたずらに低下させております。結果として、金融資本取引をより利便性の高い海外へシフトさせるという、いわゆる金融市場の空洞化をもたらし、このままでは、世界の金融センターとしての繁栄はもはや望むべくもないというところまで来ているのではないかといった危機感を持っております。
こうした制度疲労の現状を打破する意味での今回の外為制度改革は、事前の許可・届け出を廃止し、業務として行う場合も含めて自由な内外取引を行えるという、グローバルスタンダードに沿った制度整備ということで、大変意義深く、また、これまでいろいろな形でお願いをしておりました業界の要望も十分に反映されており、大変高く評価できるものと思っております。
今回の改正の骨子は、一言で言いますと、平時の為替管理をなくし内外資本取引を自由化する、かつ外為取引を行政の関与でなく市場原理を基軸とした枠組みの中で行うようにするということで、より一層の競争原理が働くようになりますが、市場原理、自己責任というグローバルスタンダードの世界で既に競争している産業界にとっては、インフラが整うという意味で、大いに歓迎するところでございます。
ただ、法制面での整備がなされました暁には、自由で制度的制約のない市場を十分に活用してビジネスが行える土壌が醸成されることとなるわけで、新たなビジネスのチャンスも拡大いたしますが、他方、このことは、事業関係者が自己責任の原則に裏づけられた厳しい規範に律せられた世界にみずから身を置くということを同時に意味するものであります。
すなわち、市場参加者による市場ルールの尊重、ディスクロージャーの積極的遂行、自己責任原則の徹底など、市場参加者の自発的な努力が従来にも増して求められるというふうに認識をしており、この趣旨を理解し、各企業がみずから率先して不公正取引を防止するための市場慣行を遵守するとともに、適正なディスクロージャーも実施し、かつ自己の内部リスク管理についても一層の努力をしていく必要があると痛感しているところでございます。
いわゆる為銀主義の撤廃で、金融と非金融の垣根がなくなり、外為業務の独占が外れ、競争原理のもと、取引コストが下がります。また、海外との直接取引も可能となり、個人レベルから企業レベルまで、ボーダーレス取引が相当容易になります。これまでできなかった取引がふえるものと期待されます。このことは、日本の金融市場及び日本経済全体にもプラスであり、結果として、東京市場の活性化につながるものと大いに期待するところでございます。
もちろん、産業界へのメリットも数多くあると思われます。許可や事前審査つき届け出が事後報告となることにより、人的、時間的コストが削減されることは大きなメリットであります。また、貸し付け等の資本取引などもタイムリーに実行できますので、ビジネスチャンスを失うといった不合理性からも解放されます。
また、為替取扱手数料も国際価格にさや寄せされ、透明性ある体系になること、さらに、マルチネッティングを含む相殺が自由になることでのコスト削減効果も期待されます。外為審議会でメーカーの方々から指摘された点でもございますが、グループ間取引におきまして為替を集中する動きも出てくると思います。欧米の銀行との競争で外国為替を扱う銀行も集約されるものと予想され、企業も為替の集中持ち込み等を通じまして効率を上げるといったメリットを追求することになると思います。
次に、第三番目に、基本的金融インフラの整備の必要性について申し上げます。
ビッグバンの遂行によりまして東京市場を国際金融センターとすることは、日本として広く内外にコミットしたことであり、この公約が守られない場合、看板に偽りありとして、東京市場は完全に見捨てられることになりかねません。
国際金融市場の条件として重要なことは、第一に、市場が自由であり、効率的であること、第二に、取引コストが安いこと、この二点であると思います。特にコストの要因は大きく、金融取引は、最もコストが安くかつ利便性のある市場に集中するわけでございますから、人件費、賃借料、取引手数料、規制による許認可等にかかわるコスト、さらには所得税、法人税、利子課税、証券取引税等の税制コストが決め手になってまいります。
また、自己責任原則の世界になることで、顧客保護、株主保護等の観点も重要になってくると思います。ディスクロージャーが徹底されることで市場が安定するわけでございますから、この意味からも、会計制度も極めて重要になってまいります。つまり、金融空洞化を食いとめ、回復を図るためには、基本的金融インフラ、すなわち会計制度、決済システム、税制、金融・証券制度といったものをきちんと整備し、透明で自由な市場にする必要があると思います。
外為法改正により、金融取引が海外の良質な金融インフラを求めて日本から外国へ流出する現象がさらに加速化することも危惧されており、その意味からも、フロントランナーの次のセカンドランナーが出てこなければ金融市場の再活性化はあり得ないと言っても過言ではないと思います。
第四番目に、報告制度のあり方について申し上げます。
外為審議会における今回の改正論議の中では、東京をニューヨーク、ロンドン並みの自由な市場にするために、各委員とも、規制色の排除、事後報告制簡素化を強く訴えてまいりました。報告義務の遵守は、市場参加者の義務であること、また国際収支統計上の要請のあることも十分に理解しておりますが、審議会でも御指摘がありましたように、報告負担をできるだけ軽減させる方向でお願いしたいと思います。報告制度には罰則規定が課せられることから、新たな報告規制になる危険性がございます。過度な報告要求によって取引が海外へ逃げてしまうというようなことでは本末転倒となりますので、そのようなことにならないよう配慮が必要であると思います。
最後に、総括的な希望を申し上げます。
我が国の金融・資本市場は、産業界にとって資金調達の円滑化、運用の効率化の観点から極めて重要なものであり、国際競争力を持った効率的な金融・資本市場を構築することが必要不可欠でございます。東京ビッグバンのフロントランナーとして位置づけられた本改正が成功裏に実施されることによりまして、金融システム改革全体の流れに好ましい影響を与え、真にニューヨーク、ロンドン並みの金融・資本市場が整備されますことを心から祈念いたしております。
以上をもちまして、私の意見陳述とさせていただきます。ありがとうございました。拍手
この発言だけを見る →本日、参考人といたしまして、次の五項目に分けて私の意見陳述を行いたいと思っております。
第一に、全般的な所感、第二に、外為法改正の意義及び産業・貿易界への影響について、第三に、基本的金融インフラの必要性について、第四に、報告制度のあり方について、最後に、総括的な希望ということについて申し述べたいと思います。
初めに、全般的な所感を申し上げます。
約一年間にわたりまして、外為審議会の法制特別部会に委員として参加させていただいた者としまして、今般、外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案が提出されるに至りましたことを大変喜んでおります。
外為審議会におきましては、各委員の皆さんが日本の金融・資本市場が現在抱えている問題点をよく認識され、かつ、ある種の危機感を持って審議会に臨まれたという印象を強く持っております。各業界からの代表意見陳述の場が設けられまして、基本となる問題認識について、いろいろな角度から活発で、かつ具体的な議論がなされましたし、また同時に、大蔵省御当局側も相当な覚悟を持って本件に取り組んでいただき、まさに官民一体のプロジェクトであったというふうに思っております。
我が国の持つ閉鎖性、高コスト体質が内外で問題となっておりまして、グローバルスタンダードあるいは透明性に基づくシステムの構築ということが求められておりますが、規制緩和をめぐるこのような大きな潮の流れが背景にあったということも、外為審議会の各委員が同じ方向で議論をする上で大変後押しになったというふうに認識をいたしております。結果としまして非常にいいまとめになったというふうに考えておりますが、今回の審議過程は、今後のよいモデルケースになるのではないかというふうに期待もしているところでございます。
外為管理制度の見直しは、東京ビッグバンのフロントランナーの位置づけでございまして、法令整備に当たっては、外為審議会の答申の趣旨が十分に反映され、名実ともに自由化が達成されることを強く期待いたしております。
第二番目に、外為法改正の意義及び産業・貿易界への影響について申し述べます。
我が国経済の国際化、世界経済のボーダーレス化、また最近話題の国際金融業務のエレクトロニクス化が急速に進展するなど、企業活動はグローバル競争時代を迎えており、こうした環境下において、過剰な規制が残っている現在の外為管理制度は、円滑な事業活動の妨げとなると同時に、既に大幅な自由化を完了している先進諸外国との競争力をいたずらに低下させております。結果として、金融資本取引をより利便性の高い海外へシフトさせるという、いわゆる金融市場の空洞化をもたらし、このままでは、世界の金融センターとしての繁栄はもはや望むべくもないというところまで来ているのではないかといった危機感を持っております。
こうした制度疲労の現状を打破する意味での今回の外為制度改革は、事前の許可・届け出を廃止し、業務として行う場合も含めて自由な内外取引を行えるという、グローバルスタンダードに沿った制度整備ということで、大変意義深く、また、これまでいろいろな形でお願いをしておりました業界の要望も十分に反映されており、大変高く評価できるものと思っております。
