下村博文の発言 (地方行政委員会)
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○下村委員 これからの地方分権の取り組みについてでありますけれども、今までもある意味では、終戦直後は一気呵成に行われたところがあったかと思いますが、例えば明治維新でもある年にすべてが全部一気呵成に改革に取り組んだということでなく、時間的なずれは何年かごとにあったというふうに思います。ただ、歴史という長い目で見れば、ある時期に本当に改革が、維新が進んだということになってくるかというふうに思いますし、この地方分権についても、ある年に一気呵成に全く違う体制ができるというよりは、既に今分権の中ですべき部分あるいは必要な部分についてはどんどん進めていくということが大切ではないかというふうに思うわけでありまして、実は私も地方議員の出身でございます。地方議会からあるいは地方自治の方から見ていくと、これは地方分権推進委員会の勧告にまたなくても今からすぐ着手し、またぜひ分権をしてほしいと思う項目の部分は多々あるわけでございまして、それについてはぜひ自治省としても独自に具体的にすぐ着手をしていただきたい。結果的に見ると、この四年とか五年とか、この二十世紀の世紀末がまさに日本の国家的な改革のときであった、そういう歴史的な位置づけで、ぜひことしからできるものは着手していただきたいというふうに思うわけであります。
その中で、一つ危惧する点は、今お話がありましたように、非常に法律についてしゃくし定規に、厳密にきちっと定義をすることによって、この条件が満たされなければこれは認めないというふうな体質が今まで地方自治体に対してあったのではないかというふうに思うわけであります。
ただ、地方分権というのは、これはある意味では、自治省があるいは国がそれぞれの自治体に対して指導をするということではなくて、それぞれの多様性を認める、あるいは自主性を認めるということも思想としてはあるというふうに思います。
その観点から前回、臨時国会のときに質問をさせていただきました東京における二十三区都区制度の移管の問題がございまして、このときに、自治省としては平成十二年の四月から法実施が行われるようにしていきたい、またそういうふうな指導をしていきたい、こういう答弁をいただいたわけでございまして、これは東京都にしてもあるいは二十三区にしても評価をしていただいております。
ただ、その中で危惧をしている点というのは、そうはいっても、いろいろと条件整備が、今までの前提の中ですべてきちっとクリアすることが難しい部分があるかもしれない。そのときに、法的な解釈の問題の中で、いわゆる大枠としてその方向へ進んでいるのであれば、ある意味では重箱の隅をつつくようなことについてこだわる必要が大局的な見地からあるのだろうか。これから地方分権ということが同時に進む中で、今までの延長線上でそれを定義したり、こだわる必要があるのかどうかということについては、私は危惧する点がございます。
それは、もちろんそういうことがないようにそれぞれ二十三区にしても努力をする、あるいは東京都にしても努力をするということは必要でありますけれども、重箱の隅をつつくような中での考え方ではなく、地方分権という前提の中で、それぞれの自治体の主体性、独自性、多様性、これをどうこれから評価するか、そういう観点から、新しいそういう理念といいますか、そういう見方からぜひ検討していただきたいというふうに思います。これは要望でございます。
そして、今申し上げましたように、この地方分権に向けて、具体的な事例で実は今大変に、ある意味では今の中央集権という体制の中でネックになっている問題が幾つかございます。これについて、具体的にこれからどう取り組んでいただけるかということについてお聞きをしたいと思います。
一つは、中小企業設備近代化資金の貸し付けの問題であります。
これは、中小企業の発展というのが特にこれからの日本経済においては必要なわけでありまして、これに対して各都道府県が国の助成を受け、中小企業における設備購入等資金の二分の一以内を長期無利子で貸し付けているわけであります。具体的には窓口が都道府県であるわけでございますけれども、しかし、国の方でこの貸付金の限度とかあるいは貸付金の対象業種あるいは対象設備等が決まっているために、それぞれの都道府県で工夫をする余地がない。また、それぞれの地域の特性とかあるいはこのように非常に激しい大競争の時代の中での、社会経済環境の変化に対応したタイムリーな貸付制度、それができていないという部分があるわけであります。
こういうことについては、今後まさに地方分権の中で、それぞれの都道府県に任せるというふうなことの方が、より中小企業の活性化、またこういう激しい時代の社会状況の中では適しているのではないかというふうに私は思います。これについての今後のあり方についてお聞きをしたいと思います。