今回の改正の骨子は、一言で言いますと、平時の為替管理をなくし内外資本取引を自由化する、かつ外為取引を行政の関与でなく市場原理を基軸とした枠組みの中で行うようにするということで、より一層の競争原理が働くようになりますが、市場原理、自己責任というグローバルスタンダードの世界で既に競争している産業界にとっては、インフラが整うという意味で、大いに歓迎するところでございます。
ただ、法制面での整備がなされました暁には、自由で制度的制約のない市場を十分に活用してビジネスが行える土壌が醸成されることとなるわけで、新たなビジネスのチャンスも拡大いたしますが、他方、このことは、事業関係者が自己責任の原則に裏づけられた厳しい規範に律せられた世界にみずから身を置くということを同時に意味するものであります。
すなわち、市場参加者による市場ルールの尊重、ディスクロージャーの積極的遂行、自己責任原則の徹底など、市場参加者の自発的な努力が従来にも増して求められるというふうに認識をしており、この趣旨を理解し、各企業がみずから率先して不公正取引を防止するための市場慣行を遵守するとともに、適正なディスクロージャーも実施し、かつ自己の内部リスク管理についても一層の努力をしていく必要があると痛感しているところでございます。
いわゆる為銀主義の撤廃で、金融と非金融の垣根がなくなり、外為業務の独占が外れ、競争原理のもと、取引コストが下がります。また、海外との直接取引も可能となり、個人レベルから企業レベルまで、ボーダーレス取引が相当容易になります。これまでできなかった取引がふえるものと期待されます。このことは、日本の金融市場及び日本経済全体にもプラスであり、結果として、東京市場の活性化につながるものと大いに期待するところでございます。
もちろん、産業界へのメリットも数多くあると思われます。許可や事前審査つき届け出が事後報告となることにより、人的、時間的コストが削減されることは大きなメリットであります。また、貸し付け等の資本取引などもタイムリーに実行できますので、ビジネスチャンスを失うといった不合理性からも解放されます。
また、為替取扱手数料も国際価格にさや寄せされ、透明性ある体系になること、さらに、マルチネッティングを含む相殺が自由になることでのコスト削減効果も期待されます。外為審議会でメーカーの方々から指摘された点でもございますが、グループ間取引におきまして為替を集中する動きも出てくると思います。欧米の銀行との競争で外国為替を扱う銀行も集約されるものと予想され、企業も為替の集中持ち込み等を通じまして効率を上げるといったメリットを追求することになると思います。
次に、第三番目に、基本的金融インフラの整備の必要性について申し上げます。
ビッグバンの遂行によりまして東京市場を国際金融センターとすることは、日本として広く内外にコミットしたことであり、この公約が守られない場合、看板に偽りありとして、東京市場は完全に見捨てられることになりかねません。
国際金融市場の条件として重要なことは、第一に、市場が自由であり、効率的であること、第二に、取引コストが安いこと、この二点であると思います。特にコストの要因は大きく、金融取引は、最もコストが安くかつ利便性のある市場に集中するわけでございますから、人件費、賃借料、取引手数料、規制による許認可等にかかわるコスト、さらには所得税、法人税、利子課税、証券取引税等の税制コストが決め手になってまいります。
また、自己責任原則の世界になることで、顧客保護、株主保護等の観点も重要になってくると思います。ディスクロージャーが徹底されることで市場が安定するわけでございますから、この意味からも、会計制度も極めて重要になってまいります。つまり、金融空洞化を食いとめ、回復を図るためには、基本的金融インフラ、すなわち会計制度、決済システム、税制、金融・証券制度といったものをきちんと整備し、透明で自由な市場にする必要があると思います。
外為法改正により、金融取引が海外の良質な金融インフラを求めて日本から外国へ流出する現象がさらに加速化することも危惧されており、その意味からも、フロントランナーの次のセカンドランナーが出てこなければ金融市場の再活性化はあり得ないと言っても過言ではないと思います。
第四番目に、報告制度のあり方について申し上げます。
外為審議会における今回の改正論議の中では、東京をニューヨーク、ロンドン並みの自由な市場にするために、各委員とも、規制色の排除、事後報告制簡素化を強く訴えてまいりました。報告義務の遵守は、市場参加者の義務であること、また国際収支統計上の要請のあることも十分に理解しておりますが、審議会でも御指摘がありましたように、報告負担をできるだけ軽減させる方向でお願いしたいと思います。報告制度には罰則規定が課せられることから、新たな報告規制になる危険性がございます。過度な報告要求によって取引が海外へ逃げてしまうというようなことでは本末転倒となりますので、そのようなことにならないよう配慮が必要であると思います。
最後に、総括的な希望を申し上げます。
我が国の金融・資本市場は、産業界にとって資金調達の円滑化、運用の効率化の観点から極めて重要なものであり、国際競争力を持った効率的な金融・資本市場を構築することが必要不可欠でございます。東京ビッグバンのフロントランナーとして位置づけられた本改正が成功裏に実施されることによりまして、金融システム改革全体の流れに好ましい影響を与え、真にニューヨーク、ロンドン並みの金融・資本市場が整備されますことを心から祈念いたしております。
以上をもちまして、私の意見陳述とさせていただきます。ありがとうございました。拍手
額
米
米山幸治#8
○米山参考人 おはようございます。大和証券の国際業務本部長を務めております米山でございます。
大蔵委員会の諸先生方には、私ども証券界といたしまして日ごろ大変お世話になっておりまして、この場をかりて厚くお礼申し上げる次第でございます。また、本日は、外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案の審議に当たりまして意見を申し述べる機会を与えていただきましたことを、大変ありがたく存じております。
私の方からは、証券市場の担い手といたしまして、国際的な金融・証券市場の動向並びに外為市場における証券会社の役割等について御説明申し上げました後で、それらを踏まえ、今回の改正法案につきまして意見を申し述べたいと存じます。
まず、国際的な金融・証券市場の動向について申し上げたいと思います。
今日、世界の金融・証券市場におきましては、金融取引手法の複雑化、高度化あるいは情報通信技術の高度化などを背景といたしまして、金融・証券取引が国境を超えて行われていることが日常化しております。つまり、取引のグローバル化あるいはクロスボーダー化と言われるものでございますが、金融・証券取引におきまして国境という概念が次第に希薄化していることは、御高承のとおりでございます。
こうした取引の国際化に対応いたしまして各国がどのような措置をとっているかと申しますと、多くの国におきましては、規制を強化することによって取引を自国の市場にとどめ置く、そういう対応はしておりませんで、むしろ自国の市場の規制緩和を進めるとともに、市場の効率性及び顧客の利便性の向上を図って、市場のインフラ制度の整備を通じまして自国の金融・証券市場の魅力を高める、そういった対応措置を講じております。ニューヨーク市場あるいはロンドン市場、アジアの香港市場、シンガポール市場、それぞれが自国の市場により多くの取引を呼び込むべく日々切磋琢磨し合っているわけでございます。もちろん我が国の金融・証券市場も、国際金融・証券市場における有力な一員として、そうしたグローバルな市場間競争の中に置かれているということでございます。
こうした国際的な競争の結果、現在、世界の金融・証券市場におきましては、市場諸制度の国際的な標準化、つまりグローバルスタンダードというものが確立されつつございます。競争力のある市場の制度がグローバルスタンダードとして認知されておりまして、立ちおくれた市場がグローバルスタンダードに合わせるべく市場制度を改善しキャッチアップに努める、そういった動きになっておるわけでございます。
次に、そうしました国際金融・証券市場の中で重要な機能を果たしております外国為替市場におきまして、証券会社がどのような役割を担っているかについて、簡単に御説明申し上げたいと思います。
証券会社は、一事業法人として、エンドユーザーとしてあるいは一顧客として外為市場に参加しておりますほかに、証券取引に絡んで発生する外為取引につきまして、一部仲介業者として外為市場に参加しているわけであります。証券取引に絡んで発生する外為取引とは、主として現在の外為法の用語で申し上げますと、資本取引のうち証券の取得あるいは証券の発行、募集に係るものでございますが、そうした証券取引に付随して発生する外為取引につき、証券会社は、指定証券会社、そういったステータスのもとで、外為市場の一部担い手として参加している状況でございます。
ただ、現行法のもとで証券会社が可能な業務は、取引の範囲等につきまして限定されている面がございまして、顧客のニーズにこたえられない、そういった面がございますのも事実でございます。
一例を申し上げますと、日本の証券会社は、海外の金融機関と直接為替の売買を行うことができません。証券取引のクロスボーダー化あるいはクロスカレンシー化が進んでまいる中で、いわゆる二十四時間トレーディングが世界の金融・証券市場において当然のこととなっている現在、こうしたことが顧客の利便性を高めるといった上で大きな支障になっているわけでございます。
次に、以上申し述べました国際的な金融・証券市場の動向、あるいは外為市場における証券会社の役割等を踏まえまして、今回の改正法案につきまして意見を申し述べさせていただきます。
先ほど、私は、国際的な金融・証券市場においては、グローバルなレベルでの市場間競争が行われて、各国とも自国の市場の魅力を高め、競争力の向上を図っていると申し上げましたが、今般の改正案は、まさに我が国金融市場の国際競争力を高める、そういった国際的な動向に合致したものでございまして、グローバルスタンダードから見ましても遜色のないものであると考えております。
また、証券市場に与える影響という面から申し上げますと、証券会社の顧客は、クロスボーダーあるいはクロスカレンシーに関しましてさまざまな外為取引のニーズがあるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、現行法のもとでは、証券会社が顧客に提供できる外為サービスは制限的でございまして、十分なサービスが提供できない面がございます。しかし、今般の改正案におきましては、外国為替業務に係る規制が廃止されておりまして、私ども証券会社も、顧客が望む外為サービスを、証券取引にかかわらないものも含めまして、原則フルラインで提供することが可能となるわけでございます。この結果、顧客の利便性は飛躍的に向上するとともに、我が国金融・証券市場の国際化の進展に大いに寄与するものと存じます。
今回の外為法の改正は、橋本首相が提唱されました金融・証券市場の改革でございます日本版ビッグバンのフロントランナーとしての位置づけであるというふうに理解いたしております。八〇年代には、ニューヨーク、ロンドン市場と属を並べたと言われました我が国東京市場も、ここ数年はバブル経済の後始末に追われていたこともありまして、残念ながら、ほかの主要金融市場と比較いたしまして、相対的にその地位が低下したということは否めないだろうと考えております。
今般、この改正案のごとく、外国為替制度という金融・証券市場の中核をなす制度がグローバルスタンダードにのっとった形で改正されることは、まことに時宜を得たものであり、我が国金融・証券市場の競争力の向上、ひいては金融・証券市場を通じました効率的な資金配分による国民経済の発展に大いに資するものであり、大変意義深い改正であると考えております。もちろん、我が国の金融・証券市場の改革は、ただ外国為替制度にとどまるものではなく、その後に続きます市場制度全般の改革が着実に進展していくことが、名実ともにビッグバンを実現するために必要不可欠であるということを切に考える次第でございます。
最後に、私ども仲介業者といたしましても、我が国の金融・証券市場発展のために全力を尽くす所存でございますので、委員会の諸先生方におかれましても、引き続き格段の御高配を賜りたいと申し上げまして、一陳述を終わらせていただぎます。
ありがとうございました、拍手
この発言だけを見る →大蔵委員会の諸先生方には、私ども証券界といたしまして日ごろ大変お世話になっておりまして、この場をかりて厚くお礼申し上げる次第でございます。また、本日は、外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案の審議に当たりまして意見を申し述べる機会を与えていただきましたことを、大変ありがたく存じております。
私の方からは、証券市場の担い手といたしまして、国際的な金融・証券市場の動向並びに外為市場における証券会社の役割等について御説明申し上げました後で、それらを踏まえ、今回の改正法案につきまして意見を申し述べたいと存じます。
まず、国際的な金融・証券市場の動向について申し上げたいと思います。
今日、世界の金融・証券市場におきましては、金融取引手法の複雑化、高度化あるいは情報通信技術の高度化などを背景といたしまして、金融・証券取引が国境を超えて行われていることが日常化しております。つまり、取引のグローバル化あるいはクロスボーダー化と言われるものでございますが、金融・証券取引におきまして国境という概念が次第に希薄化していることは、御高承のとおりでございます。
こうした取引の国際化に対応いたしまして各国がどのような措置をとっているかと申しますと、多くの国におきましては、規制を強化することによって取引を自国の市場にとどめ置く、そういう対応はしておりませんで、むしろ自国の市場の規制緩和を進めるとともに、市場の効率性及び顧客の利便性の向上を図って、市場のインフラ制度の整備を通じまして自国の金融・証券市場の魅力を高める、そういった対応措置を講じております。ニューヨーク市場あるいはロンドン市場、アジアの香港市場、シンガポール市場、それぞれが自国の市場により多くの取引を呼び込むべく日々切磋琢磨し合っているわけでございます。もちろん我が国の金融・証券市場も、国際金融・証券市場における有力な一員として、そうしたグローバルな市場間競争の中に置かれているということでございます。
こうした国際的な競争の結果、現在、世界の金融・証券市場におきましては、市場諸制度の国際的な標準化、つまりグローバルスタンダードというものが確立されつつございます。競争力のある市場の制度がグローバルスタンダードとして認知されておりまして、立ちおくれた市場がグローバルスタンダードに合わせるべく市場制度を改善しキャッチアップに努める、そういった動きになっておるわけでございます。
次に、そうしました国際金融・証券市場の中で重要な機能を果たしております外国為替市場におきまして、証券会社がどのような役割を担っているかについて、簡単に御説明申し上げたいと思います。
証券会社は、一事業法人として、エンドユーザーとしてあるいは一顧客として外為市場に参加しておりますほかに、証券取引に絡んで発生する外為取引につきまして、一部仲介業者として外為市場に参加しているわけであります。証券取引に絡んで発生する外為取引とは、主として現在の外為法の用語で申し上げますと、資本取引のうち証券の取得あるいは証券の発行、募集に係るものでございますが、そうした証券取引に付随して発生する外為取引につき、証券会社は、指定証券会社、そういったステータスのもとで、外為市場の一部担い手として参加している状況でございます。
ただ、現行法のもとで証券会社が可能な業務は、取引の範囲等につきまして限定されている面がございまして、顧客のニーズにこたえられない、そういった面がございますのも事実でございます。
一例を申し上げますと、日本の証券会社は、海外の金融機関と直接為替の売買を行うことができません。証券取引のクロスボーダー化あるいはクロスカレンシー化が進んでまいる中で、いわゆる二十四時間トレーディングが世界の金融・証券市場において当然のこととなっている現在、こうしたことが顧客の利便性を高めるといった上で大きな支障になっているわけでございます。
次に、以上申し述べました国際的な金融・証券市場の動向、あるいは外為市場における証券会社の役割等を踏まえまして、今回の改正法案につきまして意見を申し述べさせていただきます。
先ほど、私は、国際的な金融・証券市場においては、グローバルなレベルでの市場間競争が行われて、各国とも自国の市場の魅力を高め、競争力の向上を図っていると申し上げましたが、今般の改正案は、まさに我が国金融市場の国際競争力を高める、そういった国際的な動向に合致したものでございまして、グローバルスタンダードから見ましても遜色のないものであると考えております。
また、証券市場に与える影響という面から申し上げますと、証券会社の顧客は、クロスボーダーあるいはクロスカレンシーに関しましてさまざまな外為取引のニーズがあるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、現行法のもとでは、証券会社が顧客に提供できる外為サービスは制限的でございまして、十分なサービスが提供できない面がございます。しかし、今般の改正案におきましては、外国為替業務に係る規制が廃止されておりまして、私ども証券会社も、顧客が望む外為サービスを、証券取引にかかわらないものも含めまして、原則フルラインで提供することが可能となるわけでございます。この結果、顧客の利便性は飛躍的に向上するとともに、我が国金融・証券市場の国際化の進展に大いに寄与するものと存じます。
今回の外為法の改正は、橋本首相が提唱されました金融・証券市場の改革でございます日本版ビッグバンのフロントランナーとしての位置づけであるというふうに理解いたしております。八〇年代には、ニューヨーク、ロンドン市場と属を並べたと言われました我が国東京市場も、ここ数年はバブル経済の後始末に追われていたこともありまして、残念ながら、ほかの主要金融市場と比較いたしまして、相対的にその地位が低下したということは否めないだろうと考えております。
今般、この改正案のごとく、外国為替制度という金融・証券市場の中核をなす制度がグローバルスタンダードにのっとった形で改正されることは、まことに時宜を得たものであり、我が国金融・証券市場の競争力の向上、ひいては金融・証券市場を通じました効率的な資金配分による国民経済の発展に大いに資するものであり、大変意義深い改正であると考えております。もちろん、我が国の金融・証券市場の改革は、ただ外国為替制度にとどまるものではなく、その後に続きます市場制度全般の改革が着実に進展していくことが、名実ともにビッグバンを実現するために必要不可欠であるということを切に考える次第でございます。
最後に、私ども仲介業者といたしましても、我が国の金融・証券市場発展のために全力を尽くす所存でございますので、委員会の諸先生方におかれましても、引き続き格段の御高配を賜りたいと申し上げまして、一陳述を終わらせていただぎます。
ありがとうございました、拍手
額
額
飯
飯島忠義#11
○飯島委員 おはようございます。自由民主党の飯島忠義でございます。
本日は、外為の現場で長年御苦労いただいております専門家の皆様に御多用の中御出席をいただき、法案の審査に当たりまして経験豊かな生の声をお伺いすることができまして、私物め大蔵委員のメンバーも、大変有意義な審査だと理解をしております。ここに改めて敬意を表したいと思います。
さて、限られた時間でございますから、率直に質問をさせていただきたいと存じます。
この委員会、この法案の審査でございますけれども、四月八日そして九日と総括質疑、我が党からも今村、田中、吉川委員から三塚大蔵大臣を初め榊原国金局長、さらには政府委員に、今回の法改正の目指すもの、背景や内容について整理をさせていただいたところでございます。そこで、私は、まず私自身のこの法案に対する考え方を若干述べさせていただいた上で、皆様に幾つか質問をさせていただきたいと存じます。
実は、私自身も、為替も含めて金融のずぶの素人でございますから、きょうの質問に備えてということで、東京の八重洲の本屋さんに先週半ばぐらいにお伺いしました。そこの出版物のコーナー、つまり金融・証券関係も含めたコーナーに、出版物の多いことはもとよりでございますけれども、求める方、買われる方、これは銀行とか証券の方々もそうなのでしょうけれども、日中なのですが実に混雑しているわけです。さらに、出版物の多いことだけでなしに、そのタイトルが過激というのですか、例えば一九八〇年代には「ジャパン・アズ・ナンバーワン」とか、そういうのがそのコーナーにはどしっと座っていた。それが、今はといいますと、崩れ行く日本というか、そうした基調のタイトルの出版物が内外のジャーナリストやアナリストによって、またそれが翻訳されて出されている。これは内外ですから、日本のそういう方々、ジャーナリストやアナリストなんかも執筆されている。こういうことで、私自身は率直に申し上げて、この十年間の日本の変遷というかその変化に、ただただびっくりしているわけです。
例えば、これはそうはならないと思うのですけれども、タイトルで「一ドル二百四十円」なんという本が出ているのです。つまり、今百二十五円、六円、七円の攻防、ここらでも大蔵大臣が強気な発言をして抑えにかかっている、それをきのうあたりの会議では取り消しというか訂正するのに躍起になったという記事も出ているわけでございますけれども、そうではなしに、今から十数年前の、あのプラザ合意以前に戻った二百四十円になってしまうのではないかという、そういう書物すら出ているわけでございます。
とりわけ、赤帯関係を整理してみますと、例えば、かつてない大変動が始まった、相次ぐ金融機関の破綻、迫る業界再編云々とか、まさに、たそがれの国日本あるいは沈みゆく日本、そんな基調のものが多かったわけであります。日本の財政や経済、金融等々、そういう状況にあるという認識も若干持たなければいけませんけれども、しかし、多くの皆さん、きょうお見えの参考人の皆さんも含めて、決してそうではないよ、日本はそんな方ない国ではないよという思いを持っておられると思います。だからこそ、今、橋本総理が六つの構造改革を掲げ、懸命な取り組みをしているさなかであるわけでございます。この機をいたずらに過ごすとしたら日本の再生はない、私自身、そういう思いでいっぱいでございます。
そこで、私は、時間の都合で整理をしまして、この十年間、例えば一九八五年九月のあのプラザ合意当時一ドル二百四十三円であった、翌年の東京サミットですか、その折に百六十五円、また御案内のとおり八十円割れというときもございました。この外為の改正については、当然のように、この為替の安定というものがやはり基調にないと産業界も含めてその対応に苦しむわけでございますが、そういうこの十年間の中においても、あらゆる知恵を絞って皆さん方におかれても厳しい局面をくぐってこられたと理解をしております。
そこで、まず、銀行業界を代表いたしまして、さくら銀行の工藤参考人にお伺いしたいと思いますけれども、日米の公定歩合差、今、五%ぐらいに開いています。こういう差の中で改正がなされますと、相当数の国内資金の流出、すなわち円の流出が起こるのではないかと私自身懸念をしているわけでございます。
実のところ、これは証券、銀行ではなかったのですけれども、私が日曜日の夕方、家におりましたら、近所の奥様が、奥様と申し上げましても六十過ぎの方でございますが、年はどうでもいいのですが、いや、飯島先生ということで話があったのです。証券会社の方がある商品を勧めに来ている、外債なのですよ、つまり外国の利回りのいい三年物の商品を勧めている。今私自身は基金融機関に預けてあるのだけれども、それを出してそれを買おうかと思っている、一体大丈夫なのでしょうかねというような会話があったのですね。私自身は、その方に対して勧めるわけにもいきませんし、またその道もいけないわけでございますから、なかなか難しい局面だから、しかしゆとりがあるならば何らかの形で利回りのいいそういう決断をなされるのがいいのじゃないですか、こういう話は申し上げたのですけれども、この金利差が生む国内資金の海外流出といった点について銀行業界はどのようにお考えか、とりわけ工藤参考人においてはその辺についてお願いしたいと思います。
あわせて、反対に今度米山参考人に引き続きお尋ねしたいのですけれども、先ほどの意見陳述の中にもございましたが、東京市場を魅力ある市場にして海外資金の流入を促進させていく、そういう上で今回の法改正、それ以外にたくさんの障害があると思うのですけれども、その障害があるとすればどういうものがあるのか、あわせて伺っておきたいと思います。ですから、お二人の方から続いてということでお願いしたいと思います。
この発言だけを見る →本日は、外為の現場で長年御苦労いただいております専門家の皆様に御多用の中御出席をいただき、法案の審査に当たりまして経験豊かな生の声をお伺いすることができまして、私物め大蔵委員のメンバーも、大変有意義な審査だと理解をしております。ここに改めて敬意を表したいと思います。
さて、限られた時間でございますから、率直に質問をさせていただきたいと存じます。
この委員会、この法案の審査でございますけれども、四月八日そして九日と総括質疑、我が党からも今村、田中、吉川委員から三塚大蔵大臣を初め榊原国金局長、さらには政府委員に、今回の法改正の目指すもの、背景や内容について整理をさせていただいたところでございます。そこで、私は、まず私自身のこの法案に対する考え方を若干述べさせていただいた上で、皆様に幾つか質問をさせていただきたいと存じます。
実は、私自身も、為替も含めて金融のずぶの素人でございますから、きょうの質問に備えてということで、東京の八重洲の本屋さんに先週半ばぐらいにお伺いしました。そこの出版物のコーナー、つまり金融・証券関係も含めたコーナーに、出版物の多いことはもとよりでございますけれども、求める方、買われる方、これは銀行とか証券の方々もそうなのでしょうけれども、日中なのですが実に混雑しているわけです。さらに、出版物の多いことだけでなしに、そのタイトルが過激というのですか、例えば一九八〇年代には「ジャパン・アズ・ナンバーワン」とか、そういうのがそのコーナーにはどしっと座っていた。それが、今はといいますと、崩れ行く日本というか、そうした基調のタイトルの出版物が内外のジャーナリストやアナリストによって、またそれが翻訳されて出されている。これは内外ですから、日本のそういう方々、ジャーナリストやアナリストなんかも執筆されている。こういうことで、私自身は率直に申し上げて、この十年間の日本の変遷というかその変化に、ただただびっくりしているわけです。
例えば、これはそうはならないと思うのですけれども、タイトルで「一ドル二百四十円」なんという本が出ているのです。つまり、今百二十五円、六円、七円の攻防、ここらでも大蔵大臣が強気な発言をして抑えにかかっている、それをきのうあたりの会議では取り消しというか訂正するのに躍起になったという記事も出ているわけでございますけれども、そうではなしに、今から十数年前の、あのプラザ合意以前に戻った二百四十円になってしまうのではないかという、そういう書物すら出ているわけでございます。
とりわけ、赤帯関係を整理してみますと、例えば、かつてない大変動が始まった、相次ぐ金融機関の破綻、迫る業界再編云々とか、まさに、たそがれの国日本あるいは沈みゆく日本、そんな基調のものが多かったわけであります。日本の財政や経済、金融等々、そういう状況にあるという認識も若干持たなければいけませんけれども、しかし、多くの皆さん、きょうお見えの参考人の皆さんも含めて、決してそうではないよ、日本はそんな方ない国ではないよという思いを持っておられると思います。だからこそ、今、橋本総理が六つの構造改革を掲げ、懸命な取り組みをしているさなかであるわけでございます。この機をいたずらに過ごすとしたら日本の再生はない、私自身、そういう思いでいっぱいでございます。
そこで、私は、時間の都合で整理をしまして、この十年間、例えば一九八五年九月のあのプラザ合意当時一ドル二百四十三円であった、翌年の東京サミットですか、その折に百六十五円、また御案内のとおり八十円割れというときもございました。この外為の改正については、当然のように、この為替の安定というものがやはり基調にないと産業界も含めてその対応に苦しむわけでございますが、そういうこの十年間の中においても、あらゆる知恵を絞って皆さん方におかれても厳しい局面をくぐってこられたと理解をしております。
そこで、まず、銀行業界を代表いたしまして、さくら銀行の工藤参考人にお伺いしたいと思いますけれども、日米の公定歩合差、今、五%ぐらいに開いています。こういう差の中で改正がなされますと、相当数の国内資金の流出、すなわち円の流出が起こるのではないかと私自身懸念をしているわけでございます。
実のところ、これは証券、銀行ではなかったのですけれども、私が日曜日の夕方、家におりましたら、近所の奥様が、奥様と申し上げましても六十過ぎの方でございますが、年はどうでもいいのですが、いや、飯島先生ということで話があったのです。証券会社の方がある商品を勧めに来ている、外債なのですよ、つまり外国の利回りのいい三年物の商品を勧めている。今私自身は基金融機関に預けてあるのだけれども、それを出してそれを買おうかと思っている、一体大丈夫なのでしょうかねというような会話があったのですね。私自身は、その方に対して勧めるわけにもいきませんし、またその道もいけないわけでございますから、なかなか難しい局面だから、しかしゆとりがあるならば何らかの形で利回りのいいそういう決断をなされるのがいいのじゃないですか、こういう話は申し上げたのですけれども、この金利差が生む国内資金の海外流出といった点について銀行業界はどのようにお考えか、とりわけ工藤参考人においてはその辺についてお願いしたいと思います。
あわせて、反対に今度米山参考人に引き続きお尋ねしたいのですけれども、先ほどの意見陳述の中にもございましたが、東京市場を魅力ある市場にして海外資金の流入を促進させていく、そういう上で今回の法改正、それ以外にたくさんの障害があると思うのですけれども、その障害があるとすればどういうものがあるのか、あわせて伺っておきたいと思います。ですから、お二人の方から続いてということでお願いしたいと思います。
工
工藤長義#12
○工藤参考人 ただいまの御質問にお答え申し上げます。
御指摘のとおり、現在国境間をまたがりまして大量の資金が全世界的に移動をしておるわけでございますが、私は、この資金移動の一つの非常に大きなまた重要な要因はいわゆる国際分散投資ではないか、このように考えております。国際分散投資とは、一言で申しますと、投資に伴うリスクを厳密に管理しながら一方で長期安定的なリターンを求めて全世界を移動しておる、こういった資金でございます。
資金の運用は、多くの場合、豊富な経験と知識を備えた専門家、俗にファンドマネジャーと呼ばれる人たちが運用しておりまして、こういった人たちは仕事の性質上、絶えず資金運用のあり方をグローバルなコンテクストで考える、こういう格好になっております。そういったグローバルなコンテクストの中における一つの重要な出来事として今回の外為法改正が位置づけられるわけでございますが、もちろんこういった人たちは欧米の景気動向、あるいは例えばヨーロッパにおける通貨統合、こういったことと並んで今回の外為法改正をとらえております。
こういった方々の御意見、私個人的にも大変今回の外為法改正に関して気になりましたので、何人かの有力な方々に直接御意見を伺いましたが、今回の外為法につきましては非常に高く評価されておりまして、具体的な国際分散投資のあり方で、日本向けの投資をもう少しウエートを上げよう、比率を上げようといった方の方が多いのではないか、このように理解いたしております。
したがいまして、ただいま飯島先生御指摘ございましたとおり、日米金利差等の理由により、確かにこの外為法改正をモメントとして一層の資金流出が起きることは十分見通されるところでございますが、一方で相応の流入も見込まれる、こういった状況ではないかというふうに理解いたしております。
したがって、外為法改正自体は、流出あるいは流入の直接の原因というよりも、そういった両方のものを促す要因ではないか、このように把握しておるわけでございまして、現実に英米での事例を拝見いたしましてもそのようなことになっておる。ただし、こういった環境変化を踏まえまして、個別金融機関として引き続きユーザーの皆様のニーズによりフィットした格好でサービス提供に努力しなければいけない。これがなければ金融機関の経営は非常に難しくなる。この点は御指摘のとおりでございます。
以上、お答え申し上げました。
この発言だけを見る →御指摘のとおり、現在国境間をまたがりまして大量の資金が全世界的に移動をしておるわけでございますが、私は、この資金移動の一つの非常に大きなまた重要な要因はいわゆる国際分散投資ではないか、このように考えております。国際分散投資とは、一言で申しますと、投資に伴うリスクを厳密に管理しながら一方で長期安定的なリターンを求めて全世界を移動しておる、こういった資金でございます。
資金の運用は、多くの場合、豊富な経験と知識を備えた専門家、俗にファンドマネジャーと呼ばれる人たちが運用しておりまして、こういった人たちは仕事の性質上、絶えず資金運用のあり方をグローバルなコンテクストで考える、こういう格好になっております。そういったグローバルなコンテクストの中における一つの重要な出来事として今回の外為法改正が位置づけられるわけでございますが、もちろんこういった人たちは欧米の景気動向、あるいは例えばヨーロッパにおける通貨統合、こういったことと並んで今回の外為法改正をとらえております。
こういった方々の御意見、私個人的にも大変今回の外為法改正に関して気になりましたので、何人かの有力な方々に直接御意見を伺いましたが、今回の外為法につきましては非常に高く評価されておりまして、具体的な国際分散投資のあり方で、日本向けの投資をもう少しウエートを上げよう、比率を上げようといった方の方が多いのではないか、このように理解いたしております。
したがいまして、ただいま飯島先生御指摘ございましたとおり、日米金利差等の理由により、確かにこの外為法改正をモメントとして一層の資金流出が起きることは十分見通されるところでございますが、一方で相応の流入も見込まれる、こういった状況ではないかというふうに理解いたしております。
したがって、外為法改正自体は、流出あるいは流入の直接の原因というよりも、そういった両方のものを促す要因ではないか、このように把握しておるわけでございまして、現実に英米での事例を拝見いたしましてもそのようなことになっておる。ただし、こういった環境変化を踏まえまして、個別金融機関として引き続きユーザーの皆様のニーズによりフィットした格好でサービス提供に努力しなければいけない。これがなければ金融機関の経営は非常に難しくなる。この点は御指摘のとおりでございます。
以上、お答え申し上げました。
米
米山幸治#13
○米山参考人 米山でございます。
ただいまの御質問の、東京市場を魅力ある市場として海外から資金の導入を図る、それに対する何か障害があるかという件でございますが、やはり東京へ資金が流れる前提は、東京市場がフェアで、そしてかつ透明性のある市場であるということが何はさておきましても前提であろうかと思います。
そのほか技術的な問題として私が考えつくものといたしまして、例えば税制の問題があろうかと存じます。我が国特有の税制、例えば有価証券取引税あるいは債券の利子にかかわる源泉徴収制度、そういったものがあるかと思います。ニューヨークあるいはロンドンで既に日本の国債、JGBの大きなマーケットが立っております。これはやはり取引税がないといった、取引コストが安いということが一つの原因で海外で日本国債のマーケットが大きくなっているという現状があろうかと思います。そんなわけで、考えつくものといたしましては、今申し上げました取引税の問題あるいは債券利子の源泉徴収制度の問題があろうかと思います。
そのほか考えつく技術的な問題といたしましては、証券の決済制度。例えば社債の決済の場合は、我が国では社債の登録制度といいまして、実際に保有する人が自分の名前を登録する。実際にペーパーを出して保有を登録する、ペーパー上の事務上の問題が残っておりますが、欧米の慣行は、帳簿上の間で決済する。帳簿上で名義が変更するといった振替制度が欧米では慣行であると理解いたしております。
そのようなことがいろいろ改善されることによって、東京市場のフェアなマーケットと相まって海外の資金が流入するものと信じております。
この発言だけを見る →ただいまの御質問の、東京市場を魅力ある市場として海外から資金の導入を図る、それに対する何か障害があるかという件でございますが、やはり東京へ資金が流れる前提は、東京市場がフェアで、そしてかつ透明性のある市場であるということが何はさておきましても前提であろうかと思います。
そのほか技術的な問題として私が考えつくものといたしまして、例えば税制の問題があろうかと存じます。我が国特有の税制、例えば有価証券取引税あるいは債券の利子にかかわる源泉徴収制度、そういったものがあるかと思います。ニューヨークあるいはロンドンで既に日本の国債、JGBの大きなマーケットが立っております。これはやはり取引税がないといった、取引コストが安いということが一つの原因で海外で日本国債のマーケットが大きくなっているという現状があろうかと思います。そんなわけで、考えつくものといたしましては、今申し上げました取引税の問題あるいは債券利子の源泉徴収制度の問題があろうかと思います。
そのほか考えつく技術的な問題といたしましては、証券の決済制度。例えば社債の決済の場合は、我が国では社債の登録制度といいまして、実際に保有する人が自分の名前を登録する。実際にペーパーを出して保有を登録する、ペーパー上の事務上の問題が残っておりますが、欧米の慣行は、帳簿上の間で決済する。帳簿上で名義が変更するといった振替制度が欧米では慣行であると理解いたしております。
そのようなことがいろいろ改善されることによって、東京市場のフェアなマーケットと相まって海外の資金が流入するものと信じております。
飯
飯島忠義#14
○飯島委員 ありがとうございます。
自由化が進む中、シンガポールでも、またアメリカでも大きな事件がございましたけれども、リスクマネジメントや商品開発、とりわけヘッジ商品というか、あるいはデリバティブ、これらの商品開発、また当然のように、それを扱う組織と人というところでいいますと人の問題でございますが、人材育成の観点から何らかの対応が必要ではないかと考えているわけでございます。銀行業界として、もう既にディーラーも含めてそういう為替の専門家がたくさんいらっしゃるわけですけれども、さらに今回のこの改正を前提にどのような対応策をとっていられるのか、あわせて証券業界にもお尋ねをしておきたいと思います。ですから、工藤参考人と米山参考人にお願いをしたいと思います。
この発言だけを見る →自由化が進む中、シンガポールでも、またアメリカでも大きな事件がございましたけれども、リスクマネジメントや商品開発、とりわけヘッジ商品というか、あるいはデリバティブ、これらの商品開発、また当然のように、それを扱う組織と人というところでいいますと人の問題でございますが、人材育成の観点から何らかの対応が必要ではないかと考えているわけでございます。銀行業界として、もう既にディーラーも含めてそういう為替の専門家がたくさんいらっしゃるわけですけれども、さらに今回のこの改正を前提にどのような対応策をとっていられるのか、あわせて証券業界にもお尋ねをしておきたいと思います。ですから、工藤参考人と米山参考人にお願いをしたいと思います。
工
工藤長義#15
○工藤参考人 お答え申し上げます。
外為法改正に始まる一連の自由化の中で、先ほど御指摘ありましたような市場レートの大きな変動、これは恐らく避けられないことでございまして、このリスクの管理を徹底するということがますます重要になっております。特にマーケットのリスクでございますが、このマーケットのリスクをどのように管理するかということは、これに関して最近非常に新しい金融技術が発展いたしております。一言で申せば、リスクを一つの量としてとらえる、定量的にとらえる、こういった統計手法の開発が進んでおりまして、私ども銀行界、日本の銀行でもこの点におきましては欧米の先進行にほぼキャッチアップしたのではないか、このように判断いたしております。
また、リスク管理に当たっては組織対応が重要でございます。リスクを管理する組織を独立の部署としてとらえる、これが肝要でございまして、恐縮ながら、私どもさくら銀行の場合ですと、昨年の九月にリスク統括部というものを設置いたしまして、リスク管理を独立セクションで取り扱わせる、このように組織対応いたしました。
三番目に、先生御指摘のとおり、このリスク管理を行うに当たって最も重要な問題は、人材の育成でございます。特に、最近の複雑多様な金融先端商品、こういったもののリスク管理あるいは商品開発のためには、この人材の育成が今後の競争時代を乗り切るために非常に重要な問題であるという意識を強く持っておる次第でございまして、私どもの場合でも、外部機関への研修派遣、トレーニー制度の充実といったものから始まりまして、さらに野に遺賢なしと申しますか、適材を発掘するための行内の公募制度、また私ども、長い間終身雇用制度、こういったようなことでやってきたわけでございますけれども、それではこれから光とても人材の育成あるいは開発が立ち行かなくなる可能性もございます。したがいまして、年俸制、契約社員あるいは外部からの中途採用、こういったことも含めて人材育成・開発に努力しておる現状にございます。
以上、お答え申し上げました。
この発言だけを見る →外為法改正に始まる一連の自由化の中で、先ほど御指摘ありましたような市場レートの大きな変動、これは恐らく避けられないことでございまして、このリスクの管理を徹底するということがますます重要になっております。特にマーケットのリスクでございますが、このマーケットのリスクをどのように管理するかということは、これに関して最近非常に新しい金融技術が発展いたしております。一言で申せば、リスクを一つの量としてとらえる、定量的にとらえる、こういった統計手法の開発が進んでおりまして、私ども銀行界、日本の銀行でもこの点におきましては欧米の先進行にほぼキャッチアップしたのではないか、このように判断いたしております。
また、リスク管理に当たっては組織対応が重要でございます。リスクを管理する組織を独立の部署としてとらえる、これが肝要でございまして、恐縮ながら、私どもさくら銀行の場合ですと、昨年の九月にリスク統括部というものを設置いたしまして、リスク管理を独立セクションで取り扱わせる、このように組織対応いたしました。
三番目に、先生御指摘のとおり、このリスク管理を行うに当たって最も重要な問題は、人材の育成でございます。特に、最近の複雑多様な金融先端商品、こういったもののリスク管理あるいは商品開発のためには、この人材の育成が今後の競争時代を乗り切るために非常に重要な問題であるという意識を強く持っておる次第でございまして、私どもの場合でも、外部機関への研修派遣、トレーニー制度の充実といったものから始まりまして、さらに野に遺賢なしと申しますか、適材を発掘するための行内の公募制度、また私ども、長い間終身雇用制度、こういったようなことでやってきたわけでございますけれども、それではこれから光とても人材の育成あるいは開発が立ち行かなくなる可能性もございます。したがいまして、年俸制、契約社員あるいは外部からの中途採用、こういったことも含めて人材育成・開発に努力しておる現状にございます。
以上、お答え申し上げました。
米
米山幸治#16
○米山参考人 ただいまのリスク管理あるいは商品開発の件でございますが、この問題につきましては、各社それぞれの取り組み方があるかと思いますので、業界を代弁するというわけでございませんが、当社の場合で申し上げますと、社内に既にリスクマネジメント部あるいは商品開発部あるいは人材開発部、それぞれ独立した部署を設けてございます。特に、リスクマネジメントに関しましては、営業体から完全に独立したリスクマネジメント部として機能をさせております。
今回のビッグバンに対応いたしまして、さらに社内に横断的なプロジェクトチームを設けるなどして対応を急いでおります。今後も一層の充実を図っていく所存でございます。
以上、お答え申し上げます。
この発言だけを見る →今回のビッグバンに対応いたしまして、さらに社内に横断的なプロジェクトチームを設けるなどして対応を急いでおります。今後も一層の充実を図っていく所存でございます。
以上、お答え申し上げます。
飯
飯島忠義#17
○飯島委員 大変申しわけございません。森澤参考人、それから安岡参考人、質問の方は用意してあったんですけれども、また打ち合わせもさせていただいたんですが、時間が参りましたので、以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
この発言だけを見る →額
濱
濱田健一#19
○濱田(健)委員 社会民主党の濱田健一でございます。
四名の参考人の皆様方、お忙しい中大変御苦労さまでございます。
時間がございませんので、早速三つの質問をさせていただきたいというふうに思います。
まず最初に、森澤、米山両参考人に御質問させていただきたいんですが、今回の外為法の改正のポイントは、対外取引、対外決済に関する許可などの事前規制の撤廃という対外取引の自由化と、外国為替業務に着目した規制の撤廃という外国為替業務の自由化という二つの自由化にあると私たちは思います。新しい外為制度に対して各業界ではどの程度まで準備を進めておられるのかまた、どのようなビジネスチャンスの拡大を考えておられるのでしょうかということでございます。外為法の改正の施行までにコンピューターの新システムへの対応等やっていかれるのは結構大変なのではないかなというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
この発言だけを見る →四名の参考人の皆様方、お忙しい中大変御苦労さまでございます。
時間がございませんので、早速三つの質問をさせていただきたいというふうに思います。
まず最初に、森澤、米山両参考人に御質問させていただきたいんですが、今回の外為法の改正のポイントは、対外取引、対外決済に関する許可などの事前規制の撤廃という対外取引の自由化と、外国為替業務に着目した規制の撤廃という外国為替業務の自由化という二つの自由化にあると私たちは思います。新しい外為制度に対して各業界ではどの程度まで準備を進めておられるのかまた、どのようなビジネスチャンスの拡大を考えておられるのでしょうかということでございます。外為法の改正の施行までにコンピューターの新システムへの対応等やっていかれるのは結構大変なのではないかなというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
森
森澤寛二#20
○森澤参考人 森澤でございます。
外為法が改正されました後、我々の対応といたしましては、いろいろな角度からこれを見ることができるわけでございますが、まず最初に対応すべきものは、我々はユーザーの立場としてこの外為法改正というものをどういうふうに受けとめるかということであると思います。
まず、ユーザーの立場でのメリットとしましては、先ほどの意見陳述の中でも申し上げましたが、許可・事前審査つきの届け出が事後報告になるといったことに伴う人的なあるいは時間的なコストの削減ということがございます。
それから、競争が自由になってくるということによりまして、この競争原理が導入されることによって、利用者側としてはこれを利用するコストが安くなってくる、すなわち為替手数料あるいは諸手数料、こういったものが削減されるということでございます。
続いて、我々自身の自社用のシステムの改善ということで、いろいろな資金運用面でのメリットを追求することが可能でございまして、それは、例えば決済の集中勘定の設定いわゆるネッティングの問題、あるいは多目的な海外預金をつくること、あるいは為替の先物予約を集中していってコストを下げるといったこと、それから資金の直接調達をさらに進めていくといったこと、こういったことで自分自身の資金調達、運用面でのメリットをとっていくということがあると思います。
続いて、本業に付随した業務の自由化といったことがございます。これは例えば従来やっておりますプラント輸出一つとりましても、それに付随する決済関係でいろいろな制約があったために自由に動けなかったといったようなこともあったわけでございますが、そういったことが他の国際的な企業と同じレベルでそういった競争に入っていけるようになるといったようなメリットもとれるというふうに思います。
それが第一段階でございますけれども、第二段階としては、これを自社だけではなくてグループ
に広げていく、そして次のステップとしては、これをビジネス化していって内部管理を充実し、管理手法を充実させることによって、第三者にこういったサービスをフィーベースで提供していくといったことが将来の姿としては考えられるというふうに思っております。
御指摘のありましたコンピューターの関係でございますが、これは外国為替管理法の改正に伴って直ちに結びつくというものは特にないと思いますけれども、現在、例えば大蔵省当局と業界の間で調整をさせていただいておりますのは事後報告制の登録、こういったことをいかに合理的なコンピューターシステムでやっていくかといったことについては、現在、事務的に詰めをさせていただいているというふうに承知いたしております。
この発言だけを見る →外為法が改正されました後、我々の対応といたしましては、いろいろな角度からこれを見ることができるわけでございますが、まず最初に対応すべきものは、我々はユーザーの立場としてこの外為法改正というものをどういうふうに受けとめるかということであると思います。
まず、ユーザーの立場でのメリットとしましては、先ほどの意見陳述の中でも申し上げましたが、許可・事前審査つきの届け出が事後報告になるといったことに伴う人的なあるいは時間的なコストの削減ということがございます。
それから、競争が自由になってくるということによりまして、この競争原理が導入されることによって、利用者側としてはこれを利用するコストが安くなってくる、すなわち為替手数料あるいは諸手数料、こういったものが削減されるということでございます。
続いて、我々自身の自社用のシステムの改善ということで、いろいろな資金運用面でのメリットを追求することが可能でございまして、それは、例えば決済の集中勘定の設定いわゆるネッティングの問題、あるいは多目的な海外預金をつくること、あるいは為替の先物予約を集中していってコストを下げるといったこと、それから資金の直接調達をさらに進めていくといったこと、こういったことで自分自身の資金調達、運用面でのメリットをとっていくということがあると思います。
続いて、本業に付随した業務の自由化といったことがございます。これは例えば従来やっておりますプラント輸出一つとりましても、それに付随する決済関係でいろいろな制約があったために自由に動けなかったといったようなこともあったわけでございますが、そういったことが他の国際的な企業と同じレベルでそういった競争に入っていけるようになるといったようなメリットもとれるというふうに思います。
それが第一段階でございますけれども、第二段階としては、これを自社だけではなくてグループ
に広げていく、そして次のステップとしては、これをビジネス化していって内部管理を充実し、管理手法を充実させることによって、第三者にこういったサービスをフィーベースで提供していくといったことが将来の姿としては考えられるというふうに思っております。
御指摘のありましたコンピューターの関係でございますが、これは外国為替管理法の改正に伴って直ちに結びつくというものは特にないと思いますけれども、現在、例えば大蔵省当局と業界の間で調整をさせていただいておりますのは事後報告制の登録、こういったことをいかに合理的なコンピューターシステムでやっていくかといったことについては、現在、事務的に詰めをさせていただいているというふうに承知いたしております。
米
米山幸治#21
○米山参考人 ビッグバンに対応して業界としてどのような準備を進めておるかという御質問につきましては、業界を代弁するわけでございませんが、当社の場合に応じて申し上げますと、現在、私どもは社内に、いろいろなテーマに応じまして、予想される環境変化に対応していろいろなプロジェクトチームをつくって検討、研究を進めております。大事から組織からあるいはコンピューターシステムまで含めまして、あらゆる分野にわたってそれぞれのプロジェクトチームをつくって現在検討を急いでいるところでございます。
それから、新しい外為自由化の中でどういうビジネスチャンスがあるかと申し上げますと、いろいろ幾つもビジネスチャンスはあるかと思いますが、その中で一つだけ申し上げたいと思いますのは、現在千二百兆円という個人の金融資産、この膨大なお金がより取引コストの安いマーケットにあるいは利回りの高い商品に資金シフトが起こっておるわけですが、我々証券会社といたしましては、新しい外貨建ての金融商品を顧客に提供することによって、そういった高い採算性を求める投資家のニーズに応ずる、あるいは投資家の利便性を高めるために外貨建ての新しい金融商品が提供できる、そういった方面が大きな一つのビジネスチャンスであろうかと考えております。
以上、お答え申し上げました。
この発言だけを見る →それから、新しい外為自由化の中でどういうビジネスチャンスがあるかと申し上げますと、いろいろ幾つもビジネスチャンスはあるかと思いますが、その中で一つだけ申し上げたいと思いますのは、現在千二百兆円という個人の金融資産、この膨大なお金がより取引コストの安いマーケットにあるいは利回りの高い商品に資金シフトが起こっておるわけですが、我々証券会社といたしましては、新しい外貨建ての金融商品を顧客に提供することによって、そういった高い採算性を求める投資家のニーズに応ずる、あるいは投資家の利便性を高めるために外貨建ての新しい金融商品が提供できる、そういった方面が大きな一つのビジネスチャンスであろうかと考えております。
以上、お答え申し上げました。
濱
濱田健一#22
○濱田(健)委員 工藤参考人にお尋ねしますが、外為管理の抜本的自由化に伴い、海外取引等を利用した税逃れやマネーロンダリングが横行しないように、きちっとした対応が不可欠であるというのは当然のことです。銀行界が各種報告の義務を負うことは銀行の公共性にかんがみ当然と考えますが、マネーロンダリングや脱税の防止に対する銀行界の体制整備についてどのように考えていらっしゃるのか、お尋ねしたいと思います。
この発言だけを見る →工
工藤長義#23
○工藤参考人 お答え申し上げます。
現在、外為取引におきましては、大蔵省銀行局の通達によりまして、五百万円超の現金取引について、その都度本人確認をいたすこととされております。今回の外為法改正によっても、この扱いには変更ございません。さらに、改正外為法におきましては、十八条によりまして、法律の中に本人確認に関する規定が盛り込まれております。本人確認の法的根拠がより明確になった、このように理解いたしております。
また、税務面についてのお尋ねがございました。税務面での資料情報制度の整備に関しましては、現在大蔵省主税局において検討されておるものと理解いたしております。先生がおっしゃられましたとおり、私ども銀行業務の公共性にかんがみまして、脱税の防止に協力いだすことは当然でございます。ただし、この実施に当たりましては、過度の手続的負担とならざるよう、特に銀行の既存コンピューターシステムを利用した報告などが可能となるよう御配慮をお願いしたい、このように思っておるものでございます。
以上、御回答申し上げました。
この発言だけを見る →現在、外為取引におきましては、大蔵省銀行局の通達によりまして、五百万円超の現金取引について、その都度本人確認をいたすこととされております。今回の外為法改正によっても、この扱いには変更ございません。さらに、改正外為法におきましては、十八条によりまして、法律の中に本人確認に関する規定が盛り込まれております。本人確認の法的根拠がより明確になった、このように理解いたしております。
また、税務面についてのお尋ねがございました。税務面での資料情報制度の整備に関しましては、現在大蔵省主税局において検討されておるものと理解いたしております。先生がおっしゃられましたとおり、私ども銀行業務の公共性にかんがみまして、脱税の防止に協力いだすことは当然でございます。ただし、この実施に当たりましては、過度の手続的負担とならざるよう、特に銀行の既存コンピューターシステムを利用した報告などが可能となるよう御配慮をお願いしたい、このように思っておるものでございます。
以上、御回答申し上げました。
濱
濱田健一#24
○濱田(健)委員 最後に、安岡参考人にお尋ねいたします。
外国銀行の代表の参考人として、今回の改正については金融システム改革のフロントランナーと位置づけられているわけでございますけれども、金融システムの改革を行っていくに当たって最も心がけねばならない点ということをどのように感じていらっしゃいますか。その点をお聞かせ願って、質問を終わりたいと思います。
この発言だけを見る →外国銀行の代表の参考人として、今回の改正については金融システム改革のフロントランナーと位置づけられているわけでございますけれども、金融システムの改革を行っていくに当たって最も心がけねばならない点ということをどのように感じていらっしゃいますか。その点をお聞かせ願って、質問を終わりたいと思います。
安
安岡雅之#25
○安岡参考人 お答えいたします。
最も重要な点と私ども考えますのは、サービス提供者である金融機関、この場合、日本の銀行さん、証券さんということでございますけれども、彼らの競争力の強化、これに尽きるのではないかと思います。このためには、競合各社が横並びではない、得意分野に特化して、差別化を図れるような土壌を行政としてつくり上げるということかと思います。
バンカース・トラストの経験を見ますと、十数年新しいカルチャーが育ってきたと思いますけれども、常に議論いたしますのは、競合他社のやらないことを先駆けてやること、常にイノベーション、改革をやっていくこと、そのような企業文化を奨励しております。さらに、そのような行動を奨励するようなインセンティブ、報酬体系をつくることも必要かと思います。加えて、組織につきましては、いわゆる日本型のピラミッド組織よりも、もっとフラットな組織にした方が効率的になるのではないかと思います。
以上のような環境をそろえますと、競争力のアップにつながるのではないかと思います。
以上です。
この発言だけを見る →最も重要な点と私ども考えますのは、サービス提供者である金融機関、この場合、日本の銀行さん、証券さんということでございますけれども、彼らの競争力の強化、これに尽きるのではないかと思います。このためには、競合各社が横並びではない、得意分野に特化して、差別化を図れるような土壌を行政としてつくり上げるということかと思います。
バンカース・トラストの経験を見ますと、十数年新しいカルチャーが育ってきたと思いますけれども、常に議論いたしますのは、競合他社のやらないことを先駆けてやること、常にイノベーション、改革をやっていくこと、そのような企業文化を奨励しております。さらに、そのような行動を奨励するようなインセンティブ、報酬体系をつくることも必要かと思います。加えて、組織につきましては、いわゆる日本型のピラミッド組織よりも、もっとフラットな組織にした方が効率的になるのではないかと思います。
以上のような環境をそろえますと、競争力のアップにつながるのではないかと思います。
以上です。
濱
額
北
北側一雄#28
○北側委員 新進党の北側一雄でございます。
四人の参考人の皆さん、きょうは大変お忙しい中、ありがとうございます。今、我が大蔵委員会の方でこの外為法の改正法案について審議をしておるわけでございますが、本日の各参考人の御意見につきましては、ぜひこれを今後の審議の重要な参考資料として十分に生かしてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
この外為法の改正につきましては、当然、私どもも時代の要請であるというふうに考えております。ですから、この法改正そのものの方向性については、多くの委員の皆さんも共通しておると思うのですが、そうすべきであると考えております。ただ問題は、この外為法を改正して内外資本取引を自由化し、また外為業務の自由化を進める、そのことによってグローバルスタンダードを実現するんだ、また金融市場の活性化を進めていくんだという方向性はいいのですけれども、先ほど来参考人の御意見からも幾つか出ておるかと思うのですけれども、そのための条件といいますか、環境といいますか、それが果たして十分に整備されているのだろうか、ここに私どもの一番の不安といいますか、疑問があるわけでございます。
人によりましては、論者によりましては、この外為法が改正されることによって、本来金融市場の空洞化を阻止しようというふうなねらいがあるのですが、逆に金融市場の空洞化が進んでしまわないのかという心配をしている方もいらっしゃいます。この点について、こういう視点からぜひいろいろな御意見を聞かせていただきたいわけでございますが、まず、安岡参考人にお聞きをいたします。
安岡参考人のお話の中で非常に興味深い話が幾つかあったのですけれども、バンカース・トラストでは、地域内一極集中というお話をされまして、地域内一極集中で、一つに拠点を置くという方向でやっていますと。それで、この東アジアでしょうか、東アジアというこの地域内では、東京ではなくてシンガポールに拠点を置かれて、東京も端末を置いて処理をしているんだというふうなお話がございました。シンガポールの方はコストが二分の一で済むというような話があったわけでございますが、なぜ東京ではなくてシンガポールに拠点を置くことになったのか、コストが二分の一というふうにおっしゃいましたけれども、具体的にどういう点がこれまでの、制度での違いだと思うのですが、どういう違いがあったのか、できれば具体的にお答え願えればありがたいと思います。
この発言だけを見る →四人の参考人の皆さん、きょうは大変お忙しい中、ありがとうございます。今、我が大蔵委員会の方でこの外為法の改正法案について審議をしておるわけでございますが、本日の各参考人の御意見につきましては、ぜひこれを今後の審議の重要な参考資料として十分に生かしてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
この外為法の改正につきましては、当然、私どもも時代の要請であるというふうに考えております。ですから、この法改正そのものの方向性については、多くの委員の皆さんも共通しておると思うのですが、そうすべきであると考えております。ただ問題は、この外為法を改正して内外資本取引を自由化し、また外為業務の自由化を進める、そのことによってグローバルスタンダードを実現するんだ、また金融市場の活性化を進めていくんだという方向性はいいのですけれども、先ほど来参考人の御意見からも幾つか出ておるかと思うのですけれども、そのための条件といいますか、環境といいますか、それが果たして十分に整備されているのだろうか、ここに私どもの一番の不安といいますか、疑問があるわけでございます。
人によりましては、論者によりましては、この外為法が改正されることによって、本来金融市場の空洞化を阻止しようというふうなねらいがあるのですが、逆に金融市場の空洞化が進んでしまわないのかという心配をしている方もいらっしゃいます。この点について、こういう視点からぜひいろいろな御意見を聞かせていただきたいわけでございますが、まず、安岡参考人にお聞きをいたします。
安岡参考人のお話の中で非常に興味深い話が幾つかあったのですけれども、バンカース・トラストでは、地域内一極集中というお話をされまして、地域内一極集中で、一つに拠点を置くという方向でやっていますと。それで、この東アジアでしょうか、東アジアというこの地域内では、東京ではなくてシンガポールに拠点を置かれて、東京も端末を置いて処理をしているんだというふうなお話がございました。シンガポールの方はコストが二分の一で済むというような話があったわけでございますが、なぜ東京ではなくてシンガポールに拠点を置くことになったのか、コストが二分の一というふうにおっしゃいましたけれども、具体的にどういう点がこれまでの、制度での違いだと思うのですが、どういう違いがあったのか、できれば具体的にお答え願えればありがたいと思います。
安
安岡雅之#29
○安岡参考人 お答えいたします。
先ほど一極集中と申しましたのは、明確にするためにもう一度申し上げますと、外国為替の取引にかかわる事務処理体制の一極集中でありまして、ビジネスそのものをシンガポールに全部集めたということではございません。外国為替の事務処理というのは、大きなコンピューターシステムということになりますけれども、当然どこかに集めて処理する方が安くなるわけでございます。テクノロジーの発展とともに、シンガポールと東京の間の、その結果生ずるデータを送るコストというのは極めて安くなります。したがって、東京に端末を置くだけで、ほとんどの情報が同時に手に入るという状況をつくり出すことができます。したがって、東京に事務処理組織を置く場合とほとんど変わらない営業体制ができる、しかもコストが安いために競争力はつくというのがねらいでございます。
それでは、具体的にどの部分が安くなるのかと申し上げますと、これは人件費、それから土地代、賃借料、この部分が非常に多くなっております。外国為替に代表されることでございますけれども、テクノロジーの発展というのが地域間の距離というものをほとんどなくしてしまっているというのが現状でございます。当然、企業といたしましては競争力をつけるためのコスト削減を図りますので、どこか安いところでプロセスして、その結果だけを東京に持ってくればいい、それを営業の人が使ってお客様に営業活動をするというのが最も効率的という結論になるわけでございます。
以上です。
この発言だけを見る →先ほど一極集中と申しましたのは、明確にするためにもう一度申し上げますと、外国為替の取引にかかわる事務処理体制の一極集中でありまして、ビジネスそのものをシンガポールに全部集めたということではございません。外国為替の事務処理というのは、大きなコンピューターシステムということになりますけれども、当然どこかに集めて処理する方が安くなるわけでございます。テクノロジーの発展とともに、シンガポールと東京の間の、その結果生ずるデータを送るコストというのは極めて安くなります。したがって、東京に端末を置くだけで、ほとんどの情報が同時に手に入るという状況をつくり出すことができます。したがって、東京に事務処理組織を置く場合とほとんど変わらない営業体制ができる、しかもコストが安いために競争力はつくというのがねらいでございます。
それでは、具体的にどの部分が安くなるのかと申し上げますと、これは人件費、それから土地代、賃借料、この部分が非常に多くなっております。外国為替に代表されることでございますけれども、テクノロジーの発展というのが地域間の距離というものをほとんどなくしてしまっているというのが現状でございます。当然、企業といたしましては競争力をつけるためのコスト削減を図りますので、どこか安いところでプロセスして、その結果だけを東京に持ってくればいい、それを営業の人が使ってお客様に営業活動をするというのが最も効率的という結論になるわけでございます。
以上です。